2008年9月27日土曜日

加齢臭のする映画館めぐり

  阿佐ヶ谷ラピュタで『硝子のジョニー~野獣のように見えて』と『霧の旗』。
  『硝子の~』は62年日活製作蔵原惟繕監督。切ない映画だあなあ。芦川いずみ は、稚内貧しい 昆布漁師の娘。父親は漁に出て拿捕され帰って来ない。少し精神の発達が遅れている彼女は、父親が自分たちを捨てて行き、また硝子のジョニーという何者かが自分をいつか助けに来ると信じている。貧しさから母親は彼女を売るが、客を取らされることを嫌い脱走汽車の中で無賃乗車の彼女を助けたジョー(宍戸錠)を追いかけ函館に辿り着く。ジョーは腕のいい板前だったが、若手競輪選手に入れ込み予想屋をしている。そこに玉転がし死語女衒ですな)のアイ・ジョージが、彼女を取り戻しにやってくる。何度男に裏切られても、彼らをジョニーと思い込む彼女の純粋無垢な気持ちが男たちにとってかけがえのないものとなった時、しかし彼女は・・・。ボロを着て頭はグシャグシャ、泥だらけの顔の芦川いずみはなんて神々しく美しいんだろうか、愚かしい男達を受け入れ癒やしてくれる天女のような暗愚な女性。男の勝手な妄想でしかないだろう。
  『霧の旗』は65年松竹山田洋次監督松本清張原作橋本忍脚本。強盗殺人の罪で裁判を受けるただ一人の肉親である兄の弁護を頼みに、熊本から娘(倍賞千恵子)が高名な弁護士(滝沢修)を訪ねてくるが、金を持たない彼女の願いは多忙を理由に断られる。確かに優秀で有名な弁護士は、金次第なところはあるだろうし、最高の弁護士に依頼したいという彼女の気持ちは分からないでもないが、管轄が熊本地裁だと経費がかかりすぎるし、時間も取られるので断ったら、お前のせいで兄が死んだと言われたと逆恨みして、身の破滅させられる弁護士は可哀想だな。松本清張らしい、恵まれた人間を地獄のどん底に叩き落とす社会派推理小説。倍賞千恵子の顔立ちが垢抜けないが、純真そうなだけに、後味悪いなあ。医者や法律家は、社会正義の為に滅私奉公すべきだという主張のようでいて、現実的には、他者の不幸、それも成功者の不幸は蜜の味という苦い話。
  しかしこの二本の作品の主人公は、男のサディズムとマゾヒズム、相反する愛の形にそれぞれ対応する妄想上の女神かもしれない。
   更に調子に乗って渋谷シネマヴェーラで浅丘ルリ子『嫉妬』『何か面白いことないか』。
   71年松竹製作貞永方久監督『嫉妬』は、浅丘ルリ子が最も妖艶に女性としてピークだった頃なのだろう。大企業の経理課長の夫がバーのママと心中死する。睡眠薬を吐いて生き残った女(浅丘)を知ろうとバーに潜り込む妻(岩下志麻)。ママは、夫の会社の重役の愛人であり、重役の背任を知ったことで偽装されたのではないかという疑いが・・・。藤本義一の原作は多分フックも効いているサスペンスなんだろうが。映画の売りは岩下志麻と細川俊之との濃厚なラブシーンと浅丘VS岩下という女の対決に無理矢理持って行っていて、だれるなあ。浅丘ルリ子の超越した美しさのみの作品。
   『何か面白いことないか』は63年日活。裕次郎ルリ子ものだが、蔵原惟繕監督は『憎いあんちくしょう』のようなパターン化した日活アクションに新しい風を吹かそうとしたものになっている。ネオリアリズモ、ヌーヴェルバーグなどのモノクロ映画のインサートだったり、マスコミや大衆に翻弄されるヒーロー、ヒロイン。ただテイストが一貫していた『憎い~』に比べると、何故かエンディングが唐突に、裕次郎ファンやルリ子ファンにおもねったようなそれぞれのアップと、分かり易過ぎる音楽になるのは大人の事情か(笑)。一年で裕次郎が明らかに太り始めていて、その後の太陽にほえろのボスなどを考えると、自分の免許証を見ているような気分に。

2008年9月26日金曜日

セックス・アンド・ザ・シティ

   渋東シネタワーで『Sex And The City』。公開以来同居人含め数名の女性を誘って断られたが(笑)、ご近所のご婦人の世間話にオヤジが混ざっちゃいけないんだな。朝イチだったし眠い。何だか分からない内に主人公が大金持ちと結婚が決まってVOGUEの取材を受けていたと思ったら、居眠りし、気がついたら結婚が解消になっている。という訳で、自分にとっては、結婚ドタキャンで失意の主人公が、女友達との友情で立ち直り、アラフォー4人(一人だけ50歳の誕生日を迎えるので同級生)ハッピーエンドでしたという映画だった。正直あまり人入っていなかったし、この映画、実際に興業的に失敗のようだ。GAGA大変だなあ。ひとつだけ気になっているシーンが。サマンサが隣りのセクスィラテン男のシャワーを見てしまった時、男の棹が映っているような。棹という台詞もあるし、一瞬だけど解禁か。
  続いて渋谷シネパレスで『幸せの1ページ』。ファンタジー映画でも、こういう夢と冒険ものは、子供の時の十五少年漂流記などが思い出されていいなあ。潔癖症で、他人と交流を嫌い引きこもっている女流小説家。彼女のヒット作は、同じ名前の冒険家を主人公にしたアレックス・ローバーシリーズだ。孤島に娘と住む科学者に問合せのメールを出すと、娘はヒーローからのメールと勘違いして、父親のピンチにSOSのメールを出す。果たして・・・・。ジョディ・フォスターの角張った顔やっぱり好きだなあ。コミカルな演技もとてもチャーミング。
   アミューズCQNで『アクロス・ザ・ユニバース』ビートルズの曲を使って、60年代にリバプールからN.Y.に出てきたポール似の男の子を主人公に、彼の恋愛や、当時の社会情勢などもきっちりと描くミュージカル。歌詞の翻訳がきっちりと字幕が出るのは最初少し気になったが、12、13歳のガキの自分が勝手に思いこんでいた歌詞やその意味の記憶は、かなりいい加減だったことが判明して恥ずかしくなりながら観ていた(苦笑)。かなりよく出来ていると思う。中学時分は、既にビートルズはメインストリームのポップスのイメージがあって、ひねくれ者の子供だった自分は、ビートルズファンはガキと、国内はハッピーエンドと頭脳警察、海外ものはアートロックでアルバムの片面に一曲しか入っていないクリームとかテン・イヤーズ・アフターとかラジオでかけられない長い曲の方が、高級だと思っていた(笑)。
  夜は、喜々で昔の知り合いが鄭さんの元マネで今元会社の後輩の1年生が担当マネになっているので合せることになっているというので(誰も意味不明だろうが(笑)飲むことに。最後はベロベロ。

2008年9月25日木曜日

蛇にピアスは、蛇にピアスしてる訳ではなく、蛇andピアスの並列の助詞だったんだな。

   午前中にプリンター繋いで、履歴書などを出力し、午後、芝公園の東京グランドホテルでエージェントの人間と打合せ。15時だと思い込んでいたら14時の約束だった。大遅刻。あー、プー太郎永いと人間駄目になる(苦笑)。先方は紳士的に対応してくれたが、結構落ち込む。
  こんな時にどうかとも思ったが、新宿バルト9で『蛇にピアス』。とても楽しみにしていただけに、正直かなりがっかり。吉高由里子頑張ってたけどなあ。ショッキングな原作と、綺麗でかっこいい映像があるだけ。あと付け加えると痛そうなシーン(苦笑)。なんて薄っぺらなんだ 世界の蜷川!!娘の『さくらん』といい、一芸に秀でていても、二芸はない。大好きな吉高由里子をあそこまでやらせながらと無性に腹が立つ(笑)。彼女は頑張っていた筈だ、ただ、泣きわめいても、アル中になっても、絶食して病的に痩せた筈でも全く変化なく、きれいなままであった。サイボーグか。眉もメークじゃなくて、刺青メークしているのか(笑)。GAGAは、かって、洋画の買付けに、スタッフ・キャストとシノプスで買値を判断するプログラムを使っていたと思うが、これも「世界の蜷川」「金原ひとみの芥川賞受賞作」「ショッキングな映像」「豪華なカメオ出演(笑)」といった要素を入力して製作したんだろうな。マーケティングだけで、クリエイティブがない映画。果たして、邦画バブルの中でお金は集まったろうが、ビジネス成功したんだろうか。しかし怒りは、何だか凹みがちな気分を払拭したのであった。 という訳で博華で餃子とビールやりながら、吉高は、麻生久美子のように不思議だなあと、しみじみ思うのであった。あとは、『紺野さんと遊ぼう』と『夕映え少女』のDVDだな。

2008年9月24日水曜日

親父のくどい説教を聞いてくれるお嬢さんにお金払うと、援交か。

   アミューズCQNで、マキノ雅彦監督の『次郎長三国志』。想像してた以上に楽しい映画だった。法印の大五郎役の笹野高史は勿論、森の石松役の温水洋一が頑張っていて良かった。あと三馬政の竹内力。マキノ監督、男の役者のせるの巧いなあ。後半泣かせるところが少し長くて、個人的にはちょっとダレたが、劇場内はお年寄りを中心にすすり泣いたり、鼻をかんだり、盛り上がり、最後に一家で殴り込み、バッタバッタと斬りまくって大満足。衣装に『メタル侍』のスタッフが入っていて少しうれしい。
   お客さんは、予想はしていたが、朝一番の回で半分以上の入りで50の自分が断トツに若輩だった(苦笑)。水曜割引なのに、ほとんどシルバー割引。テーマもテーマだけど、映画館は、完璧にシルバー層の娯楽場になったな。その世代全員誰もがお金と暇と都心に出て来る体力はないだろうし、自分も目前だから、このことをどうのというつもりはないが、本来彼らは映画を見に行くのが青春だった。映画産業は、本気で10代の映画鑑賞習慣つけに取り組んだほうがいい。シルバー割引だけじゃなく、高校生まで三人なら一人千円なんてセコいこと言わず、2人で二千円にすりゃいいじゃないか。三人じゃデートにならないよ。暗い映画ファンだった映画業界人は、彼氏彼女もいなく、一人で名画座周りをしていたので、そんな発想ないんだろうか(笑)。テレビ局がせっかく斜陽し始めたんだから、企画と金だけ彼らから出させつつ、今のうちに、映画館へ行く習慣を若者につけて、映像業界のイニシアティブを取り戻さないと駄目だ。携帯や作品のせいや同業のコンペティターのせいにしていてもしょうがない。邦画が注目され絶好の機会なのになあ。
   シネアミューズで『アキレスと亀』北野監督はどうも最近自分は駄目だった。ただ今回はよかった。麻生久美子から樋口可南子という妻、菩薩だな。芸術とは何だという結論の出ない問い。アキレスが亀に永久に追いつけないパラドックスと一緒だ。絵描きになりたいという亀をいくら追いかけても、絵をいくら描いても、妻以外の誰も評価してくれない。ただ、絵描きに貰った絵描きの象徴のベレー帽を被り絵を描き続けるだけ、そんな主人公を子役、柳憂怜がよく繋いだ。武の顔を見ていてふと考えたのは、最近、浅丘ルリ子の昔の映画随分と観続けているせいか、彼女のふくよかだった当時の顔が、監督と噂があったグラビアアイドルのFの顔が浮かんでしまう。日活アクションファンだったんだろうかと妄想してしまう。
   ユーロスペースで『東南角部屋二階の女』。芸大映画大学院1期生の新人女性監督・池田千尋いいなあ。35mmスタンダードの中に切り取られた役者たちの芝居。殆ど口を訊かない高橋昌也と、実は東南角部屋二階の女だったこの映画の肝の香川京子二人の演技。人間仕事をしながら美しく齢を重ねたいものだと思う。立ち振る舞い今の人間には絶対真似は出来ない。若手も、どうも最近の邦画界で持ち上げられ過ぎている気がしていた(多分嫉妬だろう(笑))西島秀俊加瀬亮の二人もよかった。個人的に竹花梓凄いタイプ(笑)。ちょっと、畳屋の哲学者、塩見三省の台詞が説教臭くて鼻についたが、27歳の若い女性はオヤジの説教を聞きたがっているんだと、自分に都合のいい勝手な解釈を(笑)。
   明日面接があるので散髪。いよいよトップと髭1mm、サイドとバック0.1mmに。渋谷駅迄歩いていくと、25年以上前から通っていた珉珉羊肉館が消滅していた。戦後すぐ渋谷に出来、先代のお母さんが亡くなって、餃子の味も変わったので行く回数は激減していたが爆羊肉が好きで、たまに行っていたが、二度程火事にあったりして、二階がなくなり一階のカウンターだけになって、遂に何もなくなってしまった。切ない。西荻に戻ると、何だか無性に羊肉が食べたくなりインド料理。

2008年9月23日火曜日

加齢臭のする映画館

   渋谷シネマヴェーラで『危(ヤバ)いことなら銭になる』62年日活中平康監督、都筑道夫原作。ガラスのジョー(宍戸錠)、計算尺の哲(長門裕之)、ダンプの健(草薙幸二郎)という三人の事件屋柔道二段合気道三段のフランス留学を夢見る女子大生(浅丘ルリ子)が、透かし入りの紙幣用紙を盗み贋札原板掘りの名人夫婦(左ト全武智豊子)を使って贋札作り を企むギャング団を相手に、一儲けしようと、虚々実々な駆け引きをするが・・・。ストーリー、テンポ、ウェルメイドなコメディとは正にこういうものをいうのだろうな。比べるのは酷だが、三谷作品は自己満足のドタバタだ。野呂圭介やら脇役も笑えるが、なによりも活き活きとした浅丘ルリ子が素晴らしい。都筑道夫は思い出深い。中学頃、日本のSFを読み漁って、筒井康隆まで終了した後手を伸ばしたのが、都筑だった。
 その後神保町シアター松竹の女優たち。『からみ合い』『風花』『黒い河』。
  62年製作『からみ合い』小林正樹監督岸恵子主演のファム・ファタルもの。オープニングの銀座を歩く岸恵子、手持ちカメラとジャズ、モノクロのスクリーンに立つ姿は、邦画というよりヌーヴェルバーグ。美しい!ただ、ストーリーの展開は、会社社長の遺産相続を巡る騙しあい。登場人物は大なり小なり全員が悪党だ。異父姉を殺して相続人になりすまそうとするヌードモデル役の芳村真里と、共謀する野心家の若手弁護士役の仲代達矢が存在感あった。とてもよくできた脚本とクールな美術。
  59年製作『風花』は木下恵介監督大船調というのだろうか。実はあまり見ていない。テレビ、ビデオで見ても退屈でしかなかったからだが、やはりちゃんとスクリーンで観るものだな。豪農の息子が出征の日に心中死する。相手の小作人の娘(岸恵子)は生き残ったが子供を身ごもっていた。豪農の主は激怒、息子の骨を川に投げ捨て、小作人は首を吊る。豪農の心優しい使用人(笠智衆)は身寄りのいなくなった娘を、主に掛け合って豪農の家に引き取るが、産まれた子供の名前として主が届けた名前は捨雄というあまりの仕打ちだった。捨雄も成長するが、その名前でいじめられ通しだった。そんな捨雄を優しくしてくれたのはただ一人豪農の箱入り娘さくら(久我美子)だった。19歳になった捨雄(川津祐介)と母(岸)はさくらが嫁に行くまでこの家に尽くそうとするのだった。久我美子の女学校の友達役で有馬稲子、彼女は女学校卒業後、東京の学校に行き、貧乏画家と暮らしているらしい。『からみ合い』の都会的な女性とは真逆な、小作人の娘から捨雄の母親まで岸恵子がモンペ姿で毎日汗水たらして働く健気な女性の18年の人生を熱演。しかし捨雄か・・・。
  『黒い河』は、57年小林正樹監督。厚木の米軍基地の周りの歓楽街バラック アパートアパートに住む貧しいが逞しく生きる変わった住人たち。狂犬のような愚連隊のボス(仲代達矢)の策略で貞操を奪われたウェートレス(有馬稲子)だが、彼女は、アパートに引っ越してきた真面目な大学生(渡辺文雄)への気持ちが揺れ動いていた。アパートのごうつく大家役の山田五十鈴のブスメイクが怪演という以外に表現のしようがないのと、仲代達矢が『あしたのジョー』の力石にそっくりなアブナい雰囲気満点でインパクト大。クサい芝居というか熱演というか、砂ぼこりハエと肥溜めの臭いで暑苦しい、戦後の日本を醸し出している。ただ彼女の白いブラウス白いワンピースは、清潔で気高い美しさの象徴だ。
   西荻で同居人と、Sで魚と酒。かなりベロベロに。魚は、今のところ、西荻では一番美味いと思うので、店名はイニシャル。

2008年9月22日月曜日

新宿、赤坂、六本木

昼に六本木 一丁目会社に行き、独身美人OLに惣菜4種、元同僚とフィッシュカレー新宿でハロワ認定日。 赤坂 メンクリ
六本木シネマートンで「台湾シネマコレクション2008」で『ウェスト・ゲートNo.6』。台湾の若者が日本の影響を受けているというより、東アジアに共通のカルチャーがあるんだな。プリクラゴスロリメイク、渋谷109系のファッション。原宿竹下通りと渋谷センター街の悪趣味コピーしたような、ゲーセン。日本的というより、アジア的な暑苦しいカオス。年寄りがしきりと携帯の写メ撮ったりそれを送ったりするのは、ソニーエリクソンのアジア戦略だろうが、携帯にプリクラ貼ったりするのは、若い奴は誰でも自然にやるもんかもしれない。原田真二風主人公と仲間たちの若者の街、台北西門での生活と、女友達の誘拐というちょっとしたサスペンス。堤幸彦監督の映画かドラマのようなテンポも彼からの影響というより、アジア若手監督に共通するトレンドなんだろう。渋谷に出て、シネマヴェーラで浅丘ルリ子2本。松竹斎藤耕一監督の日本映画初のオールハワイロケがウリのサスペンスの白い家』と日活渡り鳥シリーズの原型となった小林旭との『南国土佐を後にして』。
渚の~』何だか分かんない映画だったなあ。浅丘ルリ子のプロモーションビデオかイメージビデオのような映画。ストーリーも、ハワイも、他の役者も、彼女のための小道具。邪推すると、斎藤耕一監督が、JALから浅丘ルリ子でハワイツアーのCMの依頼を受けて、監督本人か代理店か、じゃあいっそのこと、ハワイを舞台に浅丘ルリ子主演で映画作って松竹に配給させて全国公開しましょうと話だけ膨らんだ感じ(笑)。音楽をかまやつひろしが担当、かまやつさんも、不法滞在の不良邦人役で出演。邦画冬の時代の78年製作、ロマンポルノの日活と暴力団実録ものの東映と違って松竹は寅さんしかなかったことを実感。大信田礼子と名高達郎、当時はあんな感じだったんだなあ。
   いやぁ『南国土佐を~』未見だったが、感動した!最近のベスト1かもしれない!!この大ヒットで、小林旭、浅丘ルリ子コンビで渡り鳥シリーズが作り続けられたことと、今まで見て来た渡り鳥シリーズがどんどん不思議なものに変化して行った訳を知った。無国籍映画を批判する訳では全くなく大好きだが・・・。さすが、原作川内康範。『おふくろさん』と『月光仮面』と日本の黒幕耳毛だけの人じゃなかった。ペギー葉山のヒット曲で企画された映画だろうが、歌もペギー葉山本人の使い方も最高にうまい。中村獅堂を三倍以上かっこよくさせた若き小林旭も、美人画が実体化したように目が大きく瞳に星が飛んでいる浅丘ルリ子も勿論だが、南田洋子中原早苗西村晃ら脇役もいい。1959年20年遡ると邦画の全盛時代だ。更に前科の為に仕事を捜して歩き回っても決まらないの姿に、年齢の為に再就職先が決まらない自分が重なって切ないこと切ないこと(苦笑)。帰宅途中南国土佐を後にしての歌がエンドレスに(笑)。しばらくパワープレイだな。少しテンション上がり過ぎたので、プチスーパー銭湯に寄って帰る

2008年9月21日日曜日

浅丘ルリ子、芦川いずみ、宮沢りえ。

  毎日が日曜日でも、日曜日は来る。高校後輩と会う予定がなくなったので、から渋谷 シネマヴェーラで浅丘ルリ子月間。
『四十七人の刺客』と『憎い あんちくしょう』。『憎い~』は何度観たことだろう。個人的には、芦川いずみと浅丘ルリ子、吉永小百合という3人の女優と日活ロマンポルノが、日活の産んだ至宝だ。ひどく偏っているが(笑)。社運を賭けたようなオールスターキャストの超大作を否定するわけではないが、プログラムピクチャーとして量産された作品の中に時として素晴らしい ダイヤモンドが埋まっている。時間と制作費の制約のため、寝る時間もなく 地獄のようにヘビーな現場の熱病が、何かを超越したドラマをフィルムに焼き付ける。そして関わった人たちに次の次元を見せてくれる。まあ、脳内麻薬苦痛を麻痺させるための幻想を見せているだけかもしれないが、我々観客は、その合法的麻薬のおこぼれに預かる訳だ(笑)。そういう意味では、この二作は少し趣は異なるが、ヌーヴェルバーグな時代への新しい挑戦として作られた藏原惟膳監督の新しい日活映画。マスコミの寵児のDJ石原裕次郎と、そのマネージャーの浅丘ルリ子との当時としては新しい恋愛の形と、不条理な追いかけっこ。全国的スターになりマンネリに苛立ちを感じている裕次郎と典型的な日活のヒロイン像から脱皮しようとしているルリ子をヨーロッパ的な動きのあるカメラで藏原監督が、野心的に撮った作品。林真理子の『RURIKO』でも触れられていたが、かって好きだった裕次郎と、当時付き合っていた監督との間で、ルリ子、今までにない生々しい表情を見せるんだなあ。監督って仕事は、変態だな。
  一転して、『四十七人の刺客』は東宝製作。市川昆監督が新解釈の原作で、市川映像美で重厚に撮った忠臣蔵の大作。高倉健と男たちの映画。宮沢りえ本当に可愛かった。元々男の映画で、女優少ないが、高倉健の大石内蔵助が刺客を倒した後の妻りく役の浅丘ルリ子とのツーショットくらいしか体温を感じるシーンがないので、内蔵助に愛される京の筆やの娘、かる役の宮沢りえの顔に当たる照明の温かみが際立つのであった。市川昆は、絶対宮沢りえを好きだったんだろうなと嫉妬する(笑)。 更に男には興味ないんだろうなと邪推する。このロリコン!!女好き爺!!!と死者に鞭打ちたくなるのであった。
   結局今日も、博華で餃子とビール。