午前中は赤坂のメンタルクリニック。午後から池尻のIさんのオフィスで打合せ。
シネマヴェーラ渋谷で、70年代の青春 鬱屈と混沌と。
74年日活藤田敏八監督『妹(46)』
東西線最終電車、早稲田駅のホームに降り立つ小島ねり(秋吉久美子)。白いワンピースに麦藁帽子、手にはバスケットのトランクなどを提げている。
地下道から地上への階段で、腕時計を落とす。拾って階段を昇り始めると、後ろで、天井のコンクリートが大きな音を立て崩落する。壁には、頭上注意と貼り紙がある。振り返るが、気にとめず、フラフラと地上出口を出ると、駅員がシャッターを閉める。歩き始めるが、電話ボックスの前で立ち止まり、少し考えて中に入り、どこかに電話を掛ける。鼻をつまんで電話をしているようだ。
早稲田の町を歩き、古びた一軒の店の前に立ち止まる。看板と、正面のガラス戸には、「早稲田 毎日食堂」と描いてある。ねりが戸を開けると、中は荷物が散乱し、毎日食堂と書かれた小型トラックが停めてあるが、食堂は明らかに営業している形跡はない。
流し台の前で立ち竦む兄の秋夫(林隆三)に声を掛ける。「ただいま。お兄ちゃん、あたし鎌倉から飛び出して来ちゃった」「馬鹿!」「だってお兄ちゃんに会いたかったんだもん。あいつ嫌い!一緒にいたくない!」「来る時は、電話ぐらいしろ!俺は風呂の途中だったんだ」「背中流してあげようか?」「馬鹿!」髭を剃る秋夫。ふと思いついて、生やしていた口髭を剃り落とす。秋夫が居間に戻ると、持って来た五本指の下駄を「お土産」と差し出すねり。秋夫のものと自分のペアのようだ。秋夫の顔を見て「あれ?ふーん」髭を剃ったことに気がついたねり。
「味噌汁を作ってくれないか?熱いヤツをな。味噌に黴が生えているかもしれねえぞ」味噌の壺を開けてみるねり。確かに黴が生えている。生えていないところを舐めてみるねり。味噌汁を飲みながら、一升瓶から酒をコップに注いで飲み始める秋夫。ねり欠伸をする。「ねり!もう寝ろ!俺は明日早いんだからな」涙を流すねり。
翌朝、秋夫が車を出そうとすると、一人の娘(吉田由貴子)が声を掛ける。「お兄さんですよね。私は妹の和田いづみです」「君は耕三くんの」「ええ、妹です。お姉さんに会わせて下さい。兄も一緒ですか」と中に入ろうとするいづみを押し留めて「待ってくれ。確かに妹は昨日来たが、一人だ。遅く帰ったので、まだ眠っている。それに俺は今から仕事だ、とにかく一緒に車に乗ってくれ」車を出す秋夫。商店街で掃除をしている写真屋の主人(藤原釜足)に「朝からよく働くね」声を掛けられる。写真屋の主人が通り過ぎた車を見ると、荷台にねりが乗っている。秋夫は、店の車で学生相手の小口の引越屋をやっているのだ(勿論白ナンバーだ)。
今日は昨夜遅くに電話があった、高円寺南から早稲田に引っ越す女子大生だと言うが、下宿が見つからない。途方に暮れた秋夫がトラックに戻ると、荷台からねりが覗いている。
山本ミナコ(吉田日出子)和田一夫(伊丹十三)妻(横山道代)和田研二(村野武範→武憲)和田英子(藤田弓子)やくざ(高橋明・溝口拳)
78年松竹山根成之監督『九月の空(47)』
鎌倉の朝早く、自転車に乗り牛乳配達をする小林勇(坂東正之助→四代目 河原崎権十郎)。犬に驚いて転ぶ。顔に擦り傷を作って配達を続ける勇。詰襟を着て、剣道の道具を持ち江ノ電に乗っている勇。
鎌倉西高の校門に入って行く。剣道部の部室、既に金村(深見博)が来ている。「よう!小林!!今朝は俺が一番だな。俺たちは、朝は牛乳配達、夜は道場、身体はボロボロだ。」「落ちこぼれ決定か(笑)」「今朝も糞をして、ケツを拭こうとしたら腕が痛くて届かないんだ。だから拭くのを諦めて・・・」「汚ねえな」「いや、立ち上がろうとしたら、足腰が立たなくて、立ち上がれないので、結局拭いちまったよ。わはは」「洋式の便所はいいらしいぞ」「俺の親父は朝鮮人だから洋式なんて洒落たものは、たまに新聞を読んでいると思ったら競馬新聞だからな。お前んちは洋式か?」「うちだって、金はないよ」二人は鎌倉西高校1年だ。
朝練習、2年生布施(山岡建)が「小林!お前は
亀戸待合せで、実籾の歌姫と京美人と3人でホルモン。美女二人がホルモン食べるのを肴に、ビール飲みまくり。歌姫が、新小岩のスナックで飲みたいというので、亀戸→平井→新小岩。いいなあ、西荻にもいくらでもある気もするが、新小岩ならではの渋い雰囲気。気が付くと、総武線終電で帰宅。
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