シネマヴェーラ渋谷で、東宝青春映画の輝き。
68年東宝恩地日出夫監督『めぐりあい(601)』
江藤努(黒沢年男)は、川崎にあるオリエンタル自動車で働く22才の組立工。定年前の父親順平(桑山正一)と母親きよ(菅井きん)、受験生の弟・宏(黒沢清)と妹友子(工藤富子)と一緒に、2DKの団地に住んでいる。父親は、3ヶ月で定年の筈だが、満州時代からの知人が専務なので、あと2、3年は働けると言っているが、弟の大学の学費は到底まかなえないので、努の肩に掛かって来ざるを得ない。4年前、努は進学を諦め、働き始めたのだ。明るい努でも、将来を考えると屈託がある。
今井典子(酒井和歌子)は、金井ベアリング商会に勤める18才の女事務員。数年前父を亡くした後、母親の雅子(森光子)が、保険外交員をして、典子と弟の一郎(池田秀一)を育てて来た。雅子に叔父の正二(有島一郎)がプロポーズをしたらしい。叔父は嫌いではないし、母の幸せを祈る気持ちはあるが、亡父を思うと素直になれない。
ある朝、通勤の途中、努は典子を突き飛ばして転ばせる。大丈夫と戻ってきた努の態度に、わざとらしいものを感じた典子は、努の頬を打つ。その日の昼休み、工場の食堂で、努はミスオリエンタル、石川綾子(進千賀子)の向かいの席に座る。会社が終わったら踊りに行かないか?と声を掛けるが断られる。退社時間に工場の門で待っていると、綾子が出てきたが、大卒のホワイトカラーの白井(田村亮)と一緒だ。綾子に嗤われ傷つく努。
しかたなしに、努は、仲間の工員の佐々木(当銀長太郎)松本(木波茂)吉田(木下陽夫)らに誘われて駅前の雀荘にいると、窓の下を歩く典子を見つけ追い掛ける。川崎駅で追い付いたが、「あなた、いつもああして女の子を突き飛ばして、ナンパしているの?」「いや、違うよ、怪我させたと思って心配していたんだ。」「あっ電車が来るよ。走ろう。」…「遅いなあ。行っちゃったじゃないか。」「あなたに転ばされた足が痛かったからよ…。」「名前を教えてくれるかい?」「人に名前を聞くときは、自分から名乗るものよ」「ほら」定期か社員証を出した努に、「江藤努、ありふれた名前ね。」「お前だって、今井典子、ありふれているじゃねえか。踊りに行かないか。」「今日は駄目よ。」「じゃあ明日は」「明日も駄目」「じゃあ、今度の土曜日」
おばさん(赤木春恵)部長(川辺久造)関口(丸山謙一郎)井上(峰岸隆之介)渡辺(佐田豊)前田(柴田昌宏)前田の女友だち(佐川亜梨)青線の女(深井聰子)
ほぼスッピンで、奥二重の酒井和歌子が超かわいい。笑って、怒って、泣いているだけだが、熱演。
午後から、学校2コマ。
夜は麹町で、後輩Kと、映画系のセミナー。なかなか感じ入る。
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