2009年1月17日土曜日

自宅新年会献立


  予想以上に多くの方にお越しいただき楽しかった。褒められると伸びるタイプなので、自分が作った料理をおいしいと言ってくれるとなんだかその気になり、自宅飲み屋癖になりそうだなあ。忘年会よりも、余らした食材は少なかった。(photo by Shinya OHMACHI)

ちなみに、献立は、
根菜のマリネ/ポテトサラダ/蛸と茗荷のサラダ/南瓜煮物/合鴨の挽肉と大根、白滝の炒め煮/ヒジキ煮/博多がめ煮/鶏牛蒡/鶏鍋~水餃子/砂肝炒め
ほとんど食べつくしているなあ。

2009年1月16日金曜日

映画「40歳問題」。で、何?

  午前中は、洗濯と掃除をし、明日の新年会用の食材の買い出し。
  午後から渋谷シネマヴェーラで官能の帝国ロマンポルノ再入門2
  83年にっかつ崔洋一監督『性的犯罪(21)』
  車の解体屋、藤森工業の社長を親から継いで3年、藤森雪夫(河原さぶ)は、元ホステスだった中村豊子(三東ルシア)を事務員兼愛人にし、結婚8年を迎える妻の須磨子(風祭ゆき)にはスナックを経営させている。しかし、博打で身を崩し、転がり込んできた長男の勝治、三男の文彦のミスで事故が起き、従業員2人が亡くなったが、無保険だったため補償金問題が起き、経営危機に。八重垣(草薙幸二郎)から金を借りるが、なかなか返済のめどがたたない。豊子から金を借りる。その条件として、一緒に同居させてほしいと言う豊子。須磨子は嫌がるが、妻妾同居の生活が始まった。
   八重垣は、トラックや機材を差し押さえる。使うときは、貸すと言うがいよいよ商売を続けることも困難になり、借金取りに居留守を使い、いよいよ、夜逃げをする。八重垣は、弟の文彦に、雪夫の居場所が分ったら連絡してくれと金を渡す。文彦は、スナックのホステスの清子(美野真琴)と雪夫の家に隠れている。果たして、ある夜、雪夫、須磨子、豊子の三人が忍び込み、風呂に入り、寝ようとしていると、文彦の連絡で、八重垣が現れ、家、工場を売っても500万足りないとしつこく迫る。豊子が新聞紙に包まれた500万を出し、その場は収まった。
  三角関係を続けながら、その後の商売の当てもない雪夫は、自分が入っている3億1千万の保険金の詐取を思いつく。替え玉を車に乗せ、東京湾に突っ込み、須磨子と豊子は、その死体を雪夫だと偽証する。葬儀もなんとか切り抜けたところに、刑事(三谷昇)がやってくる。妻と愛人が図って雪夫を保険金殺人をしたのではないかと疑ったのだ。須磨子と豊子は、別々に取り調べを受ける。重なる追及に、須磨子は、豊子への嫉妬心から雪夫は生きているとばらしてしまう。雪夫は自殺した。
  うーん、実話を元にした割には、妻妾同居の不思議な三角関係となる経緯が弱いので、もったいないなあ。
   75年日活神代辰巳監督『黒薔薇昇天(22)』。もう一度見る。芹明香、やっぱりいいなあ。   
   シアターN渋谷で、独身美人OLと夫婦50歳割引きで、中江裕司監督『四十歳問題(23)』。
浜崎貴司(43)、大沢伸一(41)、桜井秀俊(40)の3人を集め、1曲を作り、関連コンサートをやるまでのドキュメンタリー。何だか、40代になって、80年代のバンドブームを懐かしく思ったプロデューサーが、やはり同年代の中江裕司(ナヴィの恋)を起用して、コラボレーションで曲を作れば何か生まれるかという思いつきだけのような気がする。みんな気がついたら40代になっていましたね。ということでしかないと思う。40歳問題?桜井は横浜方面の一戸建てに、元タレントの美人妻との間に3人の子供がいる。マイホームパパ。エッジの聞いた音楽を作る筈の大沢伸一が、実は岐阜大津の出身で、郷里で友人や実兄と昔話。今だ初代イカ天キング、フライング・キッズの時代を振り返ってしまう浜崎貴司。何だか、テレビの特番みたいだ。何を作りたかったのか。作る間に何か見つかると思ったが、見つからなかったのか(失笑)。
   独身美人OLと、海鮮鍋。鍋はいいなあ。

2009年1月15日木曜日

寒いなあ。

   今日も朝から丸の内のクリニック。今回は栄養指導、なかなか美人の栄養士、朝から幸福感に包まれる(笑)。30分があっという間だ。寂しい。浜松町の歯医者で、昨日歯を抜いた後のチェック。
   渋谷シネマヴェーラで、官能の帝国ロマンポルノ再入門2
   77年日活長谷部安春監督『レイプ25時 暴姦(19)』。深夜のガソリンスタンド、毎日に退屈しきった若い男(塚田末人)が、閉店の準備をしながら、ハンバーガーを食べている。そこに怪しい男の二人組がやってくる。もう閉店ですというが、人を探していると勝手に入り、店内を調べ帰っていく。男たちが帰ると、男(石山雄大)が現れる。男が金を崩してくれというので、金庫を開けると、中の金を奪おうとしたが、大した金額は入っていない。オーナーが、集金にくるからと言い訳をする若者。外を見ると、男を追いかけていた男たちの車がある。ガソリンスタンドの車で男と若者は逃走する。途中で男たちをまき、住宅街に車を止める。目の前の屋敷の2階に、バレリーナのルリ子(山科ゆり)がいる。男は、部屋に忍び込み、ルリ子をレイプする。若者は、男を手助けすることしかできなかった。
  その日以来、ときどき男はガソリンスタンドに現れ、若者に運転させ、ホステスをレイプしたり、金を盗んだり欲望のまま行動している。ある時、男は、探していた男たちに捕まった。三人はハードゲイの関係らしい。潰れた映画館に男を連れ込むと、三人の中で一番若い男が男をトイレに誘い、自分を愛してくれと迫ってきた。男は、隙をみて叩きのめして逃走した。ガソリンスタンドの若者は、徐々に、自分の衝動を抑えられなくなっていく。郊外でカップルを襲撃し、男を叩きのめしたあと、女に暴行する。徐々にその行為から逃れられなくなっていった・・・。
   廃墟の映画館が自分がよく通っていた映画館に酷似しており、当時びっくりした覚えがある。暴力的に従属させる人間関係は、ほとんど嫌悪感を覚えてしまうので楽しめないのは、当時も今日も一緒。しかし、そういう要素が全くない人間は稀有だ。理性云々ではなく、幸い、何か精神的に追い込まれている時に目にしないですんでいるといことなのかもしれない。
   88年にっかつ石井隆監督『天使のはらわた 赤い眩暈(20)』。看護婦の名美(桂木麻也子)はカメラマンの健二(小林宏史)と同棲している。夜勤続きの名美は、ある晩空室の筈の病室のナースコールに呼ばれ患者に暴行されそうになる。やっとのことで逃げ出し、その日は早く上がった。帰宅すると、健二はモデルの女を連れ込んでいる。健二が女に、ただの同棲で結婚するつもりはないと言うのも聞いてしまい、家を飛び出す名美。証券会社の営業マン村木哲郎(竹中直人)は、顧客の資金に多額の穴を空けてしまい、脅しの電話で妻は実家に帰り、会社からも追及されていた。村木が立ち寄りそうな場所には電話がじゃんじゃん掛かってくる。今いるバーにも電話が鳴り続ける。ママ(泉じゅん)に居留守を頼み、ママに迫っている。家に帰ると会社の重役からクビだと言う電話がかかる。今まで、相当な儲けを会社にも顧客にも揚げさせてやった筈だ。村木は、重役に文句を言おうと変装し、非常階段で駐車場に。車のスピードが上がった所で、飛び出して来た女をはねる。全く動かない名美を殺してしまったと思い込み、車に乗せて走り出す村木。会社に乗り込むどころでなくなり。横須賀方面に車を走り出す。会社に電話をすると後輩が出て警察に出頭した方がよいと言う。途方にくれ車を止める。死んだと思っていた名美は、気を失っているだけだ。捨て鉢な気持ちで、名美の手を縛り、身体をもてあそぶ村木。意識を取り戻した名美は、車から逃げ出す。追いかける村木。二人は、学校だったらしい廃墟に入り込む。そこで、名美に追いつく村木。名美は廃材で村木を殴り続ける。絶望のどん底にある二人の間に、心の底で、共鳴しあうものが生まれ始めていた・・・。
   竹中直人が村木を演じている。ここ数年の竹中直人の役で映画テレビに出演している竹中直人に辟易していたが、この頃は役者だったんだな。本人が悪いと言うより、それを求める監督、プロデューサーがいけないんだろう。石井隆、シリーズ初めて監督したんだな。今までの不本意を取り戻すように、非常に拘って、丁寧に作っている。しかし、SEXを描いた映画が必ずしも色気のある映画になるわけではないという思いに陥る。何だか、絶望的故に深まる男女の性愛という、このシリーズのテーマで言うと、映像的にはシリーズ最高だが、名美役桂木麻也子、それなりにかわいいし不幸を引き寄せてしまう、さげまん感は十分だと思いつつ、映画的暗黒にはもうひとつ。「天使のはらわた」シリーズの名美としては、水原ゆう紀、鹿沼えり、泉じゅんと並ぶと、個人的には、田中登が監督のせいかもしれないが、鹿沼えりと地井武男のコンビの2作目が圧倒的にいい。
  夕方から、霞ヶ関にあるリクルートエージェントでMtg。担当者もアシスタントも美人で人当たりもいいし好感。って、ちょっと論点ずれているか(苦笑)。新宿に出て東急ハンズと伊勢丹で買い物をして、地元博華でビールと餃子。

2009年1月14日水曜日

涙の抜歯

  朝から丸の内の糖尿病クリニックでアナムネ。アナムネって何?と言う感じで、恐る恐る診察室に入ると医師ではなく看護師が、今までの病歴や生活習慣を事細かくヒアリングするものだった。問診とか書いてくれ!忙しそうなベテランの看護師が、早口で聞いてくる質問に、一問一答。性病にかかったことは?とか最近性欲は?とかさりげなく織り交ぜながら。「性欲ですか・・・まあ、淡白になりました。軽鬱のせいなのか、年齢のせいなのか分かりませんが・・・・」と思わず真面目に答える。当たり前か(笑)。何だか取り調べを受けている感じ。途中鼻かみたくなるし、ズルズルで切ない。60分掛かる所を30分で済まされた感じであっという間に終わる(苦笑)。切ないのぅ。
  大門の歯医者。最悪だ。差し歯していた根元が割れていて、抜かれてしまった。上顎の臼歯。歯医者はかなり悪戦苦闘し、こちらはかなりのダメージだ。麻酔が切れると鈍痛と血の味。気を紛らわそうと渋谷に出て、鎮痛剤を飲もうにも食欲ないので、まずは散髪、せっかくなので百軒店で30年ぶりの店に入り遅い昼食。
   渋谷シネマヴェーラで官能の帝国ロマンポルノ再入門2
75年日活神代辰巳監督『黒薔薇昇天(17)』。
   和歌山の海岸の民宿で、ブルーフィルムの監督十三(岸田森)は、カメラマン安っさん(高橋明)と照明の石ヤン(木夏衛)とで芸術的なブルーフィルムを撮影している。女優のメイ子(芹明香)が男優の一(ピン)(谷本一)の子供を妊娠し、出産するまで出演を休ませて欲しいと言い出す。ブルーフィルムの音声として、大相撲の勝力士のインタビューや、犬の息使いや、猫のミルクを舐める音、はたまた天王寺動物園に行き、アシカやシマウマの声まで収録しながら、メイ子の気持ちを翻意させようと、尊敬する大島渚や今村昌平の名を挙げて芸術的なファックの美を追求した映画を作ろうとしているのだと熱く語るが、説得出来ない。
   十三が通う歯医者の待合室でいつも会う和装の美人がいる。幾代(谷ナオミ)といい、大垣彦市(牧嗣人)の2号をしている。自分の診察のあと、テープレコーダーを忘れた振りをして、女子大生(東てる美
や幾代の診察を盗み録りする。音声だけ聞くと治療のやり取りもなかなか色っぽい。そこに、医師と幾代の不倫の証拠となるやり取りが収録されていたことで、幾代を脅迫して女優に仕立てようと思いつく。ある人から頼まれ幾代の身辺を探っている興信所の者だと偽ると、旦那が嫉妬して依頼したのだと幾代は勘違いする。妻の入院代が必要なのだと言うみえみえの嘘を信じた幾代を、通天閣近くのアパートの自室に連れ込む。興信所の仕事をしながら、映画監督をしていて、幾代をヒロインにチャタレー夫人を撮りたいと告白する十三。明日金を持ってくるという幾代を見送りながら、幾代に恋をしていることを安やんに告白する十三。
  幾代は、あれだけ尽くしてきた大垣が自分の浮気を疑って興信所を雇ったと思いショックを受けていた。その日、大垣にいつものように奉仕した後、首を吊って死のうとする。気を失ったところで、気になってついてきた十三が、助ける。翌日、指定の場所にやってくる幾代。証拠映像を見せると偽って映写機を回すと、何故か十三が撮影したブルーフィルムだ。驚いている幾代に、「ワイは芸術を撮ってまんネン」と怪しげな理屈を並べながら口説き、のしかかる十三。悶える幾代。いきなり、カメラを構えた安っさんと石ヤンが入ってくる。激しく抵抗するが、次第に夢中になる幾代。
   それから十三組に幾代が加わった。海岸を移動しながら、なぜ目の前で男優と絡んでいても嫉妬しないのだと十三に尋ねる幾代。女優を妻にしている監督は多く、彼らは男優に嫉妬はしないと答える十三。和歌山の海岸の民宿で撮影をしている。一と幾代の絡みが徐々に盛り上がっていくと、大分腹が目立ってきたメイ子が、一に自分の前でイクのは止めてくれと騒ぎ始める。更に、十三までもが、一に嫉妬して、フレームに入ってくる。安っさんに怒られ、「ワイは修行が足らんのや・・・」と言う十三。
  これも懐かしいな。やっぱり、80年代のひらがなの“にっかつ”ではなく、“日活”。神代辰巳の脚本は、学生の頃、映画を見るたびに、手に入れて読んだので、これもかなり覚えている。しかし、脚本にはあってカットされたシーンやセリフを意外に混同して覚えているものだなあ。岸田森、谷ナオミ、芹明香、
高橋明、役者も素晴らしい。神代の代表作とはいえないかもしれないが、自分の中では、けっこう好きな映画だったなあと再認識。
   73年日活曽根中生監督『実録白川和子 裸の履歴書(18)』。佐世保出身で東京で女子大生をしている和子(白川和子)は、演劇を志していたが、劇団の稽古だと倉庫に騙して連れてこられて4人の若者に強姦されてしまう。その模様を撮影した映像を見ながら4人に強姦はアカンという老人(殿山泰司)。
老人は、珍プロダクションの社長で珍田(うずた)一平、後日、和子が大学を出てきたところに声を掛ける。半年後、和子はピンク女優白川和子として「不倫の悶え」でデビューをした。
  和子はピンク映画のアシスタントカメラマンと同棲をしている。和子は、小さくても平和で幸せな家庭を作りたいと思っているが、男は、ベトナムに行ってカメラを回したいと文句ばっかり言っている。自分はピンク映画の助手でしかないのに、そのくせ、和子をピンク女優とどこか見下している。和子は男と別れた。女優を辞め、保育園などで働こうと思うが叶わない。結局、友愛福祉会という団体で、募金集めや、独居老人の介護などをしている和子。ある日、一人の老人のもとを訪ねる。尿瓶や便のついたおむつの中で過ごしている老人の部屋をかたずけ、洗濯をする和子。老人は、女性の写真を持っている。娘さんですかと聞く和子に、孤独な自分にとっての恋人だという。和子の女優時代のスチールだった。老人に自分の乳房を触らせ、自分の身体で癒そうとする。また来るねと言って去る和子。数日後募金活動をしている和子に、会の男が、あの年寄りに何をしたんだと聞く、老人は首つり自殺したのだ。
  老人の骨壺を持って、東京タワーの展望台に登る和子。遺灰を撒き、望遠鏡で、最初に見つけた男に老人の代わりに自分の身体を捧げるという和子。チンドンヤの男のものを加えている和子。横須賀の港近くで、タクシー運転手(高橋明)とSEXをしている和子。本当は佐世保の両親に会いに行きたかったとつぶやく和子。
  ある日、撮影隊の集合場所である新宿西口の安田生命前にあらわらない和子。助監督が自宅を訪ねるが、和子のヒモの男が出てきて、ここにはいないと言う。しかし、男は、和子の別れ話に逆上し、和子の目、鼻、耳を塞いで監禁していた。数日後、訪ねてきた珍田に助けられる。全裸で外に逃げ出した和子は、徐監督の氷室に助けられる。自分のコートを着せ、自分の家にかくまうからと言って、妻に許諾をもらってくるまで、ここにいろと一軒のスナックに案内される。
  スナックのマスターは、かってピンク女優時代の相手役だった瀬木(織田俊彦)だった。そこに氷室の妻が現れ、自分は元5社の女優だったと言い、夫はピンク映画の助監督をしているが才能があり、ピンク女優風情が付き合うような男ではないと和子を侮辱、女二人はつかみ合いの喧嘩になった。スナックで泥酔した上、止める瀬木を断って町に出ると警官に逮捕される和子。翌日警察署を出てきたところを瀬木が出迎え、安物だけどと言って買った服をくれる。やさしい瀬木に、和子は引退して、瀬木と結婚することを決意する。しかし、珍田社長のところに行くと、せっかく日活から主演の話がきているのに、と言う珍田。撮影所で仕事ができると聞いて、瀬木に別れを持ち出し、ぶたれる和子。
  日活第1作、「団地妻 昼下がりの情事」が完成したのは、瀬木との結婚式を挙げる予定日だった。日活ロマンポルノの看板女優となっていく和子。実際の予告編や作品を挟み込みながら、撮影所での場面をつなげていき、白川和子の引退興行としての上半身裸の和子は、後輩の女優たちを従えて、口上を述べてエンディング。
  看板スターの結婚引退を記念して、まだ勢いのあった日活撮影所のスタッフが餞に作ったお祭り映画だな。当時は、少し退屈だった記憶があるが、なかなか楽しんで見ることができるロマンポルノ・オブ・ロマンポルノ。
   昨日会ったK氏に無理を行って、青山劇場で16歳早乙女太一の公演を見る。一緒に招待してもらった元会社の同僚たちと宮崎料理屋。

2009年1月13日火曜日

風邪は抜けないが、塒からは出る。

   昼をイベントプロデュース会社Hの、年下でリスペクトする友人Kさんの原宿のオフィスへ。彼とは、10年近く前に、自分が ポビー・the・ぱフォーマーと言う3DCGアニメに関わっていた頃、キャラクター系のイベント絡みで知り合って以来、それ以降は何も仕事上貢献出来ていないのに、忘れずお付き合いしてくれる奇特な人だ。飲み会の案内を出したら忙しいのに顔出してくれたことも。彼からその後どうしています?と言うメールを貰ったので、失業継続中ですとメールを返したら会ってくれることになったのだ。
  実は、もう一つ気になっていたのは、去年見た邦画の製作総指揮として、珍しい彼の名前が出ていて、なにか事情が有ってしょうがなくお金出したんだろうなと思っていながら、昨年の金返せ映画の一本に上げてしまい申し訳なく思っていたら、同姓同名の別人だった。私の名前は、意外にありきたりで、何人も同姓同名の人を知っているが(名刺交換した人も、電話で話したことのある人もいる。プロ野球選手や一時メジャーデビューしたシンガーソングライターまで)、彼は生まれて初めてだと言っていた。
   まあ、そんなKさんと昼ご飯を一緒に。質か量どっちの店がいいですかと聞かれ、身体は細いが体育会系のKさんだし、量ですかねと答えたら連れて行ってくれた店は、レギュラー、ラージ、ダブルとある店だった。勿論2人でダブルのロコモコを頼み(本当に二人分だった(苦笑))、ほぼ同時に完食。食べながら、どうして会社辞めたの?今何をしているの?何をやりたいの?と聞かれる。いくら、風邪が完治せず蓄膿状態で、1、2枚膜がかかったような脳みその、そうでなくとも常日頃から鈍感な私でも、これは、通り一遍の世間話ではなく、真面目に自分の身の上の相談に乗ってくれていることが解る。
  しかし3日間、ボーっと寝ていた頭と、痰が絡む喉では、「うーんとねー、僕ねー」といったバナナマンが物真似する貴花田の小学生時代か、むーん坊(by いがらしみきお画伯)のような会話しか出来ない(恥)。そんな私を見かねて、こんなことを考えているんですが、興味ありますかと聞いてくれる。そうなると、YESかNOで大丈夫だ。餌を前に食べたいかと聞かれたカートゥーンアニメの犬か猫のように、無駄に頭を上下して勿論!と答える。大至急企画書まとめて送ることに。本当にKさんは奇特な人だなあ。昼も奢ってくれるし、今度こそ、仕事で返さないとと強く決意するものの。ロコモコのダブルで胃袋はマックスの状態だ。腹ごなしに明治通りを渋谷まで歩き、
  渋谷シネマヴェーラで、官能の帝国ロマンポルノ再入門2
  84年にっかつ山城新伍監督『双子座の女(15)』 。夜の鎌倉の海岸を犬とランニングしている老人。急に心臓を押さえ倒れる。マスタングコンパーチブルに乗り、走らせる女。夜が明け、海岸には沢山の海水浴に来た若者たち。倒れたままの老人と、寄り添う犬。あるピアノバーで、男(南条弘二)は近くの席の女(五十嵐夕紀)に目が行き、誘うように手を挙げるが、立ち上がり店を出る女。女は男に背を向けてほくそ笑む。女が店を出たので、追いかけて店を出る男。店の外はどしゃ降りだ。店の角を曲がったところに雨宿りしている女に気がついて足を止める男。女は、男の星座を聞く。獅子座だと答える男に、火の星座は嫌いではないと言う女。タクシーを止めて、送って行くと言う男に、一度だけ後腐れない関係がいいと答える女。タクシーの中で、男は女の身体に手を伸ばす。結局鎌倉の男の家で関係する2人。
  翌朝、男が目覚めると女いない。二階の寝室から降りると、車がない。車を少し借りると言う女のメモがある。女は朝食の買い物をして車を走らせていると、サーフショップで女(朝比奈順子)に、その車は中沢保の物だから、新しい女なのかと聞かれ、保の財産目当てなのかと言われた。コーヒーを飲んでいる保の元に戻る女。朝食をつくるという女に、仕事に出かけるので、出て行ってくれという保。女は、愛してしまったというが、後腐れない関係がいいと言ったのは君だろという保。仕事に出るので、送るといったが、タクシーを拾って帰るという女。
   中沢保は、都内で何店かレストランバーを経営している。店に出ると、ピークを過ぎて売れなくなったせんだみつおが店内の女の子をナンパしている。せんだは常連らしいが、女の子は誰も相手にしないので、帰っていく。店の女の子の良子(香野麻里)が、LPをかける。その音楽に反応する保。クレジットには保の名がある。良子に聞かれ、昔学生の頃遊びで作ったんだと答える保。逆にそのレコードをどうしたんだと聞かれ、女性の人がオーナーに渡してくれと置いて行ったと答える良子。
  保は、車でサーフショップに行く。オーナーの大和田(山田辰夫)と朝女に注意をした女・京子がSEXをしているが、保は、中断させて京子に亜希子(有明祥子)が帰国していることを何で教えなかったんだと聞く。かって、保と亜希子は恋人だったらしい。しかし亜希子は、保の浮気に傷つき、2年間ステンドグラスの修行にスペインに行っていたのだ。  亜希子の住む葉山の家に行き。今でも亜希子を愛していると言う保。当時の自分は子供だったから、許せなかったが、今でも保を愛していると言う亜希子。しかし、キスをする保に、その先は、もう少し時間が欲しいという亜希子。
  そのあと、保が帰宅すると、家の様子がおかしい。2階の寝室に上がると、ベッドに昨夜の女が全裸でいる。怒る保に、寝室の窓が空いていた言う。自分は双子座で風の星座なので、火の星座の獅子座とは相性がいい。愛しているという女。一晩寝ただけの女で、自分には愛している女がいると叩き出す保。
   刑務所を一人の男が出所してくる。帝都理科大の校門で学内を覗きこんでいる。学校から出てきた教員が「丸山先生じゃないです!?」と尋ねると、逃げるように車道に飛び出し、車にぶつかった。車には、保、亜希子、大和田、京子が乗っている。大丈夫ですかと聞く保に、逃げるように姿を消す男。男の名は丸山(中尾彬)。かって、帝都理科大の教授だった。
   保たち4人がレストランで食事をしていると、ウェイターがシャンパンを持ってくる。あちらのお客様からですと言われ、保がそちらに行くと、例の女だった。保は、大和田に後を任せて、女を追う。結局捲かれてしまった。
   保の経営するレストランバーで、良子が電話に出ている。支配人の洋一(水上浩次)に今日は早く上がると言って店を出る良子。保と良子がベッドにいる。愛し合いながら、良子は、今日が最後なんでしょうと言う。愛し合いながら、お前はいい女だという保に、都合のいい女でしょうと答える良子。保の車で自分のマンションに帰る良子。エレベーターに白い文鳥を連れた女がいる。エレベーターの中で、文鳥を良子にけしかけ去る女。顔から血を流しながら恐怖の目で女の後姿を見送る良子。
   白い文鳥が入った鳥籠を下げ女がマンションに入っていく。その部屋には丸山がいる。激しく抱き合う丸山と女。女は、めぐみと言い、かって丸山の愛人だった。丸山の妻が包丁を手にめぐみに夫と別れろと迫っている。丸山の妻から逃げようとして、めぐみがワゴンを押すと、丸山の妻は倒れ、誤って包丁を自分の胸に刺す。そこに丸山が飛び込んで来る。包丁を胸に刺しながらも近寄ってくる妻に、思わず馬乗りになって首を締める丸山。5年で仮釈放になって出てきたのだ。今でも血だらけの妻の顔を思い出すといい、めぐみに迫る。5年の間、他の男と浮気をしたのかという丸山。マンゴーを食べながら、私といても不幸になるだけだから別れようと少なくない金を出して言うめぐみ。乱暴にめぐみに絡む丸山。
   プールで泳ぎながら、キスをし、愛を確かめ合う保と亜希子。遊園地の観覧車の前で、沈鬱な表情の丸山とめぐみ。火葬場まで附いていくという丸山。ふた組の男女がエスカレーターの上りと下りで交差する。地下鉄に乗っている丸山とめぐみ。5年の間何をやって食べていたんだと聞く丸山。アロハを着た外人が地下鉄に乗ってきてメグちゃ~んと言う。めぐみは、何をしていたか教えてあげると言って、向かいの席に座った外人の腰の上に乗る。外人と痴態を繰り広げながら、丸山を怪しげに見続けるめぐみ。
ピンクサロンにいる丸山。女に捨てられたんだと言って、急に店の女に馬乗りになり首を締める丸山。そ騒然とする店内。店の男に引きずられて行きながら、笑う丸山は狂気の眼差しだ。その翌日、めぐみの前に、首を吊った丸山の壮絶な姿がある。文鳥を空に放すめぐみ。
   江ノ電に、保と亜希子が乗っている。学生の頃、江ノ電が大好きだったという保。二人の間の空白の時間も今ではすっかり解消されているようだ。しかし、鎌倉高校前の駅に、喪服姿のめぐみが立っている。亜希子のステンドグラスが数日後、幼稚園を経営する教会に納品されると話す亜希子。また、東京から、ステンドグラスを教えてほしいといって生徒が一人来たと報告する。男かと聞く保に妬いている?と聞く亜希子。ある夜、亜希子がシャワーを浴びている。尖ったガラスを持って迫る女の影。ガラスで足を切ったので、洗わせてほしいとバスルームの外から声をかける女。その女は、めぐみだった。亜希子の乳房に大きな黒子があることをみつけるめぐみ。亜希子はめぐみの正体を知らない。
   保が自分の店を覗く。事務所で、支配人の洋一と良子が抱き合っている。お幸せにと声を掛けて店を出る保。駐車場に行くと車がない。女が移動させていた。女は、家と車の合鍵を作っていたのだ。
とにかく車に乗れと言って、走り出す。金が欲しいのかと聞くと、めぐみは1億くれと言う。なんで1晩の割り切った関係で1億なんだと尋ねる保。金が欲しいのなら500万やるから、それきりにしろと言う保。
   その夜、保の家でホームパーティがあった。ステンドグラスの生徒としてめぐみを招待した亜希子。
多くの人と盛り上がりながら酔う保。怪しげにあたりを見回すめぐみ。めぐみは勝手に2階に上がりベッドに寝ている。亜希子が上がってきて声を掛けるが答えない。何か不審を感じる亜希子。パーティが終わった。保の車を借りて、酔って寝てしまったみどりを自宅に連れていくという亜希子。みどりを運んでくれと亜希子に言われ、寝室に上がる保。捨てないでくれというみどり。自分は亜希子を愛しているという保。最後にキスしてくれれば別れるのを承知するというみどりにキスをする保。助手席にみどりを乗せて運転する亜希子に、保のことを話し始めるみどり。その怪しい表情に徐々に恐怖を覚える亜希子。酔っていた保もふと不安を感じ、亜希子の家に電話をするが、誰も出ない。あわてて、亜希子の家に向かう保。保の目の前には、燃え盛る亜希子のアトリエがある。アトリエから火だるまになった人間が逃げ出してくる。
   病院で保は、医師に問いただしている。どっちの人間か分からないということはないだろうと言うが、わからないと答える医師。とにかく、今日、顔はともかく身体の包帯はとれるからわかるだろうという医師。
看護婦が身体の包帯を外すと、乳房に黒い黒子がある。ようやく安心する保。看護婦は、患者は、死んだひとに花束を手向けてくれと頼んでいると伝える。あんな女にと言う保に、彼女もかわいそうな女性だという。ようやく、顔の包帯がとれる日が来た。ローザンヌの療養施設に長期滞在して、二人きりの時間を過ごそうという保。包帯が取れたら、自分を愛していると言ってくれと言う。看護婦が包帯を外す。果たして、そこに現れたのは、みどりの顔だった。愛していると言ってほほ笑むみどり・・・・。
   那須真知子の脚本もしっかりしているし、山城新伍人脈なのか中尾彬をはじめ役者もちゃんと演技をしていて、意外によく出来ているサスペンスだ。ピアノバーで、弾き語りで「モナリザ」を歌う高見知佳似の女性シンガー、いったい誰だったんだろうか。
  しかし、冒頭の思わせぶりなジョギング老人の死は何だったのかとか、せんだみつおやら、せっかくの“たこ八郎”やら、山城新伍自身の出演やら、サービス精神で盛り込んだような部分は、正直かなりだるい。
   81年にっかつ荒木経惟監督『女高生偽日記(16)』。女子高生リカ(荒井理花)は、六本木の交差点を歩いている時にモデルにならないかとスカウトされる。カメラマンのモジャ(吉原正皓)に言われた助手の野島短太郎(浅見小四郎)に声をかけられたのだ。声をかけておいてモジャは、スタイリストと目黒エンペラーに行ってしまう。六本木アートセンターのスタジオで延々と待った末、いろいろな衣装を着せられモデル経験をするリカ。原宿を歩いていると、クラスメイトの純子(森村陽子)や香織(萩尾めぐみ)たちが、ノーパン喫茶や、金持ちのボンボンとの援交で200万貯めたと聞き、一緒にやらないかと誘われるが断る。野島からモデルのバイトをしないかと誘われていった場所はラブホテルで、ビニ本のモデルだった・・・。
   うう。これ以上書いてもストーリーは無いようなものだ。六本木のジャズバーでの怪しげなパーティーだけ、異常に豪華。赤塚不二夫御大、南伸坊、末井昭、篠原勝之、中村誠一クインテット・・・。80年代の「写真時代(こういう雑誌が白夜書房から出ていた)」文化の記録としてだけの意味。同タイトルのシリーズは、けっこう刺激的だったんだがなあ。写真時代より、もう少し前の時代だったと思うが・・・。

2009年1月12日月曜日

不景気風邪いつになったら治まるのか

 熱は下がってきたが、咳が止まらないので、今日も家に。

2009年1月11日日曜日

不景気風邪止まず

 今日も終日家で寝ている。