2008年9月21日日曜日

浅丘ルリ子、芦川いずみ、宮沢りえ。

  毎日が日曜日でも、日曜日は来る。高校後輩と会う予定がなくなったので、から渋谷 シネマヴェーラで浅丘ルリ子月間。
『四十七人の刺客』と『憎い あんちくしょう』。『憎い~』は何度観たことだろう。個人的には、芦川いずみと浅丘ルリ子、吉永小百合という3人の女優と日活ロマンポルノが、日活の産んだ至宝だ。ひどく偏っているが(笑)。社運を賭けたようなオールスターキャストの超大作を否定するわけではないが、プログラムピクチャーとして量産された作品の中に時として素晴らしい ダイヤモンドが埋まっている。時間と制作費の制約のため、寝る時間もなく 地獄のようにヘビーな現場の熱病が、何かを超越したドラマをフィルムに焼き付ける。そして関わった人たちに次の次元を見せてくれる。まあ、脳内麻薬苦痛を麻痺させるための幻想を見せているだけかもしれないが、我々観客は、その合法的麻薬のおこぼれに預かる訳だ(笑)。そういう意味では、この二作は少し趣は異なるが、ヌーヴェルバーグな時代への新しい挑戦として作られた藏原惟膳監督の新しい日活映画。マスコミの寵児のDJ石原裕次郎と、そのマネージャーの浅丘ルリ子との当時としては新しい恋愛の形と、不条理な追いかけっこ。全国的スターになりマンネリに苛立ちを感じている裕次郎と典型的な日活のヒロイン像から脱皮しようとしているルリ子をヨーロッパ的な動きのあるカメラで藏原監督が、野心的に撮った作品。林真理子の『RURIKO』でも触れられていたが、かって好きだった裕次郎と、当時付き合っていた監督との間で、ルリ子、今までにない生々しい表情を見せるんだなあ。監督って仕事は、変態だな。
  一転して、『四十七人の刺客』は東宝製作。市川昆監督が新解釈の原作で、市川映像美で重厚に撮った忠臣蔵の大作。高倉健と男たちの映画。宮沢りえ本当に可愛かった。元々男の映画で、女優少ないが、高倉健の大石内蔵助が刺客を倒した後の妻りく役の浅丘ルリ子とのツーショットくらいしか体温を感じるシーンがないので、内蔵助に愛される京の筆やの娘、かる役の宮沢りえの顔に当たる照明の温かみが際立つのであった。市川昆は、絶対宮沢りえを好きだったんだろうなと嫉妬する(笑)。 更に男には興味ないんだろうなと邪推する。このロリコン!!女好き爺!!!と死者に鞭打ちたくなるのであった。
   結局今日も、博華で餃子とビール。

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