2010年11月25日木曜日

小津安二郎のヒロインは目が離れている美人だった。

    朝一番で中央線に乗ると、トロトロ走った上、高円寺で停止。通勤時間にはやはり相変わらず遅延多いのだなあ。
    大手町で、糖尿病経過観察で眼底検査。赤坂に出てメンタルクリニック。どうも瞳孔開く目薬のせいで、世の中が眩しい。神保町で人に会い、

    神保町シアターで小津安二郎の世界
    33年松竹蒲田小津安二郎監督『出来ごころ(146)』
    夏の寄席、浪曲師浪花亭松若の高座。団扇で扇ぐ男女の中に、ビール工場の職工、喜八(坂本武)がいる。せっかくの真打ちなのに、息子の富夫(突貫小僧)は眠っている。ある男が足元にがま口が落ちているのに気付く。足で手繰り寄せ中を覗くが空だ。後ろに投げ捨てると、後ろの男も同じことを繰り返す。次は喜八の番だ。喜八は自分のがま口より、そのがま口の方が大きいので、中身の小銭を入れ替え、自分のがま口を放り投げる。先ほどとは逆の順にがま口は、最初の男の元に戻る。男が投げ捨てると、最前列に座っていた床屋の親方(谷麗光)が、自分の袂に戻した。しかし、暫くすると、体を書き始める。蚤か虱が付いていたのだろうか、周りの人間も立ち上がって、体を掻きながら調べる。もう浪花節どころではない。しかし最後には満場の大拍手。床屋の親方の拍手が、どうやら剃刀を革で研ぐ手つきなのに大受けな喜八たち。
     高座が捌けて、富夫を背負った喜八が、職工仲間の次郎(大日方伝)と寄席を出ようとすると、入り口に若い娘(伏見信子)がバスケットを下げ佇んでいる。不安そうに立つ娘が気になって声を掛ける喜八。親切心でもあるが、勿論娘は美しい。係わり合いにならない方がよいと次郎は言うが、気のいい喜八は、千住の製糸工場を首になり、今晩泊まるところもないと聞いて、自分の家に来いと誘う。幸い馴染みの居酒屋の女将とめ(飯田蝶子)が、住み込みで働けと言ってくれた。

     35年松竹蒲田小津安二郎監督『東京の宿(147)』
    トボトボと歩く親子の姿がある。喜八(坂本武)、善公(突貫小僧)正公(末松孝行)砂埃にまみれ薄汚れた父親の後を歩く善公は風呂敷包みを背負い、正公は五号瓶を紐でぶら下げている。「じゃあお前たちここで待ってろ」五号瓶の水を交互に飲み、空腹を誤魔化す子供たち。喜八、工場の門に行き門番に「仕事ありませんか?旋盤では熟練工なんですか…」「無いな…」「はるばるやって来たんですが…」「気の毒だが…」
     とぼとぼ子供たちのもとに戻る。善公「どうだったい?」俯いた父親の姿を見て正公「ちゃんは、どうして駄目なんだらう。工場は沢山あるんだけどね」その場に座り込む三人。善公がふと目を上げると、授業中の遠足だろうか同じ年頃の小学生の男児が教師に連れられ行進している。喜八「お前たち腹減らないか?」健気に首を横に振る兄弟。しかし、正公はお腹をさすりながらペソをかき始める。「どうした?腹痛いのか?」「ほんとは腹減った。」善公が顔を上げ「ちゃん!40銭!」野良犬が通り過ぎるのを見て追い掛ける。喜八も正公を背負い走り出す。近くの電信柱に警察の「犬を捕まえて下さい。子犬10銭、成犬40銭」という貼り紙がある。
     木賃宿、勿論大部屋に沢山の人間がいる。チンチロリンをする男たち。不抜けたように壁に寄りかかり座る喜八を気遣う息子たち。善公の前に、制帽が転がって来る。手に取ろうとすると、同じ年頃の男児が駆け寄ってきて奪い取る。ベーっと舌を出されてやり返す善公と正公。正公「兄ちゃん、いい帽子だね。あした犬を見つけたら買おうか?」善公「犬は飯だよ」喜八「お前らいくら持ってる?」善公「六銭」正公「一銭…」善公「明日はどっちの方に行くんだい?砂町の方に行ってみたらどうだい」


  酒と美人に滅法弱い喜八。何だか他人に思えないなあ。

2010年11月24日水曜日

哀しい女に惹かれてしまう男。馬鹿だと分かってはいるんだが・・・。

テアトル新宿で
  冨永昌敬監督『乱暴と待機(144)』
    幌付きのトラックの荷台、男女の足が出ている。寝転がった女が紙パックの飲み物をストローで飲み、隣の男に差し出す。振り払う男。
    1日目。平屋の古びた公営住宅が何軒か建っている。トラックが走り去るのを見送る男。
男(山田孝之)家の中に入り「近所に挨拶しといた方がいいんじゃないか?」化粧をしながら女(小池栄子)甘えた声で「もうあたし店だから、番上くん行っておいて~」「お前もそんな大きなお腹で、スナックで働くのはよした方がいいんじゃないか?」「番上くんの仕事がみつかるまで」「働けるよ」番上の見ていた就職情報誌を見て「月給20万円…。ここから近いじゃないの」
    紙袋を下げ、近所の挨拶に廻る男。一軒のチャイムを押すが反応はない。諦めて帰ろうとすると家の中から読経が聞こえ、目をやるとガラス戸が開いている。近寄ると、仏壇に向かい、上下グレーのスエット姿の女(美波)が一心不乱に経をあげている。「ごめんください」声をかけると女はひどく驚いて「新聞ですか?私字が読めないんです…」「だって、さっきお経を上げていたじゃないですか」「すみません。とりあえず、お上がり下さい。実際のところ、ひと月おいくらですか?」お湯を沸かそうとする女。「俺、勧誘じゃないから…お一人ですか?」「いえ、兄が一人いますが、今マラソンに行っていて…」「奥の方に引っ越してきたんで、挨拶をしているんです。番上と言います」と四角い紙包みを袋から取り出す。「ごめんなさい。ごめんなさい。お金お支払いします。」「えっ?」「こんな大層なものを頂いてしまって」財布からお金を取り出して押し付けようとする奈々瀬。「大層なものって、ただの羊羹だから・・」「いらついて無いですか?」「いらついてないですよ」「良かったぁ」へたへたと座り込む。何だか尻をモジモジさせている。「お名前は?」「奈々瀬です」自分を見つめる番上の視線に気がついて「何ですか?」「いやスウェットが似合っているなあと思って…」「これは・・・あの・・・汚れも目立たないし・・・洗っても直ぐ乾くし・・・こうやって男の方と二人きりになった時に、誤解されないように」「誤解された時はどうするの?」奈々瀬のモジモジは更に激しくなり「ああっ」悲鳴を上げる。スウェットの股間が濡れている。失禁したのだ(何だか、文章にすると団鬼六みたいだが、映画はそんなに淫靡ではない(笑))。驚いた番上は、札を財布に戻してやり、立ち尽くしている奈々瀬を残して、あたふたと家を出る。
   3日目。あずさが大きな腹を抱えて家の外に出てくると、奈々瀬が洗濯をしているのを見掛けて近付く。声を掛けても奈々瀬は気付かない。「あの、番上の妻です」振返った奈々瀬の顔を見て、

  山根英則(浅野忠信)と小川奈々瀬(美波)5年前軟禁。番上貴男(山田孝之)あずさ(小池栄子)

  渋谷シアターNで、カン・ウソク監督『黒く濁る村(145)』

   1978年サムドク祈祷院ヨ・モッキョン
チョン・ヨンドク刑事/村長(チョン・ジェヨン)、ユ・ヘグク(パク・ヘイル)、パク・ミヌク検事(ユ・ジュンサン)、キム・ドクチョン(ユ・ヘジン)、ヨンジ(ユ・ソン)、チョン・ソンマン(キム・サンホ)、ハ・ソンギュ(キム・ジュンベ)、ユ・モッキョン(ホ・ジュノ)

2010年11月23日火曜日

連日というか、毎日飲んでいる。

昨夜は、元会社の後輩達と、新宿で飲む。締めた時間は早かったが、出来上がりも早かった。

朝起きると結構降っている。昼には上がると聞いて洗濯。勤労感謝の日。プー太郎オヤジには悪い冗談だ。午後雨上がり、地元でランチビール。ちょっと一杯のつもりで飲んで、いつの間にやらただの一人飲みに(苦笑)。

代々木の学校が学祭なので、初めて顔を出す。休日の酔っ払いオヤジのままでは教育的見地からどうなのかと思いながら、足を踏み入れると、玉蒟蒻の味噌おでんとホットココア。どう考えてもセットで飲食するものじゃないだろう。このミスマッチ、ある意味今のエンタメ1年の個性、それなりに感心する。

新宿高島屋のJR線路側野外渡り廊下(?)で12月に開催予定の『アーティスティック“ラブ”クリスマス』の事前展示。どう考えても出店者のポートフォリオ、全員が美女過ぎる。クラシックだけでなく、アートの世界も日本では容姿が重要なのか(苦笑)。

   夜は、ハリウッドのDスタジオで、CGのプログラマーをやっている高校時代の友人が一足早いクリスマスホリデーで帰郷しているというので、元文芸部のメンバーで4年振りに新宿で飲む。

2010年11月21日日曜日

断捨離2(笑)

 昨日のブックオフに味をしめ、再び時代小説の文庫をブックオフに。7870円だ。まあ、182冊だから(苦笑)