翌日登校すると、
その夜、担任の山崎(佐藤友美)の下宿に杉山教頭が来ている。教頭は、
井上の退学と寄付金の撤回運動は、
進藤と和子は、校長室に行き、
荒木と井上は、
学校の講堂で、和子の学校葬が行われている。理事長は、娘の死は、この学校を愛してのことだが、私もこの学校を愛していると言う。嘘だと言って、井上が講堂を出ていく。私が、この学校を愛していることを信じられないものは、この講堂から出て行けと言う理事長。和子の妹、元子が立ち上がり、講堂を出ていく。一人、また一人と講堂を後にする生徒たち。半分以上の生徒たちが、講堂を後にした。焼けてしまった廃船を見つめている荒木。
テレビドラマ「おれは男だ」は、91年の放送だったんだな。とにかく剣道のさわやか一筋の高校生役で、一躍お茶の間の人気者になる前の森田健作が、こんな苦み走った不良少年をやっていたなんて。生涯青春バカだと思っていた不明を恥じる。少し森田健作を見直したと言うか・・・(笑)70年安保の時代の高校の空気を取り入れながら、バンカラ青春ものという不思議な手触りの映画だ。自分には、お母さん役のイメージしかない武原英子がデビューで、ちょっと奥行きのある優等生で、女子学級委員萌えする。
73年松竹大船『藍より青く(42)』。太平洋戦争も敗色濃くなった昭和19年1月、天草の漁村遠見ヶ浦、冬の海に浜島に向けて泳ぎだす6人の若者があった。江田島の海軍兵学校から一時帰宅した?が、村一番の娘、郵便局で働く18歳の田宮真紀(松坂慶子)を嫁にしようと思っていると聞いた若衆宿の仲間たちが、彼女と相思相愛の網本の長男の村上周一(大和田伸也)のために、酔ってからんだことから遠泳競争することになったのだ。漁労長の鯵河(田中邦衛)と真紀たちは、船を出し、若者たちを引き上げたが、周一は最後まで泳いでいた。
真紀の父親の国民学校の校長田宮行義(三國連太郎)は、厳格で娘が村の男たちと話すことも許さない。しかし、若い二人は、周一は朝漁から帰って一休みをし、真紀は郵便局の昼休みを利用して、海を見下ろす丘の上で、語り合うのだった。周一を含め村の若者は、徴兵検査を受け、結核の明を除いて甲種合格になった。純粋な周一は、半年後に入隊することが決まっているのに真紀と結婚することは不誠実だと頑なに思っていた。しかし、真紀のまっすぐな気持ちに徐々に、応えたいと思い始める。
周一の両親、周造(佐野浅夫)とキク(赤木春江)は、漁労長の鯵河を仲立ちに立て行義に、真紀を周一の嫁に欲しいと申し入れる。しかし、行義はけんもほろろで鯵河を追い返す。自分に断りもなしに、行動したことを周一は怒るが、周造は自分もキクの嫁取りは周囲の反対を押し切ったのだと言い、男は時に、自分の意思を貫くことも必要だと諭した。周一は、真紀を誘拐して若衆宿に立て籠ると決意し、仲間たちも手伝うことになったが、真紀は戦死の公報を配達する途中で、周一たちは意気消沈して計画は流れる。葬式が行われている。焼香した行義は、長男を亡くしたお悔やみを両親に告げる。しかし父親(浜村純)は、出征する時に校長が「国のため、己のため、自分を捨てることが男子の本懐だ。立派に死んでこい」と送辞した通りのことをしたので、悲しくはないと言う。祖母は、これは騙しだ。大和魂に騙されて孫は討ち死にしたのだと呟く。周囲の冷たい視線に、行義は言葉を失い、泥酔して帰宅した。
翌日、キクが行義のもとを訪れる。頭を下げるキクに、結婚を認めるが、田宮家は娘二人なので長女の真紀と結婚するには入り婿しろと条件をつける。周一は、弟の幸治(尾藤イサオ)が家を継げばいいではないかと言うが、周造とキクは網元の長男が他家に婿入りすることは絶対認められないと言うのだった。
翌朝、真紀は行義を起こし、自分は周一の子を妊娠していると言って家出をした。妹の嘉恵(千景みつる)は、行義に姉の居場所は知っているが、結婚を認めなければ教えないと言う。行義は、娘の妊娠に取り乱すが、住職(殿山泰司)が真紀に入れ知恵したことを知り、遂には全てを許すと言う。若衆宿に駆け込んだ嘉恵に行義の承諾を伝えられた周一は真紀を迎えに行く。真紀は隣町の旅館を手伝っていた。その町には、海軍がいる。行進している兵士たち。船員たちが、輸送船に乗って外海に出た途端沈没させられ皆戦死だと言っている。憲兵も彼らの話を止めさせることもできなくなったいる。思いつめた表情の周一。
田宮家で結納が執り行われた。酔った行義は、周一に絶対真紀を不幸にしないと誓えと迫る。周一は、数ヶ月後の出征を考えると誓うことはできない。何も言わない周一に行義も周造も激怒する。周一は結納の席から逃走した。その夜、海は大きく荒れた。沖の刺し網が心配だと周一は、大時化の中伝間船を一人で漕ぎだした。話を聞いて、船を出そうとする仲間たちに、周造は、この嵐の中、船を出すことは死を意味することだ、そんなことも分からないのかと一喝する。夜村上家を訪ねる行義。周造は、漕ぎ手たちに周囲の港を見に行ってもらっていると言う。彼らが帰ってくるが何の話もない。もう一度出ようとする彼らに、もういいので寝てくれと言う。キクは、真紀にこんなことで死ぬような息子には育ててはいないと言う。行義は、真紀に、お前はもう村上家の嫁のようなものだからここで周一を待てと言って、嵐の中自宅に帰っていった。
村上家は一睡もせずに朝を迎える。嵐は止んでいる。真紀が周一の船の音がする、帰ってきたと言って港に走り出す。周造は、周一は伝間船を漕いでいったのだからエンジンの音では違うと冷静に言うが、村のみなが港に走り出した。漁労長の鯵河が、若い衆が船を出すと聞かなかったんだと、網元の周造に頭を下げた。周一は、刺し網を担いで下りてきた。真紀は、周一にどんなことがあっても、私は不幸にはならないと言う。強くうなずく周一。父親に祝言の日は決まったなと言う。キクは、こんな時節でも、天草中の芸者を上げて、盛大に祝言を挙げると言う。若い衆は歓声を上げた。天草の海は静けさを取り戻している。
NHK朝の連続テレビ小説の映画化だ。キャスティングは、大和田伸也がドラマと一緒なものの、真紀を、真木洋子から松坂慶子に変わっている。それだけが原因ではないと思うが、興行的には失敗だったという話は、周一と真紀の結婚が決まるまでのエンディングを見れば、続編を作るつもりだったろうと推察できる。しかし、いい出来だと思う。森崎東が人情譚だけでないことを証明した映画だ。しかし、松坂慶子のイメージが役者として、71年頃の大映時代の「夜の診察室」のナース姿や岡崎友紀主演ドラマの「奥さまは18歳」のヒール役から、79年のドラマ主題歌「愛の水中花」でのバニーガール姿で歌っているところまで飛ぶので、こんな可憐で可愛い女優だったという認識はなかった。不明を恥じるというか、もったいないことをしたという感じ(苦笑)。Wikiのプロフィールからも落ちているんだなあ。本当にもったいない。もったいない。
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