2008年11月16日日曜日

日曜日だったんだな。

    テアトル新宿で、73年東宝増村保造監督『御用牙 かみそり半蔵地獄責め(285)』。
北町奉行所隠密廻り同心伊丹半蔵(勝新太郎)は、相変わらず、北町奉行所一の切れ者としてかみそり半蔵として活躍し、役宅では男の武器を鍛える日々を送っている。ある日自分の姿を見て逃げ出した2人連れを追いかけて、侍の行列に突っ込んだ。行列の主は、勘定奉行大久保山城守(小松方正)。傍若無人な振る舞いに山城守は、剣の達人御子柴重内(黒沢年男)をけしかけるが、引き分けた。
   2人連れの持ち物を調べると若い娘の着物が。追い剥ぎかと問い詰めると、水車小屋に死んでいた娘から盗ったと自供。死体を改めると、堕胎の後、死んだことが分かる。近くを調べると祈祷師の女が堕胎を請け負っており、更に娘は近くの尼寺と関係があるようだ。寺社奉行の管轄だが、お構い無しに乗り込むと、嗜虐趣味のある大店の主人たちを相手にいかがわしい商売をしていることが分かる。さっそく尼僧を攫って、自慢の男の武器で吐かせると、裏に山城守が関わっていることが判明する。
   そんな時に北町奉行と筆頭与力大西から呼び出しがあり、勘定奉行の行列への無礼を咎められ、しかし今江戸で暗躍する極悪非道な浜島正兵衛(佐藤慶)の一味を捕まえろという命が下った。次に金座を狙うという情報を得て、金座を女だてらに取り仕切るりき()を訪ねる。主のりきの寝所の物置で見晴らせろと言い出して驚かす。それどころか、後家の操を守るりきに正兵衛に陵辱されるのかと言ってモノにしてしまう(苦笑)。心の落ち着きを取り戻したりくを山城守が訪ね、小判の改鋳を行い、金の含有率を半分に落とし更に一部を自らの懐に入れよと指示する。勿論押入の中で半蔵は聞いていた。更に筆頭与力大西が現れ、警護をするかわりに袖の下を要求、半蔵に追い返される。
    最後に火盗改めが泊まり込みで警護をすると申し入れ、りくに受け入れるよう指示をした。果たして火盗改めは浜島正兵衛の一味だった。まず、りくを陵辱しようと寝所にやってきた正兵衛が、布団を剥ぐと中には半蔵が。一人一人斬り捨てる半蔵。大勢の捕り方に包囲され、追い詰められた正兵衛は、少女を人質に。半蔵の命と引き換えに解放するとの話に半蔵は棺桶を背負い刀を捨て一味のもとに。しかし卑劣な正兵衛は、少女に襲いかかった。それを見て半蔵は棺桶に仕込んだ武器で一味を倒す。引き立てられていく正兵衛たち。北町奉行と山城守から褒美を取らすとの言葉に、山城守の首だと答える。驚く皆に、山城守の悪行を暴露する。
    フライヤーに「増村監督がイタリア留学中に体験したP・パゾリーニ作品の影響大?」という惹句に惹かれて、ちょっと期待大きすぎてガッカリ。カメラも宮川一夫だし、かっこいいシーンも多いが、パゾリーニの影響云々は、増村保造監督に失礼だろう。巨匠増村保造も晩年にはこんな作品を撮っていたということで・・・。
    阿佐ヶ谷ラピュタで山下耕作監督特集。66年東映京都『続兄弟仁義(286)』。大正時代、上州前崎という町に、梅原利三郎(大木実)が率いる梅原組と岩佐時蔵(小松方正)の岩佐組が対立していた。梅原は河川の護岸工事を請け土建屋に転身しようとしていたが、ある時人夫たちを賭場に誘い工事を妨害したことで争うことになった。助っ人を数百人集めている岩佐組に比べて資金力のない梅原組。そこに浅草の菊水満吉親分の添え状持参で草鞋を脱いだ桜井清次(北島三郎)と、汽車の中で出会い付いて来た小川健太通称鉄砲玉の健(小島慶四郎)。しかし余りの戦力差にすぐ逃げ出す健。梅原と妻せい(宮園純子)は、長吉という子供を育てている。実は、長吉が長次郎おじちゃんと呼ぶ、人斬り長次郎こそが実の父親なのだ。
   話を聞いて単身岩佐組に殴り込む清次。岩佐組代貸の勝又竜吉(里見浩太郎)を傷つけたところで、仲裁にやってきた稲上長次郎(鶴田浩二)に止められ、また、武州の大親分藤ヶ谷初太郎(村田英雄)が岩佐と梅原の喧嘩を買うことでひとまず落ち着いた。傷ついた竜吉を清次が見舞うと、病で寝込んだ父親の借金に健気に働く飲み屋の酌婦きく(小川知子)が必死に看病していた。手打ち式は無事に終わったが、初太郎が梅原に肩入れしているようで面白くない岩佐は、花会をすっぽかして帰り、代貸の竜吉に任せた上に花代も相場の三分の一しか渡さなかった。受付にいた清次は、竜吉の顔を潰さないよう金額を増やして言う。
   しかし、それでも懲りない岩佐は、侠客の筋を説く叔父貴分初太郎がうるさくなり、竜二に斬れと命じた。苦悩しながらも、組を破門して貰い向かう。その頃初太郎、長二郎、清次たちは、南原が堅気になりシマを岩佐に譲る話を纏めた。そこに竜二が現れ、初太郎に切りかかるが、長二郎に斬られた。最期に清次と兄弟分に成りたかったという竜二に堅めの杯をさせてやる初太郎たち。亡骸を清次たちが岩佐組に運ぶと破門した人間の葬式などしないと岩佐は足蹴にする。竜二の弔いを済ますと、長二郎と清次は2人連れ立って岩佐組に向かったのだった。
  主題歌に合わせて歌ってしまう。北島三郎も若い。村田英雄の貫禄が凄い。二人ともちゃんと芝居している。
  69年東映京都『緋牡丹博徒鉄火場列伝(287)』。明治中頃、竜子は徳島の鑑別所まで、矢野組の子分櫓の清吉(高宮敬二)が出所になるので迎えに来た。しかし清吉は病で伏せっている。竜子は看守たちに病院を紹介してくれと頼むが、ヤクザは死んだ方がいいとけんもほろろ。仕方なしに夜の雨の中人力車で移動するが、車夫も持て余し竜子は途方に暮れる。そこに通りかかった運送屋マル興の親分江口幸平(待田京介)と農民たちが、自分の家に連れて行き医者も呼び、とても親切に面倒を見てくれたが清吉は亡くなった。今わの際に小城組との諍いの原因は、緋牡丹のお竜は博徒として一人前の顔をしているが、女としてはカタワだと貶したからだと打ち明けられる。
   農民たちは人情に厚く葬式も出してくれた。竜子は江口に四十九日の法要まで何か働かせてもらえないかと頼むと、元侠客だったらしい江口は、渡世人としてではなければよいと言う。この村では、藍の生産で生計を立てていたが、昨今の米代などの高騰で、江口を通じて小作料の値下げを地主に申し入れ、小作争議が起こっていた。実は江口は徳政一家の二代目だったが、ある不始末で跡目を竹井勇吉(名和宏)に継いでいた。阿波踊りを控えており、そこで恒例の大名盆を開くには、地主衆たちの参加が必要なため、小作争議を止めさせるように勇吉は四国の顔役の道明寺親分(河津清三郎)から強く言われていた。
   竹井と兄弟の杯を交わしていた鳴門川(天津敏)は徳島の色街をシマとしていたが、非情で狡猾な男。ある時、マル興にイチャモンを付けに来た時、江口と竜子を助けたのはお加代という子供連れの渡世人江藤三治(鶴田浩二)通称、仏壇の三治。彼はかって渡世の義理で斬った地蔵安の子供を母親に会わすために旅をしていたのだ。しかし、ある遊郭で、うめは一年前に亡くなっていた。江口は、三治にお加代を預かる代わりに三代目の面倒を見てやってくれと頭を下げる。
   竜子が世話になった百姓茂作(中村錦司)の娘花恵(榊浩子) が、兄猪之吉(五十嵐義弘)の借金のカタに鳴門川一家に連れて行かれた。花恵は徳政一家の仙吉(里見浩太郎)の許嫁だった。三百円の証文に鳴門川一家の賭場で稼いだ金で花恵を取り戻したが、江口からは侠客としての面を出さない約束だったから出て行ってくれと言われる。承諾したすぐ後に、鳴門川一家の者に江口は刺される。
 更に仙吉は鳴門川に竜子を斬れと言われ、断ったため命を落とした。その亡骸を受け取りに徳政一家に乗り込む。あわやの所で三治が博徒なら盆で決めろと言い、竜子と三治が対戦し、竜子が勝つが、実は三治はワザと負けたのだ。見破った三代目に博徒は義のために身体をはるものじゃないかと三次は説く。三代目は、江口に頭を下げ、これからは百姓のために動くと約束した。
  しかし、道明寺から三代目を斬って、徳政の跡目を継げと唆された鳴門川は、三代目を待ち伏せて惨殺する。その頃、竜子は道後の熊虎を訪ね、熊虎の兄弟分である道明寺とのとりなしを頼んでいた。三治は、鳴門川を斬りに行くが、多勢に無勢、逆に斬られる。しかし、そこを取り成したのは小城英三郎(丹波哲郎)。彼は、道明寺と鳴門川の二人のあまりの汚さに怒っていた。阿波踊りの夜、竜子は、勇吉の墓の前で刀を持つ江口に、三次、千吉、勇吉、三人が死んだのは、江口のためだと言い、
殴り込みを思い留まらせる。そして、阿波踊りの列にいる鳴門川に拳銃を突きつけ、人気のない場所に連れて行く。
  熊虎が、道明寺一家で暴れている一方、竜子は、鳴門川一家と闘っていた。小城が現れ、鳴門川に男なら竜子と1対1で勝負しろという。鳴門川を倒す竜子。小城は、後始末は自分がやるので去れと言うのだった。
  シリーズ第5作。鬼虎一家の不死身の富士松の待田京介が、お竜の相手役。鬼虎親分と絡むわけではないが、まあ、プログラムピクチャーには、こうした例はいくらでもあるが、不死身の富士松ファンとしては、少し微妙である。まして、君香の三島ゆり子が、妹役なんて・・・。しかし、お竜の、スローモーションを多用した鳴門川との殺陣、軽やかで、かっこいいなあ。

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