2009年12月26日土曜日

映画三昧

   京橋フィルムセンターで、生誕百年 映画女優 田中絹代
   62年文芸プロダクション/にんじんくらぶ田中絹代監督『お吟さま(731)』
   秀吉は、薩摩の島津を討つ前に、筑前竹田の?に駒を進めた。その陣中、石田三成(南原宏治)と前田玄以(千秋実)と比叡山の高僧?が話している。「これで太閤殿下による天下統一がなり、後の問題は吉利支丹、伴天連だけになりましたな」「この度の九州平定に、高山右近ら吉利支丹大名が参加していないことで、太閤殿下のお心も決まったと言うものだ。」
三成が、浜辺に出ると、千利休(中村鴈治郎)が茶を立てている。「朝の一服はさぞやのものであろう。利休どの茶を所望したいのだが…」「ところで、利休殿の娘のお吟さま、松永禅正殿の忘れ形見と伺っているが、ちょっと縁談がありましてな。養い親として可愛がってお育てのお吟殿、さぞや手放したくらないと思うが、ぜひにとの方から相談を受けましてな」
    堺の利休の屋敷。淀川沿いの船着き場に、小舟が着く。下女宇乃(富士真奈美)が吟(有馬稲子)の部屋に駆け込んで来る。「右近さまが、お見えになりました。」吟の顔が喜びに輝く。「まだ、お支度をされていないのですね。早くお支度下さいませ。」唇に紅を引く吟。高山右近(仲代達矢)を出迎える母りき(高峰三枝子)と弟の予吉郎(田村正和)

   池袋新文芸坐で、シネマカーテンコール2009
    クリスティン・ジェフズ監督『サンシャイン・クリーニング(732)』
   停めた車の運転席で、神経質そうに口臭スプレーを使う男がいる。ダッシュボードから銃弾を取り出し、ワイシャツの胸ポケットに入れる。大きく広いアウトドアショップに入る男。店員に「20口径のショットガンをくれ。強力なやつがいいな」「12口径?20口径?」「20口径」「これどうですか?」男に手渡す店員。銃弾を込め、自分の下顎にあて、引鉄を引く男。現場検証をしている警察関係者。 
   ピンク色のボロシャツの制服を着て、部屋を掃除しているローズ・ロウコスキー(エイミー・アダムス)。父親のジョー(アラン・アーキン)がノラ(エミリー・ブラント)に「店から電話だ。早く起きなさい!」やっと起きてレストランに行くものの、お盆をひっくり返して、フライドポテトを豪快に床にぶちまける。女主人は、遅刻してきた上に全く使えないノラに堪忍袋の緒が切れてクビだと叫ぶ。

    ガーボル・ロボニ監督『人生に乾杯!(733)』


   うーむ、いいなあ、81才と70才の老夫婦。

    神保町シアターで、女優・高峰秀子
    52年スタヂオ・エイトプロ五所平之助監督『朝の波紋(734)』
    有楽町から銀座方向に進み、日劇手前を左折するカメラ。
    アメリカ銀行、米人のマネージャーに流暢な英語で商談をする瀧本篤子(高峰秀子)。三光商事に戻ってきた篤子に、「やっぱり駄目だったか」と営業部長の久富(斎藤達雄)。 「OKしてくれました」「三光商事の信用ですよ」「しかし僕や久富くんが何度通っても駄目だったんだから瀧本くんの腕だよ」と社長の向井(清水将夫)。「来週のアメリカ出張の書類纏めておいてくれよ」「出来ています。」篤子は三光商事の社長秘書だが、小さい会社なので、直接商談することも多い。古株の社員(加藤嘉)が「瀧本くんも、アメリカ出張に行くのか?!」と同僚に尋ね「そんな訳ないじゃないですか、社長だけですよ」と言われている。
篤子が帰り支度をしていると、同僚の梶五郎(岡田英次)が「アコちゃん!もう帰るのかい?」「梶さんのとこ大変そうね」「アメリカへの電報一本だけお願いしてもいいかい」「お安い御用よ」
   篤子が六本木のバス停から歩いている。まだ焼け野原で、広々としている六本木。焼け残ったらしい家、瀧本篤三と表札が掛かった門をくぐると、門の脇に雑種のペケが繋がれていて、頭から毛布を被った男が、しきりと「ううーっ!お化けだぞう」とうなり声を上げている。ペケはキョトンとして尻尾を振っている。「健一!出て来いよ」と毛布を被った男。健一(岡本克政)が出て来て篤子に気付き「お姉さん!お帰りなさい」「健ちゃんただいま!どうしたの?」「」ペケが全然吠えないので、いのさんに脅かして貰っていたんだ」
そこに犬を背負った篤子の母綾子(瀧花久子)が帰って来た。毛布を被っていた男(池部良)は、「二つともお宅の犬ですか」「ペケは僕の犬なんだ」と健一。「ペケ散歩に行こう」と男が連れて行くのを見て、綾子「あの方は?」「健ちゃんの親友ですって」
   毛布の男、いのさんこと伊能田二平太「なあ、健ちゃん!あの人君の姉さんか?」「親戚だよ。僕のお父さんは戦死して、お母さんは、箱根の旅館で事務の仕事をやっているんだ。今の家には居候なんだ」

2009年12月25日金曜日

赤坂昔話

  朝一番で、大門の睡眠クリニック。昨日の成人病クリニックといい、中高年が集まる病院は、凄い人だ。予約制だし、ほとんど待たない病院だが、今日ばかりは通常の倍以上かかる。
  そして、元同僚と年内で閉店だと言う赤坂の成都酒家に。11時半についたが、既に殆ど席が埋まっていて、座っているお客さんに料理は全く出ていない。何とか、11時45分に着席し、料理が出てくるまでに45分。五目焼きそばを食べる。旨いなあ。
   成都酒家は、元会社が赤坂にあり、そこに新卒で入社した翌年の83年のことだろう(82年中は、研修と称して、当時その会社が作ったばかりの渋谷のライブハウスでウエイターをしていたので)。自分にとって、赤坂の四川料理というのはここだった。ランチの担担麺か夜の水餃子。生ビールサーバーが導入されるまで、ビールが小瓶しかなかったので、若造には夜の敷居は少し高かった。暫くして、領収書をきれるようになってから、アーティストやメディアの人間との会食で、ちょっといい竹コースの場合だったろうか。80年代から90年代初頭の赤坂は、バブルでもあり、サラリーマンが会社の金で飲む松の店か、自分の小遣いで飲む梅の店の両極しかなく、竹の店は少なかったなあ。今や梅か、番外の店ばっかりだ(苦笑)。いつも財布は空っぽだったが、カード可の梅~竹の店は本当に少なく、困った時の成都酒家だったかもしれない。まあ、そんな店が年内で閉店。11月末にその話を聞いて、何人かの元同僚と忘年会をやろうと言っていたが、夜の予約はもう一杯だと言われてしまっていた。80年代後半バブルによる地上げによってかなりの店が閉店し、バブルが弾けて松クラスの店がなくなり、この頃は経営者の高齢化によって閉店していく。20代の頃から行っていた店は、あと4、5軒になった。

2009年12月24日木曜日

病院行脚

   天気も良さそうなので、早起きしてゴミ出しし、洗濯をした後は、赤坂のメンタルクリニック、大門の歯医者、丸の内の糖尿病経過観察と、年内最後の病院行脚。

   京橋フィルムセンターで、生誕百年 映画女優 田中絹代(2)

   60年大映東京田中絹代監督『流転の王妃(729)』
   昭和32年12月天城山、セーラー服を着た女子学生の遺体と学生帽が落ちている。娘の遺体に毛布を掛けてやる龍子(京マチ子)。
    時代は遡る。黄色くなったイチョウ並木。軍人の隊列越しに、菅原龍子の姿がある。皇族菅原家の屋敷。龍子の母和子(沢村貞子)「龍子はまだ帰りませんか」「木下先生にお電話したところ、おひいさまは、午後早くお帰りになったそうです。」「まあ、困ったわねえ」「和子さん!」祖母の直(東山千栄子)が呼ぶ声に、襖を開ける和子。「お母様、和子さんに今日のことをお話しになりました」「では、龍子には今日のお見合いのことは話していないのですぬ」「はい、取り敢えずお会いしたいと言うことでしたので…」「私は、こういう話しは、あくまでも本人次第だと思いますよ」女中が「朝吹閣下がお見えです。御前さまがお呼びでございます」「まあ、朝吹閣下が…、一体全体何でしょう」
   龍子が帰宅する。「龍や、龍や」「ばばさま、私とっても素敵なことがございましてよ」「まあ、何でしょう」「木下先生が油絵を描いてもいいとお許しが出たんですの。木下先生は洋画界の第一人者ですもの。私一生懸命描いて、来春の春雷展に出品いたしますわ」「まあ、まあ木下先生をお勧めしたのは、ばば様ですよ」置き時計は3時を指している。「まあ、こんな時間、龍子早くお支度をしないと、お芝居に遅れますよ」
    朝吹(三津田健)が「では、宜しくお願いいたしますよ」と念を押して車に乗り込む。沈痛な表情の父親菅原秀郷(南部彰三)と和子。和子が龍子に「お芝居どころではならなくなりました。大変なことが起きてしまったわ。龍子さんいらっしゃい」応接間に、龍子と龍子の父母、祖母、叔母夫婦が集まっている。「満州皇帝の弟君の嫁に決まったと言うのだ。」「誰が皇帝の弟君の嫁にというんです」いきり立つ祖母。「ですから龍子がです。」

   63年日活中平康監督『光る海(730)』
   城南大学の卒業式、英文科は、女子33人に対して、男子7人。野坂孝雄(浜田光夫)向井達夫(山内賢)浅沼一郎(和田浩治)木村健五(杉山俊夫)倉橋守(木下雅弘)長沢三津雄(市村博)川田千太郎(亀山靖博)という男子学生は、七人の侍と呼ばれている。学生服姿の彼らは、教室の前で、クラスメイトの女子たちを出迎えている。クラス一の成績の葉山和子(十朱幸代)は艶やかな振袖姿で、対照的に、二番目で小説家志望の石田美枝子(吉永小百合)は、黒いスーツに黒い縁の眼鏡の姿で、愛犬のコッカスパニエルのベベを連れている。式の最中、卒業証書を受けた取った美枝子が転ぶ、そこをクラスメイトの野坂孝雄が受け止める。
  式が終わり、足を挫いた美枝子に、肩を貸す野坂。そこに、美枝子の母、雪子(高峰三枝子)が声を掛ける。若く美しい雪子が着ている上質な着物や帯などを説明するが、今日は自分の頼みで化粧をしていないのだと野坂には言い、母には、これから茶話会があるので、ベベを連れて帰ってと頼む美枝子。雪子は、5歳の時に離婚、銀座でバーをやりながら、美枝子を育ててきた。美枝子は、自分の母親が水商売をしていることを恥じてはいないが、何か屈折があり、母を困らせるために化粧をしないでと言ったのだと告白する。
  教室での茶話会は、担任で心理学の渡部教授(浜村純)を中心に盛り上がる。女子学生の中に7人の男子学生がいるということは大学にとっても実験だったと言い、4年間の感想を告白させる渡部。教室を片付けている和子と孝雄。美枝子がハンドバックを忘れている。野坂が届けることになる。また会いましょうと握手をする二人。
   美枝子の家に、野坂がいる。卒業式では、黒いスーツ姿だった美枝子が振袖に着替えていて、野坂を驚かす。小説家志望で人間観察が趣味の美枝子にかかっては、親切に忘れ物を届けた野坂も感謝されているというよりも貶されにやってきたようだ。ホテルオークラで、父親と会うので車を運転して送ってくれと頼む美枝子。
   ホテルのレストランで会食をする。美枝子の父、田島清二(宮口精二)は、美しく成長した娘の姿に目を細める。何で離婚したのだと、野坂から率直に問われた田島は、幼い時に夫を亡くした母親安子(原泉)が息子である自分の成長に全てを掛けたため、あまりに母との関係が深すぎ、結婚した後も、雪子に干渉しすぎて、諍いが絶えず、自分が母親にも妻に対しても何もできなかったからだと言う。すると、美枝子は、直接的な原因は自分だったと言いだす。幼稚園のころ、自分は祖母にも母にもいい顔をしていたが、ある日帰宅すると二人が激しく言い争いをしており、それを止めようと物差しで祖母を叩き「ママを苛めないで」と自分が言うと、祖母も、母も自分のせいだと謝罪をし、そのことは、二人は一緒に暮らさない方がいいと思わせてしまったのだ。幼いときの自分のせいだという美枝子の話に、田島も野坂も、美枝子が5歳から背負ってしまったものを思って涙ぐむ。
   帰り車を運転し、美枝子の家に向かいながら、聖者の行進を歌う二人。玄関の前での別れ際、美枝子を抱きしめたくなる衝動を抑える野坂。美枝子は、恋愛とか結婚という気持ちと別に若者は口づけをすることはあるという。口づけをする二人。
   三か月がたつ。葉山和子は、ある大企業の庶務課に勤めるBGとなっている。実は、この会社の社長は、叔父の矢崎庄二郎(森雅之)だが、社内でその関係を知る者はほとんどいない。秘書課でもなんでも推薦してやると言ったのに、何で庶務課なのだと尋ねる矢崎に、とても働き甲斐のある職場だと言う和子。実は、和子の推薦で、浅沼一郎(和田浩治)が入社しているが、英語力を矢崎は認めており、秋にはアメリカ出張させることが内定していると言う。浅沼とすれ違った時におめでとうと囁く和子。ちょっと相談があるという浅沼に、野坂を誘い三人で会おうと言う和子。浅沼は、実は大学時代から1年下の女子学生木村栄子(松尾嘉代)という同棲相手がいて、妊娠した栄子は産みたいといっているが、会社には独身として入社したので、どうしようという衝撃的な話だった。野坂は自分の実家の医院で出産し、費用は出世払いにしてもらうように親に頼んでやるといい、和子も、会社のほうへの根回しは自分がやってあげると言う。二人は、浅沼のアパートを訪ねる。和子は、浅沼と野坂を部屋の外に出し、栄子の腹を触らせてもらう。胎動に感激する和子。
   浅沼の家を出た和子は、野坂を自宅に誘う。葉山家を訪れると両親は親類の家に外出しており、高校生の妹久美子(和泉雅子)が出迎える。和子が着替える間、久美子が相手をするが、少し前、内気で暗かった印象の久美子は、一変しており、野坂を驚かす。姉の和子と今結婚しても、安月給では、生活が苦しい、その分、今の自分と交際をして自分の大学卒業の時に結婚すれば、給料も上がっているだろうから、幸福な新婚生活を送れるだろう。だから姉ではなく自分と交際しないかと言うのだ。かって自分が陰気だったのは、下半身に発毛が無く悩んでいたからだと言う。そしてその悩みが解消され、母親や姉とも一緒に入浴できるようになり、姉の和子と入浴した際には、自分より姉の方がそこは豊かだと言って、姉に叩かれたことがあるとまで話す。和子が現れ、何の話をしていたのかと尋ねられ、経済学や生理学やら・・・と野坂はごまかすが、最近浴室で久美子を叩いたことがあるかいと尋ねる。何の話だか思い出した和子は赤面する。そこに、親類の建て前の祝に出かけていた和子の両親(下條正巳、小夜福子)が帰宅する。父親は大変ご機嫌に酔っている。家の前まで、野坂を見送る和子。
  出版社に就職した向井達夫(山内賢)が美枝子を訪ねてくる。今度新人文芸コンクールがあり、若手編集者に一人ずつ作家を発掘するよう指示があったので、美枝子を推薦しようと言うのだ。原稿を取りに、自宅に戻ると婆や(飯田蝶子)が雪子が実印を忘れたので店に届けてほしいという伝言を伝える。美枝子は向井を連れて、銀座の雪子の店きこりを訪ねる。美枝子は雪子に交際する男性がいるかと尋ねる。姑との確執で家を出た自分は、水商売をしているだけに、美枝子のためにも自分を律してきてしまったと言う。逆に雪子があなたはどう思っていたかと美枝子に尋ねる。そうしたそぶりも見せない母親を疑い、耐えられなかったが、いてもおかしくないし、居る筈だろうと思って、母親が幸せならどちらでもいいと思っていると言う。母娘の会話に感動する向井。雪子は、信頼するボーイフレンドと新橋で食事をするので、あなたたちもいらっしゃいと言う。
   料理屋に現れたのは、和子の叔父の矢崎だった。店の客で、妻も何度か店を同行させ、雪子に好感を持っていると言う。何か、複雑な思いを抱かせないように、雪子は美枝子に、矢崎は和子に、自分たちが友人だと告げてこなかったと言う。紳士的でダンディな矢崎に好感を持つ美枝子。若い二人を帰したのち、矢崎は、妻のことで相談があると言う。胃潰瘍の手術を受けた妻の信子(田中絹代)は、痩せてきており、医者は問題ないというが気鬱で身体を壊さないか心配しているのだ。雪子は、信子から夫の矢崎には内緒で一度、出来れば美枝子も伴ってもらって、会いたいと言う手紙を貰っていると告白する。信子が二人の仲を邪推するような女性でないことは、二人とも分かっているが真意は不明だ。女同士の会話で信子の気も晴れるだろうから、会ってやってくれないかと言う。
    教会で、普段着のまま、牧師の前に並ぶ浅沼と栄子の姿がある。栄子は臨月を迎え苦しそうである。しかし、牧師は何故か(島田登里子(ミヤコ蝶々)で、牧師の弟の代理である。誓いが終わり、安いエンゲージリングを栄子の指に嵌めたところで、栄子は倒れる。救急車で野坂の実家の医院に運ばれる。野坂の父親淳平(清水将夫)も長い産婦人科医生活でこんな大きな声をだす妊婦は初めてだというくらいの悲鳴が、院内に響き渡っている。居間に集まっている野坂や、母里子(高野由美)、弟の次郎(太田博之)、浅沼、和子、久美子、美枝子たち。疲れた顔で父親が現れ、あまりの悲鳴の大きさで入院患者も何事かと大騒ぎになったが、無事に男の子が生まれたと浅沼に伝える。浅沼が病室に駆けつけると新生児を抱いた看護婦(奈良岡朋子)が、小声で、自分の看護婦生活であんな大きな悲鳴を上げた妊婦は初めてだと言い、さぞや閨での声も大きいのでしょうねと囁く。赤面する浅沼。
   美枝子、和子、野坂たちは、浅沼抜きで出産祝いを兼ねて、やはり同級生だった木村が、ステージで歌う銀座のクラブに出かけた。
   0数日後、雪子は、美枝子を伴い軽井沢の矢崎の別荘に信子を訪ねる。美枝子が馬に乗って出かけている間に、雪子は、自分が胃癌であり、みんなが自分のために悲嘆しながらその日まで迎えることを嫌い、夫や子供たちには内緒にするよう医師に口止めしていることを告白する。その上で、自分が心残りなのは、夫の矢崎のことだけであり、世間に大々的な披露をしないことと、遺産の相続を受けないことを条件に、自分の死後のことを雪子に託したいと言う。
   気持ちは判るが、雪子も矢崎も独立した人格なので、一緒になれと言われても困ると言う雪子に、極めて冷静に信子は、この願いを雪子に伝えることで自分は救われるのだと言う。カレンダーを指す信子。8月のカレンダーには1日毎に赤鉛筆で×が付けられている。これが自分の生きている証なのだ。来月の風景の写真を自分は大変気に入っており、何日その写真を見ることが出来るだろうかと言い、今日は大事な用事も済んだので、印を付けてほしいと雪子に頼む。泣きながら赤鉛筆を取る雪子。
    馬に乗った美枝子がやってくる。明るい美枝子に会い喜ぶ信子。疲れている信子を気遣いハラハラしている雪子だが、元気な若い佐知子と話すことが何よりも嬉しいと言う信子の夕食の誘いを受ける。美枝子宛ての電話が掛かってくる。美枝子の書いたものが評判なので、コンクールの選考に残ることになったという知らせだ。ラジオをつけてツイストを踊り出す美枝子。戸惑う雪子と嬉しそうに手拍子を打つ信子。
    9月中旬になり、東京の矢崎の家に、和子と美枝子が呼ばれる。美枝子の母と矢崎が親しかったと聞いて驚いたと言う和子。今には信子に呼び出された息子高雄(木浦佑三)と娘麻子(南寿美子)文子(天路圭子)もいる。信子が、自分が胃癌で後数週間の命であること、家族には知らせないよう医師に口止めしていたことを告白する。驚き疑う家族たちに、自分は皆に悲嘆に暮れながらその日を迎えたくなかったのだという。美枝子は、ある哲学者の言葉を思い出した。自分がうまく伝えられない気持ちを代弁してくれた美枝子に感謝する信子。しかし、自分の死後、遺産相続を受けずに夫の矢崎と生活を共にしてくれる女性を求めているのだと言い出したことに矢崎も子供たちもそれはあんまりだと言うのだ。そのとき美枝子は、私が呼ばれた訳は、信子が思い抱いているのが自分の母の雪子だからではないのかと言う。信子にどう思うかと尋ねられて、多分母親を取られて悲しい思いをすると思うが、反対はしないと言った。数週間後、信子は静かにこの世を去った。
   和子の家で両親が相談ごとをしている。久美子が現れて、二人は話を止める。久美子は、日本の家庭では、親は子供に内緒ごとをできないので、教えてほしいと言う。戸惑う両親に、クラスで、いつ両親の秘め事を知ったかとアンケートをとるとほとんど幼いときから両親が閨を共にしていることを知っていたと言う。久美子も、本当に小さかった時、夜中に目が覚めると母親が布団におらず、父親の布団に入っていることに気がついて、母親はお化けが出て怖いので、父親と一緒に寝ているのだと思ったという話を披露する両親の困惑は一層高まり、和子の縁談のことだと打ち明ける。久美子は、姉の和子は野坂に好意を持っており、野坂もそうであるが、それ以上は進展していないと言う。野坂であれば、人柄も家柄も文句なしだが、猫に鈴を誰がつけようかという話になり、久美子は、野坂の弟の次郎と二人で実行すると言う。
  翌日、学校帰りに次郎と会って、その話を持ちかける。美しい和子が義姉になることは次郎も賛成だ。翌日、野坂を勤め先の放送局に訪ね、姉が最近恋わずらいして、寝言で野坂の名を呼んでいると嘘をつく。次郎も、和子を会社に訪ね、兄のことを話す。
  羽田空港に、矢崎家の人々と和子、雪子、美枝子が集まっている。結局、矢崎と雪子は、信子の希望通り、入籍はしないが、同居することになり、神社で内輪だけの式を挙げ、今日から5日ほど北海道への新婚旅行にでかけることになったのだ。美枝子は雪子に、自分は小説家の卵として、矢崎と愛し合った日には○をそうでない日は×を書いた絵葉書を出してほしいと頼む。雪子は呆れながらも仕方なしに、承諾する。
   見送りのあと、和子はボーリング場で、野坂と待ち合わせている。お互いがやつれていないことで、弟と妹に騙されたことに気がつく。しかし、和子は、野坂に二人に乗せられたことにしましょうと言い、結婚しようということになった。野坂は、美枝子に電話をする。感のいい美枝子は、野坂が和子と結婚の約束をし、報告の電話でないかと言って、野坂を驚かす。しかし、祝福の言葉を言って電話を切ってから、美枝子は泣いた。彼女も、野坂に対して憎からず思っていたからだ。さらに、新婚旅行先の雪子から電話がある。とてもいいホテルで。寝室にはとても大きなダブルベッドと、赤い薔薇の花で埋め尽くされていると言う言葉に、電話を切り、激しく泣き出す美枝子。急に孤独を強く感じたのだ。婆やが、美枝子を慰め、涙を拭いてあげる。
    ホテルの一室で、美枝子の新人女流文学賞の受賞パーティが行われている。恩師の渡部を始め、赤ん坊を抱いた浅沼と栄子も含め、大学時代の友人たちもみんな顔を合わせている。スピーチを終えた美枝子は、突然、婚約を決めた友人を祝福したいと思うと言って、野坂と和子を呼ぶ。驚く二人。美枝子は結婚行進曲を原語で歌い始める。友人たちも歌い始め、会場中が歌声にあふれていく・・・。

2009年12月23日水曜日

男がしくじる全ての原因は、やっぱり女だなあ(苦笑)

   角川シネマ新宿で、大雷蔵祭

   60年大映京都伊藤大輔監督『切られ与三郎(724)』
   歌舞伎小屋中村座、三味線を弾く与三郎。「上方きっての人気役者だか何だか知らねえがあんな大根、俺は嫌だぜ。明日からは誰か立てくれ」「そんな!!」吐き捨てるように?の芝居を切って捨てた与三郎に、一人の女形が「お師匠さまに何て言い草だ!囃子方風情が!」といきり立った。小屋の者は「相手が悪い。あいつは将軍家御用達の蝋燭問屋伊豆与の若旦那で、道楽三昧で、金も貰わずやってるんだ」となだめようとする、小屋を出て行こうとした与三郎に小刀を持った女形が襲いかかるが、はねのける与三郎。鶴ヶ左仕吉の札が裏返しになり、赤字となる。
   婆や(浦辺粂子)に、「だから俺のことを買い被っているんだ、婆やは。」「私は若旦那のことは何でも分かっているんです。大旦那さまが、若旦那を惣領養子とした後に、ご新造さんとの間に、お嬢様とお坊ちゃまがお生まれになったものだから、優しい大旦那さまが勘当しやすいように放蕩三昧してらっしゃるんですから…。」

お源(浦辺粂子)13才~16才お金(富士真奈美)伊豆屋与左衛門(香川良介)お菅(村田知栄子)山城屋多左衛門(小沢栄太郎)10才のお金(浅野寿々子)お富(淡路恵子)ちさ(高野道子)源右衛門(潮万太郎)女歌舞伎芝村あやめ一座かつら(中村玉緒)あやめ(大和七海路)大貸元・佐々良三八(寺島貢)市場鶴(小堀阿吉雄)権九郎(嵐三右衛門)亥太郎(山路義人)蝙蝠ノ安五郎(多々良純)
留公(尾上栄五郎)十返九十郎(天野一郎)松五郎(水原浩一)若芝(高倉一郎)佐野川杜若(五代千太郎)藤八(浅尾奥山)飯沼左仲(原聖四郎)丈助(横山文彦)己之(大丸智太郎)辰吉(三木譲)お里(小松みどり)お吉(種井信子)勘十(清水明)

   60年大映京都市川崑監督『ぼんち(725)』
   春団子はるだんご(中村鴈治郎)が船場の街を歩いていると、後ろから来たトラックの運転手が「こら!おっさん、気いつけさらせ!!ひき殺してしまうで!!」と怒鳴りつける。呆然とふらふらあるき、河内屋の古びた屋敷に入っていく。中に2番目の子の太郎(林成年)と1番目の子の久次郎がいる。「どちらさんも、お初にお目にかかります。私は、旦さんには随分とご贔屓にしただいておりました。御新造さんが亡くなられたと伺って参りました。」太郎「お父はん、ご祝儀のようなもん、お金ようありましたな。兄さん、もう会社へお帰り」春団子「仏はんは。こちらのお母はんだすか?」「いや、ウチと兄さんの母とも違うんでっせ。お父はんいうたら、何人の女がいたのかようわからんですのわ。」
  喜久治(市川雷蔵)が呼ぶ「おときは何しとんのや。おとき!おとき!お茶やで」おとき(倉田マユミ)が現れる。春団子「あの方は?」「あれは、ただの上女中頭でっせ」「上女中頭・・・。へえ、御隠居はん。さすがに五代続く船場の老舗だすな・・。」
  時代は遡る。若い喜久治の身体に天花粉をはたくおとき。全裸で仁王立ちし、下帯から全て着せてもらいながら、喜久治は「しかし、船場の伝統やら面倒くさいもんやな。1日と15日には、着ている服全てさらのモンに着替える。そのために、何人かのお張り子が毎日ずっと縫っているんやで、勿体ないもんや。
四代続く船場の足袋問屋河内屋
ぽん太(若尾文子)お福(京マチ子)弘子(中村玉緒)勢似(山田五十鈴)幾子(草笛光子)きの(毛利菊枝)比沙子(越路吹雪)喜兵衛(船越英二)春団子(二代目中村がん治郎)太郎(林成年)

   61年大映京都増村保造監督『好色一代男(726)』

  池袋新文芸坐で、シネマカーテンコール2009

   ジェームズ・マンゴールド監督『3時10分、決断のとき(727)』
   黒く鍔の小さな帽子を被ったベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)が、枯れ木に止まる鷹の絵を描いている。
   アリゾナにあるダン・エヴァンス(クリスチャン・ベイル)の小さな農場。ある夜、大地主ホランダーに命じられたタッカーに、厩に放火をされる。ここを出て行かないと、次は家を焼くぞと言うのだった。ダンは、14歳の長男ウイリアム(ローガン・ラーマン)と必死で馬を逃がすが、飼葉を含めて小屋は焼け落ちた。もともと乾燥した土地は、旱魃が続き、ホランダーは、ダンに嫌がらせをして川を堰き止め流れを変えたため、水を買うにも金が掛かり、借金が膨らむばかりだ。そんな不甲斐ない父親にウィリアムは不信感を持っていた。
   翌日、騒ぎで逃げ出した牛を探しながら、ビズビーの町に出てホランダーと交渉しようと、ダンは、ウィリアムとマークを連れて出掛ける。1台の駅馬車が爆走している。装甲され、ガトリング機関銃で厳重に武装されたその馬車は、サザン・パシフィック鉄道の依頼で、ビズビーの町に多額の金を運ぶ途中だった。ベン・ウェイドをボスとする強盗団は、その馬車を狙っていた。一番の子分チャーリー・プリンス(ベン・フォスター)たちと高台から走る駅馬車を眺めているウエイド。

  男の映画。護送する側とされる側に結ばれる友情のようなものと、父親への不信感を持つ息子の葛藤。うーむ。いいなあ。

  ベニー・チャン監督『コネクテッド(728)』
  グレイス・チャン(バービー・スー)は、遅くまでロボットの設計の仕事をしていたので、机で眠ってしまっていた。会社の部下でデザイナーの?から今日のプレゼンの時間確認の電話で目が覚める。グレイスは、6歳の一人娘、ティンティンを車に乗せ、小学校に送って行く。夫を亡くしてから、母娘の暮らしだったが充実していた。娘を学校で下ろし、会社に向かう車。突然右側の道路からRV車が突っ込んで来た。事故かと思うと、バックして再び突っ込んで来る車。車内には黒い服にサングラスを掛けた男たちが乗っている。グレイスは気を失う。
   アボン(ルイス・クー)は仕事場に途中、姉から電話を受ける。今日は一人息子のギットが海外に留学に出掛ける日だったが、仕事に追われ、息子との約束を破り続けるアボンに、見かねた姉は自分が空港に連れて行くが、必ず空港まで見送りに来るよう伝える。アボンはギットに必ず空港に行くと約束した。
  グレイスは廃屋に連れ込まれ、隠したものを出せと言われる。全く心辺りはないが、教えないと命の保証はしないと言われる。廃屋にあった古い電話を粉々に壊し、男たちはグレイスを閉じ込めて出て行った。
   グレイスは、何とか壊れた電話の部品を繋ぎ合わせる。壊れたダイアルの変わりに回線を接触させると「この番号は現在使われておりません」とアナウンスが聞こえる。何とか復活したのだ。何度かトライすると偶然アボンの携帯電話に繋がった。

   ちょっと散漫気味なことも含めて、久し振りに香港映画らしい映画だ。公道でのカースタントの出鱈目さも、バトルアクションのテンポも見所は充分だ。

A HARD DAY'S NIGHT

中目黒で、元会社の百周年企画の打合せ。家を出る前に少しゴタゴタし、若干遅刻。しかし打合せ自体は収穫多数。N氏と打合せがてら遅昼食。
新丸ビルのコンセプトスナックで、浅草の歌姫ライブイベント。現場仕事を教え子にアゴ足のみで、やらせようと頼んでいたのだが、こっちの魂胆を見破られたと見え、ドタキャンされ、結局自分で、久しぶりに現場仕事やることに…。エレピ運び、セッティングし、サウンドチェックし、二年位前でも平気だった筈のことが、体が動かない。息が切れ、足腰に来る。やっぱり、40代と50代ではこんなに違うのか!!あまりに切ない(苦笑)。今までは、自分が動けば人件費タダだった筈なのに、今では、自分は完全に戦力外だ(笑)。ライブ終演後、打ち上げするが、ビール飲んだだけで、今晩は凄くよく眠れそうだ。ただ、明日起きれるんだろうか(苦笑)。
更に東京駅発の中央線に乗ったら、超満員の上、事故で遅れ、更に新宿で警報ボタンが押されたりして、西荻窪まで、1時間半。座っていても疲れる。眠れるんだろうか(苦笑)。

2009年12月21日月曜日

昭和2本江戸2本

    銀座シネパトスで、「日本映画レトロスペクティブーPART.6ー」~喜劇 みんなで笑い初め!~。
    61年東京映画久松静児監督『喜劇 駅前団地(720)』
     東京駅丸の内~中央線と山手線~新宿駅西口~小田急線~多摩川を渡った先に、団地が出来ている。洗濯屋の九作(坂本九)が自転車に乗って警報機が鳴っている踏切を渡る。太った山上巡査(千葉信男)が笛を吹いて九作を叱る。

    野呂仙吉(立岡光)戸倉金太郎(森繁久彌)戸倉銀之助(左卜全)戸倉桂一(二木まこと)権田孫作(伴淳三郎)権田かめ(森光子)権田一郎(久保賢)権田正夫(岩城亨)権田つる子(佐藤まき子)桜井平太(フランキー堺)小松原玉代(淡島千景)小松原克子(吉川満子)九作(坂本九)桃子(黛ひかる→黛光)豆子(小桜京子)怜子(麻生鮎子)みどり(渋沢詩子)君江(淡路恵子)荒岩虎吉(松本染升)魚清(織田政雄)根岸トミ(川内まり子)付添看護婦(塚田美子)明子(山崎明子)荒岩組運転手(中原成男)一郎の友人(佐藤紘、秋山由紀雄、富田友重、加藤三好、小沢直好)土地ブローカー(田辺元)地主(サトウ・サブロー)

   58年東宝豊田四郎監督『喜劇 駅前旅館(721)』
   上野駅前の旅館の朝は戦場のようだ。万年大学生なので万年と呼ばれている?(フランキー堺)は、修学旅行の男子高校生をはとバスに載せる。一人の学生が靴が盗まれたと騒いでいる。1500円も出して買ったばかりだと言うのだ。


   柊元旅館番頭生野次平(森繁久彌)柊元旅館女将お浜(草笛光子)主人三治(森川信)中番(藤木悠)添乗員小山欣一(フランキー堺)女中お京(三井美奈)お松(都家かつ江)紡績所長山田(谷晃)於菊(淡路恵子)水無瀬ホテル番頭高沢(伴淳三郎)春木屋番頭(多々良純)杉田屋番頭(若宮忠三郎)辰巳屋女将(淡島千景)辰巳屋小女(小桜京子)四国男子高校広見先生(藤村有弘)東北女高(若水ヤエ子)カッパのボス株(山茶花究)カッパたち(大村千吉、西条悦朗、堺左千夫、水島直哉)
関西女子高校相田先生(左卜全)山田紡績保健の先生(浪花千栄子)芸者(三田照子)

   角川シネマ新宿で、大雷蔵祭
   63年大映京都三隅研次監督『新撰組始末記(722)』
  京都三条橋下の河原に晒し首がある。「町人にも関わらず、奸賊として斬った」と新撰組の名前の立て看が添えられている。橋の上の野次馬たちの中に、毛利志満(藤村志保)の姿がある。
   志満は想い人の山崎蒸(市川雷蔵)が新撰組に入隊すると言うので、問い掛ける。「わかりません。あなたが新撰組に入ろうと言うお気持ちが…。街の人々は、壬生狼!壬生狼!と餓えた狼のように呼ぶ人殺し集団です。あなたは、人を殺したいのですか?」「いや私を殺さないためだ…。」
     二人の侍が斬り合っていた。一人は新撰組のようだ。勤皇志士(堀北幸夫)を倒したものの自分も深手を負った隊士の森平八(浜田雄史)に、助からないだろうから介錯しようかと申し出た山崎を前に、見苦しく、死にたくないと泣き喚いて這いずり周った。武士の情けと介錯する山崎。
   島原の遊廓に、新撰組の幹部たちが集まっていた。酔った局長の芹澤鴨(田崎潤)は、深雪太夫(近藤美恵子)を階段から突き落とした。抜刀しかねない芹澤を止め頭を下げる副局長の近藤勇(城健三郎→若山富三郎)「貴様!!どん百姓の出の癖に局長の芹澤に意見するのか!?」既に新撰組は、新見錦(須賀不二男)平山五郎(千葉敏郎)ら水戸藩脱藩組の芹澤派と土方歳三(天知茂)沖田総司(松本錦四郎)らの近藤勇のグループに分かれていた。その陰湿なやりとりを目撃してしまった山崎は、芹澤に隊士の森平八の最期に立ち会い、局長に遺髪を渡してくれと預かったと申し出るが、酔った芹澤は取り合わなかった。
   しかし、近藤は、山崎の労を労い、局長の言う通り、自分は武州の百姓の出で、侍になりたいばかりに、天然理心流の道場で、剣術で身を立てようと夢中になったのだと言う。森平八の最期は武士だったかと尋ねる近藤、武士として立派な最期だったと嘘を言う山崎に、近藤は、百姓上がりだからこそ、自分は武士らしくということに拘りすぎるきらいがある、森はそんなに立派な武士ではなかったが、そんな森を庇ってくれてありがとうと言う。山崎は、腑抜けが立派に死ぬこともある、百姓が武士らしく死ぬこともあるようにと答える。近藤は豪快に笑い、これは私のお株を取られた、いつも私は言っているのだ、武士は形ではない、心意気だと。この幕末で武士として生きる意義を苦悩していた山崎は、近藤を好きになった。
   山崎は志満に言う。「武士とは心意気だと、近藤さんは言った。俺は、あのように澄んだ目を初めて見た。このままでは俺は駄目だ。志満さんは女ながら医術という人の命を救う仕事がある。生きる道がある。俺には剣しかないんだ」「捨てて欲しゅうございます・・・」

   谷三十郎(小林勝彦)楠小十郎(成田純一郎)大津彦平(高見国一)山南敬助(伊達三郎)原田左之助(堂本寛)広沢富次郎(香川良介)正木道順(荒木忍)宮部鼎蔵(石黒達也)永倉新八(木村玄)大石鍬次郎(薮内武司)佐伯鞆彦(大林一夫)松原忠司(志賀明)北添佶麿(舟木洋一)吉由稔麿(水原浩一)内田正次郎(南条新太郎)古高俊太郎(島田竜三)岡本久蔵(丹羽又三郎)杉山松助(中村豊)佐伯亦三郎(矢島陽太郎)池田屋惣兵衛(寺島雄作)会津隊長(嵐三右衛門)浪人(岩田正、沖時男、越川一、小南明)居酒屋幸助(石原須磨男)角屋徳衛門(玉置一恵)写真師(山岡鋭二郎)藤堂平助(千石泰三)お梅(勝原礼子)桔梗屋小栄(毛利郁子)相撲取り(谷口昇)六部(佐山竜一郎)絵草紙屋の娘(高森チズ子)茶屋の女中(三星富美子)柏屋の女中(小柳圭子)婆や(小松みどり)

   なぜかゴマ和えが作りたくなり、東急ハンズで、擂り粉木を買い、角川シネマ新宿に戻り、
   65年大映京都田中徳三監督『赤い手裏剣(723)』

   伊吹新之介(市川木村玄雷蔵)瀬戸物屋の親爺(西川ヒノデ)お雪(小林千登勢)馬方(福井隆次)千波(春川ますみ)北風の政(南原宏治)絹屋源兵衛(須賀不二男)絹屋の女房(谷口和子)九兵樹(水原浩一)文造(伊達三郎)炭屋松次郎(吉田義夫)仏の勘造(山形勲)佐助(木村玄)常五郎(南条新太郎)
喜三郎(尾上栄五郎)ドブ天(堀北幸夫)権六(越川一)カッパ松(沖時男)お春(若杉曜子)仏一家の中盆(志賀明)三太(小南明)ムク八(山岡鋭二郎)梅吉(西岡弘善)竹(花村秀樹)「月の井」の若い衆(伊東義高)住民A(藤川準)

2009年12月20日日曜日

ひし美ゆり子全力疾走。

   午前中は宅急便やら、新聞の集金やら、出汁を取り、洗濯をしたり、昼寝したり、いい天気の週末を満喫。午後になり、

   池袋新文芸坐で、名匠・清水宏
   43年松竹下加茂清水宏監督『サヨンの鐘(717)』
   常夏の華麗島台湾…。椰子の木、水牛、農村風景、日の丸の掲揚、山岳地帯、段々畑、高砂族の部落“蕃社”の風景、民族衣装を着て、素足で山を駆ける部落民たち。そこに駐在する日本人巡査は、時に医師となり、時に教師であり、軍事教練の教官であり、土木監督である。
   美しい娘サヨンハヨン(李香蘭)が高い声で飼っている黒豚を呼んでいる。集まってくる豚。柵の中に追い込んで戸を閉めるが、見ると一匹足らない。サヨンが何度呼んでも戻って来ない仔豚は、ナミナ(三村秀子)たち米を搗く娘たちの近くにいた。「ほら、サヨンが呼んでいるから早く行きなさい」「いくら呼んでも帰ってこない!!こらっ!!」逃げ出す仔豚。サヨン「待て~!!」逃げ出す仔豚。「みんな~!!私の仔豚を捕まえて~!!」ガキ大将のサヨンが呼ぶと、部落の子供たちが全員やってくる。追い掛け廻すが、逃げ回る仔豚。すばしっこい仔豚は山に逃げていく。子守りをしていたターヤは騒ぎに、子供を背負ったまま、山に駆け出す。途中、面倒になったターヤ(中村実)は、赤ん坊を木にくくりつけて、追い掛けた。ターヤが、弓を取り出して仔豚を討とうとしたのをサヨンが、体を張って制止した。仔豚は、大きくなるまで育てて売るのだ。 
    捕まえた仔豚を引き連れて部落に戻る途中、ターヤがサヨンに謝罪する。高砂族の言葉で謝るターヤに、サヨンは「もう一回!!」と命ずる。日本語で、「サヨン、僕が悪かった」と言うターヤに「国語をちゃんと使わないと駄目だ」とサヨン。子供たちに「今日は何曜日?」「今日は何日?」と日本語の問い掛けをするサヨン。子供たちの中には、名前を日本名に変えたものもいる。「そうか、太郎に変えたんだ。立派だね」と誉める。
突然、ターヤが「忘れた!!」と叫んで走り出す。「どうしたの?ターヤ」赤ん坊を木にくくりつけたままだったのだ。「みんな一緒に探してあげて!!」しかし、ターヤがくくりつけた木に、赤ん坊の姿は影も形もない。困るターヤ。
    その頃、村井部長(大山健二)のもとに拾われた赤ん坊が届けられていた。武田正樹(近衛敏明)に「道端に落ちていたと言うんだが、どこの子だろう?」と尋ねる村井。「いや蕃族には、随分赤ん坊がいますからね…」「そうだ、お前心あたりはないか?蕃族の赤ん坊はほとんど、お前が取り上げているからな」と妻(若水絹子)に尋ね、「ターヤのうちじゃないかしら」「そういえば、似ている気がするな」仔豚ではなく、母豚を売る日がやって来た。子供たちは母豚を売ったお金で、野球道具を買って欲しいが、サヨンは、山羊を買って、その乳を赤ん坊たちに飲ませようと考えていた。しかし、実際に豚買い(水原弘)が連れて行く日、別れが辛くて泣き出すサヨン。部落の外れまで、母豚を送って行くサヨンと子供たち。
   蕃社で一人内地の学校に進学していたサブロ(島崎徹)が、卒業して、戻って来ることになった。サヨンは子供たちを連れて部落の外れの吊り橋まで、サブロを迎えに行く。

武田正樹(近衛敏明)サブロ(島崎徹)モーナ(中川健二)ナミナ(三村秀子)ターヤ(中村実)豚買い(水原弘)

    41年松竹大船清水宏監督『みかへりの塔(718)』
     大阪市を遠く離れた山あいに白亜の塔が立っている。修徳学院である。
     草間先生(笠智衆)が見学の父母たちに学院の説明をしながら、案内している。「200余名定員の特異児童を収容するこの学院は、教職員を含め300名以上が4万坪の広大な敷地内で全ての生活を行い、一つの社会を営むのです。10数名ずつに分かれ、家庭と呼ばれる16の家で暮らします。各家庭には、教師と保母が付きます。この二人は原則的に夫婦であります。女子の家庭には保母が一人ずち付きます。保母はお母さんと呼ばれ、本当の母親のように生徒の面倒をみるのです。学院での起床は朝5時の鐘と共に始まります。自分で布団を上げ、寝小便をした生徒は自ら干すのです。素行の悪い児童には寝小便の癖が多いのです。昨年は、全児童で、2315件報告されています。朝の炊事も、交代で行います。新婚の奥様方より、手際よいと思われます。毎朝体操をし、掃除を致します。全生徒が集合し、礼拝を中央講堂で行います。誓司を唱えるのです。その後、授業が行われますが、学年は能力別に分けられ、16歳でも、尋常小学校3年の授業を受けたり、また逆の場合もございます。学科は、午前中4時限のみで、午後は職業訓練を行います。木工では、自分たちが使う机、本棚、戸棚などは自分たちで作っております。時々見学にお見えになったから注文を受け作らせて頂くこともあります。洋裁はミシンを使って、殆どのものは作れます。実は私が今着ております背広も生徒が作ったものです。
畑仕事も、完全に時給とは言えませんが、殆どの野菜は園内でまかなわれます。特に南瓜は味がいいと評判であります。」

    院長(奈良真養)のもとに、保母の夏村(三宅邦子)が呼ばれた。脳波検査などの結果を見ていた院長は「また、新入生をお願いします。」
    別室に、多美子(有為子)が父親(坂本武)と話している。「とても面白い機械が沢山あったわ。科学博覧会みたいね。私、夜遊びがいけなかったわね」「お小遣いも使い過ぎたね」
    院長が「保母の夏村です」と紹介する。「坂田多美子です」と自己紹介する多美子。「では、夏村先生お任せします。」夏村と多美子を送り出した院長は父親に向かい「多美子さんは、今までの女中さんに囲まれ我が儘放題の生活は出来なくなります。厄介払いが出来たと思わないで下さい。これからが大事なのです。お忙しくても出来るだけこちらにお越し下さい。また出来るだけ手紙を出して下さい。」「分かりました」
   多美子をこれから暮らす家に案内する夏村。「ここには12人の女の子が生活しています。あなたも早く慣れて下さいね。」夏村に話し掛ける直子「お母さん!!みっちゃんが私の簡単服を勝手に着ているんです。みっちゃん自分の服が乾かないものだから…。あの洗い方を見ていて、そうじゃないかと思ったわ。全然絞らないんですもの」夏村、直子を連れ美枝子?のもとへ行く。「みっちゃん、その服直ちゃんのもの?」「告げ口したのね。いいわよ。返せばいいでしょ」着ていた服を脱ぎ捨てる「ちゃんと洗濯して返して頂戴。」「あなた今着たばかりでしょ」「直ちゃん、小汚いんですもの。お風呂に入っていても、ちゃんと石鹸で体を洗っているの見たことないんですもの」「うるさいわね。洗って返せばいいんでしょ」


草間先生(笠智衆)保母(森川まさみ)喜雄(横山準)信一(古谷輝雄)岡本(緒方喬)朝田先生(日守新一)保母(忍節子)正雄(大塚紀男)川辺先生(西村青児)保母(岡村文子)春男(津田晴彦)河野先生(河原けん一)保母(雲井つる子)水野先生(近衛敏明)保母(草香田鶴子)鈴木先生(大山健二)保母(出雲八重子)功司(末松孝行)津村先生(仲英之助)保母(高松栄子)夏村保母(三宅邦子)多美子(野村有為子)多美子の父(坂本武)信一の母(吉川満子)正雄の母(若水絹子)

    銀座シネパトスで、魅惑の女優列伝Part1 ひし美ゆり子
    75年東映京都関本郁夫監督『好色元禄(秘)物語(719)』
     竹林を呉服屋の丹波屋の若旦那世之介(中林章)と西念寺住職の愛妾お夏(ひし美ゆり子)が逢い引きをしている。「若旦那はん、若旦那はん、どこにいてます?」「えらく待たせるやないか」「イケズ!これでも住職さんの目を盗んで来たんでっせ」胸に手を入れ揉みしだく与之助。「お夏の体が燃えている」「跡をつけたらあきまへんえ。和尚はんに見つかったら、またむごい折檻受けなあきまへんえ」「お夏っ」「不義の現場を見つけられたらどないことになりますのえ」
   西念寺本堂では、住職清海(汐路章)が読経中だ。竹林を追いかけっこをする二人。「ねえ、若旦はん、約束しておくれ、うち、あんさんの嫁にしておくれ」「わかった。この櫛は、死んだお袋の形見だ。これをやろう」「嬉しいわあ」
    夕暮れ、小坊主金鶏(山田政直)が、鐘をつく。風呂場で、住職の体を洗うお夏。「お前も裸におなり」「本堂の片付けが済んでおへん」「そんなもん、金鶏にやらせたらええやないか。わしのあそこもこんなんなっておる」突然吐くお夏。「今まで、何度もしゃぶったり、くわえたもんやないか」「そないこと言っても、わてややこが出来ましたんえ」「えっやや子が!」
   数日後、門前、「ワシかてお夏を手放しとうはない。ただ寺で産むとなったら、檀家もウルサいやさかい。里に帰って、丈夫なやや子を産んでやってや」「これは少ないけど、やや子の着物でも買うてやって…。ところで、気になっとんのやが、そのやや子は、本当にわての子か?」お夏、寺に戻って行こうとする。「おまえどこ行くんか」「そんな疑うんやったら、やっぱりこちらで産みます」「おいおい、それは勘弁してや」
   荷物を持った金鶏を伴ってお夏は、実家に帰る。「何や、えらい臭いですな」「元々古い沼を埋めた場所だが、蛭やら鼠やらしかいない最低のところだす。他の住人はみんな逃げ出して、あてとこしか住んでいないんよ」
   家の戸を開けると、父親の棺桶職人の弥市(北村英三)が顔を上げ「どないしたんや今時分。」「見たら分るやろ。お寺を出て来たんや」「夏!お前孕んどるんか?」「あんな生臭坊主のやや子なんか誰が孕むもんか。あー暑い、暑い」着物を脱ぎ始めると、お腹に籠が結わえられている。「あんた見たんか」金鶏が覗いていた。「お前、和尚に言うんか。」「いえそんなことあらしません。仏とあてだけが見ていたんどす」弥市「西念寺さんとは、随分お世話になってるんや。今作ってる棺桶だってあっこの仕事やで」「大丈夫や、そんなヘマはせんよ。あらお七、久松はどないしてはるん」妹のお七(橘麻紀)「商いにでてます」「小間物屋の歩き商いをまだやっとるんか」「小さくてええので、お店を持ちたいと思ってます」「そんなん持てる訳あらしませんで・・・」お七は、久松(川谷拓三)を婿として迎え、この家で暮らしていた。
   薬種問屋の店先にお夏の姿がある。若旦那喜兵衛(名和宏)が驚いている。「店に来たらあかんと言うとるやないか」喜兵衛に抱かれるお夏。「あんたとの浮気がばれて、寺を出されてしまったんよ。町で暮らすと銭もかかって・・・」財布から少なくない金を出して渡す喜兵衛。翌朝、井戸端でお七が洗濯をしていると、お夏が起きてきて、洗い桶に腰巻を投げ込む。「でも姉さん、呉服屋の丹波屋の若旦はん世之介はんと薬種問屋の若旦はん、どっちと結婚しはるの?」「結婚なんてせんよ」「?」そこに、酔っ払った弥市がご機嫌で帰ってくる。「お父はん、こんな時分から酔ってはるの?ええ御身分や」「ただ酒や。祝言があって振る舞い酒やで」「どこで祝言あったん?」「丹波屋はんや、丹波屋はんの若旦はんが嫁を取るんや」「えっ!そんな阿呆なことあるか?」走るお夏。
  丹波屋の前で、店のものたちと押し問答をするお夏。「これから祝言なんや。お前誰や?」「若旦はん!若旦はんに逢わして!!」無理矢理中に入り、世之介に「若旦はん、わてだす。夫婦にしてくれはるという約束は嘘だったんどすか。これ頂いたお母はんの形見の櫛だす。」世之介の父の大旦那忠兵衛(坂本長利)が「もう花嫁御寮が来よるで。何やこのきちがい女」「わて知りしません。狂った女が入って来たんどす」「追い出してしまえ!!」店の者たちがお夏を取り囲み、河原まで運んで放り出す。「一思いに殺せ!殺せ!!」「殺したろやないかい。」顔色が変わった男たちから逃げようとするお夏。「死んだろやないか」川に自ら飛び込むお夏。川に浮かぶ小舟に、金鶏とお夏の姿がある。「あんた何で助けたんや。」「仏の御心だす」
  世之介が新婦のお新(三井マリア)との初夜を迎えている。「未通女(おぼこ)いなあ。お前、こんな男と女のこと知っとるんか?」恥ずかしそうに「枕絵を見ました」満足そうに愛撫する世之介。「ここはもう濡れてるやおへんか」感じ始めるお新。「指1本、指2本・・・わしのものを入れたる・・・。」よがり始めるお新。1匹の蛇が二人の布団に入って行く。突然激しくよがりはじめたお新。ふと我に返った世之介が、布団の中を覗くと、1匹の蛇がお新のホトに入り込んでいる。驚いて飛び起きる世之介。お新も自分の身体に入って来ているのが蛇だと知り、逃げ回る。一度は腰を抜かした世之介、部屋から逃げ出す。
「ああ、おもろかった。かなへびが新婦の中に入って行ってよがっとるんでっせ。」お夏、「勝手なことするな。あてが何時仇を討ってくれといいましたんや。するときは自分でしますどえ」
  喜兵衛がおせん(窪園千枝子)の股間を広げている。京随一の枕絵の画家栄斉(笑福亭鶴光)に描かせているのだ。おせんは当代一の名器を持っているのだ。おせんを抱きながら、栄斉に一斗樽を持ってきてくれという。栄斉が不審に思いながら、奥から盥を借りてくると、おせんは潮を吹く。激しく噴き上げる愛液を番傘を差しながら「これがほんまの春雨じゃ」と言う喜兵衛。
  誰との逢引か、出会い茶屋を出ようとしたお夏は、妹のお七に会う。「あんた、ここがどんなところか知ってるの?」「ウチの人にこの簪をお客さんに届けるよう言われたんどす」「おなごに買ってやろうという男でもいるんかな。先に帰っているで」「では、姉さん。」しかし、お七を待っていた客(室田日出男)は、10両を放り投げ、簪だけでなくお七も買ったんだと言う。夫のある身ですと抗っても、その夫が持ちかけた話よと男。抵抗空しく、凌辱されるお七。
  お夏が家に帰ると、久松は昼間から酒を飲んでいた。「あんた、お七を売ったね」と久松を問い詰めるお夏。
  


西鶏→西鶴(山田政直)手代(唐沢民賢)出合い茶屋の船子(志賀勝、岩尾正隆)船饅頭(丸平峰子)手代(奈辺悟)お七の客(片桐竜次)

   田中陽造脚本だが未見だった。傑作だ!!!
どうも東映ピンクはB級感で見ていたので、日活ロマンポルノよりも下に見ていたが、こんな掘り出し物もあったんだな。