2010年1月8日金曜日

沈没。

   午前中は赤坂のメンタルクリニック。

   角川シネマ新宿で、大雷蔵祭
   60年大映京都池広一夫監督『ひとり狼(13)』
    囲炉裏を囲む男たち、一人の渡世人、上松(あげまつ)の孫七(長門勇)が酒を飲みながら話している。「誰からお聞きになったんですかい?追分の伊三蔵さんですか…。俺は良く知っておりやすよ…。兄弟分だって?とんでもねえ!!同じヤクザモンですが、半端もんの俺とは違って、筋金入りと言うか、本当は、追分の…と言うより、人斬り伊佐と言う方が名前が通っていやすぜ。親分なしの乾分なし…、誰も寄せ付けない、一匹狼ですぜ…。初めて会ったのは信州の塩尻峠でした」
    雪の山道にいた孫七は、渡世人と浪人たちの斬り合いを目撃する。「逃げるか!?伊三蔵!!」「俺は新しい卒塔婆の夢など見たかねえ!」孫七「おめえさんは、有名な追分の伊三蔵さんかえ。助太刀するぜ!」「余計なことはしないでくれ。巻き添えにしたかねえ、行っておくんなせえ」孫七の見る前で、斬りつけてきた浪人多賀忠三郎(伊達三郎)の腕を斬り落とす伊三蔵。浪人「恩人の娘を手込めにするなんざ最低な奴だ」と言う言葉に、表情が曇る伊三蔵。孫七に、「さっ、行きなせえ、巻き添えを食うぞ」
  孫七、「翌年の冬、上州坂本宿の与左衛門親分のところで、二度目の巡り会いになりました。」孫七が歩いていると、突然、半次(長谷川明男)が追いかけてきて、、身延の半次とひどい仁義を切った。孫七「ひどい仁義の切り方だなあ」「ほんの駆け出しで・・」「そうか相乗り仁義か」与左衛門(原聖四郎)のところで仁義を切り草鞋を脱ぐ孫七と半次。翌朝顔を洗いに井戸端に行くと、先客がある。追分の伊三蔵だった。「誰です?」「お前、この稼業に入るんだったら、知らなきゃモグリだぜ。追分の伊三蔵、またの名を人斬り伊三。このあたりで出入りの場合には、伊三が加勢した方が必ず勝つと言ってどこの親分さんも草鞋を脱いで貰いたがるお人だぜ」「ふーん。あいつを斬ったら、俺の名前が関八州に響き渡るって寸法か。」「馬鹿なこと考えるんじゃねえぞ」朝食になる。半次がいきなり食べようとすると、伊三が「親分さん、おあねえさん、いただきやす」と言い孫七も繰り返す。伊三は、丼メシに数口箸をつけると、お櫃から少しよそい、黙々と食べる。半次は、お櫃から二膳目を取る。孫七は、少しだけお代わりをした。半次はお櫃が空になったのを見て、メシを貰って来ましょうかと言う。孫七「てめえ、渡世の義理は、メシは二膳、一汁一菜と決まっているんだ」伊三は、食べ後の言鰯(鯵?)の骨を懐紙に畳んで仕舞い、御馳走さまでござんしたと席を立った。

お沢(岩崎加根子)平沢清市郎(小池朝雄)由乃(小川真由美)上田吉馬(内田朝雄)秋尾(丹阿弥谷津子)新茶屋の吾六(浜村純)斉藤逸馬(新田昌玄)鬼頭一角(五味龍太郎)由之助(斎藤信也)お美代(行友圭子)荒神の岩松(遠藤辰雄)清滝徳兵衛(南部彰三)お松(外村昌子)伝七(守田学)石太郎(黒木現)


   新宿ピカデリーで、
   竹内英樹監督『のだめカンタービレ最終楽章前編(14)』
   パリに留学中ののだめこと野田恵(上原樹里)と千秋真一(玉木宏)。指揮者のコンテストでジャン・ドナウデュウ(ジリ・ヴァンソン)を破って一位となった千秋は、140年の伝統を持つルー・マルレ・オーケストラの常任指揮者に決まった。しかし、マルレ・オケは、頑固者のコンマス、シモン(マルフレッド・ヴォータルツ)によって内部抗争で1/3の楽団員が脱退し、残りのスタッフも生活に追われ碌にリハーサルも積んでいなく絶句するような技量だった。更に前任の指揮者が逃亡したため、突然千秋がピンチヒッターで指揮をすることになった定演は、酷い出来だった。

  分かりやすい選曲で、演奏も、ランランやロンドンフィルなどを使ったレコーディング、演奏会のシーンも、ちゃんと録っていて、音楽を大事にしている映画だと思うし、クラシック音楽の啓蒙に果たした意味は大変評価すべきだ。しかし、映画館でお金を払ってみる映画だとすると、言いたいことは随分ある。まず、録音だが、もっと高音質で収録出来なかったのだろうか。映画館の問題かもしれないが、何だか迫力に欠ける。ホームシアターで見るものなのかもしれない。
   そういう意味では、映画的な快感は味わえず、お金を掛けたテレビの特番を映画館の巨大スクリーンで見ている気分だ。邦画全般の傾向だが、ポストプロが本当に粗い。撮影現場でもそうだが、モニターでチェックをしながら作って行くので、小さな画面で十分なのかもしれないが、アニメなど合成するなら、もう少しちゃんと作って欲しいと思う。テレビ特番だと思えば十二分に手間を掛けていることになると思うが(苦笑)。日本でしか商売にならないと思うのだが…。

   神保町シアターで、女優・高峰秀子
   39年東宝京都石田民三監督『花つみ日記(15)』
     大阪郊外の女学校、女学生たちが歌を歌いながら、校庭をホウキで掃いている。5人一組が横に並び、5組3列で掃きながら動くさまは、マスゲームのようだ。その中に篠原栄子(高峰秀子)の姿がある。校舎の中から彼女たちの姿を眺める教師の梶山芙蓉(葦原邦子)と転校生の佐田みつる(清水美佐子)の姿がある。「明日からあなたも仲間入りよ。」掃除が終わり水飲み場に走り、押し合いへし合いしながら、うがいをする女学生たち。眼鏡を掛けた吉野和子(林喜美子)が栄子の頭を押したので、校庭を追い掛けっこする栄子と和子。
   校舎内に土足で上がったところに、梶山先生がやって来て、「今日のところは見なかったことにしておきます」と言い、「こちらは明日あなた方のクラスに入る佐田みつるさん」と紹介する。下校のバスを待つ間、栄子は「あの方誰かに似ているわね」と言う。「歌手の方?映画の方?とても綺麗ね。」「思い出したわ。今月号の中原淳一の絵だわ」
    友達が皆バスに乗って、栄子が一人、次のバスを待っていると佐田みつるがやって来た。同じ方向なので、一緒のバスに乗り、席を譲る栄子。「大阪のバスは随分感じがいいわ」とみつる。
    翌日栄子が学校に行くと、下駄箱の前で、みつるが困っていた。「まだ、あなたの下駄箱ないのね。私の所に入れればいいわ」遠慮するみつるの靴を自分の棚に入れ、「ほら、私たちより先に私たちの靴が仲良くなったわ」と笑顔の栄子。それから二人はとても仲良くなった。その日の下校時間、バスを待つ友達の吉野和子、東静江(御舟京子)、岡部とし子(松岡綾子)、太田勝子(三宅映子)の4人を残し、バスに乗らずに歩いてみつるに大阪の街を案内すると言う栄子に、影で「えーちゃん、転校生ばっかり」「新しモノ好きなだけよ!」と評判が悪い。
   「みつるさんは東京ではどこに住んでいたの?」「牛込よ」「神楽坂の近くね」「えーちゃんは、東京にいたの?」「小学校3年まで浅草にいたの」「だから東京弁と大阪弁が混ざるのね」「いえ、もう大阪っ子よ。でも仲見世の根山椒を食べたいわ」「今度兄さんに送ってもらうわ」教会から賛美歌が聞こえてくる。「あら懐かしいわ」「みつるさんはキリスト教なの?」「いえ、私は違うけれど、お母さんがキリスト教で、日曜学校に連れて行ってくれたわ」

   元の会社の辞め仲間と新年会。楽しい→飲みまくり→酔っ払うと言うことで、沈没。

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