昨日の地元飲み、調子に乗ってベロンベロンになった上、締めに麺まで食ってしまい、午前中はダウン。
ゆっくり風呂に浸かり、渋谷に。美大生とHMVで待ち合わせて、
渋谷ヒューマックスシアターで、
クリストファー・ノーラン監督『インセプション(129)』
海岸に打ち寄せられた男(レオナルド・ディカプリオ)。武装した日本人(ちょっと日本語は怪しい)が「不審な男を見つけました」男の上着を剥ぐと、ピストルが隠されている。
夢だから、夢の世界のアクションは、思い切り遊んでいる。360°回転式ホテルセットと、007張りの雪山アクション。幾つかの映画のリスペクトネタ含め深読み出来る部分もあるが、びっくり映像の連続で楽しめるからいいんじゃないかというシンプルさ。「恋しさと せつなさと 心強さと」by t.komuro みたいな映画。けっこう楽しんだけど・・・。
沖縄料理屋、彼女は飲まないので、一人オリオン生&泡盛で、出来上がって帰宅・・・。
2010年8月12日木曜日
耳が痛い。
退職した大手全国紙元新聞記者にありがちなこと
6.「新聞社を退職した・見限った自分」を語りだすと長い、
話の合間にそういう内容をうっかり振ると、組織の問題点から上司の欠点からあれこれずっと喋る。あまり出身母体を褒めることはない。世話になってたはずだがなあ。
とか(苦笑)。
あまりに身につまされて、大笑いしてしまった。
そろそろ脱皮しなければ。
今週末は、部屋の大片付けでもして、そろそろ引き籠りを脱しよう。
6.「新聞社を退職した・見限った自分」を語りだすと長い、
話の合間にそういう内容をうっかり振ると、組織の問題点から上司の欠点からあれこれずっと喋る。あまり出身母体を褒めることはない。世話になってたはずだがなあ。
とか(苦笑)。
あまりに身につまされて、大笑いしてしまった。
そろそろ脱皮しなければ。
今週末は、部屋の大片付けでもして、そろそろ引き籠りを脱しよう。
2010年8月10日火曜日
シネマヴェーラでかかっていた昇り竜の歌、よかったなあ。
午前中は、赤坂のメンタルクリニック。
シネマヴェーラ渋谷で、石井輝男 怒涛の30本勝負!!
64年東映東京石井輝男監督『いれずみ突撃隊(127)』
馬に乗った日本兵(高倉健)が、中国の原野を一人やってくる。「歩兵衆木(もろき)武男一等兵、南支派遣軍杉野三中隊機関銃小隊に転属してまいりました。」阿川准尉(安部徹)山本軍曹(大東良)に報告している。衆木は、山本小隊への配属を命じられた。
その頃、山本小隊の兵舎では、加賀上等兵(山本麟一)ら古参兵(蓑和田良太、関山耕司、久保一、日尾孝司、潮健児)による初年兵たちの虐めが行われていた。宮田二等兵(津川雅彦)は、盥を笠替わりに仁義を切らされている。仁義の切り方が悪いと、竹刀で打ち据えられている宮田を庇って立つ衆木。「テメエ、何だ?!」星の数を見て、「1等兵じぇねえか?逆らうのか」殴りかかる古参兵たち。衆木の軍服が破け、肩の刺青が見える。
衆木は一歩下がり「ご丁寧なご挨拶。ありがとござんす。どちらさんも、お控えなすって。お控え下さって、ありがとうござんす。手前、生国は関東でござんす。関東、関東といってもいささか広うござんす。関東は、華のお江戸、今では大東京でござんす。大東京、大東京といってもいささか広うござんす。隅田川のほとり浅草でござんす。浅草は柴崎3丁目に・・・(中略)姓は、衆木、名は武男。駆け出し者でござんす。一銭五厘の赤紙で、日露の戦いでその名も高い麻布三連隊第一中隊に召集されやした。そして転属に転属を重ね、ここ南支派遣軍杉野三中隊山本小隊に参りました。以後お見知りおきの程宜しくお頼もうします」見事な啖呵と刺青で、兵舎内は静まり返ったが、上官侮辱で、営倉3日の処分となった。
阿川准尉と山本軍曹が、安川中尉(杉浦直樹)の前で、衆木の処分について報告している。「示しがつかないので、軍法会議に掛けろ」と息巻く阿川に、「それでいいじゃないか。彼も営倉で反省するところがあるだろう」「しかし、このような兵隊は軍法会議にかけまして」「兵隊を罪に落とすことよりも、そういう兵隊が出ないように教育することがお前たちの務めだ。私的制裁はやめろ」「それは伝統でありまして」「悪い習慣や伝統は改めたほうがいい」とやり取りする安川。
衆木の営倉を訪ねる安川。「何でえ、星の数は一緒じゃねえか!金筋の数が多いだけじゃねえか」と取り合わない衆木に、「じゃあ、勝負するか」泥まみれで、殴り合う二人。安川は強い。「おめえ、なかなかやるじゃねえか。将校にしておくのは、もったいねえよ・・・。娑婆に出たら、俺と兄弟の盃交わさねえか・・・。いや、五分の兄弟分でいい。」笑う安川「おまえ、浅草なんだってな。どこの組だ」「いや組には入ってねえ。俺は親分なし、子分なし一匹狼よ。」「浅草は、武蔵一家のシマじゃないか」「詳しいな。そうよあの武蔵一家の出入りの時に、親分に頭を下げられて、手助けしたのよ」「あの時、親分は中風で寝たきりだったんじゃねえのか」「そうだった・・・。実子に頭下げられて」「そうか、実子に。しかし会ったことはねえな」「えっ?」「関東武蔵一家の実子、三代目の安川とは俺のことだ」「えっ?兄貴!!兄貴!!」「おめえ、浅草のシマはどこだ?」「六区で・・・」「六区の?木馬館の脇で・・」「木馬館の脇で、何を捌いていたんだ」「とうもろこしに・・・。夏は氷水・・・。」「なあ、衆木。この軍隊にも改革せにゃならんことはいっぱいある。しかし急にはできんのだ。なんせ今は非常時だ。日頃、カタギの皆さんにご迷惑をかけてる俺たちだ。力いっぱい頑張ろうじゃないか」「へえ!兄貴!!いや、中尉!!」「お前、立派な絵が入っているんだってな。今度の相撲大会で見せてくれよ」泥だらけで土下座しながら、安川との出会いに感激している衆木。
部隊対抗相撲大会。衆木が、おでんの屋台にいると、慰安婦のみどり(朝丘雪路)とみつ子(殿岡ハツエ)が声を掛けてくる。「あんたってえ、浅草なんだってえ?」三河弁のきついみつ子が「みどり姉さんも、浅草の出身なんだあ」安川が転属してしまい、拗ねている衆木は、けんもほろろだ。みどりは気分を害す。「あんだあ、みどり姉さんは、この慰安所のNO.1だのに、もったいないなあ」相撲大会の賞品の前で踏ん反り返っている阿川准尉が、みどりの姿を認め、しきりと目線を送るが、みどりはつれない。
相撲大会では、初年兵は次々に土俵に叩き付けられていた。宮田も顔から投げられた。行司役の兵士が「もう一人で10人抜きだ!!もういないか?」そこに、衆木が軍服姿でやって来る。次々に古参兵を投げる衆木。気がつくと皆転がっていた。
押元上等兵(砂塚秀夫)石渡上等兵(大前均)今井一等兵(春風亭柳朝)茂木初年兵(小川守)杉野中隊長(植田貞光)岩山分哨長(高城裕二)
68年東映京都石井輝男監督『温泉あんま芸者(128)』
珍妙でいい加減な主題歌・・・♪バラバラバラバラ、やあ!・・・・
富丸(三原葉子)「さあ!みんな張り切って稼ぎましょう!!」
♪バンバラバンバン、バンバラバン
個室で身体を揉んでもらいながら、ムラムラして、マッサージ嬢に迫る男たち(清水正二郎、田中小実昌、大泉洸・・・)
ここ石川県粟津温泉の旅館、鶴亀荘に、芸者姿の、富丸、蔦子(賀川雪絵)梅子(應蘭芳)雛奴(三島ゆり子)千代(橘ますみ)玉栄(英美枝)すみ(小島恵子)らがやってきた。芸者の金太郎(南風夕子)とんぼ(辰巳典子)君蝶(三乃瀬愛)歌江(渚マリ)桃子(工藤奈美)と同じお座敷だ。富丸たちは、お座敷では芸者の格好をしているが、客室でマッサージもすれば、身体も売る、あんま芸者、いわゆる“パンマ”だ。お座敷で芸を見せる芸者たちと、寝床で芸を売るあんま芸者たちは勿論仲が悪く、いがみ合ってばかりいる。しかし、大広間に一杯の男客たちは、そんなものはどうでもいい。舞を見せる金太郎の邪魔をして、富丸たちがゴーゴーを踊り始めると、やんやの喝采だ。金太郎を妾にしている野毛親分(上田吉二郎)が「野球拳をやれ!!」と叫ぶと、温泉芸者対あんま芸者の壮絶な野球拳が始まった。
汚物処理業者の黒島(芦屋雁之助)の部屋で、富丸が黒島のマッサージをしている。もっと力を入れろと黒島が言うと、富丸はオナラをしてしまう。露骨に嫌な顔をする黒島に「あたし、緊張すると出てしまうんよ。これで嫁にもいけなくなったのよ」と弁解する富丸。宿の番頭が、「あいにく、その日は宴会が重なっていまして」と言いに来る。「どうしても、何とかして貰わんと困るんだ」と黒島。
宴会、市の清掃部の品川部長(金子信雄)、保健課長(人見きよし)衛生課長(茶川一郎)係長(小島慶四郎) を接待する黒島。黒島は、バキュームカー1と1/3台につき5円の値上げを、品川に認めさせたいのだ。宴会に富丸たちあんま芸者たちが入って来る。鼻の下を伸ばして喜ぶ小役人たち。玉栄の太股には蟹の鋏の刺青がある。蔦子は何度も再生した処女膜が売り物だ。品川は、千代に目を付け、黒島は番頭に交渉するが、千代は頑なに貞操を守っていて駄目だと言われる。黒島は、何とか富丸を相手にさせることを納得させるが、緊張した富丸は、やはりオナラをしてしまい、翌朝、あの女は、お前の仕事と一緒だなと嫌みを言う品川。
粟津共済診療所の、産婦人科の椅子に蔦子が座っている。医師の吉岡伸二(吉田輝男)は、保険は効かないぞと言って、処女膜の再生手術をしぶしぶ行う。蔦子が終わると、千代が椅子に座る。「蔦ちゃんは診れて、何で私を診てくれないの?」と足を開く千代に「見なくても分かっているよ」と吉岡。「先生!!あたしの初めての人になって!!水揚げをして!!タダだっていいのよ!!」涙を溜めて必死に訴える千代は、吉岡に相手にされず、診療所を飛びだし、橋の上で泣いている。
品川や黒島たちが、船で帰って行くのを送るあんま芸者たち。千代は、二人にお土産を渡す。着いた連絡船から降りて来た中年男を見て、駆け寄る富丸。男は恩師の横谷(南都雄二)だった。「富田くん!!」「先生!!ちょっと、桟橋で待っていて!!」横谷は、妻とも上手く行かなくなり、仕事でも失敗して逃げ出して来たと言う。この温泉で下足番でも何でもやって静かに生きて行くんだと言う横谷を励ます富丸。
横谷の妻(稲村理恵)横谷の娘(美波節子)浜中の女将お徳(沢淑子)武(南道郎)雪子(高倉みゆき)花紀京里井蕗
武者小路実篤の「この道より 我を生かす道なし この道を歩く」
シネマヴェーラ渋谷で、石井輝男 怒涛の30本勝負!!
64年東映東京石井輝男監督『いれずみ突撃隊(127)』
馬に乗った日本兵(高倉健)が、中国の原野を一人やってくる。「歩兵衆木(もろき)武男一等兵、南支派遣軍杉野三中隊機関銃小隊に転属してまいりました。」阿川准尉(安部徹)山本軍曹(大東良)に報告している。衆木は、山本小隊への配属を命じられた。
その頃、山本小隊の兵舎では、加賀上等兵(山本麟一)ら古参兵(蓑和田良太、関山耕司、久保一、日尾孝司、潮健児)による初年兵たちの虐めが行われていた。宮田二等兵(津川雅彦)は、盥を笠替わりに仁義を切らされている。仁義の切り方が悪いと、竹刀で打ち据えられている宮田を庇って立つ衆木。「テメエ、何だ?!」星の数を見て、「1等兵じぇねえか?逆らうのか」殴りかかる古参兵たち。衆木の軍服が破け、肩の刺青が見える。
衆木は一歩下がり「ご丁寧なご挨拶。ありがとござんす。どちらさんも、お控えなすって。お控え下さって、ありがとうござんす。手前、生国は関東でござんす。関東、関東といってもいささか広うござんす。関東は、華のお江戸、今では大東京でござんす。大東京、大東京といってもいささか広うござんす。隅田川のほとり浅草でござんす。浅草は柴崎3丁目に・・・(中略)姓は、衆木、名は武男。駆け出し者でござんす。一銭五厘の赤紙で、日露の戦いでその名も高い麻布三連隊第一中隊に召集されやした。そして転属に転属を重ね、ここ南支派遣軍杉野三中隊山本小隊に参りました。以後お見知りおきの程宜しくお頼もうします」見事な啖呵と刺青で、兵舎内は静まり返ったが、上官侮辱で、営倉3日の処分となった。
阿川准尉と山本軍曹が、安川中尉(杉浦直樹)の前で、衆木の処分について報告している。「示しがつかないので、軍法会議に掛けろ」と息巻く阿川に、「それでいいじゃないか。彼も営倉で反省するところがあるだろう」「しかし、このような兵隊は軍法会議にかけまして」「兵隊を罪に落とすことよりも、そういう兵隊が出ないように教育することがお前たちの務めだ。私的制裁はやめろ」「それは伝統でありまして」「悪い習慣や伝統は改めたほうがいい」とやり取りする安川。
衆木の営倉を訪ねる安川。「何でえ、星の数は一緒じゃねえか!金筋の数が多いだけじゃねえか」と取り合わない衆木に、「じゃあ、勝負するか」泥まみれで、殴り合う二人。安川は強い。「おめえ、なかなかやるじゃねえか。将校にしておくのは、もったいねえよ・・・。娑婆に出たら、俺と兄弟の盃交わさねえか・・・。いや、五分の兄弟分でいい。」笑う安川「おまえ、浅草なんだってな。どこの組だ」「いや組には入ってねえ。俺は親分なし、子分なし一匹狼よ。」「浅草は、武蔵一家のシマじゃないか」「詳しいな。そうよあの武蔵一家の出入りの時に、親分に頭を下げられて、手助けしたのよ」「あの時、親分は中風で寝たきりだったんじゃねえのか」「そうだった・・・。実子に頭下げられて」「そうか、実子に。しかし会ったことはねえな」「えっ?」「関東武蔵一家の実子、三代目の安川とは俺のことだ」「えっ?兄貴!!兄貴!!」「おめえ、浅草のシマはどこだ?」「六区で・・・」「六区の?木馬館の脇で・・」「木馬館の脇で、何を捌いていたんだ」「とうもろこしに・・・。夏は氷水・・・。」「なあ、衆木。この軍隊にも改革せにゃならんことはいっぱいある。しかし急にはできんのだ。なんせ今は非常時だ。日頃、カタギの皆さんにご迷惑をかけてる俺たちだ。力いっぱい頑張ろうじゃないか」「へえ!兄貴!!いや、中尉!!」「お前、立派な絵が入っているんだってな。今度の相撲大会で見せてくれよ」泥だらけで土下座しながら、安川との出会いに感激している衆木。
部隊対抗相撲大会。衆木が、おでんの屋台にいると、慰安婦のみどり(朝丘雪路)とみつ子(殿岡ハツエ)が声を掛けてくる。「あんたってえ、浅草なんだってえ?」三河弁のきついみつ子が「みどり姉さんも、浅草の出身なんだあ」安川が転属してしまい、拗ねている衆木は、けんもほろろだ。みどりは気分を害す。「あんだあ、みどり姉さんは、この慰安所のNO.1だのに、もったいないなあ」相撲大会の賞品の前で踏ん反り返っている阿川准尉が、みどりの姿を認め、しきりと目線を送るが、みどりはつれない。
相撲大会では、初年兵は次々に土俵に叩き付けられていた。宮田も顔から投げられた。行司役の兵士が「もう一人で10人抜きだ!!もういないか?」そこに、衆木が軍服姿でやって来る。次々に古参兵を投げる衆木。気がつくと皆転がっていた。
押元上等兵(砂塚秀夫)石渡上等兵(大前均)今井一等兵(春風亭柳朝)茂木初年兵(小川守)杉野中隊長(植田貞光)岩山分哨長(高城裕二)
68年東映京都石井輝男監督『温泉あんま芸者(128)』
珍妙でいい加減な主題歌・・・♪バラバラバラバラ、やあ!・・・・
富丸(三原葉子)「さあ!みんな張り切って稼ぎましょう!!」
♪バンバラバンバン、バンバラバン
個室で身体を揉んでもらいながら、ムラムラして、マッサージ嬢に迫る男たち(清水正二郎、田中小実昌、大泉洸・・・)
ここ石川県粟津温泉の旅館、鶴亀荘に、芸者姿の、富丸、蔦子(賀川雪絵)梅子(應蘭芳)雛奴(三島ゆり子)千代(橘ますみ)玉栄(英美枝)すみ(小島恵子)らがやってきた。芸者の金太郎(南風夕子)とんぼ(辰巳典子)君蝶(三乃瀬愛)歌江(渚マリ)桃子(工藤奈美)と同じお座敷だ。富丸たちは、お座敷では芸者の格好をしているが、客室でマッサージもすれば、身体も売る、あんま芸者、いわゆる“パンマ”だ。お座敷で芸を見せる芸者たちと、寝床で芸を売るあんま芸者たちは勿論仲が悪く、いがみ合ってばかりいる。しかし、大広間に一杯の男客たちは、そんなものはどうでもいい。舞を見せる金太郎の邪魔をして、富丸たちがゴーゴーを踊り始めると、やんやの喝采だ。金太郎を妾にしている野毛親分(上田吉二郎)が「野球拳をやれ!!」と叫ぶと、温泉芸者対あんま芸者の壮絶な野球拳が始まった。
汚物処理業者の黒島(芦屋雁之助)の部屋で、富丸が黒島のマッサージをしている。もっと力を入れろと黒島が言うと、富丸はオナラをしてしまう。露骨に嫌な顔をする黒島に「あたし、緊張すると出てしまうんよ。これで嫁にもいけなくなったのよ」と弁解する富丸。宿の番頭が、「あいにく、その日は宴会が重なっていまして」と言いに来る。「どうしても、何とかして貰わんと困るんだ」と黒島。
宴会、市の清掃部の品川部長(金子信雄)、保健課長(人見きよし)衛生課長(茶川一郎)係長(小島慶四郎) を接待する黒島。黒島は、バキュームカー1と1/3台につき5円の値上げを、品川に認めさせたいのだ。宴会に富丸たちあんま芸者たちが入って来る。鼻の下を伸ばして喜ぶ小役人たち。玉栄の太股には蟹の鋏の刺青がある。蔦子は何度も再生した処女膜が売り物だ。品川は、千代に目を付け、黒島は番頭に交渉するが、千代は頑なに貞操を守っていて駄目だと言われる。黒島は、何とか富丸を相手にさせることを納得させるが、緊張した富丸は、やはりオナラをしてしまい、翌朝、あの女は、お前の仕事と一緒だなと嫌みを言う品川。
粟津共済診療所の、産婦人科の椅子に蔦子が座っている。医師の吉岡伸二(吉田輝男)は、保険は効かないぞと言って、処女膜の再生手術をしぶしぶ行う。蔦子が終わると、千代が椅子に座る。「蔦ちゃんは診れて、何で私を診てくれないの?」と足を開く千代に「見なくても分かっているよ」と吉岡。「先生!!あたしの初めての人になって!!水揚げをして!!タダだっていいのよ!!」涙を溜めて必死に訴える千代は、吉岡に相手にされず、診療所を飛びだし、橋の上で泣いている。
品川や黒島たちが、船で帰って行くのを送るあんま芸者たち。千代は、二人にお土産を渡す。着いた連絡船から降りて来た中年男を見て、駆け寄る富丸。男は恩師の横谷(南都雄二)だった。「富田くん!!」「先生!!ちょっと、桟橋で待っていて!!」横谷は、妻とも上手く行かなくなり、仕事でも失敗して逃げ出して来たと言う。この温泉で下足番でも何でもやって静かに生きて行くんだと言う横谷を励ます富丸。
横谷の妻(稲村理恵)横谷の娘(美波節子)浜中の女将お徳(沢淑子)武(南道郎)雪子(高倉みゆき)花紀京里井蕗
武者小路実篤の「この道より 我を生かす道なし この道を歩く」
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