渋谷シネマヴェーラで『忘八武士道 さ無頼』『丑三つの村』。『忘八~』は74年東映製作小池一雄原作劇画の映画化。石井輝男監督の一作目があり、主役は丹波哲郎だったらしいが、鼻高く、まつ毛長いバタ臭い顔の伊吹吾郎のほうが劇画的。忘八とは岡場所の女郎屋の主人のことだが、その用心棒になった九死一生(まさに劇画な役名(笑))は、虚無感満載で死に場所を求めている人斬り 素浪人。彼に関わった人物というか、彼以外の全ての登場人物は死に、ラストで九死は『また死ねなかった』というセリフと共に去っていく。岡 場所に女を供給する組織で、女だてらに 小頭を務める池玲子も勿論九死に無理やり手ごめにされながらとりこになり、組織を裏切って死んでしまう。まあ所詮劇画、されど劇画。
『丑三つ~』は、最も好きな監督の一人田中登だが、前の会社に入社して寝る暇もないタコ 部屋状態の83年の公開だったので未見だった。寡作な監督だったが、津山30人殺しをモデルにしたこの作品は代表作の一つ。古尾谷雅人、正に油が載って本当に凄い。村の娘の田中美佐子の素朴な美しさ!でも昔の田舎の娘はそれなりに早熟なのでかなりの露出だ(涙)。脇役も、主人公を誘惑する村の女達が、大場久美子、池波志乃、五月みどりなど日本の土着的エロティシズムに体当たり、そのあたり田中登の出身である日活 ロマンポルノの香りがかなり濃い。エロチック!!松竹映像・富士映画製作のこの映画は、当時濡れ場満載として宣伝されたんだろうな。
その後、府中迄行って、小学校六年の時のクラス会。前回は卒業以来ほぼ初めてで45歳の時だったので、次回は50歳にということになったらしいが、覚えていない、早いなあ(苦笑)。しかし、再来年80歳を迎える黒田先生の矍鑠としたこと。同学年の女子は皆子供が成人したり、余裕があり、ある意味 女としてセカンド ステージ。凄い、完全に脱帽だ。小僧の尻尾が取れない50 オヤジの自分は完敗。渋谷で開かれるイベント 上映に行く筈が、抗えないまま二次会へ。誰かが持って来た卒業アルバムを見ながら、当時自分はどの娘が好きだったんだろうと考えながら、特定出来ない程ガキだったのかもしれないなあと思い飲み続け、ベロベロに酔っ払うと、彼女たちの12歳当時と50歳の今と揺れる イメージの実像はフィックスせず、ピントは全く合わない。何だか、40年近く前の 教室の後ろで、些細な 下らないことで女子と口喧嘩していた頃がフラッシュバックする。今日一緒に呑んだ 女子はそれなりに みんな 好きだったかもしれないと思い始め、途中抜けする筈が、ズルズルと最後まで。
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