2010年2月19日金曜日

喜々で餃子とビールと泡盛で、千鳥足。

とりあえず、何品か仕込むが、どうも脱力状態から戻らない。冬季五輪を横目で見ながらダラダラ過ごし、学校に行って、ビデオカメラと三脚を持って(勿論、学生に持たせてだが・・・)、元会社に返しに行き、外苑前の喜々に顔を出す。結局飲みたい放題飲んで、千鳥足で帰宅。

2010年2月18日木曜日

イベントは終わった

  私が指導していた代々木上原MUSICASAでの音楽イベントは無事終了。まあ、小さいことは色々起きたが、学生たちは集中を切らさず、よく動いていたから合格というところか。
  学園祭よりは少しだけだが、仕事としてのイベント運営の真似ごとを経験させられたのではないかと自画自賛。平日の早い時間にも関わらず見に来てくださった皆さん!!本当にありがとうございました。自分が身体を酷使した訳では全くないのだが、翌18日はほとんど使い物にならず、自宅居酒屋の食材の買い物に夕方出掛けただけで終了。いかんなあ。

2010年2月15日月曜日

家で唐々鍋

  
   ラピュタ阿佐ヶ谷で、昭和の銀幕に輝くヒロイン【第51弾】若尾文子

   66年大映京都島耕二監督『処女受胎(54)』
    強い風が吹く薄原。スケッチをしている高野愛子(若尾文子)、スケッチ破り捨てる。「風と女」。ギターに合わせフラメンコを踊る女、スケッチをしている愛子。描いた絵をクシャクシャにする。「炎と女」。高飛び込みをする女を描いている愛子。やはり破り捨てる。「水と女」
    田島ギャラリー、高野愛子の個展が開かれている。評論家の梅村(平井岐代子)前田(小原利之)足立(春本泰男)立原(木島進介)は、どうも最近の愛子の絵が駄目だと語り合っている。「このへんが彼女の限界かもしれないね」しかし、分かり易い絵と美貌の女流画家として人気があり、個展は賑わっている。そこに、画商の息子の田島洋一(山下洵一郎)と愛子が戻って来る。「凄い人気ですね。親父も挨拶をしなければって言っていましたよ」
愛子自身は、最近強いスランプを感じていた。今回の作品の中で、唯一まあまあだと思っていた絵をじっと眺めている紳士がいる。愛子「あら、谷田部先生だわ、挨拶をして来ます。」「先生お忙しいのに、わざわざお越しいただきありがとうございます。ご覧になっての感想を忌憚なく仰って下さい」「そんな感想なんて、私は素人ですから…」「そう仰らずに。どんなことでもいいんです」「そうですか…。この絵は何と言いますか、永遠の幸福を求め続ける女性の顔ですね。ふと思ったのでしが、高野さんは、とても孤独で不幸なんじゃないかと思いました。素人がつまらないことを言ってしまって大変失礼いたしました」谷田部(若山元蔵)は、東都大学医学部の産婦人科部長だ
    そこに、雑誌、現代美術の記者の村上隆(片山明彦)が、カメラマンを連れやって来る。「盛況ですね」「現代美術で、派手に宣伝して下さったお陰よ」写真を撮られながら、愛子は考えていた。「孤独と不幸な私を救うもの、それは何だろう」
     ホテルのピアノバー、小説家の細川慎吾(藤村有弘)と一緒に、ブランデーを飲む愛子の姿がある。「ねえ愛子。今までに色んな女性と付き合ったが、君ほどの女はいなかったな」「それどういう意味?」「色んな意味でさ」「くだらないわ、この頃のあなたの小説みたい」「もう一度、僕の作品の装丁をしてくれないか」「7年前ね」「君に装丁してもらった僕の処女小説はとても売れた。君のお陰で」と自嘲的な細川。
寄り添い部屋に向かう若い男女を観て「そろそろ僕らも部屋にいかないか?」「そんな気分になれないわ」お代わりのブランデーを持ってきたボーイに「空いたグラスを、そのまま置いておいて。どれくらい飲めるか今日は試したい気分なのよ」
   渓流に架かる吊り橋に、愛子の姿がある。人が来る気配に愛子が顔を上げると、村上がやってくる。「東京のお宅に伺うと、女中も行き先を知らないっていうし、探しましたよ」「故郷にふらっと来たくなったのよ。でもよく分ったわね」「勘ですよ。僕が今進めている『画家、故郷に行く』の取材をさせてください」「いいわよ。他にはどなたが?」「西先生、水島先生・・・女流はあなただけだ」「屋敷に戻りましょう」「すげえ、庭だな。あなたがこんなブルジョアだとは思わなかった。農地解放でがあったでしょう」「田畑は全部手放したわ。あの杉山だけ残ったの」「でも杉は売れば随分するんでしょ?」「百年モノの杉は1本百万円するらしいわ」
  屋敷には、ばあや(吉川満子)が一人留守を護っている。「お食事の用意が出来ました」ばあやに給仕をしてもらいながら、夕食を取る愛子と村上。「こちらの村上さんは私に結婚を申し込んだ方なのよ。どう思う?」「お似合いのご夫婦でございます」
  その夜遅く、遠くで鐘の音が聞こえている。独り寝間で、苛々して灰皿を吸殻で一杯にしている村上。忍び足で部屋を出て愛子が眠る部屋を探そうとすると、突然灯りが点き「御不浄は、そちらの部屋の外でございます」とばあやに声を掛けられ、慌てて部屋に戻る。しばらくすると愛子が来る足音がする「声が聞こえたのでどうしたかと思って」「こんなところまで来て、独りで寝かすなんてひどいよ。随分待ったんです」愛子、正坐をして「結婚しましょうか。この屋敷も、山林も全てあなたにあげるわ」村上の顔が上気する。「そうしてここに住んで財産の管理をして欲しいのよ」「君は?」「勿論、東京で暮らすわ。ここじゃ絵は描けないもの」「そして、東京で他の男と付き合うんだろ」「それは判らないわ」
  翌朝、村上が目を覚まし、襖を開けると、目の前に洗面道具を持ってばあやが正坐をしており「おはようございます。どうぞお顔を洗いくださいませ」と言う。朝食を取りながら「愛子さんは?」「今朝ほど、朝一番でお出かけになりました。夕べ申し上げたことは、全部冗談でしたとお伝え下さいということでございました。」
  東都医科大学附属病院、谷田部の部屋を訪ねる愛子。「描けなくなって、もう長いんです」

     引き続き、百万人の作家 石坂洋次郎の映画アルバム

    56年東宝鈴木英夫監督『青い芽(55)』
    大学の校庭で、野球の試合が行われれている。のり子(雪村いずみ)のボーイフレンドの沢木光雄(山田真二)がマウンドに上がっている。のり子はミッション系の女学校の同級生の時子(清水玲子)と和子(上野明美)と応援に来ていた。相手の学校の不良学生川島(大前亙)や二田(中川豊)たちがあまりに下品な野次を飛ばすのでのり子は注意をする。最後のバッターを内野フライに打ち取って、光雄たちの学校が勝った。
翌日、女学校の講堂で、のり子たち女学生たちが女教師(三好栄子)のオルガンに合わせ、讃美歌を歌っている。歌い終わり、女教師は、日曜日には2時に集合することと言って解散を命じた。その日行われる結婚式で、のり子たちは讃美歌を歌って祝福するのだ。
講堂を出ると、光雄が来ている。日曜に神宮外苑で試合があるのだと言う。結婚式が終わったら、急いで駆けつけると約束するのり子。時子と和子と三人で帰る途中、川島と二田が、待ち伏せをしていた。因縁をつけのり子の鞄を取る不良学生たち。のり子は一言はねつけ、鞄を取り返す。
のり子の家は乾物屋の丸八商店。帰宅したのり子を迎える父(藤原釜足)と母(清川虹子)。「お腹空いちゃった。何か無い?」「茶箪笥にどら焼きが入ってるよ」どら焼きを食べながら「母さん!!晩ご飯のおかずは何?」「何です!?食べながら」
二階の自分の部屋にバタバタと駆け上がるのり子。下で、算盤を弾いている父の上に埃が落ちる。
そこに和子の母ふさ江(本間文子)が店にやって来る。「聞きましたよ。のりちゃん、不良学生をやっつけたんだって!?あたしは胸がスーッとして」「ええっ」びっくりする母親。
のり子は、机に足を乗せ、ジャズを歌っている。
下では、母親が父親に「あたしゃのり子が心配だよ。あんな歌を歌っているときの娘は、好きな男のことを考えているもんなんだ。のり子はまだ17なのに…」「お前が俺んとこへ来たのは、17だったじゃねえか」「今と昔じゃ違いますよ」「のり子は、しっかりしているし、賢い子だ、しんぺえあるまい」「だから、心配なんですよ」

    57年東宝丸山誠治監督『憎いもの(56)』
   刈り入れの終わった田圃の中を、上野に向かう汽車。青森の田舎で玩具屋を営む村井彦一(藤原釜足)と弘前で小さな百貨店太陽堂を営み、市会議員をする木山敬助(東野栄治郎)。
木山は「仕入れが終わって帰りの切符を買ったら、2000円だけ残しておいて下さいよ。東京と言うところは、未亡人やら人妻やらデパートガールやら弘前では想像もつかない美人と遊べるところがある。せっかく東京に行くんだから、仕事が終わったら、命の洗濯をするっぺ」と言って好色そうに笑う。しかし、村井は、このお金は東京で働いている娘の由子が、送ってくれる仕送りを貯めた大事な金だから、そったらことに使ったら、バチがあたんべと首を振るのだった。
    村井は、妻の弓子(賀原夏子)と小さな玩具店を営んでいるが貧しい。娘の由子の仕送りでやっと息子の秋雄(若原亘)と三人暮らしている。年頃の由子(安西郷子)の嫁入りの話しになり、秋雄の担任の倉田先生(小泉博)がいいんじゃないかと弓子と話し合うが、由子の仕送りが無くなったら、暮らしていけない。そのためにも、仕送りを貯めて、直接東京まで仕入れに行こうと考えていた。田舎を出る前日倉田が訪ねてきて、由子が食べたがっていた味噌漬けを持って来る。修学旅行ね下調べに東京に行った際に、随分と親切に面倒をみてくれた由子は、東京の生活で随分垢抜けて綺麗になったと顔を赤らめる倉田。倉田の方も満更ではないようだ。