2009年9月9日水曜日

哀しい女は美しい。

  昼から、専門学校の非常勤講師で、90分3コマ。

 池袋新文芸坐で、鮮烈なる東映'50s-'70s

   63年東映東京沢島忠監督『人生劇場 飛車角(521)』
   大正中頃、前橋刑務所に杉田清七(田中春男)が入って来た。浮気をしていた妻のおきみを殺したのだが、赦してくれ!!女と言うものは信用できないと泣き叫ぶ。五月蝿いなあと、隣房の飛車角こと小山角太郎(鶴田浩二)。鉄格子の外は雪が降り始めている。
   ある雪の降る夜、飛車角は、横浜の遊廓からおとよ(佐久間良子)を連れて逃げ、深川の小金親分(加藤嘉)のもとに身を寄せた。翌日は雨の夜となった。小金一家は、深川の丈徳に殴り込むことになったが、文徳は横浜と縁続きなので、小金の弟分の芝浜の奈良平のもとに身を寄せろと使いを寄越す。飛車角は、小金への義理が立たないと、泣いて止めるおとよを振り切って、小金一家に向かう。
   男を立てさせてくれと小金と代貸の寺兼(村田英雄)に頭を下げ、自分と、小金一家の宮川健(高倉健)とおいてけ堀の熊吉(曽根晴美)を連れて、殴り込み、見事、丈徳(沢彰謙)を斬った。しかし、警官隊に追われ一軒の家の庭に逃げ込んだ。そこにいる男(月形龍之介)に、人を斬ってきたが、水を一杯貰えないかと頼む。すると、男は、訳ありだなと言って、迷惑が掛かるからと遠慮する飛車角を部屋に上げ、水を渡し、更に訪ねてきた刑事たちから庇ってくれた。男は、三州の侠客の吉良の仁吉を流れに持つ、吉良常こと太田常吉だと名乗った。この下宿はかっての主人筋の坊ちゃんで、早稲田大学で、小説を学ぶ青成瓢吉の部屋だと言う。今は少なくなった侠客の道に生きる二人は、意気投合し酒を酌み交わした。
    深夜、瓢吉(梅宮辰夫)が帰って来て、吉良常を起こす。吉良常は、飛車角を瓢吉に紹介しようとしたが、飛車角は部屋から姿を消していた。飛車角について瓢吉に説明する吉良常に、庭の奥で頭を下げる飛車角の姿がある。
    翌日、眠れぬ夜を過ごしたおとよに、奈良平からの手紙を届ける由松(潮健児)。奈良平(水島道太郎)の前で、一目おとよに会ってから、自首したいのだと頭を下げる飛車角に、兄貴分の小金のために一肌脱いでくれた飛車角に頭を下げ、おとよとの横浜のことは俺が話を通すと言い、おとよも呼んだぜと言う。抱き合う二人。一緒に逃げてと涙を流すおとよに、長くて7年、短くて5年待っていてくれと言って、 飛車角は自首し、懲役5年の判決を受け、前橋刑務所に収監された。
   
   白鉄(久地明)松造(佐藤。)浜勝吉松(潮)奈

     63年東映東京沢島忠監督『人生劇場 続飛車角(522)』
     青成瓢吉激励会という大きな看板がある料理屋の二階。「青成瓢吉くんは、日本男子としての本懐を遂げるために福島の山奥に籠って大作を書きあげる決意をしたという。文学こそ、男子一生の仕事であると言う青成くんに、乾杯!!」と友人が杯を上げる。1階で、話を聞いている吉良常は嬉しそうだ。その姿を見つけた瓢吉が飛んで行き、来てくれてありがとうと言う。必ず来てくれると信じて、僕の隣に席を用意しているという瓢吉に、「旦那が生きていたらどんなに喜んだことか・・。それよりも、上京する前に、角さんに会ってきた。ようやく出所の日が決まったようです。坊ちゃんの話をしたら、今日の会に出席したがっていました。角さんから、これを預かってきたんです。」瓢吉の手に乗せたのは、飛車角が刑務所内で作った小さな草鞋だ。瓢吉は、参加者にその草鞋を見せ、吉良常を紹介し、この草鞋は、常さんと、僕の友人である飛車角という侠客が、僕の旅立ちを祝して作ってくれたものです。彼の出所を、みなさん一緒に祝ってくれと言って乾杯をする瓢吉。
   おでんの屋台を引くおとよ。おとよに声を掛けるのは、冷鐄泉という怪しげな薬を売る香具師の煙突の坂田(長門裕之)だ。
 

   佐久間良子、美しい!! 特に、哀しい女の役では、殊更だ。男の勝手な妄想上のロマンでしかないと分っていても、沢島監督の情感たっぷりな演出に酔いしれてしまうのだ。
   紅顔の美少年の梅宮辰夫、全く別人だ。梅宮ファミリーを取り上げるときには、この時代の梅宮パパを取り上げた方がいいのではないだろうか。不良番長シリーズ以降しか知らなかった自分には、かなりのショックだ。男は40歳を過ぎたら、自分の顔に責任を持たなければならないと言っても、あんまりだ。

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