2009年7月31日金曜日

新しい船を動かすのは古い水夫じゃないだろう(フロム広島フォーク村)

   神保町シアターで、没後四十年 成瀬巳喜男の世界
   60年東宝成瀬巳喜男監督『女が階段を上る時(437)』
   (高峰Na)昼間の銀座のバーは、化粧をしていない女のようだ…… 。バー・ライラックというバーの店内では、店のみゆき(横山道代)が、松井(藤木悠)と結婚して、静岡にある松井の実家に嫁入りすることになり、女給たちがささやかな結婚祝いをやっている。清美(北川町子)雪子(柳川慶子)夏子(野口ふみえ)光子(園田あゆみ)みな口々に結婚したいと言う。一人、結婚なんかしたくない、銀座でママになると言った純子(団令子)がケーキのロウソクを早く吹き消してと言う。友子(中北千枝子)とさち子(塩沢とき)がママを気にした。そこに電話があり。マスターの所にマネージャーと一緒に呼ばれているので、先に進めておいてくれと言うものだった。何だろうと言うさち子に、売上についてに決まってるでしょと友子。
    中国人マスター(山茶花究)の前に座るママの矢代圭子(高峰秀子)とマネージャーの小松謙一(仲代達矢)。あなた、この所、売上が急速に落ちているが、美濃部が最近来なくなったからだとオーナー。あの人は沢山の会社の顧問をしているから上客を連れてきてくれる大事な客だ。営業の電話をして来て貰うように頼みなさいと。美濃部さんは最近あなたの下から独立したユリの店に入り浸っている。こんなままなら他のママ雇いますとマスター。圭子は、営業の電話などするのは嫌だと小松に愚痴る。
     店に戻り、私が駅まで送りに行くわと言う圭子。ホームで、みゆきにこんな仕事をしていて結婚できるあんたは幸せ何だから辛抱しなさいと圭子。店の近くに戻ると、救急車が来ている。ホステス相手の下着行商人の勝子(菅井きん)が、青い鳥のママがガス自殺を図ったと言う。店が抵当に入っていたとか、三角関係の清算だなどと、店の女の子たちも大騒ぎだ。
    その夜、美濃部剛(小沢栄太郎)が店に現れた。電話貰っちゃ来ない訳にはいかないと言う美濃部に。圭子は小松に文句を言う。美濃部は、この店はマンネリだと言う。ユリの店は活気があると言うので、連れて行って貰う圭子。なるほど中尾ユリ(淡路恵子)の店はとても賑わっていた。圭子の店の有力客もかなり見掛ける。美濃部は、圭子の焦る気持ちを見透かしたような、今晩から熱海にゴルフへ行くので、一緒に行こうと誘う。ゴルフを出来ないと圭子が言っても、君はゴルフをしないで温泉に入っていればいいじゃないかと言う。戻って欲しいとの店からの電話をきっかけに、席を立つが、必ず電話をしてくれと念を押す美濃部。
     入り口で、銀行の支店長をしている藤崎信彦(森雅之)に会う。ユリから何度も電話をされちゃ一度は顔を出さない訳にはいかないよと言い訳し、後でライラックに行くと言う藤崎。
    ライラックは階段を上がった二階だ。美濃部の誘惑をかわせるかと追い込まれたと思う。圭子は、夫を亡くした時に骨壺に、生涯、他の男と関係を持たないと言う手紙を入れたのだ。銀座で仕事をして5年、圭子は何とかその誓いを守ってきた。
     結局、美濃部を断ったことで、ライラックを辞めることになり、川添まつ子(細川ちか子)が経営するカルトンに移った。小松や主だった女の子たちも一緒だ。まつ子はなかなか厳しく、前の店での圭子の未収金15万を肩代わりしたが、催促は厳しい。
    店には圭子目当ての客が集まっている。大阪から通う郷田勇蔵(中村鴈治郎)や藤崎、中小企業の社長の関根松吉(加東大介)などだ。郷田と藤崎が、それぞれ翌日の食事を誘うが、明日こちらから電話をすると言う圭子。その夜酔って潰れた純子を自分のマンションに連れて行く圭子。翌日、藤崎のもとには、小松が掛け取りに行き、圭子は叔母が上京したので都合が悪くなったと伝える。郷田には純子が電話をする。
   小松と話しをするうちに、小さくても自分たちの店を持ったらどんなにいいだろうと

   
   シネマヴェーラ渋谷で、劇画≒映画
   72年勝プロ三隅研二監督『子連れ狼 三途の川の乳母車(438)』
   冥府魔道の旅を続ける拝一刀(若山富三郎)の大五朗(富川晶宏)を乗せた乳母車を押していると、虚無僧が襲いかかる。二人一体のトリッキーな攻撃だったが、一刀の前に敗れ去る。明石を訪れる。柳生烈堂の命により、明石柳生の女当主柳生鞘香(松尾嘉代)が差し向けた女刺客集団別式女八人を討ち果たすが、自らも傷つき、半死半生となった。大五朗の幼いながら、川の水を口に含み一刀に飲ませ、お地蔵さまのお供え物の餅を、自らのちゃんちゃんこと交換し、口に入る必死の看病が効を奏して体力を回復する一刀。しかし明石柳生を支援する黒鍬者小角(小林昭二)、十内(平沢彰)たちは、卑怯にも大五朗を攫い、一刀の動揺を誘おうとする。しかし、親子の強い信頼感の前に敗れ去った。
    明石から高松に向かう廻船の中に拝父子の姿がある。実は阿波藍の秘法を知る幕屋忠左衛門の身柄を江戸に護送するために、凄腕の公儀護送人の弁天来兄弟の三人、左天馬(大木実)左来馬(岸田森)左天馬(新田昌玄)が乗り合わせていた。忠左衛門の口から阿波藍の秘法が漏れると、少なくとも二十万石の藩収が減ることになる。阿波藩によって二百両で請け負った三次(江波多寛児)を始め、浪人衆も多数乗り合わせていた。沖合に出た所で、船ごと弁天来兄弟を消そうと襲いかかるが、手甲鉤、混飛、鉄挙などで武装する兄弟には全く歯が立たない。最後に三次は油を撒き、火を放った。弁天来兄弟は簡単に脱出、拝父子も何とか脱出する。海中を追い掛けて来た鞘香を水中で気絶させ、海岸の小屋に連れて行く。自ら服を脱ぎ、大五朗も裸にさせた上、鞘香の衣服を剥ぎ取ろうとする一刀。必死で抗う鞘香だったが、一刀は暴行しようとしたのではなく、冷え切ったお互いの体を温めあうことでしのごうとしたのだた。刀に手を伸ばそうとする鞘香は、しかし大五朗と触れ合ううちに断念する。
   幕屋忠左衛門の身柄は鳥取砂丘に差し掛かった。

     68年大映東京湯浅憲明監督『蛇娘と白髪魔(439)』
     通いのお手伝いさんが、南條家の南條氏の毒を持った生物の研究室で蛇に首を絞められ死ぬ。翌朝、女中の鬼頭しげ(目黒幸子)に発見された。
    孤児院のみゆき園で育った小百合(松井八知栄)は、本当は資産家の南條家の一人娘だったことが分かる。世界的な生物学者でもある父の南條吾郎(北原義郎)が迎えに現れ、小百合は今まで育ててくれた園長先生の山川(三宅邦子)や、園の先輩で運営を手伝っている林達也(平泉征)と別れを告げた。
   父親の吾郎は、お母さんはある時近所の工事現場でトラックに跳ねられ、それまでの記憶を無くしてしまい、時々おかしなことをするかもしれないが心配するなと言う。成城町二丁目にあるお屋敷に着く。母親夕子(浜田ゆう子)は、いきなりたまみ!と呼び掛けるが、父親が、私たちのただ一人の娘の小百合だよと声を掛けると、そうだったわねと普通に答え、それからは特に奇行はなかった。
    小百合の部屋は母親が全て用意してくれた、夢のようなものだった。洋服もクローゼットがいっぱいに入れてあり、とても高級そうなものばかりだった。
    食堂で両親との夕食を取る。そこに南條宛ての電報が届く。アフリカの大学から、南條がかねてより探していた、毒蜘蛛が発見されたので、直ぐに来てくれと言うものだ。南條は、せっかく小百合が帰って来たんだから断ろうと言うが、小百合はいい子にしてお母さまとお待ちしていますと言ったので、夕食を済ませたら、さっそく今晩の飛行機で出掛けようと言う。
半月後に南條が帰ってくるまでの生活が始まった。小百合は、夜寝付かれずにいると、お母さまが沢山の食事を持って、廊下を歩いて行くのを見掛ける。こっそり、後をつけると、ご先祖さまを祀ってある仏間に入って行く。ちょっと目を離した隙に、食事は消えていた。この家には何か秘密があるらしい。

    モノクロ、全体的に暗い画面は、梅図かずおの漫画を思わせる。


   ユーロスペースで、内藤隆嗣監督『不灯港(440)』
   寂れた漁港の漁師の石黒万造(小手信也)は、父親が残してくれた漁船を今日も出して一人で漁をする。水揚げをして近所のスーパーで買い物をして、コンビーフとキャベツの炒めものを作って、一人で食事をする。一丁裏の皮ジャンに深紅の薔薇を差して、カラオケスナックに行く。黒霧島のロックを頼んで、一人飲んでいると、年増の色っぽい女(鹿沼絵里)と目があった。万造は、薔薇の香りを嗅ぎ、女が立っているカウンターに近づく。薔薇の香りのサインを出し、クールに決めている隙に、ちゃらそうな男が、カクテルを二つ頼み、女と意気投合してしまう。
切なく、帰宅途中に、万造が、自販機で飲み物を買おうとしていると、暗闇から現れた金髪白人女(フロムロシア?)が、尺八どうだ?とジェスチャーをする。万造は、それを飲み物飲みたいとジェスチャーしていると勘違いし、クールに決めて、買って上げた飲み物を女に投げる。渋い、決まったと去って行く万造。
   翌日も万造は漁に出る。空き缶や、昆布の切れ端、赤い布など、金にならないものばかりだ。
ある日、漁協の掲示板に、都会の女性たちとのお見合いパーティーの参加者募集が張り出される。我先にと役場へ走る男たち。勿論万造も例外ではない。ここには若い女なんていやしないのだ。漁協の女事務員に名前と年齢を言うと、自己アピールビデオを撮って来いと言って、ビデオカメラを渡される。
   自宅に帰り、ビデオカメラをセットし、「石黒万造、38才です。父親の残してくれた船で、漁をし、一人この家で暮らしています。漁をしつづけた手はささくれ立ってしまったがあなたを抱きしめたい。結婚がしたい…」熱いが、退いてしまうメッセージ、万造の前には、深紅の薔薇の一輪挿しがある。
パーティーだ。万造は、町に一軒の用品店に行く。最新のファッションをくれと主人(麿赤児)は、ここにあるのは全てそうだが、女を虜にするにはと、バブル時代のような紫色のダブルのジャケットを出し、女はこれだと言う。インナーには…、特別に、アポロが月面に着陸した時に、アームストロング船長が月に置いて来て、数年後回収された現物、アームストロング本人のサイン入りのシャツはどうだと言った。更にハリウッドのスターは、パーティーでは必ずウェスタンジャケットだと言って茶色の皮の上下を勧める。勿論、万造は、両方お買い上げだ。


  大門の歯医者で、下の歯のインプラントのやり直し。

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