2009年10月27日火曜日

村八分と左遷。日本は変わらない。

  大門の睡眠クリニックから、赤坂のメンタルクリニック。

  池袋新文芸坐で、映画夫婦渡世 中原早苗&深作欣二

  68年近代映協製作/松竹配給吉村公三郎監督『眠れる美女(610)』
  鎌倉に住む67才の老作家江口(田村高廣)が散歩をしている。

妻保子(山岡久乃)次女時子(八木昌子)三女美子(香山美子)初恋の少女(松岡きっこ)神戸の女(中原早苗)樋口(大出俊)山本(石川徹郎)夜の家の女(初井言栄)眠れる美女(水城リカ、北里ユキコ、賀川雪絵)木賀老人(北沢彪)福良専務(殿山泰司)江口の母(田中筆子)吉田の兄(飯沼葬)初恋の少女ノ父親(三津田健)料亭の女中(志村幸江)番頭(吉峰英一)時子の娘(渡辺小百合)


25才の頃初恋の少女、雪国に駆け落ち、数年後自殺、少女は父親に口止めしていた。37才頃には、神戸のナイトクラブで知り合った女、女の夫はアメリカ人、年に2ヶ月だけ日本妻、子供が二人。「気晴らしよ。でも浮気はあなただけよ、娼婦じゃないわ。寝てみてわかったでしょう。」


  53年近代映協=現代プロ製作/北星映画配給吉村公三郎演出補導/今泉善珠監督『村八分(611)』
   静岡県選出の参議院補欠選挙の結果は、自民党の前農林大臣の黒田が、農村部の票を集めて圧勝した。朝陽新聞の静岡支局に、野田村で不正選挙が行われたと言う告発の葉書が届く。書いたのは富士原高校の二年生吉川満江(中原早苗)だ。

竹山集落。
一郎(藤原釜足)きみ(英百合子)香山(乙羽信子)本多(山村)和子(日高澄子)村長(山田巳之助)山野(菅井一郎)遠藤(御橋公)教頭(殿山泰司?)
アナウンサー(久松保夫)山口の爺さん(横山運平)

  新宿ピカデリーで、角川映画若松節朗監督『沈まぬ太陽(612)』

   若松監督の演出は、西岡琢也の脚本のお蔭か、長い時間をダレることなくきちんと見せる。(「ホワイトアウト」が嘘のようだ(笑))。また、キャスティングも海外ロケも、今時の映画と比べれば丁寧に、時間とお金を掛けている。一つ不満があるとすれば、今時の邦画らしく、ポストプロの未消化だ。いきなり冒頭のアフリカ象のハンティングと、石坂浩二と渡辺健に見送られて、飛び立つ飛行機は、何ともペラペラで薄っぺらい。(「カムイ外伝」のシャチか、「火天の城」の巨大石と並んで、今年の三大CGNG賞か。ああ「GOEMON」の馬は、もっと凄かったか・・・。) 残念だなあ。最近の邦画は映画館で見る人間を考えていないのか…。
日本一不幸せが似合う女優、木村多江が、御巣鷹で夫を亡くし、アル中になる母親の役で出演。最優秀助演女優賞というか、不幸女優番付では、横綱だ。
  御巣鷹山の事故と、社内の暗部を描いており、JALが目の敵にしているので、放送局も新聞社(新聞社にとってTV局は利権だ)も及び腰になるので、製作出資もしないし、扱いも小さい。角川映画サイドも、登場人物、団体は全て架空のものであり・・・とかなり気を使っている。(プログラムの表4に入れているのは初めて見た。)しかし、角川映画は、頑張ったと思う。JALの再建案が取り沙汰されている今、ジャストなタイミングだ。経営悪化に、労使対立も一つの原因かもしれないが、半官半民という聞こえはよいが、鵺か蝙蝠のような化け物を、政官が私腹を肥やす隠れ蓑として使っていたことが元凶ではないか。
  一度潰した方がいいと思っていたが、そのことによって、リセットして、犯罪者たちを不問にしてしまうよりも、全てを曝して、徹底的に膿を日光消毒させてから結論を出す方がいいのではないか。民主党政権が、どこまでやるのか。期待がどんどん萎んできているが・・・。
  

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