2009年6月15日月曜日

北九州市戸畑が舞台の映画を2本。

    久しぶりに惣菜を2品作る。ヒジキ煮とキンピラ。生保の転換の話を聞き、外出。

    神保町シアターで、川本三郎編昭和映画紀行 観光バスの行かない町
    50年日本映画演劇労働組合山本薩夫監督『ペン偽らず 暴力の街(344)』
    埼玉県北部の東條町、国定忠治以来の上州侠客の流れを汲むバクチ打ちの親分が、戦後民主主義国家が建設されてもいまだ町を支配する。二十年前と町の様子も変わらないようなところである。町境では、闇で食べ物を手に入れた母子が摘発されている。しかし、大型のトラックは顔バスで通っていく。東條駅前の派出所で、行李四つを運んで来た男(谷晃)に、送り状を見せろと言う巡査(世良明)。銘仙だと答えたが、中を改められ、半分は闇じゃないかと摘発された。
    数日後の夜、町内の料亭に、東條町公安委員会で連絡会会場と立て看が掛かっているが、ただの宴席だ。警察署長の泉山(奈良真養)と副署長(山口勇)検事な戸上(滝沢修)らを銘仙組合理事長の鈴鹿(清水元)らが、接待しているだけだ。東朝新聞の東條通信部に新任でやって来たばかりの若い記者の北(原保美)が、隣の記者クラブ代表の大東新聞の松野記者(伊達信)と自由新報の島脇記者(嵯峨善兵)に、今日の趣旨は公安委員会の連絡会ですよねと年を押す。前任の夏目くんとは違って君は若いからなと自由新報の記者。呑む時は呑む、書く時は書けばいいのだと言う。私は帰りますと言う北に、記者クラブの代表記者は、今晩のことは書くな、書く時は連絡しろと言う。
    翌日、町の大ボスで、町会副議長、警察後援会長の大西(三島雅夫)が東條署に現れ、泉山くんはいるかと言って署長室に入っていく。そこには、署長、副署長、記者クラブ代表の大東新聞の記者と自由新報の記者がいる。どうなっているんだと叩きつける東朝新聞の地方版には、東條町の警察と業者の癒着の記事が出ている。俺の顔に泥塗りやがって、署長をクビにしてやると脅しつける大西。記者クラブから貰ったらしい二本の一升瓶を足で机の下に隠す松野は東朝が協定破りをしたのだと弁解する。署長室から東朝新聞の北に電話をする大西。最初は脅しつけるが、通じなかったようで、一度ゆっくり話をしようと言う。
    東條町簡易裁判所新庁舎の落成パーティーが庁舎前で開かれている。戸山検事は、町会副議長で、警察後援会長の大西のお蔭だと持ち上げる。大西も得意気だ。大西が北の姿を見つけ、鈴鹿に耳打ちする。鈴鹿は迷惑を掛けたと一言詫びて貰えばいいと言うが、北は謝る気はないし、町の不正とは断固追及するという。北を殴る大西。検事の戸山は、見ないふりをして消える。誰も止めようとする人間はおらず、大西は、総理大臣の前だろうが、県会議長の前だろうが、殴ってやると吠える。


    シネマート六本木で、羽住英一郎監督『おっぱいバレー(345)』
     海沿いの町、中学生の5人のグループが、自転車を漕ぎながら片手を広げている。平田育夫(木村遼希)、楠木靖男(高橋賢人)、杉浦健吾(本庄正季)、江口拓(恵隆一郎)、岩崎耕平(吉原拓弥)。どうも風に寄っておっぱいの触感を疑似体験しようとしているようだが、杉浦が時速80キロでないと駄目だと言う。平田と、楠木が、改装した自転車で急坂を下る。かなりのスピードが出て、こんな感じかと言ってブレーキを懸けるが全く効かず、絶叫しながら、断崖絶壁を飛び出す二人。
     北九州市戸畑第三中学校の朝礼。例のグループが絆創膏だらけで、60キロだとAカップ、80キロだとBカップ、100キロだと…と全く下らない会話に夢中だ。校長が、新任の教師を紹介する。寺嶋美香子(綾瀬はるか)が登壇する。国語の教師だと自己紹介し、この学校の図書室に行ったら、一番好きな本があったと言って、立原道造の「道程」の話をし始める。馬鹿男子たちは、美香子の道程が好きだと言う言葉に異常に反応する。興奮し過ぎた江口が鼻血を出し、周りの女子は悲鳴を上げて飛び退き、朝礼は大混乱になった。
   職員室に戻りながら、美香子が教頭(光石研)に謝っている。教頭が美香子に、先生!部活の顧問もお願いしたいのですが、男子バレーボール部の顧問がいないのでお願いしますと言う。深く考えずに頑張りますと答える美香子。周囲の若い男子教諭の堀内(青木崇高)たちが、えっ、という表情になっているので、何か事情がありそうだ。

   シネマヴェーラ渋谷で、神代辰巳レトロスペクティブ
    75年東京映画神代辰巳監督『櫛の火(346)』

    79年東宝神代辰巳監督『遠い明日(347)』
    多川明(三浦友和)が、ピンク電話で友達と話している。母親が再婚することになって初めて、交通事故で死んだと教えられていた実父が、殺人犯として生きていると教えられた。だから、どんな親父なのか、今から北九州に行ってみようと思っていると思っていると告げたところで切れた。隣で電話していた娘に、医者の息子と殺人犯の息子どっちがいい?と尋ねる。殺人犯の息子と答える娘。
    函館を発ち、青函連絡船から国鉄に乗り換え、北九州に着く。市立図書館に行き、昭和35年頃の古い新聞で、出来るだけこのあたり地元の事件が載っている新聞を見たいと尋ねると、係員は、市民以外には貸し出ししていないと言うが、自分が見ていればいいと付け加えた。その小林(森川正太)のネチっこい視線に気持ちが悪く、図書館を飛び出すと、当時の北九州新聞のファイルを持って追い掛けてくる。戸畑という街で殺人事件があり、多川蓮三が犯人として逮捕されたと言う記事を見つけ、これでないかと言う。何かと明の身体に触りたがる小林は、献身的に、事件の目撃者を探し出しては教えてくれる。
    まずは、殺人現場のアパートの一階で時計の修理屋をやっている沼田万造(殿山泰司)を尋ねる。蓮三の息子だと言うと、多川蓮三は、地元の戸畑造船から大阪造船に引き抜かれて、大阪に向かおうとしたのを、逃げようとしたと思われ、駅前で逮捕されたのだ。事件が起きた時は、自転車で逃げる男の後ろ姿は見たが、顔など暗くて見えなかったと言っても、その後に原田良枝(宮下順子)と黒田が擦れ違って、逃げる蓮三を見たと証言してからは、全く自分の話が採用されなくなり疑問に思っていると語ってくれた。また、当時、蓮三の弁護士だった河原崎と、凶器などに疑問を持って色々調べていた警察官の斎藤なら、詳しい話を聞けるだろうと教えてくれた。斉藤は、この事件に深入りしたために警察をクビになったと、飲み屋でいつも飲んだくれていたと言う。
    小林がシュークリームを持って、明が泊まる宿にやってきた。

   凄いなあ。北九州市、戸畑を舞台にした映画を偶然に2本。「おっぱいバレー」が1979年の設定、「遠い明日」が公開当時の設定だとすると、公開1979年。まあ、殺人事件は、19年前の1960年の設定だが、三浦友和と綾瀬はるかが同じ時代に擦れ違っていたかもしれない設定だ(笑)。その時、友和が美香子先生に会って恋に落ちていたら、百恵と結婚していなかったのだろうか。まあ、綾瀬はるかも山口百恵も同じホリプロだから、事務所的には行って来いだ。

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