2009年5月9日土曜日

料理、酒飲んで、眠る。

友人たちと小規模に、自宅で食事会。豚もやし蒸籠蒸し他。

2009年5月8日金曜日

ぼくの好きな先生(苦笑)

専門学校非常勤講師二週目。まだ、駄目だ。
あんなに下準備した筈なのに、90分全くもたない。今の分量をこれ以上増やすのは現実的ではないので、もっと分かり易く、学生の目を見て、という基本的問題だろうな(苦笑)。他人様にモノを教えるなんざ、おこがましい、思い上がりッスよ、とか言う言葉だけ頭をよぎる。二コマで、完全に喉が枯れてしまったので、電車を待つ間、思わず「ぼくの好きな先生」口ずさむ。なかなかいい感じの嗄れ声だ(苦笑)。追悼、清志郎。

2009年5月7日木曜日

雨が空から降れば

終日、読書と惰眠。

2009年5月6日水曜日

雨が空から降れば、

終日、読書と惰眠。

2009年5月5日火曜日

三船敏郎は日本人で一番トレントコートが似合う男

   神保町シアターで、昭和の原風景
   60年東宝岡本喜八監督『暗黒街の決闘(290)』
   警官が検問をしている。後部座席に2つの同じスーツケースに拳銃が沢山詰められている。いきなり警官を射殺し逃走する車。警官は一方のスーツケースを掴んだまま殉職をする。
   汽車の座席、ヌードダンサー(浜かおる)と初老のマネージャー(沢村いき雄)が座っている。警察が何か言ってきてもぱーっと出すんだぜと言う。警察の悪口を言い続けていると、ななめ前の紳士(平田昭彦)がゴルフのパターを差し出して、よっぽど警察が嫌いなんだねえとニヤリと笑う。マネージャーは煙草をくわえ火を探すが見つからない。隣のトレンチコートの男(三船敏郎)が火を付けてくれるが、上着の下のホルダーに拳銃があるのを見て震え出す。黒ずくめの若い男(ミッキー・カーチス)が、あんたは腕のいい殺し屋だろう、自分もそうなので、一緒に組まないかと男に声を掛けてくる。ガキは、そこで尻でも洗っていろとトイレに押し込む男。
   荒神駅を出てタクシーに乗ろうとすると、パトカーのサイレンが聞こえる。タクシーの運転手が、ヤクザ同士の喧嘩だ、今さら警察が来ても遅いと言うのを聞いて、反対側のドアから降りて、人だかりを覗きに行く。手前で地面にスーツケースを置くと、その隙にチンビラ風の男がスーツケースを盗む。停車場に持ち込んで中を開けようとした所で、男に捕まる。どこのモンだと絞められて、大岡組だと答える。
     国道沿いに花が手向けられている。手を合わせている男、村山鉄雄(鶴田浩二)に、大岡組の男が絡んできたのに割って入るトレンチコートの男。3ヶ月前、ここで自動車に村山の妻が轢かれたのだ。村山にトレンチコートの男が、事故について教えてくれと言うが断られる。そのまま、不貞寝をしていると、マリが声を掛ける。素生の知らないパンパンは嫌だと言うと、マリは大京ホテルの電話交換手をしていてアルバイトだと言う。
   マリを誘って、大岡組が仕切るブルーキャットに出かけるトレンチコートの男。大岡組の会長の大岡久三郎(河津清三郎)は、市議会の有力者を接待している。久三郎の愛人のサリー(司葉子)は、好色な議員たちの席から逃げてきた。大岡組の幹部で、ブルーキャットの支配人の柴田(中丸忠雄)に、列車で一緒だったヌードダンサーのマネージャーが、トレンチコートの男は拳銃を持っていると耳打ちする。柴田は、お不動吉(堺左千夫)、丹波(牧野児郎)富田(岩本弘司)らと、男が小塚組の雇った殺し屋だろうと襲いかかる。4人を相手に、一歩も引けを取らずに闘うが、通報でやってきた警官に殴られ気絶する。
  男は、翌朝留置場で気が付く。勿論、上着の下の拳銃は取り上げられている。呼び出され、荒が見警察署長の大久保(小杉義男)と次席の望月(中谷一郎)の元に行く。署長が、藤丘三郎くん、何で君がこの署にやってきたのか知らない訳はないだろうと言う、藤丘は、勿論汚職刑事が左遷されたのですと答える。であれば、もう少し大人しくしてくれたまえと言われる。
to be continued.

   渋谷で一件打合せの後、

   ユーロスペースで、
   74年人力舎/日本ATG寺山修司監督『田園に死す(291)』
   立見まで出て、やけに混んでいると思ったら、上映前に、宇野亜喜良と高泉淳子のトークショー付き。高泉淳子って同い年だったんだな。大学も一緒だったし、小劇場の第2期ブーム、役者系の友人も何人かいて、チケット買わされていたので、見ていたかもしれないな。大学卒業後は、とにかく音楽業界の奴隷のような毎日だったので、全く離れてしまい、30歳前後の80年代後半になるまで、芝居はほとんど見ていなかったが。
   寺山修司の名を知ったのは、カルメンマキの「時には母のない子のように」の作詞と、「あしたのジョー」の力石徹の葬儀委員長として、正直なところ、ませていても小学生では、怪しい人以外の感想はなかった気がする。中学生で、現代詩とか嵌っていた時期に、歌集は読んでいた。久し振りに寺山的なものに触れて、入り込んでしまうなあ。「田園に死す」で八千草薫を発見して、ファンになったのは、高校1年位だったか・・。
   大学1年、周囲とどうも馴染めないものを感じていた自分は、東映大泉撮影所で行われたぴあ展という音楽映像アートなどのイベントに出かけ、ライブを見たり、自主制作映画を見たりしていたが、確かそこで夜中悪夢のように見ていたのが「檻囚(おり)」とか「迷宮譚」とかの実験映画的色彩の強い寺山作品だったと思う。また、PFFの前身であった自主制作映画コンテストが行われ、同世代の才人たちの自主制作映画に打ちのめされ、10代が終わろうとしているのに、自分が何者でもないことを思い知らされ始めた絶望と寂寥感に、寺山修司はとても合っていた。寺山修司は、何だか封印していたものをこぼれださせてしまうキーワードなのだろうか。

   シネマヴェーラ渋谷で、緑魔子伝説
   68年松竹大船山田洋次監督『吹けば飛ぶよな男だが(292)』
   大阪のチンビラ・サブ(なべおさみ)とガス(佐藤蛾次郎)が、兄貴分のキーヤン(芦屋小雁)がやっているプロダクションのスカウトを手伝い、大阪駅前で、家出娘を探していた。そこに現れたのは花子(緑魔子)。島原から家出してきたという花子を、お好み焼屋に連れて行き、さっそく郊外のハイキングコースでブルーフィルムの撮影だ。監督(上方柳次)と、キーヤンらに連れられ、サブとガスは見張りだ。学生服の男優(上方柳太)と手をつないで現れた花子は、セーラー服姿だ。ブルーフィルムなどとは聞いていいない花子は、必死で抵抗する。尻込みする男優の代わりに兄貴のキーヤンが 花子にのしかかって、何とか撮影を続行させようとする。花子の悲鳴を聞いていたサブは、思わずキーヤンを殴り、花子の手を引いて逃げ出す。ガスも、サブと花子を匿った。
   大阪駅に戻ったら、田舎に帰れとサブは見栄をはるが、今さら帰ることもできない花子は、サブたちのあとをつけてくる。勝手にしろと突き放してはみるものの、大阪の街で花子のような娘が一人で歩いていれば、狼のような男たちが牙をむく。今も、振りかえると、花子は、スーツを着た男(イシバシエータロー)に連れて行かれるところだ。あわてて戻り、俺の女に何をすると凄むと、男は1万円札を置いて逃げて行った。大喜びで飲み食いし、最後にサブは花子を連れてラブホテルに入る。
   

   65年東映山本薩夫監督『にっぽん泥棒物語(293)』
   1948年冬東北の郡山の恵比須屋呉服店の土蔵から、米、呉服などを運び出し、トラックに積み込んでいるグループがいる。ほれ2時だから逃げるぞと言って、トラックを出す。橋のたもとで巡査が検問をしている。トラックを止めると助手席に、花嫁が乗っている。嫁入りかいと尋ねられ、荷台に乗り、ドブロクを飲む黒羽織の男が、嫁入りでがす、これだけの嫁入り道具、仲人として幸せだと言う。巡査たちも笑顔になる。トラックの荷台から生米がこぼれ始めている。巡査に見つからないよう羽織の男は、運転手に合図を出すが、気が付かない。ようやく合図に気が付いた運転手が車を出すのと同時に巡査たちも米がこぼれているのに気が付いた。間一髪で、橋を渡り逃げ切る一味。
    盗んできたものを盗品買いの“ずや師"に売りさばく、一味のリーダーは林田義助(三國連太郎)。前科三犯の“破蔵師"である。林田は、東北の農村の村を回り、もぐりの歯医者として、農家の庭先で治療をしてやりながら、お宝の詰ってそうな土蔵を探して歩くのだ。死んだ父親から引き継いだもぐりの歯医者としての腕の評判も高い。痛くないし、安いので大評判だ。しかし、徴兵され敗戦後、幼い弟妹たちを養うために、手先の器用さを生かし破蔵師になったのだ。母(北林谷栄)が、妹のふく子(緑魔子)の縁談が決まったと言いに来た。ふく子は、器量も悪くなく、働きものだったが、兄の前科がばれるたびに、破談になっていたのだ。林田は、妹の嫁入り支度のためにと決行した土蔵破りに失敗し、警防団に追いかけられ、極寒の貯水池を逃げ切った時にも花嫁衣装だけは手放さなかったが、今回もやはり破談になってしまっていた。泣くふく子に言葉がない林田。
    破蔵師仲間と温泉に行く。宴会で芸者の桃子(市原悦子)と知り合う。桃子は、林田が歯医者だと思っている。二人は、結婚し一緒に住むことになった。しかし、結婚生活は長くは続かなかった。ある時、仲間の菊池(花沢徳衛)が警官に追われて、林田の家に逃げ込んできた。菊池の盗品を屋根裏に隠してやり、礼として一部を貰う。
   桃子が実家に帰ると言う時に、土産としてその呉服を持たせる。しかし、桃子は、自分を芸者に売った実家に渡すにはもったいないと、その呉服を駅前で売りさばき、その安さが話題になって、自分の盗まれた着物が売られていると警察に届けたのだ。妻の件で警察から呼び出しと聞いて、林田は、桃子が前にいた芸者置屋にまだ借金が残っていたのだと早合点して向かうと、桃子が盗品を売ったということだった。既に菊池も逮捕されている。しかし、盗人仲間の仁義で二人はお互いが知り合いだとは言わない。林田は、自分も売りに来た着物を買ったのだと言い張った。しかし、林田の家の屋根裏から大量の盗品が出てきて、万事休す。取り調べも警部補の安藤(伊藤雄之助)に変わり、起訴されることになった。
   福島刑務所で、自転車泥棒の馬場(江原啓二郎)と知り合う。林田に破蔵師について聞いた馬場は、弟子入りを志願。初犯の馬場が先に出所した時には、狙えそうな土蔵を下見していくことにした。
  

   ユーロスペースに戻り(と言っても、同じビルの3階と4階の階段を昇ったり降りたりするだけだが)
   市川準事務所市川準監督『buy a suit スーツを買う(294)』
   川原ユキは、同僚のスミちゃんと上京し、秋葉原にやってくる。音楽活動を本格化させるためにコンポを買うと言うすみちゃんと別れ、兄の学校の先輩の山口さんと待ち合わせる。広告会社の制作2部で忙しそうな山口さんは、昼休みに時間を作っていた。行方不明の兄から届いた葉書を見せ、兄の思い出話をする。とりあえず葉書に書かれている墨田区吾妻橋と言う住所に行ってみると言うユキに、一緒に行ければいいのだけれどと言いながら、兄宛ての手紙を書いてくれる山口。
     地下鉄とバスを乗り継いで、吾妻橋までやってくるが、葉書の吾妻橋脇と言う住所にそれらしい家は無い。当惑しながら、ユキが彷徨いていると、青と緑のビニールシートの段ボールハウスから咳をしながら出て来た若いホームレスがユキと声を掛ける。兄ちゃんと一言絶句するユキ。コンビニ弁当をキレイに平らげた兄に、何でこんな生活をしているのと尋ねるユキ。兄は、エディット・ピアフや美空ひばりに何で歌を歌っているのかと尋ねるようなものだと答える。ユキには何だかさっぱり分からない。弁解するように、東京の人間は、自分のことしか関心がない最低な人間たちだとつぶやく。
    山口も気にしていた、久のかっての妻友子について尋ねると、全く会っていないと言う。友子さんがお店をやっている浅草は、ここから近いの?と尋ねると近いと言う久。店の名前は知らないのと聞くと、噂で聞いたところでは、スナックたんぽぽと…と小さな声で答える久。とりあえず行ってみようとユキが誘うと、一番上のジャンバーを着替えてくる。着替えたんだねと尋ねると、一番キレイだからと久。ユキは、そんなことはないよと答えた。
    浅草今半の前で、テレビ局のクルーが久に、格差社会についてどう思うかインタビューをしていいかと声を掛けてくる。滔々と語るが、ロールチェンジを理由に打ち切られる。クルーたちは、何を言っているのか解らないとか、目つきが怖かったと話している。インタビューの最中に、ユキは電話帳で友子の店の番号を調べ連絡を取っていた。煮込み通りの店の外の席で、兄妹で飲んでいると、自転車に乗った友子がやって来る。
to be continued.
   市川準の遺作。DVカメラを使い自分で撮り、知り合いを出演させた作品。何も知らずに見れば、どこかの新人が撮って、どこぞで賞を取ったと言われれば、そのまま信じてしまうかもしれない。映画監督を生業として、テレビの2時間ドラマの演出で食べている映画業界の監督業とは違い、広告業界の演出家が、映画を作り続けることによって、映画監督として評価されていったというイメージの市川準。勿論、この作品を最後の作品として撮った訳ではないので、遺作ということに過度な思い入れてはいけないだろう。

2009年5月4日月曜日

みどりの日に緑魔子

  阿佐ヶ谷ラピュタで、孤高のニッポン・モダニスト 映画監督中平康
  57年日活中平康監督『誘惑(287)』
   杉本家の朝、数えで55歳になる杉本省吉(千田是也)は去年妻の優子(左幸子)を亡くし、一人娘の秀子(左幸子・二役)と、婆やをおいて生活していた。秀子は勝ち気で、ドライな現代っ娘。あのパーティーを画廊でやっていいわねと言う。お父さんダンスしてねと言う秀子に、ブルース位踊れると答える省吉。お母さんは、多分お父さんがブルース踊れるなんてきっと知らなかったわと言う。母親の焼き餅は娘に遺伝するものだと心の中で思っている省吉に、友人の光子がちょっとしたシバリエねと言っていたと言う秀子。今から華道教室に出てからお店に行くわと言う秀子に、あのお化け生け花かと省吉。
   省吉は、銀座のすずらん通りで、洋品店を経営している。現在、2階を画廊にしようと改築中なのだ。杉本洋品店には、頼りない男性店員の大橋参吉(小沢昭一)と竹山順子(渡辺美佐子)がいる。順子は、仕事はテキパキとしているが、27歳の今まで、化粧をしたことはなく愛想が悪い。最近売上が下がっているのは意外と順子の愛想のなさではないかと省吉は思っている。
   大工が店を出る時に、向かいの喫茶店の桃園から、蓄音機の音が流れてくる。「酒は涙か溜め息か…」の曲に惹かれて、省吉は桃園に入る。主人の戸部(殿山泰司)は、久しぶりに出てきたんだが、やっぱり針の音がいいねと、次に「丘を越えて」を掛ける。
   曲を聴きながら、「この曲が、日本中に流れていたのは、昭和6年の三谷英子に失恋した頃だった・・・」昔を思い出している。五重の塔のある境内(浅草浅草寺か?)のベンチに、省吉と三谷英子(芦川いずみ)が座っている。上野の美術学校を出ても画家として全く生計のあてがない。縁談話があり、私はどうすればいいのと言う英子に、何も答えることが出来ない省吉。省吉は接吻をしようとするが、栄子に拒まれる。数日後、英子の手紙を桃園のカウンターで読んでいる省吉。手紙には、「私が拒んでも接吻をしてくれればよかったのに、あなたはどうして接吻してくれなかったの」とあり、縁談が決まった旨が書かれてある。絶望し、カウンターに伏す省吉。そこに、「青い顔をしてどうしたの?」と声を掛ける秀子の母の杉本優子。三谷英子を思い出し、思わず「英ちゃん・・・」と口に出してしまい、戸部にどうしたの?と声を掛けられ、赤面する省吉。
   店に戻り、クーラーをつける。ものすごい音がして動き始める。順子に化粧をしたほうがいいのではと言おうと思い、順子に「ちょっと話があるんだがいいかい?」と声を掛ける。しかし、左官に声を掛けられ、改めてゆっくりと言う省吉。順子は、店主が自分に気があって、告白しようとしたのではないかと想像し、店のメモに結婚を申し込まれると書いている。そこに、大山が帽子の箱を積み重ねて帰ってくる。支払いが遅いので、届けてくれず、先方に出かけないといけないらしい。そのことに愚痴をこぼす大山に、店頭だと冷たく注意する順子。
   水生流生け花教室とある家の座敷、猫を抱きながら生徒たちに指導をする土方竜(長岡輝子)。生徒の中に園谷コト子(轟夕起子)がいるが、不器用で花は周りの人間にぶつけるは、勢い余って花瓶をすっ飛ばした上に、テーブルを壊してしまう。その時、轟音がする。華道教室の奥の町工場のようなところでは、板金、溶接などが行われている。ここは土方竜の御曹司笛吉(波多野憲)の前衛派生花の作業場である。秀子に加え。綾部得太郎(武藤章生)、桜木光子(中原早苗)、金山トミ子(高友子)、大林英吉(杉幸彦)の6人。笛吉たちは、秀子の父が開く画廊で、グループ店をやろうと思っている。1週間5千円を3千円に負けて貰って、3週間9千円。招待状や何やらで1万円以上かかる。笛吉の友人の絵描きたちのレインボーグループと合同開催にしようということに。
 to be continued.
    

   シネマヴェーラ渋谷で、緑魔子伝説
   77年須川プロ/ATG須川栄三監督『日本人のへそ(288)』
小劇場で、吃音矯正の文章を読んでいる老若男女がいる。男(なべおさみ)が出て来て、吃音矯正の為にアメリカで学んできた最新の治療法で、患者たちに演劇をやらせるのだと説明する。患者たちが吃音になった理由を説明する。商社マン(美輪明宏)は、語学も優秀なエリートだったが、米戦闘機の輸入の疑獄に関わり、国会証言で記憶にないなど心にもないことを証言したストレスで、セリーグ公式審判員(草野大吾)は、野球好きな父親に、左利きに矯正され、プロ入りしたが、2軍止まり、野球から離れたくないので、審判員になったが、初陣、2塁の塁審で、走者にアウトの宣告をする際に右手を上げるべきか、左手を上げるべきか、自分の判断が瞬時に付けられなくなり吃音に、右翼団体の代表(小松方正)、国鉄職員(三谷昇)、マネージャーが両親から多額の金を巻き上げたアイドル歌手(東てる美)、過激派の恋人に自分が搭乗する便をハイジャックされてしまったスチュワーデス・・・。
そして、この映画のヒロイン桜田百恵(緑魔子)が東北から出てきて、ストリッパー、ヘレン天津となるまでを芝居にしていくのだ。
   東北の貧しい村、桜田百恵の父親(熊倉一雄)は出稼ぎに行くが、事故でムチ打ち症になってしまう。中学生だった百恵は、同級生のハットリ君(佐藤蛾次郎)に別れを告げて東京に出ることにする。東京に発つ前夜、父親は可愛い娘が東京の男の手にかかってしまうと思うと、獣のようになって百恵を犯す。百恵は、ショックのあまり吃音になった。
    東京の最初の住込みの勤め先クリーニング屋の主人(ハナ肇)は、百恵を好色の目で見て何とかモノにしようと迫ってくる。休日、浅草の浅草寺の賑やかさに夢踊る百恵は境内で、1週間で英語が話せるようになるという怪しげなテキストを売っている東京大学の学生(美輪明宏)を見かける。学生は言葉巧みに百恵に近づき、百恵は浅草の連れ込み旅館で身を任せる。しかし、学生は消えてしまう。それから、百恵の転落の人生は始まる。
   エロバーの女給からトルコ嬢になっていた百恵は、常連のキミヅカ(丸山善司)からストリップ嬢にならないかと誘われる。キミヅカは浅草ロック座の台本作者だったのだ。ロック座を訪ねるとキミヅカは、劇場支配人で振付師の石井(小松方正)に紹介する。石井は、百恵にヘレン天津という芸名を付け、振り付けを教えてくれた。ダンサーが増えたので、コメディアン(草野大悟、三谷昇)は首になる。ヘレンは、彼らとバンドマンとダンサーたち(東てる美、女屋美和子、橘由紀)と団結して、待遇改善を支配人たちに訴えることにする。
   団交をしていると、地周りのヤクザ(美輪明宏)がやってくる。ヤクザは、かって浅草寺の境内で会った東大生だ。ヘレンは姉さんとなる。しかし、ヤクザは、ヘレンに目を付けた親分(草野大悟)に売り渡し、親分は右翼の会長(小松方正)に、右翼の会長は政治家(なべおさみ)に譲り渡す。 
   その後、小劇場で行われる劇中劇と、演じている吃音者たちの関係が入れ子の状態で、どんでん返しが連続していくのだった。
   
   75年東映京都中島貞夫監督『まむしと青大将(289)』
   広島刑務所からゴロ政(菅原文太)が出所してくる。ホルモン屋で隣の客の煙草やホルモンを盗み食いするほど金はない。大阪の弟分不死身の勝(川地民夫)のもとに戻ろうにも手土産もない。そこで地元のヤクザが殴り込みに入るというのを聞いて助っ人を買って出る。相手の親分のタマ取ったら100万円寄こせと約束する。激しい争いの中、相手の事務所に忍び込み飲み食いをするゴロ政。最後に、相手の親分(汐路章)を脅し、お前のタマ120万で売らんかいとドスを突き付け、懐に入れる。しかし、ゴロ政が逃げるとすぐに、他の男に刺される親分。
   なんとか勝への手土産も出来たし、トルコに行くゴロ政。花江(三島ゆり子)に一緒に明日大阪に行こうと誘う。花江も、トルコ嬢でコツコツと300万を貯めていた。しかし、砂子欣一(川谷拓三)に誘われ、大阪のボンボンをカモにして麻雀に加わる。弱い筈の大阪のボンの町田健次郎(荒木一郎)に一晩掛かって有り金すべて巻き上げられてしまう。しかし、帰りがけハンカチで汗を拭こうとした健次郎は、ポケットから牌を落としてしまい、イカサマがばれる。金を取り返すゴロ政に、男は涼しい顔で、ベビーフェイスの健だと名乗って去って行った。
   花江のアパートに帰ろうとするゴロ政に、雀荘からしけた親父(金子信雄)が付いてくる。坊本徳造という男は金がないと死ななければならないと言う。よろめいて川に落ちそうになったのを、身投げしようとしたのかと思ったり、5,6人いる子供たちにオカヤンいるかとゴロ政が聞くと、オカヤン知らん、食べモノか?という子供たちの答えに、男やもめが子供たちを育てていると思い込み、帰ってきた男の妻で、子供たちの母ちゃん(石井冨子)が、腹が空いたという子供に焼き芋を上げているのを見て、赤の他人でもこんな親切な人はおるんやと、ゴロ政は勝手でお目出度い勘違いで、有り金を全て坊本一家に上げてしまう。
花江は大阪行きの支度をしていたが、兄弟の土産を人のために使ったと言われて、黙るしかない。そこに、隣室の一条沙織(緑魔子)が花江に借りていた雑誌を返しに来る。沙織は花江と同じトルコ嬢、花江から男には興味がなく1億円貯めていて、唯一の楽しみが麻雀と聞いて、これだと思い、ベビーフェイスの健を探す。花江の虎の子の300万の貯金を下させて種銭にし、沙織、ゴロ政、健、欣一で囲む。しかし、沙織は圧倒的に強く、簡単に巻き上げられてしまう。半狂乱の花江。
  健は、沙織の1億円を頂くための撒き餌だと言って、欣一を人質に、沙織の所に行く。しかし、健は大阪で大きな勝負があるので、一緒に組んで儲けないかと誘い姿を消した。

2009年5月3日日曜日

丸根賛太郎を賛美。

   神保町シアターで、昭和の原風景
    58年松竹大船野村芳太郎監督『モダン道中 その恋待ったなし(283)』
   東京丸の内の野村銀行の行員・鶴川松夫(佐田啓二)は、数字とにらめっこの無味乾燥な毎日。今日も下宿に帰ると鰺の干物の夕飯、手取り1万8千円では、結婚どころではない。食事の後、一杯飲もうかと安いバーに入る。店内でかかっているテレビ番組では、3万円の抽選をしている。2853人の応募者のうち正解者2852人、幸運なお一人は文京区の鶴川松夫さんです!びっくりして椅子からひっくり返る鶴川。
   鶴川は、その賞金で、東北・北海道の周遊券を買い、青森行きの急行列車の三等客室に乗っている。偶然前の席に座っていたのは、自動車整備工の亀野竹彦(高橋貞二)。彼は給料をコツコツ貯めて、やはり東北・北海道周遊券を買い、出発するところだった。車掌の検札で偶然知り合った二人は亀野のウィスキーを酌み交わす内に一緒に回ることにする。鶴と亀、更に松と竹で、「明るく楽しい松竹映画」と字幕が出る(笑)。
   一泊目は、福島の飯塚温泉だ。旅館はすみれ会という熟女の団体が入っていて、大層賑やかだ。鶴川と亀野が帳場に電話をしても、手が足りず、なかなかビールを持って来ない。やっと来たのはおすがと言う婆さん(若水ヤエ子)だ。お酌をしてくれるが、二人は嬉しくない。部屋付きの若い女中さんの名前を尋ねると自分の名前を聞いて口説いてきたのかと勘違いしておすがと答える。女中の娘の名前は東北弁を何度も聞き返して、弘子(川口のぶ)だと分かる。亀野は少し気があるようだった。一階のすみれ会の宴会を覗くと、芸者の楽団の演奏で、飲めや歌えや、踊れやで盛り上がっている。すみれ会の婦人(清川虹子)と踊っている男(桂小金治)が、良かったらこっちに入って呑みましょうと言う。酒を注いで貰いながら、男にすみれ会と言うのは大層凄いですが、どういう団体ですかと尋ねると、男は自分も飛び入りなので、知らないんですと答える。鶴川と亀野は、女性とのロマンスを夢で見ながら眠っていると、手拭いで頬被りした男が忍び込んで来る。足を踏まれた鶴川が飛び起きると、慌てて男は逃げ出す。
    2日目は、松島だ。鶴川と亀田は遊覧船に乗っている。高級な服を着た姉妹らしい二人がこちらを見続けている。何だろうと思ったら、妹が、鶴川の座っているところにお弁当を置いていた筈だと言う。立ち上がって見ると、弁当は下敷きになって、潰れていた。遊覧船を降り、姉の海老原ゆり(岡田茉莉子)と妹のトシ子・トンちゃん(宇野賀世子)の二人と、展望台から海を眺める。鶴川と亀田は、昼を食べようとおにぎりを出したが、姉妹の弁当は鶴川が潰してしまっている。お嬢様の二人におにぎりを食べさせるのは失礼にあたるのではと心配したが。トシ子は、これが猿蟹合戦に出てくるおにぎりというものなのねと、ユリに言い、二人は、初めて食べたおにぎりはおいしいと言った。
    姉妹が泊るホテルは非常に高級なホテルだ。ちょうど通りかかった飯塚温泉の宴会場で会った男に4人で写真を撮ってもらうことにする。鶴川と亀田は男と三人で旅館に泊ることにする。男は、富士山梅吉と名乗った。梅吉は、貴重品を預かるので温泉に入ってきたらどうかと言う。梅吉に従って、財布と時計を預け風呂に行く二人。隣の部屋は新婚だったが、警視庁の刑事の時化田三吉(坂本武)が捜査上の都合で部屋を変わってくれと言う。時化田は、隣の梅吉を見張っている。
to be continued.

   65年日活鈴木清順監督『刺青一代(284)』
   昭和初年、雨の中、戸塚組の貸元、戸塚岩松(嵯峨善兵)の乗る人力車に大和田組の番傘をさした男が近づいてくる。男は、白狐の鐵と呼ばれる流れ者村上鐵太郎(高橋英樹)。大和田組から頼まれ、浮き世の義理で、戸塚を斬り、草鞋を履く前に、美術学校に通う弟の健次(花ノ本寿)の下宿を訪れたが、生憎外出中だったので、金だけ託したところに、大和田組の正吉(小林亘)が駅まで送るよう親分から言いつかったと迎えにくる。to be continued.

   67年日活野村孝監督『拳銃(コルト)は俺のパスポート(285)』
   殺し屋の上村周治(宍戸錠)を案内する大田原組の幹部?。島津(嵐寛寿郎)の殺しを依頼したのだ。島津はとても用心深く、車も事務所も防弾硝子を入れていて、また、四六時中用心棒の船木(深江章喜)が付いている。島津は、明日1日日本にいたら、出国してしまうと言う。to be continued.


  39年日活京都丸根賛太郎監督『春秋一刀流(286)』
   鱗雲が浮かぶ高い空が映る。このいいお天気に、建師ヵ原に血の雨が降る。やくざ同士の大がかりな喧嘩だ。 千葉道場を破門になった平手酒造(片岡千恵蔵)は、ヤクザの用心棒としてその日暮らしをしていた。ある日の出入りで、相手方の用心棒になっていた、同門の只木巌流(原健作)と再会する。たかが1両ぼっちの用心棒代、馬鹿馬鹿しく高みの見物をしていた二人だったが、もっと支払いの良さそうな親分のところに、行こうと抜け出した。
    飯岡の助五郎が、お上から十手まで預かって羽振りがいいらしい。とりあえず歩いているうちに、巌流は草履擦れで足が痛くなる。ふと見ると、橋の上で、男女が揉み合っている。止めに入り、造酒は、男の頬を打つ。てっきり男が女をいたぶっていると思いきや、女が身投げしようとしていたのを止めようとしたら、抵抗されたのだと言う。男はやはり浪人で、釜の白兵衛の用心棒をしている多聞重兵衛(志村喬)。女はおみね(比良多恵子)と言い、早くに二親に死に別れ、育ててくれた叔父に、白兵衛に売られてきたが、堪らなく死のうとしたのだと言う。
   巌流は、泣くおみねに優しく慰める。余りにケチな白兵衛を見限って、鞍替えしようとしていた重兵衛と一緒に4人で、どこかに行こうと宿屋に泊まった。酒造、巌流、重兵衛さ、酒を酌み交わすうちに意気投合する。巌流が歌でも歌おうかと言い出したところで、向かいの部屋の渡世人が、 歌うのはいいが、隣の部屋には響かないようにしてもらえないかと頭を下げにきた。そいつぁ済まなかった、まずは一杯と酒を勧めた。
    渡世人の名前は須賀山の多駄平(田村邦男)。親分の笹川の繁造(沢村国太郎)は、まだ売り出し中だが、たいそうな男振りらしい。おみねを入れた4人で、ぜひ親分を訪ねてみようということになる。まず、おみねを田駄平の妻、お菊(香住佐代子)が営む茶屋で小女として働かせることにする。
そして、繁造のもとに行く。繁造は、いくら欲しいか忌憚のないところを話してくれと言う。造酒は、北辰一刀流の使い手として、喧嘩一件毎に10両、千葉道場で、酒造の5枚ほど下の巖流は5両、特に名前はない重兵衛は3両と言ってみたところ、ひと声で請け負う繁造。繁造の妹のお勢似(轟夕起子)の美しさに三人は、目を奪われる。to be continued.

  目黒ブルースアレイで、ブラスロックグループブラフのライブ。