神保町シアターで日活文芸映画の世界。
65年鈴木清順監督『悪太郎伝 悪い星の下でも(337)』。
昭和の初め、鈴木重吉(山内賢)は河内の八尾中学の4年。貧しい水呑百姓で博打と闘鶏好きの父(多々良純)と母(初井言栄)と暮らしている。中島牛乳で牛乳配達をしている。ある時商売敵の上村牧場に乱暴される。仕返しに行こうとする皆を止め、結局警察から上村牧場が営業停止になることで、お得意を増やす。また社長に新しい得意先を増やしたら1軒1円の報奨金を提案する。
学校では、5年の風紀委員がのさばっている。落第して1つ年上の同級生三島(平田重四郎)が従姉の娘と歩いていたことで、大岡(野呂圭介)たちに制裁を受けたことが、従姉にラブレターを出して断られた逆恨みと聞いて、上級生の大岡を制裁する。下級生にやられた大岡は自らを恥じて退学する。三島の家は旧家で、同級生たちを集め医学書の女性器などを見せたりしている。同級生たちは大騒ぎだが、重吉は不愉快だ。憮然と帰ろうとした時に玄関で、三島の妹鈴子(和泉雅子)に出会い、一目惚れする。
祭りの夜、神社の境内では多くの若い男女が抱き合っている。その中に三島と、鈴子の同級生で従姉の山賀種子(野川由美子)が、キスをしているのを見つけ注意をするが、逆に婚約者同士がキスをしてなにが悪いと言い負かされる重吉。しかし、自分を見下した態度の三島に腹をたて、二人を殴る。三島が中島牛乳に重吉が配達する牛乳を取らないと電話をしてくる。配達を止めると、鈴子が、重吉が届けてくれる牛乳を楽しみにしているので、止めないでくれと言う。数日後、重吉のもとに鈴子からラブレターが届く。有頂天になる重吉。指定の八尾駅に行くが鈴子は現れない。種子は鈴子からの伝言だと言って宝塚に連れて行く。ラブレターは種子が書いたものだった。積極的な種子の誘惑に勝てずに、2人で入浴し関係してしまう重吉。それ以降も、種子からの誘いに断れず、時鳥(ほととぎす)という料理屋で逢瀬を重ねる2人。
子供の頃から利発な重吉に何かと気にかけ、八尾中から京都の三高に進学し大きな人間になれと諭す天台院の和尚(三島雅夫)は、若い内は何をしてもいいが、質屋の娘の種子は身持ちが悪いので考えろと忠告する。父は博打仲間の仲造(谷村昌彦)に誘われてちょっとした規模の賭場に出掛ける。金が無いので、重吉の牛乳配達の自転車を盗んで質入れする2人。賭場の会場は時鳥、空いた部屋がないかと女将と談判する種子と重吉を目撃して驚く重兵衛。しかし、仲造はイカサマが見つかって揉め事を起こし、仲間だと思われた重兵衛共々、袋叩きに。重兵衛から手をかけたヤクザの2人の名前を聞いて重吉は1人金神組に殴り込む。匕首などを隠し割ったガラスを土間に撒いて、呼び出しを掛ける重吉。素人独りにきりきり舞いをさせられて金神組の面子は丸潰れだ。
天台院に匿ってもらう重吉。ある日、祖母の墓前で泣いている鈴子を見かける。自分の気持ちを鈴子に伝えるが、種子とのことをすべて聞いていると鈴子は頑に拒む。走り去る鈴子を呆然と見送る重吉。三島が殴り込みの犯人が牛乳配達をしている重吉だと金神組に密告し、面子をつぶされた二人組が、重吉の家に押し掛ける。重吉は、妙子に質草の中から小太刀を持ってきてもらった上で別れを告げる。両親を逃がした後に、二人組はやってくるが、重吉の悪知恵には敵わない。ボロボロにされて戦意喪失したところで、重吉は足を刺した。
村人たちが、正当防衛だと言いたてる中、重吉は、名誉ある八尾中を汚した自分は退学すると、学校に電話する。駐在巡査に捕縛され、留置所に入れられる。質屋が火事になり無一文になった妙子が、淡路島の叔母の家に行くと言って別れを告げに来る。無言の重吉。天台院の和尚は、身元引受人となりながら、重吉が自分で結論を出すまで、いく度となく通った。最後に、重吉は、目の前に壁があるから、乗り越えなかあかん、と宣言して出所する。鈴子の家に行くと、前日に嫁いだと婆やに告げられる。鈴子から預かったと、婆やは重吉に高女のバッジを渡す。
重吉は、仕事を求めて親元を旅立つ。途中中島牛乳の者に会う。牛乳を飲み、空き瓶に鈴子のボタンを入れて、橋のたもとに埋める重吉。これで思い残すことはない。最後に、船員姿の重吉。
やっぱり、青春三部作あたりが、個人的に鈴木清順の壺だなあ。
66年鈴木清順監督『河内カルメン(338)』。
露子(野川由美子)は、河内の山奥から自転車に乗り坂田製綿工場に通っている。露子は、工場の跡取り息子で大学生の彰(和田浩治)が好きだった。工場の帰りに彰から好きだと言ってキスをされて喜ぶ露子。しかしそれを目撃していた源七(野呂圭介)ら、露子に懸想していた地元の若者に輪姦されてしまう。やっとの思いで帰宅すると家の外で父(日野道夫)が酒を呑んでいる。家の中では、母(宮城千賀子)が、不動院の破道坊主の良厳(桑山正一)と姦淫の最中だ。良厳と寝た金で、一家は生活しているのだと母はうそぶく。露子は家を出る。
地元の先輩の雪江(松尾嘉代)の勧めで大阪のキャバレー、クラブダダで働き始めた。初日、男たちへの過激なサービスに戸惑う露子。その晩に着いた客の勘造(佐野浅夫)の出身が河内の醤油屋という嘘に盛り上がり、酔った勢いで一夜を共にしてしまう。。徐々に慣れ人気者になる露子。暫くすると勘造は、店に入らず通用口で待つようになる。気味悪がる露子。しかしある雨の日濡れそぼって立ち尽くす勘造に、傘を差し掛ける露子。勘造は、使い込みがばれて会社を首になり行く当てもないと言う。 一晩泊めるつもりが、いつの間にやらヒモになり、甲斐甲斐しく露子の身の回りの世話をする勘造。
ある日、クラブダダの慰安旅行でホテルのプールで泳いでいると、ファッションモデルをしている幼馴染の稲代(和田悦子)に会う。稲代の紹介でモデル事務所の社長鹿島洋子(楠侑子)にスカウトされ、モデルとなる露子。鹿島に言われ、勘造と別れ、鹿島の家に住み込む。しかし、鹿島はバイセクシャルだった。誠二(川地民夫)という愛人はいるが、露子に迫ってくる。慌てて逃げ出し、誠二の部屋に居候となる。
そんなある日、バスの中で、彰に再会する。彰の親がやっていた紡績工場は倒産し、生駒の山中で温泉を掘り当てるという夢に取りつかれている彰。しかし初恋の人と一緒になることが幸せだと、彰のバラックで同棲する露子。温泉話に出資してくれる人間は見つからず、荒んでいく彰。露子の服も全て僅かな金に換えてしまい、酔い潰れる彰。露子は、誠二から聞いた高利貸しの大金持ちの斎藤長兵衛(嵯峨善兵)の妾になろうかと彰に持ちかけると、温泉を掘り当てるまでの間だと言われる。マンションを買ってもらうが、長兵衛は、手も出さず、全裸で歩かせて、露子を辱しめる。彰は長兵衛のもとに出資の依頼に行くが、笑われる。
長兵衛は、江戸時代のセットのような場所で着物を着せられている。そこに忍んできた忍者は彰だった。僅かな金のために、襲いかかる彰。長兵衛は、別室でカメラを回している。ブルーフィルムの撮影をしているのだ。露子は誠二に、マンションの売却を頼んでいた。長兵衛と別れる決心をしていたのだ、金を彰に貢ぐために。しかし、現在の彰の姿に失望する露子。更に、香港に行こうとしていた長兵衛が飛行機事故で死ぬ。父親が亡くなったという報に、実家に久し振りに帰る露子。葬式も出さずに良厳に読経してもらっただけだと母から聞いて50万の金を渡して葬式を出せと言うが、あんな男に葬式なんてもったいないという母。妹の仙子(伊藤るり子)が良厳と関係を持っていると知って、良厳を問い詰めると、良厳とのセックスを面倒くさくなった母が仙子とやれと言ったと聞いて驚く。最初は拒んでいた仙子も今では進んで良厳のもとへ通っていると。絶望する露子。生駒山中に温泉が出るという話で、山奥の滝に、良厳を誘う露子。露子の身体に舌舐めずりし、また、険しい山道で動きが取れないことをいいことに、露子が嵌めていた80万円の指輪を奪う、煩悩まみれの良厳。しかし、足を踏み外して滝の中にまっさかさまに落ちる。
まともな男を探しに東京に出るという露子の手紙を読む誠二。
鈴木清順の壺をもう少し詳しくいうと、63年の「野獣の青春」「悪太郎」から「関東無宿」「花と怒涛」「肉体の門」「俺たちの血が許さない」「春婦傳」「悪太郎伝 悪い星の下でも」と来て、「刺青一代」「河内カルメン」「東京流れ者」「けんかえれじい」「殺しの烙印」とくると、ただの日活時代の中期以降全部だな(苦笑)。日活以降の「ツィゴイネルワイゼン」「陽炎座」も、とか挙げると、結局鈴木清順好きなただの映画オタクだな(苦笑)
68年神代辰巳監督『かぶりつき人生(339)』。
ストリッパーの笑子(丹羽志津)が駅で娘の洋子(殿岡ハツエ)を出迎える。母が、ようやく家持ちの男と結婚し、旅館をやっているので、名古屋での仕事を辞めて手伝いに来たのだ。役場で婚姻届を提出する笑子。しかし、結局男勝っちん(玉村駿太郎)は、香具師の大将で、笑子と勝っちんは、ストリップの巡業にひと月出るので、射的屋の店番をさせられる洋子。
巡業先のストリップ小屋は、直ぐに刑事が踏み込んで笑子は捕まる。保釈金5万円の無心に洋子の所に勝っちんがやって来る。貯金など無いと言うと、駅前の喫茶店に洋子を勤めさせて、前借りしていく。母が帰ってきた。しかし、家に行くと勝っちんの本妻が一年振りに帰ってきている。奇妙な三角関係と同居していることに耐えられず家を出る洋子。
結局、洋子は名古屋の劇場でヌードダンサーになっている。マネージャーの恭やん(名取幸正)からプロポーズされるが、演出家の倉さんと寝る洋子、彼女は処女だった。笑子はストリッパーを続けている。笑子の手伝いをしていた少女(新田紗子)が洋子を訪ねてくる。洋子に憧れているという。洋子は冷たくする。付きまとう少女は、洋子が道の向こう側にいる警官に声をかけようとした途端、走ってくる車に突き飛ばす。
幸い、洋子は軽傷だった。雑誌のトップ屋の阪本(中台祥浩)が取材に来る。洋子は有名になるチャンスだと思う。坂本は、親子ストリッパーの話などを持ちかけて来たが、洋子は、かって名古屋の喫茶店で働いていたときに、やくざの男と付き合っていた。その男が堅気になったら一緒になろうと約束していたという話を書いてくれないかという。坂本は作り話風の美談と笑い飛ばすが、洋子が、その後、いつのまにやら他人に結婚を誓った大手企業の男がいるという話になってしまっている。というと掲載してくれる。
坂本は、話題性充分の洋子をピンク映画の世界に売り込む。坂本は、洋子に、今もストリップの舞台に上がっている笑子に会いに行かないかと誘われる。一度は同意したものの、雨の降る中、車の中で、笑子は、サングラスを掛け、客の男たちの視線を盗み見ながら、自分の快楽のために、一人になっても踊っているのだという話を聞くうちに、親子でなければ親友になれたが、無理だと言って車を降りる。雨の中歩いている洋子を再び車に乗せる坂本。急に坂本に結婚してくれと頼む洋子。教会の神父の前で誓い合う二人。一躍人気者になる洋子。きれいなマンションに住み、立派な家具に囲まれた生活、更に少女と共演をさせようとする坂本が、だんだん嫌いになる洋子。坂本を憎みつつ、ピンク女優であることを辞めたいが、今の生活を維持したいという矛盾した悩みをもつ洋子。坂本は洋子に、今もストリップで舞台に上がっている笑子に会いにいかないかと誘われる。一度は同意したものの、雨の中車で向かう途中、母が、一人でサングラスを掛け、客の男たちの視線を覗きみながら、自分の快楽のために踊っていると坂本が話すうちに、車を降りる。ある日、布団の移動乾燥業を営むレーサーの男(水木達夫)に出会う。坂本の殺人を依頼する。坂本と洋子の住むマンションの前の喫茶店で打ち合わせをし続けるが、結局、阪本と一緒に夜の富士スピードウェイでレーシングカーで発散する洋子。
洋子たちピンク女優たちが、ストリップ小屋での営業をしている。オープンカーで町内を練り歩くピンク女優たち。楽屋にいると知り合いが訪ねてきていると言う。外に出てみると、週刊誌に語ったやくざの男(市村博)が来ている。一緒になろうという男に、別の喫茶店で働いていた時の話だと冷たく言う洋子。男は、仲間と賭けてきたと言う。金が欲しいならやるという洋子に、賭けにまけたペナルティはこれだと言って、洋子をナイフで刺す。急いで救急車を呼ぶ坂本。救急車の中で、私が死んだら、50万円ある預金を富士スピードウェイにいるレーサーに渡してほしいと言う。しかし、坂本と救急隊員は、足を刺されただけで死なないという。自分に運が回ってきたと、ヌードダンサーになって以来幾度となくつぶやいてきた言葉を繰り返す洋子。洋子を刺した男は警官隊に追われ、女児を人質に取ったりするが、結局撃たれる。洋子の乗った救急車に同乗させられる男。気を失ったのを見て、男がバーテンの経験があった筈だから、バーをやらせようか、自分はまだ当分女優を続けたいからと言う洋子。
ほとんどノーネームの役者たちで、ドキュメンタリー的な撮影方法が効いていて、どこまでが、フィクションで、どこからがノンフィクションなのかと思えてしまう非常に巧みに構築されたフィクション。
昔見た時も判らなかったが、50になっても判らないなあ(苦笑)。ストーリーではなく、女というものがだ。エンディングに流れる「男は、お~とこ~」という間延びした歌が、不思議な疲労感を覚える。妙な余韻が魅力の映画だ。
56年中平康監督『狂った果実(340)』。
虚脱と狂気の眼差しをした少年がモーターボートを走らせている。鎌倉駅から無賃乗車で乗り込んだ滝島夏久(石原裕次郎)と春次(津川雅彦)の兄弟。逗子で下車する際に、春次が垢抜けた美人を見つけた。逗子で水上スキーを楽しむ2人。夏久の友達のフランク(岡田真澄)のヴィラには手塚(島崎喜美男)、相田(木浦昭芳)、島(加茂嘉久)、道子(東谷瑛子)らがいる。みな日常に退屈している。ポーカーをしているうちに、各自がナンパした女をパーティーに集めて、各自のカードとして勝負をしようとまとまる。その後、彼らはフランクのクラシックオープンカーで遊びに出掛ける。フランクが以前道子を攫ったチンピラたちに因縁をつけられる。フランクは道子ならどうでもいいと言うが、退屈しのぎの夏久たちは、チンピラを叩きのめす。(石原慎太郎と長門裕之が打ちのめされる役でカメオ出演)
翌朝再びモーターボートを出す夏久と春次は、沖を独りで泳いでいる女を見つける。声を掛けると、昨日の美人だった。彼女を送る2人。名前を聞き忘れたが、彼女の水泳キャップが残っている。喜ぶ春次。翌日逗子駅で、春次は外人と一緒の女を見つける。彼女の名は恵梨(北原三枝)、水上スキーを教える約束をする。彼女に水上スキーを教える春次。岩場で休んでいるときに、緊張している年下の少年に愛情を感じる恵梨。家まで送ると言う春次に母親が厳しいと頑なに拒む恵梨。フランクの家でのパーティーに招待し承諾してもらい有頂天になる春次。恵梨の姿は、明らかに周りを圧倒する。春次は、自慢に思いながらも、恵梨を見る兄たちの視線に、ドライブに誘う。フランクの車を走らせ、海岸に行き、キスをする二人。
春次の帰宅は遅かった。翌日夏久、フランクたちは横浜に新しくできたクラブに行く。そこで外人と踊っている恵梨がいる。恵梨を問いただす夏久。恵梨は20歳で、踊っていた外人は夫だった。春次を愛しており、結婚する前の恋愛として体験しておくことを今春次と過ごしているという恵梨に、急に激情を催し、恵梨を抱きしめる夏久。それから、恵梨の家にたびたび通っては関係を持つ夏久。
家で、春次と一緒にいると苛立っている夏久の変化を感じる春次。恵梨とドライブに行き、大人になる春次。その話を聞き、自分を抑えられなくなってきている夏久。春次が恵梨とフランクのヨットを借りて、宿泊旅行を計画する。春次が不在の時に恵梨からの速達が届く。夏久が勝手に開封すると、外出が難しいので日程を1日早めてくれないかというものだった。その手紙を破り、強引にフランクのヨットを借り出す夏久。待ち合わせの場所にヨットに乗ってやってきたのは夏久だ。強引に恵梨を載せてヨットを出す夏久。外出から春次が帰ると、机の上に破かれた恵梨の手紙がある。ヨットハーバーに行くとフランクがいる。止めたが夏久は恵梨を連れて出かけた。恵梨はそんな女だと言うが、春次は耳を貸さずにモーターボートを出す。探し続ける春次。一度戻るが、ガソリンを持ち出して再び海に出る。夜が明ける。二人が乗ったヨットを見つけ、周りを旋回し続ける春次。夏久が負けたよと言う。恵梨は海に飛び込んで春次の方に泳ごうとしたその時、春次のモーターボートは、スピードを上げて恵梨に、続いて夏久ののったヨットに突っ込んで、そのまま走り去る。凪いでいる海には、ヨットの残骸だけが漂っている。
なんど見ても複雑な思いがする。中平康監督のデビュー作にして非凡な才能を世界に知らしめた作品だとか、頭では思うのだが、太陽族というものが気に入らない(苦笑)。1956年、敗戦後高度成長がスタートして、ほんの一握りだが、富裕層が現れ、親たちから、欲しいものを全て与えられた若者たちにあるのは、モノではなく、刺激のある精神的なものが誰からも与えられないだけの受身の退屈だ。
モータボート、ヨット、水上スキー、別荘、家政婦、マイカー、その頃どれだけの日本人が享楽できたものだろうか。ほとんどの日本人は、精神的な刺激どころか、生活に必要なものが足りなかったのではないか。「草を刈る娘」が61年、「キューポラのある町」が62年、「非行少女」は63年・・・。アメリカドラマの想像もつかないような贅沢な家庭を見て憧れたように、太陽族に、屈折のないかのような石原裕次郎に熱狂した日本人たちは、戦後をどうしても終わらせたかったんだろうか。しかし、なかったことにしてしまった先達は、こんな日本を作ってしまった。ちょうど、今日の日経の夕刊に泉谷しげるのインタビューの見出しは、受け身志向の団塊世代だ(笑)。
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