2009年10月1日木曜日

今様時代劇。

    午前中は、広告代理店の元会社の担当で、友人とベンチャーでファンド会社を立ち上げたIさんに会いに新丸ビルまで。仕事を貰うということではなく(笑)、何か一緒にやれたらいいなあ。


   渋谷TOEI①で、田中光敏監督『火天の城(557)』

   天明4年、熱田神宮の宮番匠の岡部又右衛門(西田敏行)の仕事場では、若頭の平次(岡島進)、熊蔵(山本太郎)、太助(裵ジョンミョン)、留吉(前田健)、弥吉(上田耕一)、市造(石田卓也)、又右衛門の娘の凛(福田沙紀)らがいた。そこに、織田信長(椎名桔平)が、丹波長秀(西岡徳馬)、中川左近(田口浩正)、羽柴秀吉(河本準一)らが馬を駈ってやってきた。信長は、安土の山に五重の天守閣を持つ古今東西にもない城を作るのだと言う。作れるかと尋ねられ、体の中が熱く感じながら、肯く又右衛門。
   築城奉行の丹羽長秀を初め、木村次郎左衛門らは、田舎大工の又右衛門がそんな大仕事はできないだろうと思っていた。又右衛門は、自らの資料を調べ、大建築に赴き、それぞれの工夫を写しとり始めた。又右衛門の妻、田鶴(大竹しのぶ)は温かく微笑みながら、夫を送り出すのだった。ある日、又右衛門が安土に出掛けると、騎乗の信長自身が、広大な安土城の建設予定地の縄張りをしているのに出くわす。信長は又右衛門の姿を見ると、天守閣を建てたいという山の頂上に誘い、琵琶湖畔からここまで石を積み、大和全体を睥睨するのだと言う。天下統一のために、この場所は日本の真ん中になるのだと言って、又右衛門を驚かす。

   シネマヴェーラ渋谷で、追悼、長谷部安春

    長谷部安春監督『鑑識・米沢守の事件簿(558)』
   東京ビッグシティマラソンが狙われた事件を、特命係の杉下と亀山が解決したきっかけは、警視庁鑑識課の米沢守(六角精児)が顔の認識システムでマラソン参加者の中から、犯人を割り出したことだったが、米沢は、更に重大な事実を発見してしまった。参加者の中に、8年前に突然離婚届だけ残して失踪してしまった妻の知子(紺野まひる)を発見してしまったからだ。特命係の2人に相談しようかと思ったが、マラソン事件は政財界をも巻き込んだ大事件に発展しそうで忙しいようだ。米沢は意を決して、シティマラソンの事務局に出掛け、警察手帳を提示し、事件の重要参考人だと嘘をついて、知子のゼッケン番号から、名前、住所、勤め先を聞き出す。再婚したのか名字が変わっていて真鍋知子、住所は墨田区、勤め先は警視庁の外郭団体の青少年防犯協会。灯台下暗しで、意外に近くにいたのだ。不審そうに、面倒くさがりながらも女性担当者は彼女が途中危険したことも教えてくれた。
  米沢は、住まいに行ってみる。古ぼけたアパートには灯りがついている。ドアをノックしようとしたが、勇気が出ず、帰る米沢。妻の知子と再会する夢を見ていると、携帯が鳴る。事件だ。隅田区のアパートで、真鍋知子という女性が死んでいると言う。びっくりして飛び起きる米沢。慌てて現場に出かける。青酸系毒物を飲んでの自殺じゃないかと言う。被害者の顔を見ると、知子だ。心臓が止まりそうになるが、元妻には首に黒子がある。被害者には、なかった。念のため、髪の毛を一本盗んで、鑑識課に持ち帰る。いつも以上に慎重に調べると被害者の血液型はO型だ。元妻の知子と自分はB型なのだ。ほっと胸をなで下ろす米沢。
   所轄の千束署の刑事、相沢誠(萩原聖人)が米沢を訪ねてくる。実は、被害者の知子は元妻なのだと言う。勿論捜査から外されたが、どうも気になって動いているうちに、東京ビッグシティマラソンの事務局に知子のことを調べにきた米沢の名前が浮かんだという。実は、マラソンの前に電話があり、相談があるので翌日会うことになっていたのに、自殺するなんて信じられないのだと言う。米沢は一応「悔いが残る。こんな結果に終わって残念だ。」という本人の筆跡の遺書らしきものと、青酸カリの粉末が入っていたビニール袋がベッドの脇にあったこと。青酸カリが入っていたと思われる封筒が台所にあったことなどが、自殺説の根拠となっていることを伝える。その夜、米沢は、駅前で、高田渡の「生活の柄」をギターの弾き語りをしている。

   70年ホリ企画長谷部安春監督『女番長 野良猫ロック(559)』
  向こうからバイクがやってくる。ここは新宿東口らしい。交差点で停まると、後ろからバイクを従えたバギーが、数台のバイクにぶつけて停まる。ぶつけられたバイクに乗った男がヘルメットを脱ぐと、アコ(和田アキ子)だ。バギーに乗ったリーダーは勝也(藤竜也)、新宿でならしている黒シャツ隊(苦笑)だ。アコが、何すんねんと言うと笑うだけの勝也。アコを残し去って行く。アコは、ガソリンスタンドで給油を頼み、コーラを飲んでいると、メイ(梶芽衣子)が、急いでいるので、西口まで乗せてくれないかと声を掛けてくる。ヘルメットを被ったアコが男かと思い、今は急いでいるが、今度付き合ってあげる、私が駄目ならかわいい子紹介してあげるわと言って、溜まり場の店のマッチを投げ走り出す。新宿西口はまだ、高層ビルもなく空き地ばかりだ。

    渋谷TOEI②で、中野裕之監督『TAJOMARU(560)』

    うーん、とにかく凄く疲れる映画だな。「羅生門」がとか「藪の中」がとかではなく、単純に役者小栗旬を見せる映画なんだな。目一杯泣き、怒り、叫び、長台詞語り、馬に乗り、刀振り回し…。松方弘樹も、萩原健一も、小栗旬映画の盛り上げのための福神漬けか、らっきょうの甘酢漬け、あるいは、新聞の写真の中の煙草。まあ、これ以上は言うまい…。

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