2009年7月17日金曜日

夏バテか・・。

   昼から夏休み前の最後の講義。といっても、スキルアップ講座やら体験入学やらで、明日以降、土日もなくずっとあるのだが…(苦笑)角川グループホールディングスについてと、著作権に関するトピックス。何だか心身共に調子が悪く、学生に悪いことをした。

    池袋新文芸坐で、本当に面白かった日本映画たち
    63年日活鈴木清順監督『関東無宿(408)』
   セーラー服の女子高生が三人がいる。侠客伊豆組の親分伊豆荘大(殿山泰司)の一人娘のトキ子(松原智恵子)に案内させて、刺青を彫るところを見せて欲しいと言う好奇心の強い山田花子(中原早苗)が無理矢理市川松江(進千賀子)を連れてやって来たのだ。「お嬢さん、学校をサボっちゃいけませんよ。」と、伊豆組の若頭の鶴田(かくた)光雄(小林旭)がトキ子に声を掛ける。トキ子は鶴田が好きなのだ。
     トキ子は、腕文(信欣二)の仕事場に行く。ダイヤモンドの冬(平田大三郎)の腕に彫り始める。苦痛に呻く冬に、トキ子と松江は逃げ出す。一人花子は、平気で冬に話し掛ける。「お兄さん、ヤクザ?トキ子は伊豆組の娘なんでしょ。お兄さんも伊豆組?」「俺は吉田組だ。今伊豆組は落ち目なんだ」と自慢する冬。花子は、父親に再婚の話があって家に帰りたくないのだ。
     鶴田は、伊豆組のシノギの一つ雀荘に出掛け、舎弟のびっくり徹(野呂圭介)から金を受け取りながら、徹の言う賭場で遊ぶより、競馬、競艇、競輪、麻雀、パチンコみたいなギャンブルを大衆は求めているんじゃないですかと言われ、徹の口から大衆と言う言葉を聞いて驚く。
     鶴田が組に戻ってくると、トキ子が待っていた。学校サボったことお父さんには内緒にしていてねと頼まれる。伊豆組の玄関には歌の額がある。赤い服と白い服ってどういう意味と、尋ねるトキ子。赤い服は囚人服で、白い服は渡世人を意味すると説明する鶴田。
    妻の里子(佐々木景子)と一緒に伊豆荘大は、ご機嫌で、鶴田と徹に話す。大山先生の選挙を手伝ったお礼に、土建の請負の儲け話を回してくれると得意気ま。伊豆組が土建をやるんですかいと尋ねる鶴田に、いや権利を売り飛ばすんだと言う伊豆。伊豆一家が土建屋のピン切るのはどうもと顔をしかめる鶴田。吉田が狙っている話じゃねえんですかい?仁義を欠いているのは吉田の方だと吐き捨てる伊豆。

辰子(伊藤弘子)トキ子(松原智恵子)山田花子(中原早苗)おかる八(伊藤雄之輔)腕文(信欣二)吉田大龍(安倍徹)びっくり徹(野呂圭介)市川松江(進千賀子)桂庵の男(江角英明)


    67年東映東京深作欣二監督『解散式(409)』
   関東のヤクザが集まって出来た組織の関東三和会の解散式。会長の川島泰造(内田朝雄)が、解散宣言を読み上げ、会旗が燃やされる。各組織は解散し、正業についた。
    それから二年後、沢木隆三(鶴田浩二)が八年振りに娑婆に出て来た。西村(曽根晴美)が出迎える。チンピラの3人がポータブルテレビを盗み、泥棒!と追い掛けられている。あれもどこかの元組員かと尋ねると、ウチにいたチンピラですと答える西村。高速を走る車。シマも随分変わりました、兄貴が命を張った埋め立て地は石油コンビナートが出来てますが、見て行きますかと言う西村に、島村を待たせちゃわるいだろうから、また今度にしようと沢木。島村建設と出ているビルの地下駐車場に車を入れる。沢木が車を降りると、銃声がする。西村は、サブ!と言って追い掛けるが、腹に3発弾丸を食らって、沢木の腕の中で死んだ。
    沢木が、島村の社長室に入ると、島村巌(渡辺文雄)が沢木!と駆け寄って来る。幹部の久保(待田京介)や安原(八名信夫)もいる。しかし、沢木が西村が撃たれた。西村が掛けてくれた島村のコートを着ていた俺を狙って来たので、お前が目当てだろうと言うと騒然となる。
    サブ(須賀良)が警察の取調室で、俺たち下っ端を切り捨てた島村が憎かったんだと供述する。参考人として呼ばれた島村に付いて警察に行くと、既に桜田龍雄(小松方正)が呼ばれていた。同じ建設会社を経営する桜田と島村は、埋め立て地の落札で因縁の間らしい。。関東三和会の元会長で隠居している川島泰造も呼ばれていた。長い間ご苦労だったな、今度改めてウチに来いと沢木に声を掛ける川島。
     やっと、島村のマンションに戻ってくる。ウィスキーを注ぎ、8年間長かったな。今の俺があるのも、お前が命を張ってくれたお陰だと頭を下げる島村。今晩は楽しんでもらうぜと女も呼んでいたが、酒を注ごうとする女たちを断り、せっかくお前のしてくれたことを申し訳ないが、今日は一人にしてくれないかと沢木。そうか…三枝さんと言ったか、行方は知ってるのかと島村。首を振る沢木。
    とある葬儀屋を訪ね、二階は今も空いているかいと聞くと、葬儀屋の二階を借りる人は、いないよ、あんたを待っている人がいるよと聞いて不審な表情の沢木。二階の沢木の部屋では、かっての舎弟、政(大辻伺郎)が雑巾がけをしていた。

昭雄(小宮康弘)政(大辻伺郎)大町信輔(桑山正一川島泰造(内田朝雄)島村巌(渡辺文雄)酒井桂次郎(丹波哲郎)桜田龍雄(小松方正)板垣徳道(金子信雄)タケシ(市川好郎)マー坊(伊藤純男)アバッチ(うえずみのる)サブ(須賀良)サチコ(宮園純子)久保(待ち田京介)安原(八名信夫)相田(日尾孝司)西村(曽根晴美)谷(沢彰謙)

   気持ちが凹んでいる時は、任侠ものだと池袋まで出張ったのだが、2本とも少し理屈っぽく、更に間に、山根貞男先生のトークショーまであるものだから、体力気力ともに使い果たす。

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