2012年12月12日水曜日

『北のカナリアたち』は音楽映画だ。

  渋谷TOEIで、阪本順治監督『北のカナリアたち(?)』
 
  公立図書館の書架に本を戻している川島はな(吉永小百合)の姿がある。館長?(塩見三省)が「お手伝いしましょうか」と声を掛ける。「いえ、大丈夫です。」「川島さんは、今日まででしたね。お疲れさまでした。」はなは今日で定年を迎えたのだ。「どうされるのですか?故郷の北海道にお帰りになるのですが?」「えっ?」北海道の記憶を封印して生きて来たはなの不審げな表情に、「いえ、確か、そんな話を以前お聞きしたような気がしたものですから」「気ままな一人暮らしなので、温泉にでも行って、ゆっくりしようかと思います」「それはいいですね。」

  はなのアパートのチャイムがなる。「はい?」「神奈川県警の○○です」はなが戸を開けると二人の刑事が立っていた。年配の方の刑事(石橋蓮司)「川島はなさんですよね。鈴木信人という男をご存知ですよね」「 ? 」すぐには心当たりのなさそうなはなに、強引に上がって、写真を見せる刑事。少し経って、「ああ、面影があります」「あなたが、北海道の分校で先生をしていた時の生徒ですね。鈴木から連絡はありませんでしたか?」「はあ・・・信ちゃんがどうしたんでしょう?」「人を殺して、逃走しているんです」「えっ、そんなことをするような子とは、信じられません。」「鈴木の部屋に、あなたの連絡先を書いたメモが残されていたんです」「もう長い間・・・」刑事は、部屋にスーツケースと草津温泉のガイドブックがあるのに気が付いて、「草津温泉にご旅行ですか?草津はいいですねえ。もし、鈴木信人から連絡があったら。こちらに」名刺を置いていく刑事。