2009年4月11日土曜日

映画は映画だ。そりゃ、そうだ・・・。

   何だか昨日調子に乗って飲み過ぎ、二日酔いというわけではないが、結局、惰眠と読書。
 
   独身美人OLと、偽装夫婦50歳割引きで、新宿のシネマスクエアとうきゅう。
     チャン・フン監督『映画は映画だ(239)』
    一人の男が映画館にいる。スクリーンでは、スタ(カン・ジファン)が出演するアクション映画が上映されている。男が、映画館を出てくると、子分たちが車の前で待っている。男は、ヤクザのガンペ(ソ・ジソブ)。ビルの建築現場で、現場監督を絞め上げる。海に船を出し、頭から麻袋をかぶせ、胸ポケットに、あの世への旅費を押し込んで沈めてしまう。
  病院から、スタが出てくる。マスコミが取り囲む。共演者を怪我させ入院させてしまったのだ。マネージャーの先輩に、お前はやり過ぎだと怒られるが、全く聞く耳を持たない。先輩の尽力で何とか代役は見つかったのだが・・・。
  ガンペと子分達が、高級クラブにやってくる。美人とすれ違う。見たことあるなというガンペに、子分の一人が女優ですよと言う。個室で飲み始める。スタやさっきの女優のカン・ミナ(ホン・スヒョン)達が呑んでますよ、兄貴に挨拶させに連れて来ましょうかと言う子分。じゃあ、サインを貰ってきてくれとガンペ。しかし、スタは、本人に来させろと言う。結局、ガンペがスタたちの部屋におもむく。尊大なスタの態度に腹を立てた子分を叩きのめすガンペ。
   代役も決まり、撮影は再開されたが、アクションシーンでのリアリティのなさにボン監督(コ・チャンソク)は納得がいかないようだ。相手役のパンチが数発スタに決まってしまう。腹を立てたスタも、本気で手を出す。しかし、倒れ込んだ相手役の上に、スクラップが落ちてきて大怪我をさせてしまう。再び、病院に見舞いに行くスタ。病院を出てきたスタを取り囲むのはマスコミだけでなく、相手役のファンたちだ。ファンたちは、スタに卵や小麦粉を投げつけ抗議する。更に、スタの車は、ボロボロに汚されてしまう。
   追い込まれたスタは、恋人のウンソン(チャン・ヒジン)を呼び出す。しかし、人目を避け、人けのない河原に止めた車の中で、身体だけを求めるスタに、ウンソンは傷つき、自分は売春婦ではないと言って去る。不遜で、乱暴者のスタと共演する役者はいない。このままでは、映画自体が無くなってしまう。万策尽きたスタは、ヤクザのカンペのことを思い出す。スタの付き人に子分が怪我をさせたので、治療代だと言って渡された小切手の裏側にガンペの携帯番号が書いてある。ビルの屋上に、ガンペを呼び出すスタ。本気でやるならいいと話を受けるガンペ。
   ガンペは、拘置所にいる組織のペク会長(ソン・ヨンテ)の面会に行く。カンペはそこで、囲碁をやりながら、いろいろな指示を受ける。この裁判次第では、娑婆に出て来れない可能性もある会長は、部下の誰も信じていない。タン社長の動きを探らせる意味でも、自分が育てたガンペを使っている。しかし、100%信頼している訳では勿論ない。ガンペは面会した後に、タン社長のもとに行く。タンは、信じている宗教はあるかと言う。ないと答えるガンペに、沢山ある仏像のひとつを持って行って信心しろと言う。
   映画の撮影が始まった。スタをガンペを挑発するばかりだ。慣れない撮影現場に、自分を抑えながら黙々と監督の指示に従うガンペに、子分達は釈然としないものを感じている。主演女優のカンは、スタとは、お互いの無名時代に交際していた。この映画の中でも、スタとガンペの間で揺れ動く女性を演じているカンは、虚無的で哀しみを湛えているようなガンペの眼差しに徐々に心を惹かれていく。撮影現場でも、修羅場をくぐってきたガンペの存在感は、リアリティを追求する監督やスタッフたちを魅了する。ガンペも、別の人間を演じることで、その眼差しには人間的な温かみを取り戻していく。
  スタと、ウンソンが車の中でSEXをしている光景が隠し撮りされ、そのビデオで脅迫された。このビデオが世の中に巻かれれば、俳優生命には致命的だ。スタには、金を用意できず、ガンペに頼む。ガンペは、会長の金を貸す。恐喝グループは、ガンペたちが捕まえ、袋叩きにする。
  タン社長が、会長を裏切っていたことが判明する。拘置所で、消せと命じられ、タンの部下たちを倒し、拉致して、海で殺そうとする。しかし、最後のところで、ガンペは、「お前は遠くに消えて、死んだ人間として生きろ。」と映画の台詞を言って、タンの命を救う。壊れた眼鏡を殺した証拠として、拘置所に持っていくガンペ。しかし、そのことは、会長への裏切りを意味する。
  ある日、タンは、再び街に戻っていることが分る。タンを消さなければ、自分と子分達は殺されるしかない。ガンペは、映画から降りると言って、スタ、カン、監督の前から姿を消す。タン社長を待ち伏せしたが、相手の方が一枚上手だった。逆にやられるガンペ。しかし、タン社長は、ガンペを殺さなかった。
  映画会社のCEO室で、スタと監督は、映画製作をやめることまで追い込まれていた。そこに、傷だらけの酷い顔で、ガンペがやってくる。スタは切れかかるが、撮影は再開する。
   
   
   キム・ギドクが監督しなかったことで、非常にバランスのいいエンターテイメント作品になったと思う。時々、甘ったるいセンチメンタリズムが鼻につくが、これはこれでいいのだろう。スタというスターと、ガンペ(ヤクザ)という名のやくざ、「宿命」など、最近の多くの韓国映画が失敗している男と男の物語。なかなかだなあ。
  
   独身美人OLと、ベトナム料理。辛さというよりは、甘酢系の味付けはいいなあ。ここ数日、ちょっと気になっていたことを確認して、少し落ち込む(苦笑)。

0 件のコメント: