テアトル新宿で
冨永昌敬監督『乱暴と待機(144)』
幌付きのトラックの荷台、男女の足が出ている。寝転がった女が紙パックの飲み物をストローで飲み、隣の男に差し出す。振り払う男。
1日目。平屋の古びた公営住宅が何軒か建っている。トラックが走り去るのを見送る男。
男(山田孝之)家の中に入り「近所に挨拶しといた方がいいんじゃないか?」化粧をしながら女(小池栄子)甘えた声で「もうあたし店だから、番上くん行っておいて~」「お前もそんな大きなお腹で、スナックで働くのはよした方がいいんじゃないか?」「番上くんの仕事がみつかるまで」「働けるよ」番上の見ていた就職情報誌を見て「月給20万円…。ここから近いじゃないの」
紙袋を下げ、近所の挨拶に廻る男。一軒のチャイムを押すが反応はない。諦めて帰ろうとすると家の中から読経が聞こえ、目をやるとガラス戸が開いている。近寄ると、仏壇に向かい、上下グレーのスエット姿の女(美波)が一心不乱に経をあげている。「ごめんください」声をかけると女はひどく驚いて「新聞ですか?私字が読めないんです…」「だって、さっきお経を上げていたじゃないですか」「すみません。とりあえず、お上がり下さい。実際のところ、ひと月おいくらですか?」お湯を沸かそうとする女。「俺、勧誘じゃないから…お一人ですか?」「いえ、兄が一人いますが、今マラソンに行っていて…」「奥の方に引っ越してきたんで、挨拶をしているんです。番上と言います」と四角い紙包みを袋から取り出す。「ごめんなさい。ごめんなさい。お金お支払いします。」「えっ?」「こんな大層なものを頂いてしまって」財布からお金を取り出して押し付けようとする奈々瀬。「大層なものって、ただの羊羹だから・・」「いらついて無いですか?」「いらついてないですよ」「良かったぁ」へたへたと座り込む。何だか尻をモジモジさせている。「お名前は?」「奈々瀬です」自分を見つめる番上の視線に気がついて「何ですか?」「いやスウェットが似合っているなあと思って…」「これは・・・あの・・・汚れも目立たないし・・・洗っても直ぐ乾くし・・・こうやって男の方と二人きりになった時に、誤解されないように」「誤解された時はどうするの?」奈々瀬のモジモジは更に激しくなり「ああっ」悲鳴を上げる。スウェットの股間が濡れている。失禁したのだ(何だか、文章にすると団鬼六みたいだが、映画はそんなに淫靡ではない(笑))。驚いた番上は、札を財布に戻してやり、立ち尽くしている奈々瀬を残して、あたふたと家を出る。
3日目。あずさが大きな腹を抱えて家の外に出てくると、奈々瀬が洗濯をしているのを見掛けて近付く。声を掛けても奈々瀬は気付かない。「あの、番上の妻です」振返った奈々瀬の顔を見て、
山根英則(浅野忠信)と小川奈々瀬(美波)5年前軟禁。番上貴男(山田孝之)あずさ(小池栄子)
渋谷シアターNで、カン・ウソク監督『黒く濁る村(145)』
1978年サムドク祈祷院ヨ・モッキョン
チョン・ヨンドク刑事/村長(チョン・ジェヨン)、ユ・ヘグク(パク・ヘイル)、パク・ミヌク検事(ユ・ジュンサン)、キム・ドクチョン(ユ・ヘジン)、ヨンジ(ユ・ソン)、チョン・ソンマン(キム・サンホ)、ハ・ソンギュ(キム・ジュンベ)、ユ・モッキョン(ホ・ジュノ)
2010年11月24日水曜日
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