2009年10月19日月曜日

鈴木・川島

   午前中は、大手町のクリニックで、CT。かなりワクワクしていったのだが、腹部だけなので、あっという間に終わってしまう。

   神保町シアターで、川本三郎編 鉄道映画紀行 思ひ出は列車に乗って
  60年日活鈴木清順監督『くたばれ愚連隊(594)』
   瀬戸内海、鳴門の渦潮。淡路島、淡路松平家、六十二代当主、松平郁代(細川ちか子)が、弟で、分家の溝口勘十郎(小沢栄太郎)に話している。「遅い!!井関が東京に出て半年。まだ見つけられないのか!!何をしておる」「そんなに簡単に定夫は、見つかりませんよ。それも、頼りは背中の痣だけなんて…」「勘十郎!!分家の分際で、松平家の跡取りの定夫を呼び捨てにしたな!!不届きもの!!」「申し訳ございません。ははーっ。」
  東京、助手席の女とキスをしながら、全く前を見ないで運転する男がいる。前方に看板描きの足場があり、車は突っ込み、ペンキ屋の親方相羽大作(紀原耕)が亡くなる。相羽は、孤児たちの面倒を見ていた。兄貴分の定夫(和田浩治)、三平(亀山靖博)、シゲ(杉山元)、竹念(小沢直好)たちが、大作の娘加代子(禰津良子)を慰めながら、竹念の途中までしか覚えていないお経で、通夜を上げていると、事故を起こした極東観光の社長南条の代理人と名乗る男(土方弘)がやってきた。三万円入りの香典を出して、これで示談にしろと言う。さすがに定夫はキレて叩き返す。
   翌日、定夫は極東観光の社長室に怒鳴り込んで、南条(近藤宏)に人の命を何だと思っている!?と暴れ出した。南条の秘書の前原由紀(東美恵子)が止めようとする。結局定夫は、屈強な男子社員たちに取り押さえられた。しかし、このことで、定夫は南条から百万円の慰謝料を引き出すことに成功する。
   ティーンが大企業の社長から百万円の慰謝料を取ったと新聞記事が出ている。それを読んだ、松平郁代から定夫捜しを命じられていた弁護士の井関三四郎(高品挌)は、痣を調べようと、仕事上がりの定夫たちが通う銭湯に潜り込んだ。そして定夫の服に、郁代がかってまだ赤子だった定夫に与えた葵の御紋の入って御守りと背中の淡路島の形の痣を見つけて小躍りする。突然、若様と呼ばれ、死に別れていたと思っていた母親も淡路島で生きていると聞いて、動揺を隠せず、仲間と店の商売を思って、淡路島になんか行かないと言い張る定夫に、仲間たちは、身寄りが生きているなら会ってこいと、暖かく送り出す。仲間たちの熱い友情に目頭を熱くする貞夫。
  淡路島洲本の松平本家の座敷には、郁代により、大勢の親族が集められていた。63代目である定夫の父親が亡くなり跡取りがいなくなったことで、かって父親と淡路の料理屋の娘の交際に激怒をした郁代は、生まれた男児共々家から放逐した。その子定夫が見つかり、お披露目をするというのだ。疑心暗鬼か物見遊山か興味津津で待つ親族たち。
   そこに、井関に連れられ定夫が登場するが、素直になれない定夫。さすがに、井関がみなから偽物を連れてきたと責められるに及んで、諸肌を脱いで淡路島の形をした痣を見せる。楽しみにしていた母親はここにはいないと聞いて元気をなくすが、持ち前の明るさで、井関の娘で郁代の身の回りの世話をする和子(清水まゆみ)と松平家に新しい風を吹き込み始める。   溝口勘十郎は、郁代の弟として松平家の当主の後継にと思っていたが、跡取り定夫の登場に、淡路島を東洋のモナコにしようと企む極東観光の南條や小平(弘松三郎)たちと組んで、別荘や山林を売ってひと儲けしようと狙っていた。

  30年以上前にオールナイトで見て、実はDVDも持っているがそれ以来見たことはない。その時の印象が変わるかと言うと変わらない。訳のわからない映画ばかり撮ると日活を首になった鈴木清順作品として、裏読みをしたくなるが、日活プログラムピクチャーとしての平均的な王道映画。
  

  61年東宝川島雄三監督『特急にっぽん(595)』
   東京駅にある日本食堂の寮、特急こだまの食堂車やビュッフェに勤務する大阪支社のウェイトレスたちが泊まっている。リーダー挌の藤倉サヨ子(団令子)が、早く起きてお風呂に入りなさいと言う。ヒロ子(佐羽由子)セツ子(紅美恵子)ヨシ子(中真千子)ケイ子(柳川慶子)キミ子(芝木優子)たちは、わいわいと修学旅行のようだ。自分は風呂はいいと言うサヨ子は、何か屈託がありそうだ。視線の先に、こだま号が停まっている。食堂車にコックの矢板喜一(フランキー堺)ら三人が眠っている。突然目覚まし時計が大きな音を立て皆飛び起きる。もう8時だ。
   慌てて、喜一は、本日の点呼を受けて来ると言って、食材の受取に、日本食堂のビルに向かう。食材を運びながら、サヨ子が返事を聞きたいと声を掛けてくる。サヨ子は、死んだ父親がやっていたカマボコとチキンカツが入った“あいのこ弁当”を、喜一と二人で始めたいのだ。しかし、喜一自身は、コックとして名を挙げたいと言う気持ちが残っている。サヨ子のことは好きだが、特急列車のチーフコックになるか、もう一度一流ホテルで料理を勉強しなおしたいと思っているので、食堂の親父をやることに決心がつかないのだ。チーフコックの渡瀬政吉(森川信)は女の子たちのお尻を押して乗り込むのを手伝ってやる。
  こだまに積み込みが終わったところで、こだまのスチュワーデスの今出川有名子(白川由美)、望月みち子(横山道代)、井上さかえ(小西ルミ)、向井たか子(佐多契子)がやってくる。大坂組の戻りと違って、一等車の客にサービスをする彼女たちは東京からの勤務だ。元華族でミスこだまと騒がれている有名子を初め、垢抜けて、すました彼女たちと、働く関西娘のウエイトレスたちとは、仲が悪い。喜一は有名子に相談があると言われて鼻の下を長くする。その様子を見ていたサヨ子は気が気でならない。
   


   セットで撮影されたと思うこだまの車内で起る沢山のドラマ。ドタバタも含め楽しい。

 その後、横浜まで行き、畏兄Iさんのオフィスへ。結局飯奢って貰い、管を巻いただけだ。情けないなあ(苦笑)

0 件のコメント: