今日は、朝から非常勤講師をしている専門学校の卒業式。初めて教えた学生たちへの、罪滅ぼしのつもりで出席。開式の時間を確認しようと手帳を確認しようとすると無い。焦って電話をすると、六本木アークヒルズで見つかる。卒業式終わりで取りに行くと告げて、九段会館に。講師陣は壇上で着席。
残念ながら、自分の教え子に、表彰されるような優秀な学生はおらず、しかし我々の仕事はそれだけじゃないと、少し誇らしく思う(苦笑)。屈折した考え方だが・・・。
自分の頃とは違って、こんな時代社会に出るのは大変だろうが、まずは何とか生き残れと思う。
六本木一丁目に出て、アークヒルズ防災センターで手帳ピックアップし、外苑前の粥屋喜々に顔出し、トムヤムクン粥を食べると汗だくに(笑苦)。
神楽坂での講師の大先輩方の飲み会に合流。久しぶりに一番の若造で嬉しい。出版、広告、写真など錚々たる先輩方。久しぶりに一番の若造で、嬉しい。その後、代々木で行われている謝恩会に顔を出す。一人、留年が決まった2年がいる。4月からもお願いしますと言われ複雑だ(苦笑)
途中、懸案事項に関するメール入り、その返信もしなければならず、明るいうちに帰宅し、PCに向かう。
2010年3月12日金曜日
2010年3月11日木曜日
溜池から麹町まで歩く。歩くことは全く苦にならないが、花粉が・・・。
六本木一丁目で一件打合せ。徒歩で四谷まで歩き、ハナマサで週末の高校の後輩が石垣島から上京する歓迎飲み会と来週末の自宅居酒屋の仕入れ。満員電車で帰宅。しまった、時間帯を考えれば良かった。
覚醒剤やめますか?人間失格しますか?
午前中は、旗の台の事務所に行き、昨日の問題の対応策を相談。問題点を整理してもらい安心し、各所、連絡をした上で、
角川シネマ新宿で、荒戸源次郎監督『人間失格(66)』
蓄音機の上のレコードに針を落とす。アベマリアが流れ始める。マダムの律子(大楠道代)葡萄酒を飲み葉巻を吸う。カウンターにうっぷして眠っている大庭葉蔵(生田斗真)。カウンターには子供たちの記念撮影の写真が置かれている。
紋付き袴姿の子供時代の葉蔵(岡山智樹)を中心に、同じ位の女の子ばかりが振袖姿で取り囲んでいる。記念撮影の風景。撮影が終わると少女たちが争うように葉蔵にプレゼントを渡す。執事の通称“平目”渋田(石橋蓮司)が「葉蔵おぼっちゃま、お誕生日おめでとうございます。今日は特別に平目が旦那様に、馬車に乗ってもよいとお許しをいただきましたよ」と声を掛ける。一乃家というプレートの付いた豪華な馬車に乗り込む葉蔵。邸内を進み洋館の前に馬車が止まる。沢山の使用人が「お誕生日おめでとうございまし」と言って頭を下げる。洋館の階段には、見事な鎧甲が飾られている。
葉蔵の部屋、机に俯いている葉蔵。顔を上げると、机に唇が彫られている。自分で彫った唇にキスをしていたのだ。赤いインクを垂らす。真っ赤に染まった机の唇。突然、彫刻刀を取り、えぐり始める。どこからか祭り囃子が聞こえている。ねぶた、巨大な地獄絵、ヒバの御神木を見上げている葉蔵。「生まれて、すみません」
タイトル【人間失格】
津軽岩木山、季節が変わって行く。夏の旧制中学の校庭では、体操の授業が行われている。次々と跳び箱を飛ぶ学生たち。教師「次!!大庭!!」葉蔵走って来て飛ぶが、バランスを崩し、後ろに倒れて跳び箱に頭を打つ。「痛てえ!」級友たち笑う。笑いながら教師「このクラスは大庭を以外は文武両道なんだがなあ」竹一(柄本佑)が一人近づいて来て葉蔵に耳打ちする。「ワザ、ワザ、ワザとだべ」表情が固まる葉蔵。
葉蔵が帰宅すると、自分の部屋に竹一がいて、菓子を食っている。「お前どうやって入った!?」「葉蔵くんの親友だと言ったら、案内してくれて、菓子までくれた。高級な菓子だべ」「まだ、親友になってないだろ」「堅いことを言うな」葉蔵の二階の部屋から、庭を見下ろすと、美しい女(馬渕英俚可)がいる。竹一「きれいなおなごだな」「姉サ。従姉なんだ」ある夜、女が泣きながら葉蔵の部屋に入って来る。「葉ちゃんは私の味方よね。この家から一緒に連れて逃げて・・・」しがみついて泣く女。竹一「もうやったのか?」
うーむ。角川書店が製作委員会に入っていて、東映京都撮影所が撮影協力、恩も義理も山ほどあって貶しずらい(苦笑)。荒戸源次郎らしかったのは、三田佳子の登場以降の最後の30分だけだ。それでも、濃い女優陣あれだけ使っているのに、色気なくて勿体無さ過ぎだ。別に裸を出せというのではなく、もっとエロい空気作れたんじゃないのか。特に「とんだそら豆」石原さとみ、ありゃ詐欺だ(苦笑)。監督の演出なのか、カメラマンの問題なのか、役者の技量なのか、最近の邦画に共通して、スクリーンに空気とか匂いが感じられない。その後、アルモドバルだったので、尚更だ。館内は、女子高生からアラフォーまで女性8割に、中高年の男。
新宿ピカデリーで、ペドロ・アルモドバル監督『抱擁のかけら(67)』
ファインダー越しの映画撮影のメイキング映像のようだ。スタンドインのジュディット・ガルシア(ブランカ・ポルティージョ)が主演女優のレナ(ペネロペ・クルス)に代わる。
2008年マドリッド、脚本家ハリー・ケイン(ルイス・オマール)の部屋、「エルネストマルテルが亡くなったわ」「エルネスト?」「大富豪のエルネストよ」若く美しい女が、新聞を片手に「どの記事を読む?政治?経済?文化面?」向かいに座っているハリーは盲目だ。「いや、君のことを話してくれ」「私のこと?」「身体のサイズは?」「90-60-90よ・・・」「髪は?」「色はブロンドで、ストレートで長い髪・・・、瞳はグリーン、でも夏はブルーになるわ・・・。パープルのタンクトップに、ジーンズ・・・」「靴はハイヒール?」「ええ・・」
ハリー、女に近付いて、「確かめていい?」女の髪に触れ「ブロンドの長くストレートな髪・・、グリーンで、夏にはブルーに変わる瞳・・・。唇は・・・」一つ一つ確かめるように触れ、キスをする。そのまま、ソファーで激しいSEXに雪崩込む(苦笑)
「バスを使っていい?」女がシャワーを使いにバスルームに行くと、ドアチャイムが鳴る。スボンを穿いてドアを開けると、ジュディットだ。彼女は、ハリーのエージェントとなっていた。情事の跡に眉をしかめる彼女に、「車を横断する時に、手を引いてくれたので、部屋に誘ったんだ」と説明し、シャツを取ってもらうハリー。「危険だわ」
映画監督マテオ・ブランコ、14年前失明ジュディットの息子ディエゴ(タマル・ノパス)ライX、エルネストJr(ルベーン・オチャンディーノ)1994年実業家エルネスト・マルテル(ホセ・ルイス・ゴメス)の愛人レナ(ペネロペ・クルス)コメディ映画「謎の鞄と女たち」(≒「神経衰弱ぎりぎりの女たち」)カナリア諸島ランサロテ島53年ロベルト・ロッセリーニ「イタリア旅行」 イングリッド・バーグマン
六本木に出て二軒。酔った。
角川シネマ新宿で、荒戸源次郎監督『人間失格(66)』
蓄音機の上のレコードに針を落とす。アベマリアが流れ始める。マダムの律子(大楠道代)葡萄酒を飲み葉巻を吸う。カウンターにうっぷして眠っている大庭葉蔵(生田斗真)。カウンターには子供たちの記念撮影の写真が置かれている。
紋付き袴姿の子供時代の葉蔵(岡山智樹)を中心に、同じ位の女の子ばかりが振袖姿で取り囲んでいる。記念撮影の風景。撮影が終わると少女たちが争うように葉蔵にプレゼントを渡す。執事の通称“平目”渋田(石橋蓮司)が「葉蔵おぼっちゃま、お誕生日おめでとうございます。今日は特別に平目が旦那様に、馬車に乗ってもよいとお許しをいただきましたよ」と声を掛ける。一乃家というプレートの付いた豪華な馬車に乗り込む葉蔵。邸内を進み洋館の前に馬車が止まる。沢山の使用人が「お誕生日おめでとうございまし」と言って頭を下げる。洋館の階段には、見事な鎧甲が飾られている。
葉蔵の部屋、机に俯いている葉蔵。顔を上げると、机に唇が彫られている。自分で彫った唇にキスをしていたのだ。赤いインクを垂らす。真っ赤に染まった机の唇。突然、彫刻刀を取り、えぐり始める。どこからか祭り囃子が聞こえている。ねぶた、巨大な地獄絵、ヒバの御神木を見上げている葉蔵。「生まれて、すみません」
タイトル【人間失格】
津軽岩木山、季節が変わって行く。夏の旧制中学の校庭では、体操の授業が行われている。次々と跳び箱を飛ぶ学生たち。教師「次!!大庭!!」葉蔵走って来て飛ぶが、バランスを崩し、後ろに倒れて跳び箱に頭を打つ。「痛てえ!」級友たち笑う。笑いながら教師「このクラスは大庭を以外は文武両道なんだがなあ」竹一(柄本佑)が一人近づいて来て葉蔵に耳打ちする。「ワザ、ワザ、ワザとだべ」表情が固まる葉蔵。
葉蔵が帰宅すると、自分の部屋に竹一がいて、菓子を食っている。「お前どうやって入った!?」「葉蔵くんの親友だと言ったら、案内してくれて、菓子までくれた。高級な菓子だべ」「まだ、親友になってないだろ」「堅いことを言うな」葉蔵の二階の部屋から、庭を見下ろすと、美しい女(馬渕英俚可)がいる。竹一「きれいなおなごだな」「姉サ。従姉なんだ」ある夜、女が泣きながら葉蔵の部屋に入って来る。「葉ちゃんは私の味方よね。この家から一緒に連れて逃げて・・・」しがみついて泣く女。竹一「もうやったのか?」
うーむ。角川書店が製作委員会に入っていて、東映京都撮影所が撮影協力、恩も義理も山ほどあって貶しずらい(苦笑)。荒戸源次郎らしかったのは、三田佳子の登場以降の最後の30分だけだ。それでも、濃い女優陣あれだけ使っているのに、色気なくて勿体無さ過ぎだ。別に裸を出せというのではなく、もっとエロい空気作れたんじゃないのか。特に「とんだそら豆」石原さとみ、ありゃ詐欺だ(苦笑)。監督の演出なのか、カメラマンの問題なのか、役者の技量なのか、最近の邦画に共通して、スクリーンに空気とか匂いが感じられない。その後、アルモドバルだったので、尚更だ。館内は、女子高生からアラフォーまで女性8割に、中高年の男。
新宿ピカデリーで、ペドロ・アルモドバル監督『抱擁のかけら(67)』
ファインダー越しの映画撮影のメイキング映像のようだ。スタンドインのジュディット・ガルシア(ブランカ・ポルティージョ)が主演女優のレナ(ペネロペ・クルス)に代わる。
2008年マドリッド、脚本家ハリー・ケイン(ルイス・オマール)の部屋、「エルネストマルテルが亡くなったわ」「エルネスト?」「大富豪のエルネストよ」若く美しい女が、新聞を片手に「どの記事を読む?政治?経済?文化面?」向かいに座っているハリーは盲目だ。「いや、君のことを話してくれ」「私のこと?」「身体のサイズは?」「90-60-90よ・・・」「髪は?」「色はブロンドで、ストレートで長い髪・・・、瞳はグリーン、でも夏はブルーになるわ・・・。パープルのタンクトップに、ジーンズ・・・」「靴はハイヒール?」「ええ・・」
ハリー、女に近付いて、「確かめていい?」女の髪に触れ「ブロンドの長くストレートな髪・・、グリーンで、夏にはブルーに変わる瞳・・・。唇は・・・」一つ一つ確かめるように触れ、キスをする。そのまま、ソファーで激しいSEXに雪崩込む(苦笑)
「バスを使っていい?」女がシャワーを使いにバスルームに行くと、ドアチャイムが鳴る。スボンを穿いてドアを開けると、ジュディットだ。彼女は、ハリーのエージェントとなっていた。情事の跡に眉をしかめる彼女に、「車を横断する時に、手を引いてくれたので、部屋に誘ったんだ」と説明し、シャツを取ってもらうハリー。「危険だわ」
映画監督マテオ・ブランコ、14年前失明ジュディットの息子ディエゴ(タマル・ノパス)ライX、エルネストJr(ルベーン・オチャンディーノ)1994年実業家エルネスト・マルテル(ホセ・ルイス・ゴメス)の愛人レナ(ペネロペ・クルス)コメディ映画「謎の鞄と女たち」(≒「神経衰弱ぎりぎりの女たち」)カナリア諸島ランサロテ島53年ロベルト・ロッセリーニ「イタリア旅行」 イングリッド・バーグマン
六本木に出て二軒。酔った。
2010年3月9日火曜日
一難去らず、更に一難(苦笑)。しかし、泣きっ面に蜜。
N氏と話があり、外苑前の粥屋喜々へ。ランチタイムに行くのは初めてかもしれない。若い女性ばかりで満員だ。そんな中、オヤジ二人で、延々と居座って、結構顰蹙を買う。その後、バスで、白金のデザイン会社で打合せ。神谷町の元会社に、借りていた機材を返却しがてら、昨日相談された話しを提案しに。
元会社の別の後輩から途中メール入り、ここ最近の懸案事項について相談したいとのこと。ウーム、一遍に片付くかとも思えず、とりあえず顔を出すと、更にデッドエンドに入った感がある。参ったなあ。
その割に、携帯のメールやらPCのメールやら、懐かしい後輩やら、久し振りの京美人やら、映画デートの話しやら嬉しいメールが何件か入っている。
元会社の別の後輩から途中メール入り、ここ最近の懸案事項について相談したいとのこと。ウーム、一遍に片付くかとも思えず、とりあえず顔を出すと、更にデッドエンドに入った感がある。参ったなあ。
その割に、携帯のメールやらPCのメールやら、懐かしい後輩やら、久し振りの京美人やら、映画デートの話しやら嬉しいメールが何件か入っている。
2010年3月8日月曜日
春よ!乙女よ!かぁ ♥♥♥
表参道のオフィスで、エンタメの仕事の相談。なかなか面白そうな話だ。
神保町シアターで、春よ!乙女よ!映画よ!
55年独立映画/中央映画家城巳代治監督『姉妹(65)』
松本市内の女学校から下校する近藤圭子(野添ひとみ)と俊子(中原ひとみ)の姉妹の姿がある。「姉ちゃん!お汁粉食べて行こう!」「お小遣いあるの?」「ううん」「俊ちゃん、まだ月半ばじゃないの」「…」
仕方なしに帰ることにすると、御用聞きの自転車が姉妹をからかう。「不良!!」と叫ぶ俊子。
下宿先の伯母の石田夫婦の家に帰るなり、「ただいま!伯母さん!何かおやつある!?」「としちゃん!!」「いいよ、いいよ、お腹が空く年頃だから」と姉妹の母親の姉であるお民(望月展子)。夫婦には子供がなく、姪の姉妹を自分の子供のように思い、預かっていた。
二階の俊子の部屋、「私たちは、町で勉強させてもらって、お小遣いまで送って貰って恵まれていると思わなきゃ罰があたるわ」妹の小遣い帳を見る圭子。「ノート五冊…。一冊多いわ。カーネーション2本…、1本余計よ。お汁粉3杯!?」「友達に奢ったのよ。私が食べたのは2杯よ!」「あらまあ…」自分の机の引き出しから、蝦蟇口を出し、「いつも、計画的に使いなさいと、あれほど言っているでしょう。これで、何か買ってきなさい。」「おばちゃん!!姉ちゃんからお小遣い貰ったから、鯛焼き買って来るわ!!」と飛び出して行く俊子。門の前で、男にぶつかる。
「ごめんください。」男が声を掛ける。伯母は圭子にいないと言っておくれと頼む。玄関に出た圭子は丁寧にお辞儀をして「石田さんは?」と尋ねる男に「伯母は、あいにく外出しておりますが…」「おかしいなあ。今日来ると言っておいたのに…。何時に帰ってくる?」「聞いていません」そこに、俊子が帰ってくる。「伯母さん本当にいないの!?」「ええ」。思わず俊子が口を挟む「えっ、伯母さん?変ねえ、さっきまでいましたよ」必死に圭子が合図をするが、気がつかない俊子。「呼んで来ましょうか?伯母ちゃん!?伯母ちゃん!?」台所でしゃがんでいる伯母に「お客さんよ」と何度も言うが、必死にいないと言っておくれと小声で言われて、しぶしぶ玄関に戻り「おばちゃん、いないんですって」
せっかくの居留守が俊子のせいで、ぶち壊しだ。「伯母さんはね。出張に行っているおじさんが、お金を送ってこないので、とっても困っていらっしゃるのよ。俊ちゃんは、何でも口を挟むからいけないのよ」「お父さんは、正直が一番大事だと教えてくれたわ」と膨れっ面だ。そこに、男の客(田村保)がやって来た。「伯母さんは留守です!!」
大笑いする叔母。「まあ、借金取りと間違えるなんて。この人はおじさんの甥っ子だから、名字は同じ石田って言うんだよ。こんど、この町の巡査に転勤して来たんで、挨拶に来たんだよ」「三成と申します」「石田…三成さん…。私お名前を聞いたことがありますわ」と天然でボケる圭子。「お姉ちゃん。関ヶ原の戦いで負けた人よ」と言って笑う俊子。
お民が、この家の名前は変わっているのよと言う。男は恥ずかしそうに「兄が秀吉で、弟が家康なんです。おまけに、一番上の兄が信長なんです」それを聞いて、大笑いする俊子。
しきりと胸の辺りを掻いている俊子に、「俊ちゃん、やめなさい」と三成の目を気にして言う圭子。「だって、おっぱいが痒いのよ」お民笑いながら「俊ちゃんは、子供だねえ」口を尖らせ「いつでも、子供子供って言うけど、私だって、直ぐに大人になっておっぱいだって、お姉ちゃんより大きくなるんだから」セーターの下から、胸の膨らみを突き出す妹に赤面する圭子。
翌朝、井戸端で、パジャマ姿の俊子が歯を磨いている。そこに、同郷の誠が自転車で通りかかる。「どこ行くの?」「病院に鼈の血を届けに行くんだ」口の周りを歯磨き粉で真っ白にしたまんま、表通りまで誠を追いかけて行き、誠を引きとめ話し込む俊子。「学校はどうだい?」「楽しいよ。学校では、私コンチって呼ばれているんだ」「えっ?コンチ?!」「近藤のチビだから、コンチさ」食事の支度が出来たが、俊子の姿が見えず、圭子が探しに出ると、パジャマ姿で大声で誠と話しているのを見つける。「俊ちゃん、朝ご飯よ」「はーい。じゃあね誠くん!!」「こんな格好で大声で話して」「同郷の者同士仲好くした方がいいでしょ!!」俊子の口の周りの歯磨き粉を拭いて「少しは威厳というものを持ちなさい」「威厳って?」「気安く男の人と口を訊かないことよ」「・・・姉ちゃんは、38歳の未亡人みたいだね」
日曜日、制服姿の二人、圭子は教会に、俊子はクラスメイトの家に行くのだ。「姉ちゃんはどうして神様を信じるようになったの?」「寂しかったのよ」「寂しければ友達を作ればいいのに」「ちゃんと挨拶をしてね。お行儀よくするのよ」「わかったわ」
郊外にある大きな造り酒屋落合家の門をくぐる。出て来た小僧に声を掛ける俊子。「あの、としみさんいらっしゃいますか」屋敷の中で、オルガンの音が聞こえている。俊子の来訪を喜ぶとしみ。としみの母親(忍節子・・違う気がする)がお茶を持ってくる。「近藤さんのお父様は何をしていらっしゃるの?」「山の発電所で働いています」「下宿していらっしゃる伯父様のお仕事は?」「大工の棟梁です」「そうなの・・・建築技師ではないのね・・・」こちこちのまま、何度もペコペコと挨拶をする俊子。
としみと一緒に、部屋を出ると、土蔵の裏で、としみの姉(田中稲子)に会う。逃げるように足を引き摺って声も掛けずに姉はいなくなった。「姉さんは、誰ともつきあわない可哀想な人なの。もう一人可哀想な弟がいるの・・・。10歳になるんだけど、5つくらいにしか見えないのよ」
林檎畑を散歩する俊子ととしみ。「俊子さんは、私を羨ましいと思う?可哀想だと思う?」真剣な表情のとしみに「可哀想だと思うわ」と答える俊子。「うれしいわ。可哀想といってくれたのは貴方が初めてだわ。キスをして」「えっ?」「あなたは友達だから、初めてのキスをして」「あんた、私を好き?」「ええ」「ならいいわ」軽く唇をつける二人。笑顔になって「冷たいわ。蛇みたい」と俊子。「秘密よ」ととしみ。
2学期が終わり、圭子と俊子は里帰りする。山の中を走る小さなボンネットバス。揺れて荷物が転がり、笑い合う姉妹。発電所前の停留所で降りる。学校の校庭で弟たちが遊んでいる。駆け寄って来て、荷物を奪い合う弟たち。傾斜のきつい中腹の家に案内する弟。
母親のりえ(川崎弘子)が「あらあらまあ・・・」と二人を出迎える。圭子は弟たちにお土産を渡す。長男の弘(杉山英太郎)には少年雑誌、次男の満(中村直太郎)には独楽、まだ幼い弟の正(西沢ナポリ)には、自動車の玩具だ。「おっきい姉ちゃんありがとう!!」と喜ぶ弟たち。「ちっちゃい姉ちゃんは?」俊子の荷物を取ろうとする弟たちに「何もないわ」りえが「みんな楽しみにしていたのよ」と言う。弟たちはがっかりだ。「あんた、いつもお小遣い使いすぎるから」と圭子。
発電所で働く父の健作(河野秋武)が帰ってきて、夕食となった。「おっきい姉ちゃんはえらい」「ちっちゃい姉ちゃんは落第だ」と口々に言う弟たちに、健作は「うちは、悪い習慣をつけてしまったな。お土産が無くても、帰ってきたことをちゃんと喜ばなくてはいけないよ」と注意をする。伯母さんに貰ったケーキを食べて、笑い合う近藤家。
翌朝、健作が薪を割っている。俊子が手伝うと言う。「俊子は男だったらよかったな」「そうだよ、男だったらよかったよ。第一、男だったら革命を起こすことだってできるよ」「革命?!」「フランス革命の革命だよ」「!!! やっぱり、俊子は、女でよかったな・・・」朝食を終え、健作は二人に、「発電所の所長さんに挨拶してきなさい」と言う。
二人は延川発電所に向かう。「年内無事故だったら、会社から1000円貰えるんですって。あと3日ね」と俊子。ロシア民謡「トロイカ」の歌を歌いながら、変圧器を点検している若者がいる。「岡さんよ」と俊子。圭子は頬を赤らめる。岡(内藤武敏)のことを圭子は好きなのだ。「岡さんは、千円貰ったら何を買うの?」「本箱か電気スタンドを買おうと思うんだ。圭子さんどう思う」「だんぜん本箱だわ」と口を挿む俊子。「私は、素敵な傘のついた電気スタンドがいいと思うわ」と圭子。「若いうちは、勉強しなけりゃ。本箱よ」と譲らない俊子。
二人は、発電機を磨いている田村(織田政雄)に、所長が取水口にいると聞いて、山を登り挨拶をする。二人が帰る途中、赤ん坊を背負った?が夫の三造(殿山泰司)に殴られているのを見かける。三造がいなくなると、?は二人に気がついて声を掛ける。「うちにおいでよ。町の話を聞かせておくれよ」と気さくに言う?。俊子は喜んで入って行くが、圭子は、この?が苦手だ。更に?が「町の話を聞かせてよ。ダンスホールに行ったかい?行って、どんな所かおしえてけれ」と言うので、ダンスホールのような不浄な場所に十字を切る圭子。無理矢理、俊子を連れ帰った。
大晦日になった。村のよろず屋では、正月の支度をする主婦で賑わっている。この村の人間はほとんどが発電所に関係しているので、今日事故が無ければ1000円のボーナスが出るという話で持ちきりだ。このお金で一息つけるのだ。しかし、よろず屋の電球が点滅しだす。田村さんの奥さんが「あんた!!!」と近くにいた田村さんに声を掛ける。見ると街灯も点滅している。「大変だ!!」村中のみんなが家から飛び出してきた。みんなの願いもむなしく、停電が起きた。村中の老若男女が肩を落とした・・・。
それでも、元旦になると村が賑やかだ。圭子は、発電所の若者たちと羽子板を楽しんでいる。勿論岡も一緒だ。岡の顔には、墨で髭が書かれている。俊子は、凧揚げに夢中で、弟たちから「ちっちゃい姉ちゃん、僕らにもやらせてよ」「うるさい!!」夜は、近藤家に集まり、子供たちは双六、若者たちは千人一首だ。同じ札を取ろうとして手が触れた岡に、真っ赤になって札を渡す圭子。遠慮しあっていると、じゃあ私が貰うとちゃっかりしている俊子。そこに、母親がお汁粉の入った鍋を持ってきて歓声が上がる。その夜帰って行く人々を見送る姉妹。
翌日、「殺してやる!!」という三造の大声が聞こえる。俊子は、圭子が止めるのにも構わず、駆け出す。村の人々が止めようとしているが、三造が留守の間に、?が若い男を引っ張り込んでいたのだと言う。村人たちが、何とか二人を家に連れ戻し、赤ん坊を抱かせて宥めていると、後ろから「勘忍してあげて」と声がする。俊子だ。子供のくせに夫婦喧嘩に口を挿んで・・・とみんなに呆れられ、バツが悪くなり「勘忍するですよ」と小声で言って三造の家を出る俊子。
正月休みが終わって、伯母の家に戻る姉妹。「ただいま!!」声を掛けるが、伯母は留守のようだ。すると、娘が出てくる「伯母さん、ちょっと外出しているんです」「あら、小間物屋さんのはっちゃんね」「ええ、どうぞ上がって下さい。って自分の家みたいで変ですね」はつえ(城久美子)は、担ぎ売りで伯母の家に来て留守番を頼まれていたのだ。「私が入院してしまったので、店を手放してしまったんです。父はめくらで、母は寝たきり、掃除も出来ないので、お正月でもゴミだらけなんです。私は、今でも腰にギブスが入っているんですけど、頑張らないと」二人は、何かを買ってあげようとブローチを選ぶ。そこに伯母が帰って来る。
数日後、郵便配達が伯父さんからの書留を届けに来た。大喜びで、封を切り、「やっぱり、おじさんは大した人だねえ」と手を合わせるお民。姉妹の所に行き「これで、米屋も、八百屋も、魚屋もお金が払える。今日は、外食か、映画でも奢るよ。どっちがいい?」「両方っがいいわ」とちゃっかりしている俊子。三人で映画を観た帰りだろう。おでんの屋台で食事をしている。お民は、コップ酒を飲んでご機嫌だ。お代わりを頂戴というお民。圭子は「もう沢山呑んだじゃない。帰りましょう」と言って屋台の主人に出さないでと合図をするが、うが「今日は呑ませておくれ」と聞かないお民、胸で十字を切る圭子。帰り道、酔ったお民と一緒に大声で歌いながら歩く俊子と、恥ずかしそうな圭子。
おじの石田銀三郎(多々良純)が久し振りに帰ってきた。ご機嫌だ。「圭ちゃんはますますキレイになったなあ。おチビも少しは大きくなったか」「チビじゃないわ」「ごめんごめん。おチビちゃん。これがお土産だ」
徳次(加藤嘉)しげ(北林谷栄)
神保町シアターで、春よ!乙女よ!映画よ!
55年独立映画/中央映画家城巳代治監督『姉妹(65)』
松本市内の女学校から下校する近藤圭子(野添ひとみ)と俊子(中原ひとみ)の姉妹の姿がある。「姉ちゃん!お汁粉食べて行こう!」「お小遣いあるの?」「ううん」「俊ちゃん、まだ月半ばじゃないの」「…」
仕方なしに帰ることにすると、御用聞きの自転車が姉妹をからかう。「不良!!」と叫ぶ俊子。
下宿先の伯母の石田夫婦の家に帰るなり、「ただいま!伯母さん!何かおやつある!?」「としちゃん!!」「いいよ、いいよ、お腹が空く年頃だから」と姉妹の母親の姉であるお民(望月展子)。夫婦には子供がなく、姪の姉妹を自分の子供のように思い、預かっていた。
二階の俊子の部屋、「私たちは、町で勉強させてもらって、お小遣いまで送って貰って恵まれていると思わなきゃ罰があたるわ」妹の小遣い帳を見る圭子。「ノート五冊…。一冊多いわ。カーネーション2本…、1本余計よ。お汁粉3杯!?」「友達に奢ったのよ。私が食べたのは2杯よ!」「あらまあ…」自分の机の引き出しから、蝦蟇口を出し、「いつも、計画的に使いなさいと、あれほど言っているでしょう。これで、何か買ってきなさい。」「おばちゃん!!姉ちゃんからお小遣い貰ったから、鯛焼き買って来るわ!!」と飛び出して行く俊子。門の前で、男にぶつかる。
「ごめんください。」男が声を掛ける。伯母は圭子にいないと言っておくれと頼む。玄関に出た圭子は丁寧にお辞儀をして「石田さんは?」と尋ねる男に「伯母は、あいにく外出しておりますが…」「おかしいなあ。今日来ると言っておいたのに…。何時に帰ってくる?」「聞いていません」そこに、俊子が帰ってくる。「伯母さん本当にいないの!?」「ええ」。思わず俊子が口を挟む「えっ、伯母さん?変ねえ、さっきまでいましたよ」必死に圭子が合図をするが、気がつかない俊子。「呼んで来ましょうか?伯母ちゃん!?伯母ちゃん!?」台所でしゃがんでいる伯母に「お客さんよ」と何度も言うが、必死にいないと言っておくれと小声で言われて、しぶしぶ玄関に戻り「おばちゃん、いないんですって」
せっかくの居留守が俊子のせいで、ぶち壊しだ。「伯母さんはね。出張に行っているおじさんが、お金を送ってこないので、とっても困っていらっしゃるのよ。俊ちゃんは、何でも口を挟むからいけないのよ」「お父さんは、正直が一番大事だと教えてくれたわ」と膨れっ面だ。そこに、男の客(田村保)がやって来た。「伯母さんは留守です!!」
大笑いする叔母。「まあ、借金取りと間違えるなんて。この人はおじさんの甥っ子だから、名字は同じ石田って言うんだよ。こんど、この町の巡査に転勤して来たんで、挨拶に来たんだよ」「三成と申します」「石田…三成さん…。私お名前を聞いたことがありますわ」と天然でボケる圭子。「お姉ちゃん。関ヶ原の戦いで負けた人よ」と言って笑う俊子。
お民が、この家の名前は変わっているのよと言う。男は恥ずかしそうに「兄が秀吉で、弟が家康なんです。おまけに、一番上の兄が信長なんです」それを聞いて、大笑いする俊子。
しきりと胸の辺りを掻いている俊子に、「俊ちゃん、やめなさい」と三成の目を気にして言う圭子。「だって、おっぱいが痒いのよ」お民笑いながら「俊ちゃんは、子供だねえ」口を尖らせ「いつでも、子供子供って言うけど、私だって、直ぐに大人になっておっぱいだって、お姉ちゃんより大きくなるんだから」セーターの下から、胸の膨らみを突き出す妹に赤面する圭子。
翌朝、井戸端で、パジャマ姿の俊子が歯を磨いている。そこに、同郷の誠が自転車で通りかかる。「どこ行くの?」「病院に鼈の血を届けに行くんだ」口の周りを歯磨き粉で真っ白にしたまんま、表通りまで誠を追いかけて行き、誠を引きとめ話し込む俊子。「学校はどうだい?」「楽しいよ。学校では、私コンチって呼ばれているんだ」「えっ?コンチ?!」「近藤のチビだから、コンチさ」食事の支度が出来たが、俊子の姿が見えず、圭子が探しに出ると、パジャマ姿で大声で誠と話しているのを見つける。「俊ちゃん、朝ご飯よ」「はーい。じゃあね誠くん!!」「こんな格好で大声で話して」「同郷の者同士仲好くした方がいいでしょ!!」俊子の口の周りの歯磨き粉を拭いて「少しは威厳というものを持ちなさい」「威厳って?」「気安く男の人と口を訊かないことよ」「・・・姉ちゃんは、38歳の未亡人みたいだね」
日曜日、制服姿の二人、圭子は教会に、俊子はクラスメイトの家に行くのだ。「姉ちゃんはどうして神様を信じるようになったの?」「寂しかったのよ」「寂しければ友達を作ればいいのに」「ちゃんと挨拶をしてね。お行儀よくするのよ」「わかったわ」
郊外にある大きな造り酒屋落合家の門をくぐる。出て来た小僧に声を掛ける俊子。「あの、としみさんいらっしゃいますか」屋敷の中で、オルガンの音が聞こえている。俊子の来訪を喜ぶとしみ。としみの母親(忍節子・・違う気がする)がお茶を持ってくる。「近藤さんのお父様は何をしていらっしゃるの?」「山の発電所で働いています」「下宿していらっしゃる伯父様のお仕事は?」「大工の棟梁です」「そうなの・・・建築技師ではないのね・・・」こちこちのまま、何度もペコペコと挨拶をする俊子。
としみと一緒に、部屋を出ると、土蔵の裏で、としみの姉(田中稲子)に会う。逃げるように足を引き摺って声も掛けずに姉はいなくなった。「姉さんは、誰ともつきあわない可哀想な人なの。もう一人可哀想な弟がいるの・・・。10歳になるんだけど、5つくらいにしか見えないのよ」
林檎畑を散歩する俊子ととしみ。「俊子さんは、私を羨ましいと思う?可哀想だと思う?」真剣な表情のとしみに「可哀想だと思うわ」と答える俊子。「うれしいわ。可哀想といってくれたのは貴方が初めてだわ。キスをして」「えっ?」「あなたは友達だから、初めてのキスをして」「あんた、私を好き?」「ええ」「ならいいわ」軽く唇をつける二人。笑顔になって「冷たいわ。蛇みたい」と俊子。「秘密よ」ととしみ。
2学期が終わり、圭子と俊子は里帰りする。山の中を走る小さなボンネットバス。揺れて荷物が転がり、笑い合う姉妹。発電所前の停留所で降りる。学校の校庭で弟たちが遊んでいる。駆け寄って来て、荷物を奪い合う弟たち。傾斜のきつい中腹の家に案内する弟。
母親のりえ(川崎弘子)が「あらあらまあ・・・」と二人を出迎える。圭子は弟たちにお土産を渡す。長男の弘(杉山英太郎)には少年雑誌、次男の満(中村直太郎)には独楽、まだ幼い弟の正(西沢ナポリ)には、自動車の玩具だ。「おっきい姉ちゃんありがとう!!」と喜ぶ弟たち。「ちっちゃい姉ちゃんは?」俊子の荷物を取ろうとする弟たちに「何もないわ」りえが「みんな楽しみにしていたのよ」と言う。弟たちはがっかりだ。「あんた、いつもお小遣い使いすぎるから」と圭子。
発電所で働く父の健作(河野秋武)が帰ってきて、夕食となった。「おっきい姉ちゃんはえらい」「ちっちゃい姉ちゃんは落第だ」と口々に言う弟たちに、健作は「うちは、悪い習慣をつけてしまったな。お土産が無くても、帰ってきたことをちゃんと喜ばなくてはいけないよ」と注意をする。伯母さんに貰ったケーキを食べて、笑い合う近藤家。
翌朝、健作が薪を割っている。俊子が手伝うと言う。「俊子は男だったらよかったな」「そうだよ、男だったらよかったよ。第一、男だったら革命を起こすことだってできるよ」「革命?!」「フランス革命の革命だよ」「!!! やっぱり、俊子は、女でよかったな・・・」朝食を終え、健作は二人に、「発電所の所長さんに挨拶してきなさい」と言う。
二人は延川発電所に向かう。「年内無事故だったら、会社から1000円貰えるんですって。あと3日ね」と俊子。ロシア民謡「トロイカ」の歌を歌いながら、変圧器を点検している若者がいる。「岡さんよ」と俊子。圭子は頬を赤らめる。岡(内藤武敏)のことを圭子は好きなのだ。「岡さんは、千円貰ったら何を買うの?」「本箱か電気スタンドを買おうと思うんだ。圭子さんどう思う」「だんぜん本箱だわ」と口を挿む俊子。「私は、素敵な傘のついた電気スタンドがいいと思うわ」と圭子。「若いうちは、勉強しなけりゃ。本箱よ」と譲らない俊子。
二人は、発電機を磨いている田村(織田政雄)に、所長が取水口にいると聞いて、山を登り挨拶をする。二人が帰る途中、赤ん坊を背負った?が夫の三造(殿山泰司)に殴られているのを見かける。三造がいなくなると、?は二人に気がついて声を掛ける。「うちにおいでよ。町の話を聞かせておくれよ」と気さくに言う?。俊子は喜んで入って行くが、圭子は、この?が苦手だ。更に?が「町の話を聞かせてよ。ダンスホールに行ったかい?行って、どんな所かおしえてけれ」と言うので、ダンスホールのような不浄な場所に十字を切る圭子。無理矢理、俊子を連れ帰った。
大晦日になった。村のよろず屋では、正月の支度をする主婦で賑わっている。この村の人間はほとんどが発電所に関係しているので、今日事故が無ければ1000円のボーナスが出るという話で持ちきりだ。このお金で一息つけるのだ。しかし、よろず屋の電球が点滅しだす。田村さんの奥さんが「あんた!!!」と近くにいた田村さんに声を掛ける。見ると街灯も点滅している。「大変だ!!」村中のみんなが家から飛び出してきた。みんなの願いもむなしく、停電が起きた。村中の老若男女が肩を落とした・・・。
それでも、元旦になると村が賑やかだ。圭子は、発電所の若者たちと羽子板を楽しんでいる。勿論岡も一緒だ。岡の顔には、墨で髭が書かれている。俊子は、凧揚げに夢中で、弟たちから「ちっちゃい姉ちゃん、僕らにもやらせてよ」「うるさい!!」夜は、近藤家に集まり、子供たちは双六、若者たちは千人一首だ。同じ札を取ろうとして手が触れた岡に、真っ赤になって札を渡す圭子。遠慮しあっていると、じゃあ私が貰うとちゃっかりしている俊子。そこに、母親がお汁粉の入った鍋を持ってきて歓声が上がる。その夜帰って行く人々を見送る姉妹。
翌日、「殺してやる!!」という三造の大声が聞こえる。俊子は、圭子が止めるのにも構わず、駆け出す。村の人々が止めようとしているが、三造が留守の間に、?が若い男を引っ張り込んでいたのだと言う。村人たちが、何とか二人を家に連れ戻し、赤ん坊を抱かせて宥めていると、後ろから「勘忍してあげて」と声がする。俊子だ。子供のくせに夫婦喧嘩に口を挿んで・・・とみんなに呆れられ、バツが悪くなり「勘忍するですよ」と小声で言って三造の家を出る俊子。
正月休みが終わって、伯母の家に戻る姉妹。「ただいま!!」声を掛けるが、伯母は留守のようだ。すると、娘が出てくる「伯母さん、ちょっと外出しているんです」「あら、小間物屋さんのはっちゃんね」「ええ、どうぞ上がって下さい。って自分の家みたいで変ですね」はつえ(城久美子)は、担ぎ売りで伯母の家に来て留守番を頼まれていたのだ。「私が入院してしまったので、店を手放してしまったんです。父はめくらで、母は寝たきり、掃除も出来ないので、お正月でもゴミだらけなんです。私は、今でも腰にギブスが入っているんですけど、頑張らないと」二人は、何かを買ってあげようとブローチを選ぶ。そこに伯母が帰って来る。
数日後、郵便配達が伯父さんからの書留を届けに来た。大喜びで、封を切り、「やっぱり、おじさんは大した人だねえ」と手を合わせるお民。姉妹の所に行き「これで、米屋も、八百屋も、魚屋もお金が払える。今日は、外食か、映画でも奢るよ。どっちがいい?」「両方っがいいわ」とちゃっかりしている俊子。三人で映画を観た帰りだろう。おでんの屋台で食事をしている。お民は、コップ酒を飲んでご機嫌だ。お代わりを頂戴というお民。圭子は「もう沢山呑んだじゃない。帰りましょう」と言って屋台の主人に出さないでと合図をするが、うが「今日は呑ませておくれ」と聞かないお民、胸で十字を切る圭子。帰り道、酔ったお民と一緒に大声で歌いながら歩く俊子と、恥ずかしそうな圭子。
おじの石田銀三郎(多々良純)が久し振りに帰ってきた。ご機嫌だ。「圭ちゃんはますますキレイになったなあ。おチビも少しは大きくなったか」「チビじゃないわ」「ごめんごめん。おチビちゃん。これがお土産だ」
徳次(加藤嘉)しげ(北林谷栄)
2010年3月7日日曜日
久し振りの先生。
久しぶりの体験入学の講師。早めに昼ご飯を済ませようと、冷凍庫の底で発見されていた鰊をよく焼き食べる。味はイマイチだが、食べられる。いつのものだろうか(苦笑)
体験入学は、女の子が二人。高校三年だと言う。保護者もいたからではないが(苦笑)、少し頑張りすぎて、声が嗄れる。
京橋フィルムセンターで、映画監督 篠田正浩。
64年松竹京都篠田正浩監督『暗殺(64)』
嘉永六年六月三日、浦賀にペリー率いる黒船が来航した。攘夷が盛り上がる。しかし、米国の軍事力を目の当たりにした徳川幕府は、諸国に外国船打ち払いを命じたが、本音では時代遅れで脆弱な兵力では到底対抗できないことを認識していた。そこで、大老井伊直弼は、朝廷に無断で、開国を決断した。それに反対する攘夷派を次々と捕縛した。安政の大獄である。しかし、万延元年三月三日、水戸浪士たちが、桜田門外で、井伊直弼を暗殺、桜田門外の変が起こった。幕府は、尊王攘夷勢力に恐れ、将軍家茂に孝明天皇の皇女和宮を迎え、公武合体策を取った。そんな時代、文久三年の正月を迎える。
「出羽、庄内浪人、清河八郎。老中板倉周防守さまの格別のご沙汰により、解き放ち。文久三年壱月八日 老中板倉周防守」読み上げる役人の前で平伏する男の姿。目明しの嘉吉を斬った廉で、伝馬町の牢に入れられていた清河八郎(丹波哲郎)は、老中板倉周防守により、解き放ちとなった。これは、家茂が京に上るにあたって、その護衛の任を天下泰平に堕落した旗本に代わって、浪士たちを組織化するには、プロパガンダに長けた策士清河を利用した方が賢明であると考えた浪士取扱の幕臣、松平主税介(岡田英次)が周防守に働き掛けた結果であった。
牢を出た清河が、笠を被り江戸の町を歩いていると、坂本竜馬、清河八郎ら3枚の人相書きが貼られている。同じように目深に笠を被った浪人が、清河の人相書きを破る。その男に「坂本くん」と声を掛ける清河。「ふっふっふ。清河さんか・・・」「破るなら、何で自分のを破らぬ」「出て来たんですね。みんな、どういう手妻を使ったんだろうと噂していますよ」「わしにも分らん」「私も知りたいですよ」町方の姿をみかけ「坂本くん、気をつけたほうがよいようだな」「ええっ」去ろうとする坂本に「坂本くん!たまには風呂に入った方がいい。臭う」自分の着物を嗅ぎ、苦笑する坂本龍馬(佐田啓二)。
板倉周防守(小沢栄太郎)の屋敷で、茶を飲む主税介。「あの男、信じられるのか?」「信用できません。しかし、浪士隊結成には、あのくらいの男でないと・・・。毒を持って、毒を制すといいますか・・・」
勿論、主税介は、清河を信頼しているわけではなく、不穏な動きを見せた際には、斬り捨てようと、小太刀日本一と称される風心流(実際は神道精武流らしい)の幕府講武所の剣術師範、佐々木只三郎(木村功)に、その秘命を託した。「君は、清河を知っているか」「逆賊だと聞いています。出羽庄内の百姓の出身だそうですね」「文武指南として、優れているそうだな」「北辰一刀流の遣い手だそうですね」「大目録皆伝だ。佐々木くん、君は今迄何人、ひとを斬った?」「二人です」「二人か・・・。いい時代だな。武芸者には生き難い時代だと言うことか・・・」
しかし、只三郎は、幕臣山岡鉄太郎(穂積隆信)を訪ねて講武所に現れた清河に、二本取られ完敗した。主税介に叱責され、清河を討たせてくれと必死に懇願する只三郎。自分が命ずる迄手出しをするなと厳命した主税介は、清河と初めて出会った8年前のことを思い出していた。
・・・その頃、私は刀に凝っていた。砥師に預けていた刀を取りに行った時、研ぎかけの刀を手に取り「親父!見ろ。七星剣だ」「そうでございましたか」「このように水を掛けると、七つの光が見られる。瑞剣(瑞験?)だ」「初代業平の業物だと聞いてはいましたが・・・」「この瑞剣の持ち主にお目に掛かりたい。どこの大名だ、旗本か?」「いえ・・・、突然ふらりと入っていらした浪人の方です」「何、浪人だと」「清河さまという方です」「もし、刀を取りに見えたら、ぜひお目に掛りたいと伝えてくれ」そして、現れた清河八郎と、山岡らと宴を持った。「この刀は」「詳しいことは知りませんが、父親が、とある大名から拝領したとのことです」同席していた旗本の稲葉公康(城所英夫)「借金の形に、刀を渡す・・・武士にあるまじき行為だ」
誹る稲葉を止める主税介。「七星剣は覇者の剣だと知っているか」「勿論です」幕府の学問所昌平黌を優秀な成績で出た清河を、尚、所詮庄屋の息子だと見下す稲葉に、今の徳川幕府では、攘夷など出来ない、私なら出来ると言って、主税介に「本朝防備計画書」という案を見せる清河。
幕臣鵜殿鳩翁(須賀不二男)が、慌てて主税介の屋敷にやってくる。「松平さま、大変です」「どうした?浪士隊の募集を伝通院境内でやっているのではなかったのか」「それが・・・」
清河の提案は受け入れられ、江戸の浪人を集め、京に集まる尊王攘夷派に対抗させる浪士隊を募集するにあたり、五拾両五拾人という取り決めを破り、盛大に人を集めていると言う。伝通院に鵜殿と向かう主税介に「責任者は松平さんだが、計画したのは私だ」「予算というものもある」と鵜殿が言うと「しょうがないですな。では、幕府には金がないので、50人しか雇えなくなった」と嘯く清河。結局234人が浪士隊として京に向かうことになった。
江戸の尊王攘夷派の浪人たちの間では、幕府と取引きをして出獄した挙句、幕府の手足となって、浪士隊を纏める清河を裏切り者として斬るという意見が大勢を占めた。清河塾で若い弟子の宮川進吾(竹脇無我)は、擁護するが、清河の真意が理解できない。奈良原喜八郎(日下武史)は、清河が、目明し嘉吉(山路義人)を斬った事件を目撃したと言う。ある日、浪人の周蔵がそばを食っていると、嘉吉に下っ引きが耳打ちするのに気がついた「何?清河八郎が?お奉行様にいい土産になる」その話しを聞いて、後をつける周蔵。笠を被った清河が山岡鉄太郎らと町を歩いていると、嘉吉が立ちふさがる。「清河八郎だな」「どかぬか、どかぬなら斬る」「斬ってみやがれ!」その瞬間、嘉吉の首は、軒より高く飛んだ。逃げ惑う町人たち。
その頃、佐々木只三郎は、同心の?からその話しを聞いていた。「太刀筋は?」「首を改めないと分らないが、一刀の元だった・・・。嘉吉の首は笑ったままだった」そして、その後。嘉吉の手下の三吉(青山宏)は、「侍だろうと、人を斬っておいていいってことはねえだろう」と勇気を振り絞って騒いだため、野次馬を含め町人たちは、清河を追いかける。抜刀したまま、江戸の町を逃走する清河。清河は自宅に帰る。お蓮(岩下志麻)と、内弟子の石坂周蔵(早川保)に「無礼討ちで、人を斬った。誰も通すな、着替えを持ってこい」と声を掛け、遁走した。
お蓮と周蔵は捕縛され、責められた。鞭を打たれ、石を抱かされても口を割らないお蓮。「お前は、本妻ではなく、所詮は妾、清河に何の義理があると言うのだ!!!」
さわ(葵京子)芹沢鴨(織本順吉)伊牟田尚平(蜷川幸雄)島津久光(武智鉄二)有馬新七(水島弘)佐久間修二(穂高稔)相沢圭次郎(水島真哉)河野音次郎(高津住男)石井重二郎(清水元)
ミュージックマガジンの増刊、THE GROOVY 90'Sを見ていて苦笑する。自分が音楽業界にいたのは、80年代だったんだなあ。後半は映像部門だったから、前半は一体何をしていたんだろう。
体験入学は、女の子が二人。高校三年だと言う。保護者もいたからではないが(苦笑)、少し頑張りすぎて、声が嗄れる。
京橋フィルムセンターで、映画監督 篠田正浩。
64年松竹京都篠田正浩監督『暗殺(64)』
嘉永六年六月三日、浦賀にペリー率いる黒船が来航した。攘夷が盛り上がる。しかし、米国の軍事力を目の当たりにした徳川幕府は、諸国に外国船打ち払いを命じたが、本音では時代遅れで脆弱な兵力では到底対抗できないことを認識していた。そこで、大老井伊直弼は、朝廷に無断で、開国を決断した。それに反対する攘夷派を次々と捕縛した。安政の大獄である。しかし、万延元年三月三日、水戸浪士たちが、桜田門外で、井伊直弼を暗殺、桜田門外の変が起こった。幕府は、尊王攘夷勢力に恐れ、将軍家茂に孝明天皇の皇女和宮を迎え、公武合体策を取った。そんな時代、文久三年の正月を迎える。
「出羽、庄内浪人、清河八郎。老中板倉周防守さまの格別のご沙汰により、解き放ち。文久三年壱月八日 老中板倉周防守」読み上げる役人の前で平伏する男の姿。目明しの嘉吉を斬った廉で、伝馬町の牢に入れられていた清河八郎(丹波哲郎)は、老中板倉周防守により、解き放ちとなった。これは、家茂が京に上るにあたって、その護衛の任を天下泰平に堕落した旗本に代わって、浪士たちを組織化するには、プロパガンダに長けた策士清河を利用した方が賢明であると考えた浪士取扱の幕臣、松平主税介(岡田英次)が周防守に働き掛けた結果であった。
牢を出た清河が、笠を被り江戸の町を歩いていると、坂本竜馬、清河八郎ら3枚の人相書きが貼られている。同じように目深に笠を被った浪人が、清河の人相書きを破る。その男に「坂本くん」と声を掛ける清河。「ふっふっふ。清河さんか・・・」「破るなら、何で自分のを破らぬ」「出て来たんですね。みんな、どういう手妻を使ったんだろうと噂していますよ」「わしにも分らん」「私も知りたいですよ」町方の姿をみかけ「坂本くん、気をつけたほうがよいようだな」「ええっ」去ろうとする坂本に「坂本くん!たまには風呂に入った方がいい。臭う」自分の着物を嗅ぎ、苦笑する坂本龍馬(佐田啓二)。
板倉周防守(小沢栄太郎)の屋敷で、茶を飲む主税介。「あの男、信じられるのか?」「信用できません。しかし、浪士隊結成には、あのくらいの男でないと・・・。毒を持って、毒を制すといいますか・・・」
勿論、主税介は、清河を信頼しているわけではなく、不穏な動きを見せた際には、斬り捨てようと、小太刀日本一と称される風心流(実際は神道精武流らしい)の幕府講武所の剣術師範、佐々木只三郎(木村功)に、その秘命を託した。「君は、清河を知っているか」「逆賊だと聞いています。出羽庄内の百姓の出身だそうですね」「文武指南として、優れているそうだな」「北辰一刀流の遣い手だそうですね」「大目録皆伝だ。佐々木くん、君は今迄何人、ひとを斬った?」「二人です」「二人か・・・。いい時代だな。武芸者には生き難い時代だと言うことか・・・」
しかし、只三郎は、幕臣山岡鉄太郎(穂積隆信)を訪ねて講武所に現れた清河に、二本取られ完敗した。主税介に叱責され、清河を討たせてくれと必死に懇願する只三郎。自分が命ずる迄手出しをするなと厳命した主税介は、清河と初めて出会った8年前のことを思い出していた。
・・・その頃、私は刀に凝っていた。砥師に預けていた刀を取りに行った時、研ぎかけの刀を手に取り「親父!見ろ。七星剣だ」「そうでございましたか」「このように水を掛けると、七つの光が見られる。瑞剣(瑞験?)だ」「初代業平の業物だと聞いてはいましたが・・・」「この瑞剣の持ち主にお目に掛かりたい。どこの大名だ、旗本か?」「いえ・・・、突然ふらりと入っていらした浪人の方です」「何、浪人だと」「清河さまという方です」「もし、刀を取りに見えたら、ぜひお目に掛りたいと伝えてくれ」そして、現れた清河八郎と、山岡らと宴を持った。「この刀は」「詳しいことは知りませんが、父親が、とある大名から拝領したとのことです」同席していた旗本の稲葉公康(城所英夫)「借金の形に、刀を渡す・・・武士にあるまじき行為だ」
誹る稲葉を止める主税介。「七星剣は覇者の剣だと知っているか」「勿論です」幕府の学問所昌平黌を優秀な成績で出た清河を、尚、所詮庄屋の息子だと見下す稲葉に、今の徳川幕府では、攘夷など出来ない、私なら出来ると言って、主税介に「本朝防備計画書」という案を見せる清河。
幕臣鵜殿鳩翁(須賀不二男)が、慌てて主税介の屋敷にやってくる。「松平さま、大変です」「どうした?浪士隊の募集を伝通院境内でやっているのではなかったのか」「それが・・・」
清河の提案は受け入れられ、江戸の浪人を集め、京に集まる尊王攘夷派に対抗させる浪士隊を募集するにあたり、五拾両五拾人という取り決めを破り、盛大に人を集めていると言う。伝通院に鵜殿と向かう主税介に「責任者は松平さんだが、計画したのは私だ」「予算というものもある」と鵜殿が言うと「しょうがないですな。では、幕府には金がないので、50人しか雇えなくなった」と嘯く清河。結局234人が浪士隊として京に向かうことになった。
江戸の尊王攘夷派の浪人たちの間では、幕府と取引きをして出獄した挙句、幕府の手足となって、浪士隊を纏める清河を裏切り者として斬るという意見が大勢を占めた。清河塾で若い弟子の宮川進吾(竹脇無我)は、擁護するが、清河の真意が理解できない。奈良原喜八郎(日下武史)は、清河が、目明し嘉吉(山路義人)を斬った事件を目撃したと言う。ある日、浪人の周蔵がそばを食っていると、嘉吉に下っ引きが耳打ちするのに気がついた「何?清河八郎が?お奉行様にいい土産になる」その話しを聞いて、後をつける周蔵。笠を被った清河が山岡鉄太郎らと町を歩いていると、嘉吉が立ちふさがる。「清河八郎だな」「どかぬか、どかぬなら斬る」「斬ってみやがれ!」その瞬間、嘉吉の首は、軒より高く飛んだ。逃げ惑う町人たち。
その頃、佐々木只三郎は、同心の?からその話しを聞いていた。「太刀筋は?」「首を改めないと分らないが、一刀の元だった・・・。嘉吉の首は笑ったままだった」そして、その後。嘉吉の手下の三吉(青山宏)は、「侍だろうと、人を斬っておいていいってことはねえだろう」と勇気を振り絞って騒いだため、野次馬を含め町人たちは、清河を追いかける。抜刀したまま、江戸の町を逃走する清河。清河は自宅に帰る。お蓮(岩下志麻)と、内弟子の石坂周蔵(早川保)に「無礼討ちで、人を斬った。誰も通すな、着替えを持ってこい」と声を掛け、遁走した。
お蓮と周蔵は捕縛され、責められた。鞭を打たれ、石を抱かされても口を割らないお蓮。「お前は、本妻ではなく、所詮は妾、清河に何の義理があると言うのだ!!!」
さわ(葵京子)芹沢鴨(織本順吉)伊牟田尚平(蜷川幸雄)島津久光(武智鉄二)有馬新七(水島弘)佐久間修二(穂高稔)相沢圭次郎(水島真哉)河野音次郎(高津住男)石井重二郎(清水元)
ミュージックマガジンの増刊、THE GROOVY 90'Sを見ていて苦笑する。自分が音楽業界にいたのは、80年代だったんだなあ。後半は映像部門だったから、前半は一体何をしていたんだろう。
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