神保町シアターで、浪花の映画の物語。
64年大映東京増村保造監督『現代インチキ物語 騙し屋(198)』
人だかりがあり、その真ん中で泣いている学生がいる。工事人夫が輪の中に入ってきて、どうしたんだと尋ねると、沖縄から出てきて、和歌山に就職に行く途中、大阪で掏摸に遭い、全財産無くなったと言う。人夫は懐から百円札を何枚か出し、俺の有り金全部だが持っていけと言う。学生は、パーカーの万年筆を出して、これをお礼に渡すと言うが、人夫は二千円はするから勿体無いと言い、誰か二千円で買ってやらないかと周りの人間に声をかける。義侠心のあるサラリーマンが手を挙げてめでたしめでたしだ。人混みの中に掏摸がいる。男が掏摸の手を抑え、被害者の男と二人通りの端に連れて行く。財布を戻そうとすると掏摸は逃げ出す。被害者の男たちの前に刑事風の男が現れ、お前はまだ、ゆすりたかりをやっているのかと尋ねる。今掏摸の被害者に財布を取り戻してやったのだと答える。被害者の男は急いでいたので些少の礼金を渡して帰って行った。刑事風の男カマキリ(曽我廼家明蝶)と、掏摸を捕まえた男・河豚(船越英二)はグルで、学生服の男・チョコ松(丸井太郎)と人夫風の男・赤とんぼ(伊藤雄之助)も仲間だ。騙し屋、他人が騙されたと思わないまま、若干の金銭を頂戴することを生業にしている男たちだ。
彼らは次に競馬場に行く。しかし馬券を買う訳ではなく、金持ちそうな客に、穴の馬券を買わせて、大穴を取ったら、おこぼれを貰うと言う誠にセコいやり方だ。しかし16万取った客からカマキリは、1万円頂戴する。赤とんぼは、中小企業の専務(中条静夫)に目を付け、厩舎情報として教えた穴は外すが、子供の正月の着物にする筈の有り金を全てすってしまったと泣いて、千円をせしめた。4人は、更に葬式に参列し香典返しのハガキを貰い換金する。そして、赤とんぼの妻のムツコ(園佳也子)がやっている“ひょうたん”に帰ると、税務署が来ていた。赤とんぼは、高利貸しの借金取りを演じて、税務署員を追い返すことに成功する。うどん屋の松風に天ぷら饂飩五つを注文する。しかし、出前が来ると頼んでいないという。海老の天ぷらの衣は剥がれ、麺が延びていると言って、困っているのなら1つ20円で引き取ってやると言って、海老天うどんにありつく5人。
翌日、カマキリと赤とんぼは、スーツに厚生委員の腕章をして、古紙回収屋に行き、袋貼りで慈善事業をやるので、古雑誌を貰えないかと頼む。なかなか渋い相手に、勲章が復活したので、推薦すると言って承諾させる。ひょうたんで、古雑誌からグラビアを切りまくる四人。何度も仲間に入れてくれと言って来たが、その都度、お前は戸籍も住民票もあるのだから、生業か自衛隊にでもなれと断っていた胡瓜(犬塚弘)が、新しい雑誌を持ってきた。床屋から持ってきたという胡瓜に、それでは泥棒だ。帰してこいと説教をするカマキリ。赤ちゃんの裸や、相撲の取組み、豚の授乳などのグラビアを焼いて、4人は、街で、酔っ払い相手に、48手の秘蔵エロ写真だと言って売りつける。3万円以上の売り上げだ。赤とんぼが、この金を倍にすると提案した。
翌日、骨董屋(上田吉二郎)に行き、仏像を見て、これはいいと言って10万円の値段の内3万円を手付けとして支払う。その後に、会社社長を装ったカマキリが店に行き、この仏像なら2絶対欲しいと言う
。しめしめと店主は20万を提示、カマキリは名刺を渡し、ここに届けてくれれば、20万払うからと言って帰る。そのあと、やってきた赤とんぼには、売主が気が変わって、取り返しに来たから売れないと言って、手付け金の倍返し、6万円を渡す店主。
調子に乗ってきた4人は、カメラ屋で保証金として売値を預けて小型カメラを借り出し、アパートで暮らす2号(弓恵子)が金持ちのボンボンを部屋に連れ込んで宜しくやっているのを、探偵社を装って赤とんぼが2号の部屋を訪ねる。パパさんが素行調査を依頼してきたと勘違いした女は、口止め料2万円を払った上に、女の大事なものをあげると言う。一方、河豚は学生を付け、あの女は飽きたので結婚してやってくれと頭を下げる。親が決めた婚約者もいるし、ただの遊びなので結婚するのは勘弁してくれという学生から3万円をせしめる。
今度は、大学の入学試験場だ。カマキリは、受験生の親を装う。近くには、奥様然としたムツ子もいる。そこに、白衣を着た赤トンボが通りかかり、兄さんと声を掛ける。カマキリは、あたかもこの大学の教授の赤トンボの家に息子が泊めて貰ったかのように話す。いくら兄さんの息子でも、何も、教えるようなことはしないぞと言う。そこに大学の職員を装った河豚がやってきて、入試採点委員であるかのように赤トンボに声をかけた。そこで、ムツ子が、一人しかいない身内の弟が4浪で、今回受からないと自殺しかねないので、何とか口を聞いてくれないかとカマキリに頭を下げる。弟は、非常に固いので無理だといいながらも、駄目元だと思ってくれと、名刺に受験生の名前と受験番号を書くように言うカマキリ。それを見ていた周りの父兄も我先にと名刺を差し出した。合格発表の日、チョコ松が、預かった受験番号で合格している受験生を確認。カマキリは自宅を訪ね、口止めをしながら、合格線上にいた数十人の中から拾い上げたのだと言って、謝礼を手にする。
60年東宝千葉泰樹監督『がめつい奴(199)』
大阪釜ヶ崎のとてもディープな一帯、知恵遅れの孤児、テコ(中山千夏)が人形を抱き、珍妙な歌を歌い豆腐屋へおからを1円分買いに来て、ビニールの袋に入れてくれと言う。毎日1円分でビニール袋に入れたんでは赤字だとブツブツ文句を言いながらおからをくれた。家に戻る途中のテコを避けようとして、乗用車とトラックが衝突する。えらいこっちゃと、テコがホテルに戻り、健太(高島忠夫)に報告すると、ホテルの住人は一目散に事故現場に駆け付け、重傷と軽症の運転手をどちらも病院に行かせ、車の部品をバラして盗みに掛かる。あっという間に現場には何も残らない。
その頃、テコは因業婆の向山鹿(三益愛子)の手伝いで、ホテルの掃除をしている。掃除と言っても、住人たちの布団を上げながら何かないか、また各自の米袋に穴を開け、床に米をこぼし、落ちているものを拾ってネコババするのだ。テコは、鹿に拾われ育てられた。鹿は、人様の物は盗んだらアカン、しかし落ちているモンはホテルの持ち主のワシのモンやと言っている。
美人歌手Iちゃんと美人デザイナーMちゃんの二人と新宿三丁目の大人居酒屋で、近頃ない両手に花状態で会食。途中から美人芸能マネージャーMちゃんまで合流、調子に乗って日本酒飲むと絶好調に。生きてて良かった。
64年大映東京増村保造監督『現代インチキ物語 騙し屋(198)』
人だかりがあり、その真ん中で泣いている学生がいる。
翌日、カマキリと赤とんぼは、スーツに厚生委員の腕章をして、古紙回収屋に行き、袋貼りで慈善事業をやるので、古雑誌を貰えないかと頼む。なかなか渋い相手に、勲章が復活したので、推薦すると言って承諾させる。ひょうたんで、古雑誌からグラビアを切りまくる四人。何度も仲間に入れてくれと言って来たが、その都度、お前は戸籍も住民票もあるのだから、生業か自衛隊にでもなれと断っていた胡瓜(犬塚弘)が、新しい雑誌を持ってきた。床屋から持ってきたという胡瓜に、それでは泥棒だ。帰してこいと説教をするカマキリ。赤ちゃんの裸や、相撲の取組み、豚の授乳などのグラビアを焼いて、4人は、街で、酔っ払い相手に、48手の秘蔵エロ写真だと言って売りつける。3万円以上の売り上げだ。赤とんぼが、この金を倍にすると提案した。
翌日、骨董屋(上田吉二郎)に行き、仏像を見て、これはいいと言って10万円の値段の内3万円を手付けとして支払う。その後に、会社社長を装ったカマキリが店に行き、この仏像なら2絶対欲しいと言う
。しめしめと店主は20万を提示、カマキリは名刺を渡し、ここに届けてくれれば、20万払うからと言って帰る。そのあと、やってきた赤とんぼには、売主が気が変わって、取り返しに来たから売れないと言って、手付け金の倍返し、6万円を渡す店主。
調子に乗ってきた4人は、カメラ屋で保証金として売値を預けて小型カメラを借り出し、アパートで暮らす2号(弓恵子)が金持ちのボンボンを部屋に連れ込んで宜しくやっているのを、探偵社を装って赤とんぼが2号の部屋を訪ねる。パパさんが素行調査を依頼してきたと勘違いした女は、口止め料2万円を払った上に、女の大事なものをあげると言う。一方、河豚は学生を付け、あの女は飽きたので結婚してやってくれと頭を下げる。親が決めた婚約者もいるし、ただの遊びなので結婚するのは勘弁してくれという学生から3万円をせしめる。
今度は、大学の入学試験場だ。カマキリは、受験生の親を装う。近くには、奥様然としたムツ子もいる。そこに、白衣を着た赤トンボが通りかかり、兄さんと声を掛ける。カマキリは、あたかもこの大学の教授の赤トンボの家に息子が泊めて貰ったかのように話す。いくら兄さんの息子でも、何も、教えるようなことはしないぞと言う。そこに大学の職員を装った河豚がやってきて、入試採点委員であるかのように赤トンボに声をかけた。そこで、ムツ子が、一人しかいない身内の弟が4浪で、今回受からないと自殺しかねないので、何とか口を聞いてくれないかとカマキリに頭を下げる。弟は、非常に固いので無理だといいながらも、駄目元だと思ってくれと、名刺に受験生の名前と受験番号を書くように言うカマキリ。それを見ていた周りの父兄も我先にと名刺を差し出した。合格発表の日、チョコ松が、預かった受験番号で合格している受験生を確認。カマキリは自宅を訪ね、口止めをしながら、合格線上にいた数十人の中から拾い上げたのだと言って、謝礼を手にする。
60年東宝千葉泰樹監督『がめつい奴(199)』
大阪釜ヶ崎のとてもディープな一帯、知恵遅れの孤児、テコ(中山千夏)が人形を抱き、珍妙な歌を歌い豆腐屋へおからを1円分買いに来て、ビニールの袋に入れてくれと言う。毎日1円分でビニール袋に入れたんでは赤字だとブツブツ文句を言いながらおからをくれた。家に戻る途中のテコを避けようとして、乗用車とトラックが衝突する。えらいこっちゃと、テコがホテルに戻り、健太(高島忠夫)に報告すると、ホテルの住人は一目散に事故現場に駆け付け、重傷と軽症の運転手をどちらも病院に行かせ、車の部品をバラして盗みに掛かる。あっという間に現場には何も残らない。
その頃、テコは因業婆の向山鹿(三益愛子)の手伝いで、ホテルの掃除をしている。掃除と言っても、住人たちの布団を上げながら何かないか、また各自の米袋に穴を開け、床に米をこぼし、落ちているものを拾ってネコババするのだ。テコは、鹿に拾われ育てられた。鹿は、人様の物は盗んだらアカン、しかし落ちているモンはホテルの持ち主のワシのモンやと言っている。
ホテルに戻って来た住人たちは“ポンコツの熊”平熊吉(森雅之)の指示の下、戦利品の数々を車の部品屋やスクラップ屋に手際よく売り捌く。警官がやって来て、交通事故と通報があったけど、病院に運転手がいるだけで、現場に車が影も形もないと言って、お前たちが盗んだんじゃないかと尋ねる。ホテルの中を調べるが何もありはしない。しぶしぶ引き上げていく警官たち。鹿が突然、住人たちに金を寄越せと言い出した。俺たちが取って来た物を何で払わなきゃいけないんだと文句をつける住人たちに、ここで売りさばいただろう、博打だって寺銭1割が常識やと言い、息子の健太に金を集めさせる。業突張りの鹿婆さんは、誰よりも上手だ。
ホテルとは名ばかりのというよりは掘立小屋に毛が生えたようなものだ。このホテルには怪しげな人間ばかりが住み着いている。このあたり一帯は、かって小山田家の屋敷だった。空襲で両親を亡くし、疎開していた小山田初江(草笛光子)と絹(団令子)の姉妹が戻ってきた時には、下女中だった鹿が、ホテルを建てている。初江は、ホテルに住みながら、ホルモン焼きの商売で生計を立てている。
ホテルとは名ばかりのというよりは掘立小屋に毛が生えたようなものだ。
美人歌手Iちゃんと美人デザイナーMちゃんの二人と新宿三丁目の
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