2008年10月18日土曜日

京都慕情

    久し振りの京都、何だか小学生の遠足みたいなもので、早く目が覚めてしまったので7時前に家を出て、午前中に京都。いい天気で暖かい。紅葉はもう少しだなあ。名目上は仕事探しも兼ねているが、どうもパンツのゴムのび太くんに。
   太秦の東映の映画村で、戦国祭が開催中。全国からコスプレイヤーが結集している。凄い数だ。しかし、戦国武将の甲冑姿や、新撰組、坂本竜馬などのリアル組と、和装なのか裸なのか判らないアニメやゲームのキャラクターの女の子達が普通に共存しているのが面白い。コスプレイヤーの聖地になるといいなあ。世界コスプレサミット開けるといいのだが。『メタル侍』の特別上映。メインキャストの三人が衣装を着て舞台挨拶も。ハワイ国際映画祭から戻ったばかりのプロデューサーや監督たちは、現地でスタンディング・オベーションを受ける程盛り上がったみたいでみんなご機嫌だ。よかった、よかった。辞めなきゃ良かった(笑)。まあ残っていても、ハワイ出張できなかったと思うが。
 監督、プロデューサーたちと、京都のおばんさい屋、わらじ亭。京都のスタッフより東京組は大喜び。

2008年10月17日金曜日

パコの不思議な絵本、おくりびと、ボクらのミライに逆回転、地球でたったふたり、二重心臓。うーむ。

   今日は見逃していた映画を一気に片付ける。
   まず、渋谷シアターTSUTAYAで『二重心臓(200)』。夢野久作原作。うーん。役者は随分とちゃんとした人たちが出演。温水洋一、斉藤洋介、東京乾電池の綾田俊樹、松田洋二、江口のり子・・・。ただ、やっぱり夢野久作の映像化難しいな。映像的で魅力的なだけに手掛けたい気はわかるけど、どうも夢野世界の迷宮から逃れられないのかもしれない。日活のロマンボルノでの小沼勝監督いどあきお脚本の『少女地獄(火星の女)』など大好きな実写もあるのだ、もっと思い切って翻案してしまえばいいのに。
    新宿に出てバルト9で『パコと魔法の絵本(201)』。いや、同じ50歳の中島哲也監督素晴らしい。中島真也さんと時々ごっちゃになってしまうが、悪夢にうなされたディズニーみたいな世界感、一目観るなり分かる監督は少ない。脇役全て良かったが、小池栄子頑張っていた。勿論、アヤカ・ウィルソン最高。あんな娘が自分にいたら、働かないストーカー父親だったろう。
    K's CINEMAで『地球でたったふたり(202)』。子供を虐待し働かない半端な父親と、16で娘を産み、男にだらしない母親の連れ子同士で9歳と7歳で出会った姉妹。自分のことしか考えない親たちに、居場所がない血の繋がらない姉妹は、中学の時に家を出る。所持金もなくなり、途方にくれた姉は援交を迫る男の鞄を奪って逃げるが、男は新宿の組織の会計士で、鞄には裏帳簿が入っていた。2人を追う組織、妹は高熱を出し間一髪の所を助けたのは、組織の一員だが、若い二代目に疎まれている中年のヤクザだった。子捨てというテーマとプロットも悪くはないと思うが、ちょっとダレる。刑事たちが、必ず腕章つけてるとか、姉妹が余りに簡単にピストルズ撃てたり突っ込みたくなるところは別にして、中盤もうちょっとテンポ上げて沖縄に繋いだ方が余韻残ったのでは。
    バルト9に戻って待望の『ボクらのミライに逆回転(203)』パチモンの映画のコメディだが、だんだんみんなが映画を作る楽しさに目覚めて、最期に街中の人間でファッツ・ワァラーの映画を作るあたり良かった。ダニー・グローバー出てても『リーサル・ウェポン』なかったり、『ローズマリーの赤ちゃん』『オーメン』のミア・ファーローが『キャリー』の豚の血浴びたり、確かに『ゴーストバスターズ』出てたシガニー・ウィーバーだけど『エイリアン』なかったりと映画トリビアも(笑)。メロニー・ディアス良かった。
   有楽町ピカデリーで実籾の歌姫と夫婦50歳割引きで『おくりびと(204)』。滝田洋二郎監督やっぱりいいなあ。本木、広末予想以上に 良かった。山崎努渋いのは勿論だが、食欲に訴える役者だなあ。余貴美子、笹野高史、杉本哲太、死人役だが峰岸徹・・・皆バランス取れて最高。死人役の役者さん大変だな。実籾の歌姫とトラジで焼き肉食べる。美味い!!困ったことに・・・。

2008年10月16日木曜日

久松静児監督、本日リスペクト。

  大門の歯科。 来月はようやく仮歯から本歯に。ただ保険適用でいいですね、と再確認され頷く。
   神保町シアターで56年東京映画久松静児監督『女囚と共に(199)』。女子刑務所の職員たちと受刑者たちの話。所長は田中絹代、保安課長に原節子、所員側に、十朱久雄、上田吉二郎、菅井きん(若い!)。受刑者側は、夫に裏切られ、子供を殺して焼死しようとしたことを殺人放火の罪に問われ収監された著名な法律家の娘だが、原節子に反発する問題児の久我美子と、満州からの引き揚げで両親を無くし開拓団の知り合いの夫婦に引き取られたが、妻が亡くなった途端豹変し襲いかかった男を殺した娘香川京子の二人が美しくメインだが、幼子を抱いて収監され、子供が死んだことで自殺する岡田茉莉子、子供と別れて暮らすことを余儀なくされて苦悩する小暮実千代、久我美子に恋し嫉妬のあまり、仮出所した後に原節子を刺してしまうヒロポン中毒の女淡路恵子、ちょっと一本ネジが抜けたヌードダンサーの谷洋子、恋人の面会を待ちながら闘病、結局獄死する安西郷子、仮釈放され保険の外交員になる前向きで社交的な女だが前科者と密告されて結局失業し、最後に刑務所に帰ってくる中北千枝子、妊婦で何事も調子のいい詐欺師千石規子、刑務所に出たり入ったり10回の関西弁の女掏摸浪花千栄子などオールスターで盛り沢山だが、それぞれキャラクターがはっきりと立っていて、バランスがとれている。文部省、東京都教育委員会、全国PTA協議会他の推薦で、本来、非常に社会啓蒙的で説教くさい目的で制作された映画の筈で、事実そういうシーンもあるのだが、完璧にエンターテイメントとして成立している。原節子が刺された話が受刑者の間を広がっていき、所内が収拾がつかなくなっていく過程、群像劇として素晴らしい!久松監督侮れないなー。駅前シリーズとかの多作な監督のイメージしかなく、自分の不見識を反省。日活で撮った作品の美術は木村威夫さんが担当しているし、この機会にもっとちゃんと見ようと思う。
   神保町から秋葉原まで歩いて、UDXビルで開催されているコ・フェスタの一環のJAM(ジャパン・アニメコラボ・マーケット)、中村伊知哉さんがモデレーターを務めるシンポジウム『ジャパンクールから、世界のデザイン、ものづくりへ』。女子高生の携帯、プリクラ、デコリなどのカワイイ文化についてブームブランニングの中村泰子さん、ゲルマン的なものの対極にある日本の非合理的モノ作り(デコトラ、オバチャンデコリ、痛車・・・。)についてアーサー・D・リトルジャパンの川口盛之助さん、「オタク・ジャポニカ」を書いたフランス人エチエンヌ・バタールさんらがパネラー。バタールさんの「欧米のアニメ、漫画に比べて日本のものは、タブーがない部分が魅力的。親や教師が反対するものを見たい」という発言、性や暴力に対して日本は寛容だからなあ。ある意味、日本人の無宗教と緩い道徳観が、クールジャパンを作った。女子高生による商品企画の話も良かったなあ、みさかやバームクーヘン・ラブリング。九州限定なのが気になる。また、徳川幕府を作った家康がものづくりの団塊世代、貴族的な家光が自由に携帯、インターネットを使いこなす女子高生や団塊ジュニア。二代将軍秀忠が、30~40代のオタク世代。自分たちが上手くやれれば、徳川300年政権が成立するという川口さんの妄想力(笑)。クールジャパンの熱い話で時間オーバーしたが抜ける気は起きなかった。
   で、本当は続いて新宿バルト9で『ボクらのミライは逆回転』観るつもりが、間に合わなくなる。なかなか観られない(苦笑)。西荻に戻り買い物をして博華で餃子とビール。帰宅して『七瀬ふたたび』

2008年10月15日水曜日

日米、今昔、腹をくくった女子には、所詮勝てない。

   阿佐ヶ谷ラピュタで64年松竹大船前田陽一監督『にっぽんぱらだいす(197)』。敗戦から昭和33年売春防止法施行日迄の赤線桜原(吉原?)が舞台。光子(香山美子)は、孤児だったが、女郎屋の主人(加藤大介)に育てられた。敗戦で木こりから材木王になった成り上がり紀伊国屋(益田喜頓)に水揚げされ、その後妾になるが、赤線に戻ってくる。赤線最後の夜、事業に失敗して山に帰る紀伊国屋が光子を訪ねてくる。占領軍への慰安施設で光子を守り、その後女郎の組合のリーダーになるハルミ(ホキ徳田)や、赤線取材のため潜り込んだ女子大生(加賀まりこ)ら女たちの明るい逞しさが眩しい。対照的に、成金の紀伊國屋や、父親の商売を毛嫌いしながら、結局店を継いで、女を更正させるためと言いながら大儲けしてトルコ風呂に商売替えする息子(長門裕之)や、光子に大人にしてもらい結婚を申し込みながら、結局最終日に光子に相手されず他の女を選ぶ大学生(勝呂誉)ら、本音と建前が見え隠れする男たち。女たちは、生きることに、はるかに正直である。最後によい条件先を自分たちで決めて出て行く女たちのトラックの行列が描かれるので見終わった印象は爽快だが、前夜赤線最期に客と女達が一緒に蛍の光を合唱する光景は多分に感傷的だ。まあ、自分も聖人君子では全くないので偉そうなことは言えないが(苦笑)。ただ赤線で育った篭の鳥であるヒロインが、赤線と共に自ら命の灯を消すのは切なすぎる。他の女は「バカヤロー」とか叫びながらトラックの荷台に乗って赤線を去るのに、彼女は霊柩車に納められて運び出されるのだ。
   映画観ても時間あるが、検査で食事出来ないので、渋谷に出て散髪。溜池山王で糖尿病の経過観察。遅い昼ご飯を食べ渋谷紀伊國屋で時代小説漁っていると声を掛けてくる人がJというバンドをデビューさせた時の社長のIさん。会社を辞めたばかりの頃に挨拶に行って以来ご無沙汰で恐縮。来週電話して遊びに行きますと答えて、
   渋谷シアターNで『ゾンビストリッパーズ(198)』。エロゾンビというかゾンビポルノというか、予告編見てからずっと気になっていた。まあ単なる馬鹿映画。意外だったのは、邦題が原題のままなのと、多分ジェナ・ジェイムスン(アメリカの現セックスシンボルらしい。いわゆるアダルトジャンルNO.1)の出演とタイトルを思い付いただけで作ったらしいこと。エログロへの思いだけでSPEというメジャー配給で一本撮ったことは素晴らしい。突っ込みたいところも含め楽しんだ。
  夜は元会社同期で今は出版社の役員をしている友人と久しぶりに飲む。一軒目は渋谷では長い店だが、Iが入ったことがないというので玉久に。続いて道玄坂を登って、元映画業界のBさんがやっているバー。調子に乗って酔っ払っているて、以前Bさんと一緒の会社にいたMさんが偶然隣に。Mさんの会社のKJという雑誌を、偶然今日買っていたので自慢する。

2008年10月14日火曜日

50年長いような短いようなというか、たいした価値のない長さかもしれない。

  朝、久しぶりに惣菜三品。ひじき炒め煮、南瓜、きんぴら。独身美人OLにお裾分けし、昼ご飯を元同僚と。
  渋谷ユーロスペースで『おろち(194)』20名位いる客自分以外ほとんど見事に女性だった。レディースデイでもないし、ジャパニーズ・ホラー?楳図かずお?木村佳乃?山本太郎ではないだろう(笑)。誰かがおろちの髪の毛の色についてブログに書いていたが、別にあくまで原作に忠実に楳図ワールドの再現である必要はないと思うが、何だか全体に世界感が無いというか、昭和25年と、その20年後という設定を考えると、美術手抜きもいいところだと思う。アンティークの小道具並べたからといって、50年以上前の世界や空気が出る訳ではないし、何だか古そうなモノ沢山集めて並べてみましたという感じ。劇中の映画だって、あれじゃ戦前の映画、もっと酷い言い方すればカメラテストだろー!結局、スクリーンの情報量は、圧倒的にテレビモニターより大きい分、やっぱりVシネ作っちまったのか、なっちまったのか。木村佳乃中越典子谷村美月、それぞれ全力投球で熱演していただけに、テレビモニターで見るとなかなか悪くないのかもしれない。別に揶揄する訳ではなく、つかこうへいの芝居のように、彼女たちが振り切って演技していただけに、もったいなかったなあ。Vシネ極妻か?! 自分と同世代の監督と脚本家は、何を作りたかったんだろうか。あるいは、製作委員会は、何を作りたかったんだろうか。
  新宿バルト9で『アメリカン・ティーン(195)』インディアナ州のワルシャワという街のフツーの高校の三年生何人かの卒業までの一年間のドキュメンタリー。アメリカの高校生は、なんてイメージ通りで、ステレオタイプな青春なんだ。しかし、こんなもんなのかも知れない。自分だけ特別に何かあると思っていたり、自分にだけ何もないと悩んだりしていても、実は他人とたいして変わらない人生だと、50年掛けてようやく自分は気づいた。そういう意味で、自分の中で、もの凄く美化されている高校時代も、日本中どこにもある、ありふれた青春だったんだろう(苦笑)。
   阿佐ヶ谷ラピュタで56年東宝鈴木英夫監督『彼奴を逃すな(196)』ラジオ修理と洋裁で小さいが幸福な家庭を築いている若い夫婦(木村功、津島恵子)。夫は向かいの不動産屋の殺人事件の犯人を目撃してしまうが脅迫状も投げ込まれ、報復を怖れ彼らは届け出る事を思いとどまる。ベテラン刑事(志村喬)は、彼らを説得しようとするが、アパートの向かいに住むタクシーの運転手まで射殺され、彼らの恐怖は更に高まる。サスペンスとしてとてもよく出来ている話だし、当時の庶民のとても小さな幸福は、少しきれいな思い出のラッピングをされている『ALWAYS 三丁目の夕日』よりもリアルなんだろう。ただその分、今の感覚で見ているとあまりにも牧歌的で、平和過ぎて、何だか滑稽にさえ思えてしまう。その違和感こそが、50年経って日本が失ったものなんだろうな。56年『彼奴を逃すな』⇒08年『おろち』。アメリカ保守の幸福感『アメリカン・ティーン』⇒かっての日本人の幸福感『彼奴を逃すな』。何だか脈絡もなく選んだ三本の映画が、色々なことを考えさせる一日になった。

2008年10月13日月曜日

やっぱり鼻筋が気になって、見かける人見かける人鼻筋チェック。

    せっかく昨日『宿命』観たので、今日はシネマート六本木で韓流三昧。『ハビネス』『最高のパートナー』『ビューティフル・サンデー』。
  『八月のクリスマス』のホ・ジノ監督『ハビネス(191)』ソウルで失敗し、肝硬変にもなり田舎の療養所にやって来る主人公。そこで肺を半分以上切除しながら健気に生きる娘に出会う。次第に、自然と周囲の人々の素朴さに癒される彼は、娘と結ばれる。しかし身体が治ると、ゆっくりと何も変化のない彼女との生活に飽き始めるのだった。ヒロインのイム・スジョンかわいい!韓国のボブ・ディランみたいな人のテーマ曲、聞いたことあるようなサビだけどいい。でも長い。主人公と同じように変わらない毎日に飽き、ちょっとずつ寝る。何だか韓国人の国民性なのか、演出なのか、感情過多で泣いたりわめいたり。昨日の『宿命』は、みんな怒りっぱなしだった。
  『最高のパートナー(192)』は、汚職警官である父が母の死の原因であったと恨み監査部で汚職警官を暴く道を選んだ息子が、組織の上層部も巻き込んだ事件捜査で釜山署に派遣される。そこの班長は二度と会わないと思っていた父親だった。まあ、もう少しストーリー整理して短くした方がいいと思うが、昨日の『宿命』に比べたらまだ、内部の情報提供者は誰なのかとか、追跡する謎の女ユリの正体はとか、サスペンスとして成立している。主人公は、多分『オオカミの誘惑』に出ていたチョ・ハンソン、父親役は『シルミド』とかに出ていたアン・ソンギ。逆かもしれない(笑)
    続けて『ビューティフル・サンデー(193)』。強盗によって植物人間になった妻の治療費のために麻薬取引の検挙現場で麻薬を誤魔化して対抗組織に横流しした刑事は、服役後の組織のボスから上がりを返すよう脅迫と報復を執拗に受ける。一方、片思いの女性に声をかけるつもりが、ふとした弾みで強姦してしまう若者、その後彼は彼女と何食わぬ顔で付き合い結婚し、妊娠。ただふとしたきっかけで彼女は、自分の夫がかっての暴漢ではないかと疑いを持ってしまう。そんな人間としてどうかと思う自業自得な自分の行動によって、追い詰められた二人の男が、日曜夜の警察で対峙するが、真相は。という力作だが、ちょっと力入りすぎたんじゃないのか。あまりに、前半中盤の展開が盛り沢山過ぎで、追い詰められた二人が出会ってからのやりとりでは、既に観ている方も疲れ切っている。最後のせっかくの回想シーンも、コース料理で、気分的に帰り支度始めた頃に出てきたデザートみたいだ。役者も、力み過ぎな位頑張っていて、少しもったいない。韓国美人の顔が、段々区別つくようになって、ヒロインは、結構評価大。しかし、今日も男優女優たちの鼻筋のカンペキさが、気になって気になってしょうがないのであった。 照明を当てると、鼻筋は完璧な左右対称。
    もう一本気になった映画あったが、そのままレイトショーまで居続けることになりそうなので、地元で買い物して、インド美少女料理で、タンドリチキンとビール。

2008年10月12日日曜日

韓国の俳優の鼻は、皆同じで区別がつかない。

  同居人と昼ご飯を地元のイタ飯でパスタとグラスワイン白2杯。
  渋谷イメージフォーラムシアターで『女工哀歌(エレジー)(189)』。昨日の『フツーの仕事がしたい』に続いてワーキングプア・ドキュメンタリー。中国のジーンズ縫製工場で働く少女たちの話。アメリカ式グローバル化で世界の工場となった中国でのフィクションのようなドキュメンタリー。縫製工場の社長が、地元の元警察署長という笑い話。労働者を搾取する資本家たちが支える中国共産党。どうもその違和感が拭えない自分は前時代の感覚の人間なんだろう。彼女たちの1$にもならない日当が、我々の“豊かな生活”を支えている現実。『フツーの仕事』のドライバーの命も、同様に引き換えにして。ウェットにならず、自分でも変えていくことを本気で考えなくては。
  そんなことを考えつつも、新宿バルト9で独身美人OLと『ボクらのミライに逆回転』を観てガス抜きしようと思ったら、罰が当たって売り切れ(苦笑)、代わりにシネマート新宿で、韓流の二大スター、クォン・サンウ&ソン・スンフォン競演の『宿命(190)』。トンデモ映画だった(笑)。不良少年達が這い上がろうとダークな世界で裏切り合う。ただ所詮彼らに与えられた運命は変えられないというフィルム・ノアールを目指しつつ、ただ頭の悪い乱暴者はみんな死んじゃいましたとさ、おしまい。という薄っぺらい二時間。思いつきのような伏線は全てフィルムの無駄になって悲しい。日本語版のオープニングテーマがGLAYで、イメージソングかと思ったら、本篇のオープニングだけで飽き足らず、中盤のカーアクションシーンでも全開に。日本語版音楽という日本語のクレジットしかないので、曲が流れる部分は、編集しなおしたんだろう。EMIジャパン、GLAYは、あのタイアップに満足したのか?
 なんだか、独身美人OLとの映画デートは、突込み処満載ものを呼んでしまうらしい(苦笑)。久しぶりの新宿鼎で、ありゃおかしい?!と言いながら食事してもネタは尽きず、結局中央線の中でも、そんな話で終始。