2009年3月31日火曜日

今年になって203本、会社を辞めて1年で603本。だから?と言われても返す言葉はないが・・。

     池袋新文芸坐で、
     近代映画協会新藤兼人監督『石内尋常高等小学校 花は散れども(200)』
    大正12年頃、廣島県石内村、教室の真ん中で三吉が鼾をかいて眠っている。市川先生(柄本明)は怒って、防火バケツを下げて教室の後ろで立っておれと怒鳴った。級長の良人も副級長のみどりも、教室は勉強をするところじゃから眠ってはいけないと言った。市川先生は、三吉に昨日の夜は何をしていたんだと尋ねた。三吉は、台風が来そうなので、婆ちゃんまで一家総出で山の田んぼの稲刈りをすることになり、学校から帰って夜通し働いていたと言う。それでも三吉の家では米は食えず麦を食っているのだ。市川先生は号泣し、訳を聞かんで立たせたワシが悪かったと三吉を許した。
     運動会だ。騎馬戦、玉入れに続いて、先生対抗リレーだ。市川先生はドタバタ走ってビリだが、バトンを受け取った林直子先生(川上麻衣子)は速くて抜き返す。暫くして、教壇に立った市川先生が、エッヘンと咳払いをして、重大発表があると言う。先生は明日結婚をする。よって明日は自習とする。花嫁を紹介すると言って教室を出た市川先生が連れてきたのは、女子が噂した通り、林先生だ。本当に市川先生は嬉しそうだ。林先生の頬に接吻をする市川先生。林先生は怒って出て行った。翌日、教室で、書道の自習で結婚と書いていると、校長先生(三谷昇)が来て、市川先生から級長の山崎良人に連絡があるので家まで来るようにと言う。良人が、自転車に乗って、先生の家まで行くと、善哉を食べさせてくれ、見たこともないような親類が蟹のように沢山やってきたので、明日も自習だと言う先生。良人が学校に戻って、明日も自習だと言うと、みんな大喜びだ。先生は頭をオールバックにしてポマードを付けているのでトンボの目のように光っていたと報告する。花嫁さんはきれいだったかと女子に聞かれて、それが見当たらんかったと答え、みんな騒いでいると花嫁衣装姿の林先生がやってきて、ちゃんと自習してるか心配だったので、やって来たら、この騒ぎ、明日は自分が夫の代わりに、日本史と、修学旅行の打合せをするので、自習は中止だと言って、結婚式の二次会に戻って行った。マセた女子が、これから市川先生は苦労すると言う。
    奈良の三笠山に修学旅行に来ている。偶然近くで活動写真の撮影隊がロケに来ている。助監督(田口トモロウ)が田舎者は下がっていろと偉そうだ。仇討ちもので、夫婦ものが、仇を見つけ、切りかかるが、夫は返り討ちに遭う。夫の首が空に舞う。本物の首かと思って良人は泡を吹き、みどりに笑われる。先生のパナマ帽が風で、助監督の足元に飛ばされ踏まれてしまう。怒った市川先生は助監督に飛びかかるが、返り討ちに遭い、殴られ延びてしまう。直子は、助監督に映画のタイトルを尋ね、仇討ち奇談返り討ち三度笠と聞くと、廣島に来ても、絶対見てやらんと言い、男子たちに、伸びた市川先生を運んで宿に帰る。監督(原田大二郎)は、あんな女優が欲しいなあと言った。
    中学の受験日、良人が学校にいる。市川先生に、どうしたんじゃと、聞かれて、家にお金がないので、進学は止めたと答える良人。母親(左時枝)も市川先生と良人の前で、田畑、家屋敷、とにかく全て売ってしまったので、全くお金が無いのだと泣いた。良人は母ちゃん帰ろうと声をかける。翌日、良人の母親が亡くなった。葬式の行列に手を合わせる先生とみどり。数日後、赤い自転車に乗った良人に、豆腐を買いに行く途中のみどりが会う。良人も郵便局に行く途中だった。自転車の後ろにみどりを乗せ、校庭や色んな所を回る良人。数日後、みどりが良人の家に行ってみると、蔵には父親が一人住んでいて、良人は広島に住む兄のところに行ったと教えられる。
    30年が過ぎた。石内村の村役場の出納係をしている三吉(六平直政)が、東京池袋にある山崎良人(豊川悦司)の下宿に電話を掛けている。管理人に呼ばれ受話器を取ると、市川先生が還暦を迎え定年を迎えたと言う。22日に6年1組の同級生で、先生を囲んで30年振りに祝う会をやるとのことで、久しぶりに石内に出掛ける良人。
    会場は、藤川みどり(大竹しのぶ)が女将を務める海楽亭。大正14年に卒業以来、32名いたクラスは太平洋戦争を経て16人になっていた。参加した者も、戦争で傷を負っている。今まで必死で堪えてきた苦労を、堰を切ったように話し始める教え子たち。尾形芳枝(角替和枝)は長女だったので、隣村から婿を取ったが戦死、田圃4反のうち半分売ったが生活は苦しいと言う。吉田早苗(リリィ)も、夫がビルマで戦死し、一人で百姓をやっているが、一人の暮しは辛く寂しいという。原爆のケロイドが生々しい藤田芳夫(大杉漣)は徴兵され広島の上陸部隊に配属、ピカドンにやられ、しばらくして実家に帰ってくると、既に戦死公報が届いて、自分の位牌が飾られていた。米を作っていたが、みんな今はパンを食っている。実は百姓を辞めて、村の製材所で働き、自分も今パンを食べていると。田川里子(根岸季衣)は、隣の村に嫁に行ったが、夫が戦死、義弟と再婚したものの召集され戦死してしまったと。教え子の苦労を聞いて、市川先生は涙する。良人は、広島に行った後、丙種合格だったので、国民兵だったが、召集され、掃除部隊に配属、宝塚劇場など、大部隊の宿舎となる場所の掃除、片付けをしていた。その後、脚本家になったが、まだ先生に見て貰うようなものは書けていないと言った。みどりは、好きな人がいて、その人はこの村を出てから何の便りもくれなかった。15年待ったが、連絡も迎えにも来てくれなかった。30歳になった時に、あまりにあの家の娘は何か欠陥があるので結婚できないんだろうと噂されて、以前より求婚してくれていた海楽亭の息子と涙の結婚、鮫島みどりとなった。三吉が、先生が学校の傍に、終の棲家を求めたいと言うので、小さい家を買ったのだと紹介して、宴会となった。みなで校歌を熱唱する。先生を車に乗せ、再会を約して解散した。9時となり、良人は海楽亭に泊ることになった。
   夜、浴衣姿の良人とみどりは、海岸を散歩する。あの時、ウチが自転車に乗りっぱなしだったら、運命が変わっていただろうと言うみどり。旦那は、中華料理の研究と言って大阪に行ったきりで、女がいて戻ってこないのだとみどり。なんで連絡くれなかったの?と尋ねるみどりに、酷い生活で、それどころでなかったんだと呟く良人。みどりは急に手を取り、今でもあんたのことが忘れられない。身も心も振り捨てて私を抱いてといい、海岸にある脱衣所に、良人を導くみどり。抱き合いながら、初めて女になった気がするというみどり。
   翌朝、市川先生の新居に出かける良人、みどり、三吉。まさに池内小学校の正門前にある家では、学校の生徒たちのにぎやかな声が響いている。子供たちの声を聞きながら、ここで晴耕雨読の生活を送るのだと、先生は興奮していた。その夜、良人は、一列車遅らせて、みどりとの時間を惜しんだ。東京に戻った良人が、プロデューサー(大森南朋)を前に、脚本をやり直させてくれないかと言っている。プロデューサーは、家庭に何か悩みでもあるんですかと尋ね、脚本料はいらないという良人に、脚本料を支払ってくれた。
   数年が経つ、みどりの旦那が大阪でやくざに刺殺されたと言う。手紙を書こうとして、急に思い立つ。自分はいつも肝心の時に逃げてばかりいると思い、夜行に乗り、翌早朝に海楽亭の前に立つ。二人は海岸を歩く。その姿をみどりの義父(上田耕一)が見ている。子供を産んだと言う。息子は亡くなったが、孫が出来たと義父は喜んでいると言うみどり。
  それから5年がが経った。良人の前に、プロデューサーが座っている。どうしていたんですかと尋ねられ、アルバイトやら何やらでと答える良人。軽い喜劇を書いてくれませんかと頼むプロデューサー。涙ぐむ良人。市川先生が小学校時代に言ってくれた「君は賢いが、丹力に欠ける。もっとねばれ」という言葉を思い出していた。
   三吉は村長になっている。6日前に市川先生が脳卒中で倒れたと連絡を貰い、石内を訪れる良人。みどりが、5歳の娘良子を連れている。あなたから一文字貰ったのというみどり。賢そうな子供だ。先生の家を訪ねる。声を掛けても返事がない。倒れる音がするので、障子を開けると、動かない身体で先生が縁側に出ようとしていた。ちょうど奥さんも戻ってきた。回らない口で、良人の連続テレビドラマの愛の初旅を観ていると言う。三人で校歌を歌う。歌いながら涙がこぼれる三人。奥さんは、廿日市の娘夫婦の家に引っ越すことにしたと言う。娘婿の運転する軽トラックの荷台に、良人と三吉は運ぶ。教え子たちが集まって来た。石内小学校の現在の校長(松重豊)も「あなたの教育への足跡は永遠です」と言う。集まったみんなに、敬礼をして、「みんな元気でやれよ」と言い村を去る市川先生。村の中をトラックが走ると、道を行く人々は帽子を取って頭を下げた。どうしても帰るの?と言うみどりに、仕事があるんよと答える良人。
   東京で広島県人会が開かれ、各村長まで呼ばれたと言い、三吉が良人の下宿に来ている。うな重を御馳走する良人。今日は、銀ブラをし、資生堂でコーヒー飲んで、千疋屋でメロンを食べたと嬉しそうに話す三吉。先日、海楽亭に寄ったら、みどりが良人と結婚したい、店を辞めてもいいと言いだして、ビールを噴いたと言う三吉。話が聞こえたのか義父は調理中に指を切る。良子はお前の子じゃないかと思っていると言って、寝ているふりをする三吉。
    再び、早朝に海楽亭の前に立つ良人。良子は幼稚園に出かけるところだ。あの海岸にみどりと行く良人。みどりは、良人が赤い自転車に乗って東京からやってくる夢を見たと言う。今のはみんな嘘というみどりに、僕は、決断力がないと市川先生に言われ続けてきたが、今回、僕は、君と結婚することに決めたんだと言う良人。波打ち際まで走り、波をしきりと蹴るみどり。良人の所に戻ってきたみどりは、「良人さん、ありがとう。うち、嬉しかった。お義父さんも、驚くだろうが、良子を育てることを条件に許してくれるでしょう」と言うが、断る。あんたの一筋の道は決まっている。旅館で、蛸や魚をさばくのは良人ではないと言うみどり。良人は、廿日市の市川先生の元を訪ねる。コスモスを持ってきた良人に、道端からもぎ取って来たのかと先生。はい、摘んできましたと良人。花は見られるために美しいんですよと奥さん。市川先生は得心したように、花は美しい、山崎よう来てくれたと言った。肩をおもみしましょうかと良人が言うと、足をさすってくれと先生。気分がいいので、海に連れて行ってくれと言いだす先生。先生をおぶって海岸に連れていくと歩きたいと言う先生。自分に捉まらせて歩かせる良人。歩いたことを先生は喜ぶ。足元を見て、何で蟹は横に歩くと尋ねる先生に、人間も生き物も、みんなそれぞれですねと答える良人。
   三吉から、先生が亡くなったとの連絡を貰う。海が見える小高い丘の上にある市川先生の墓を訪ねる良人、三吉、みどり、良子たち。昭和38年11月7日に66歳で、市川先生が亡くなったのだ。駅のホーム、良子と手をつないだみどりと話す良人。もうしばらく会えないね、ときどき気が向いたら鯛ご飯を食べに来てろいうにみどり。汽車は走りだした。
   大竹しのぶは、今まで、どうも苦手だったのだが、最近力が抜けた表情をするととても良い。豊川悦司とのラブシーン、なかなかだ。しかし、新藤兼人さん、凄いなあ。木村威夫さんと言い、ヤング@ハートだ。ずっと死ぬまで現役でいると言うことは、映画の神様に守られていると言うことだろう。

    木村威夫監督『夢のまにまに(201)』
    空襲警報が鳴っている。大きな欅の木の下に、木室創(永瀬正敏)とエミ子(上原多香子)がいる。機銃掃射を脚に受ける木室。足の手当をするえり子。
     目覚まし時計が鳴り、木室創(長門裕之)が目を覚ます。隣には妻のえり子(有馬稲子)が眠っている。そっと起きて、食堂に降りる木室。木室の脚は戦時中の傷が元で不自由だ。食堂で朝ご飯の支度をしていると、手伝いの娘がやってくる。えり子は唇に口紅を引く。夫婦二人の朝食が始まる。今日の夕食は肉か魚どっちと尋ねるえり子に、昨日言ったように今日は会合だよと答える木室。
     京王線に乗り調布まで行く木室。駅のロータリーにある欅の瘤を撫でる木室。歩いているとパチンコの前の行列に教え子の村上(井上芳雄)がいる。そのまま通り過ぎると、村上が学院に出席するつもりでしたが、急に金が必要になってと言い訳をする。木室は、ここ調布にある 映画撮影所の映画美術の講師をしていた。撮影所の食堂で、若い学生たちに昔の撮影所の話をしていると 、村上が割り込んで来る。今朝はすみませんでしたと屈託なく謝る村上。とりあえず一万円稼いだようだ。自分の腕に彫ったモンローの刺青を見せ、イミテーションではないと言う。親から貰った体を大事にせよと言う孔子の教えを知っている村上を見直す木室。
    ミニチュアセットの制作を学生たちに指導している木室。窓から見える煙突を眺めて、あの煙突を絡めて、敗戦直後の焼け跡のオープンセットを作ったことを思い出す。闇市を不自由な足を引きずりながら歩く木室。派手な身なりのパンパン(宮沢りえ)が客を引いている。場面が変わり、その娼婦が闇市の一角に小さな飲み屋を開いている。バクダンを飲み憂鬱な表情の木室。坂口安吾の面影をした男(葛山信吾)と、壇一雄の面影をした男(高橋和也)、女連れ(エリカ)の太宰治の面影をした男(南原健朗)達が、店にやって来て飲み始める。そこに、ボロボロの軍服を着た闇屋(浅野忠信)がやってくる。闇屋は、壇が頼んだ馬肉を持って来たのだ。カウンターに入り、肉を切り、網で焼き肉を始める壇。闇屋は、文士かぶれがと作家たちを罵り、あの戦争で文学は敗北したのだと決めつけ、映画屋だってそうだ、国策映画ばかり作りやがって、そのお陰でこうだと言って、店のカウンターに義足を叩きつけた。女将が今日は楽しく飲みましょうと言う。
   その日は、木室がNK学院の5代学院長の就任パーティーが開かれた。村上たち学生も出席している。木室は、村上に、昔の歌謡曲を歌えるんだってと尋ね、それなら「夜のプラットホーム」を歌ってくるないかとリクエストする。村上の歌を聞きながら、女が娘を里子に出して郷里に帰る時の上野駅を思い出している木室
    木室が学院に行っている間エミ子はピアノを弾く。いつも同じフレーズで引っかかっている。何か戦時中の思い出のように…。エミ子は、出征し亡くなった婚約者の青年将校の写真を今でも持っている。お手伝いの足立雅代(石井晴奈)が干すシーツが大きな風音を立てている。
    夜、木室が寝ていると、エミ子が急に起き上がる。どうしたの?と尋ねると、ピアノの練習をしたいと言うエミ子。30分だけと言うエミ子に、もう夜中だから明日にしようと言って優しく抱きしめる木室。婚約者が死に、全てを失ったと絶望した私と結婚してくれたあなたには感謝しているわと言って涙を零すエミ子。木室は、エミ子の頬に接吻をする。
    学院に行く途中、今日も駅前のイチョウの木の瘤を撫でる木室。腰を下ろしていると、会釈をして通り過ぎる和装の女がいる。かって通った闇市の飲み屋の女に似ている。学院で作品の上映会がある。村上大輔の「多摩川?」とうタイトル品だ。紙袋を被った男や川の情景を撮影した抽象的な作品だ。村上から感想を求められ、残念ながら、まあまあだと言うところだと答える木室。
   撮影所の大ステージで学院のバレエダンサーが踊っている。撮影しているのは、監督鈴木清順、カメラ前田米造だ。北沢は、ダンサーたちに重なって踊るモンローの姿が見えている。知覧特攻平和会館で戦没画学生の作品を見ている村上。同じ年頃の芸術を志す若者が死ななければならなかった戦争を思い憂鬱な村上。学院のデッサンの授業中、講師から真面目に描きなさいと言われている。ビーナス像の顔がモンローだ。君にはこう見えているんだねえと言う木室に、村上は戦没画学生たちの無念を尋ねる。近代日本史を勉強したまえと言う木室。その日以来村上の姿は学院から消えた。
    夕方からのエミ子の日課は、写真や雑誌のグラビアなどを切り、コラージュを作ることだ。木室が帰宅して、エミ子の大事にしているアルバムを捲ると、広島の原爆で亡くなったエミ子の姉の写真が無い。今エミ子が作っているコラージュは原爆のキノコ雲で、その真ん中に姉のポートレイトが貼られている。
   調布駅のイチョウの瘤に、木室が腰をおろしていると、いつぞやの和装の女がスケッチをしている。女は絵を描いていいかと声を掛けてきた。ご自由におやりなさいと答える木室。熊本の実家に帰っていた村上から、学院の木室宛てに封書が届く。村上はあの日、六本木の本屋で日本史の本を万引きし、見つけて取り押さえようとした書店員にカッターを向けたため、逮捕されたのだ。幸い起訴猶予にはなったが、村上は精神を病み入退院を繰り返し、今は6度目の入院中だとあった。かって、才能があると言ってくれた木室の言葉だけが、村上の支えだった。木室は、何度も励ましの手紙を出し、仕舞いには、かっての仲間が九州ロケをするに当たって、美術助手として現場に参加出来るよう話をつけてやった。しかし、症状が安定しない村上は、せっかくの話を活かすことは出来なかった。心身の不調への絶望感が溢れた手紙に、自分の著作と一緒に激励の手紙を送る木室。木室のもとに、銅版画の展覧会の案内状が届く。出掛けてみると、本人は不在だったが、イチョウの木の瘤に座った木室のデッサンを描いていた中埜潤子の作品が飾られている。不在を詫び、木室が描かれている版画が送られてくる。エミ子は、この方は、どういう方?と執拗に尋ねてくる。
   ある日、村上の母ふじえ(桃井かおり)からの手紙が、木室に届く。胸騒ぎがして、封を切ると、村上大輔の死亡を報告する手紙だった・・・。

    シネマヴェーラ渋谷で、昭和文豪愛欲大決戦!
    51年東宝溝口健二監督『武蔵野夫人(202)』
    武蔵野の見渡す限り田んぼが続いている田舎道を、秋山道子(田中絹代)と夫の秋山忠雄(森雅之)が、よろよろと歩いている。東京の方向には黒煙が上がり、高射砲の音が響き、飛行機が飛んでいる。旧家の宮地家の当主で道子の父の(進藤栄太郎)が病床にある妻の?と話している。今回はいよいよ東京は駄目らしい。娘の道子を案ずる妻の?。そこに、道子と忠雄がやってくる。無事を喜び会う親子。近くに住む道子の従兄弟の大野英治(山村聡)と妻の富子(轟夕起子)の家に出掛ける。英治は軍需工場を経営して大層儲けているらしい。to be continued.

     神保町シアターで、浪花の映画の物語81年木村プロ小栗康平監督『泥の河(203)』
     昭和31年の大阪。橋の上に馬車が停まっている。馬糞を片付けている貞子(藤田弓子)。橋の袂、川沿いにうどんや定食を食べさせる“なには屋"がある。主人の板倉晋平(田村高弘)がきんつばを焼いている。息子の信雄(朝原靖貴)が二階から降りてきて、かき氷を食べたいと言う。客で馬車引きのおっちゃん(芦屋雁之助)が自分のを半分やると言う。ありがとうと言いながらも、信雄は、おっちゃんの右耳が潰れているのを気味悪そうに見ている。おっちゃんとお父ちゃんは、おっちゃんが今度中古のトラックを買うと言う話をしている。トラックを買ったら、信ちゃんに馬をやると言う。そこに糞を馬糞を片付けた貞子が戻ってきて、この親子は、冗談を真に受けるから止めてと言う。冗談が通じへんのはお前やと言う父ちゃん。
    代金を払った、おっちゃんが馬車を動かそうとする。クズ鉄などでいっぱいの荷は重く。また車輪が、橋の舗装が剥げているところに嵌って動かない。おっちゃんが、更に鞭を入れると、不幸にして、向こうからトラックがやってきて、馬が驚いて、おっちゃんは、馬車の下敷きになった。信雄は慌てて父ちゃんに教えに行ったが、おっちゃんは助からなかった。父ちゃんと母ちゃんは、馬車のおっちゃんは、10年前にここに店を開いた時の初めての客で、信雄がまだお腹にいた時に、お守りまでくれたのだ。戦争で死ぬ思いをしたけど、死ななかったので、死ぬ気がしないと言っていたのに、あっけなく死んだことは、晋平をひどく打ちのめし、貞子にあるだけの金を出してくれと言って、おっちゃんの家に香典として持っていく。
    翌日、雨が降りしきる中、おっちゃんの荷車を見ている同じ年くらいの少年を、見つける信雄。おこれお金になるやろうなあと言う少年に、おっちゃんのものやからあかんと言うと、それはそうだという少年。河を指さして、お化け鯉知ってるかという少年。確かに大きな魚影がある。これは秘密だから他人に言っちゃだめだという少年。頷きながら笑顔の信雄。新しい友達が出来た。
   しかし、雨の中にいたことで、信雄は風邪をひく。朝ごはんを食べたら学校に行けという母ちゃんに、もう一日寝ていた方がいいと言う父ちゃん。しかし、昼過ぎには、信雄は退屈し、家を抜け出す。昨日の少年に再会する。うちにおいでという少年。少年の家は、信雄の家の川の向こう岸に繋がれた宿船だった。船に渡る前に転んだ信雄の足を、少年の姉は洗い、少年に靴を洗わせてくれた。姉の名は、松本銀子(柴田真生子)、少年の名は喜一(桜井稔)と言った。船の向こう側の部屋に、姉弟の母がいるらしい。母親は、黒砂糖を上げて、あまりここには来ないように言いなさいと銀子に言っている。
to be continued.

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