2009年7月28日火曜日

阿佐ヶ谷気分

   大門の睡眠クリニック。

   ラピュタ阿佐ヶ谷で、武満徹の映画音楽
   58年松竹大船中村登監督『顔役(428)』
   山形の庄内平野を走る奥羽本線。登山帰りの学生輪島一夫(石浜朗)が、荷物を網棚に載せようとして飯盒の蓋?を、向かいに座ったワイシャツネクタイ姿の男泉川(佐田啓二)の上に落としてしまう。それをきっかけに親しくなる二人。山形駅で下車をすると、一夫の叔母である波代(淡路恵子)と三助の角造(桂小金治)が出迎える。市長のところに顔を出すと言う泉川と別れ実家である輪島湯に行く。途中の河川の堤防に防犯灯がある。地元商店街の会長としてこの街灯設置に尽力したことで一夫の父、輪島八十吉(伴淳三郎)が表彰されることになり、東京の大学に通う一夫は帰省し、八十吉の妹の波代も天童?から手伝いに呼ばれたのだ。

   64年東宝和田嘉訓監督『自動車泥棒(429)』
   都内で高級外車の部品を盗む少年たち。酋長(安岡力哉)、アントニオ(フランウ・フリーデル)、ゼニガメ(上岡肇)、コング(関本太郎)ゴロツキ(勝見守利)たち年長の者から、コムギ(森田則之)、ワラジ(田沢幸男)たち幼少の者まで7人だ。国電に乗って帰ってくるが、勿論地元の駅では、ホームから飛び降りて、タダ乗りだ。神聖ホームという混血児の孤児たちの施設で暮らしているのだ。門限に遅れたことで晩飯抜きだ。施設のシスターの岩波(細川ちえ子)河出(宮田芳子)角川(森今日子)の三人は、罰を与えることだけ考えているようだ。空腹を忘れるために、7人は施設の庭に出て、踊りまくる。
   ハツコ(デビィ・シアス)
朝雄(寺田農)

   65年東京映画堀川弘通監督『最後の審判(430)』
   羽田空港にサングラスを掛けた金井次郎(仲代達矢)の姿がある。日航の国際線が到着する。そこには、2年間のベトナム出張でメコン河への架設工事で成果を上げ、会社内での出世を約束された次郎の従兄小寺利一郎(須賀不二男)の帰国だ。次郎は、この従兄に対し激しい憎悪を感じていた。感情を押し殺し、作り笑顔で、利一郎のスーツケースを持ち、自分のMGのコンパーチブルで先に、利一郎の住まいである芝パークハイツに行き、預かっていた鍵で中に入る。スーツケースを起き、夫婦の寝室を覗くと、ツインベッドに妻の正子のネグリジェがある。憎々しげに顔を歪めるとベッドに投げ捨てる。そしてパイプに火を着けると、リビングをいらいらと歩き回った。下に利一郎たちの乗った車が着いたのを見て、慌てて火を消す。灰皿の吸い殻をゴミ箱に捨てると消えていなかったと見えて白煙が上がる。水を掛けて消し、窓を開けて煙草の臭いを掃き出し、ドアを開けて、利一郎と正子(淡島千景)を迎える次郎。

   64年東宝恩地日出夫監督『女体(431)
   デパート屋上の遊園地。着物姿の菅マヤ(団令子)。息子の勝己(地神勉)と姑の千代(村田嘉久子)の座るベンチにやってくる。店内を見て帰ることにする。店内には沢山の商品で溢れている。そこで声を掛けられるマヤ。かっての仲間の浅田せん(楠侑子)だった。久しぶりね。何年振りかしら・・。
  原爆雲、廃墟の広島市内、長崎市内、敗戦の玉音放送、厚木基地に降り立つマッカーサー、極東裁判、焼け跡の戦争孤児たち、DDT、すし詰め列車、闇市・・・(報道写真、ニュース映像・・・)
   金を数えるマヤ。おじさん一枚足りないよ。と言い40円受け取ると走り出す。サイレンや警笛が聞こえる。パンパン狩りだ。何とか逃げてアジトに戻るマヤ。敗戦直後の18年前、マヤはボルネオ・マヤと言う名前で、関東小政と呼ばれたせん、ふうてんお六の安井花江(岩崎豊子)、ジープのお美乃こと乾美乃(坂本スミ子)、人妻の菊間町子(千之赫子)たちと体を売って生きていた。人妻で明らかに大人の女を感じさせる町子を、他の娘たちは憎んでいた。。町子がお金を貰わずに男と会っていたことで、掟を破ったとして、娘たちは、町子を裸にしてさんざん打った。
   喫茶店でそんな過去を思い出す二人。町子の成熟を嫉妬していたのだ。マヤは戦争で足を悪くしたが、紳士服の仕立てをする夫の洸二(稲垣昭三)と結婚し、安定した生活を送っている。せんは、ミスター・モースという年配の白人の東京妻として、六本木で高級クラブを経営していた。カウンターに、伊吹新太郎(南原宏治)が座っている。
   伊吹は、マヤたち女ばかりのアジトに、転がり込んできた特攻隊上がりだった。MPに追われ、脚を撃たれていた伊吹に頼まれ、焼酎を買ってきて、足を消毒し、治療するマヤ。伊吹は、女ばかりのアジトに居ついてしまうが、若い娘たちの友情に影を落とす。

  「素晴らしい悪女」を見ておらず、残念なデビュー作の「若い狼」と内藤洋子版「伊豆の踊り子」しか見ていないので、恩地日出夫監督への評価は何とも言いようがないが・・・。これは、本当に傑作だ。「埴輪の女」と合体し、その後の人生とのシンクロさせたことで、どうしても焼け跡風俗に流れやすい「肉体の門」を深みのあるものにしている。数ある「肉体の門」の中でも、個人的には出色だ。東宝のコメディエンヌのイメージが強い団令子も、文字通りの体当りの演技だ。(「美代子阿佐ヶ谷気分」のスタッフ・キャスト、阿佐ヶ谷ラピュタで打ちのめされて欲しい・・。というと言い過ぎだが・・・)ロンパリ気味の焦点の合わない団令子の大きな瞳の魅力を最大限生かしたのは恩地日出夫だったのだ。恩地日出夫、団令子コンビの前作、「素晴らしい悪女」を見たい!直ぐに見たい!!

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