2009年1月9日金曜日

職安に行き、不景気風邪をひく。

   朝一で、西新宿の職安。そこから大門の睡眠クリニック。
   渋谷シネマヴェーラで官能の帝国ロマンポルノ再入門277年日活神代辰巳監督『壇の浦夜枕合戦記(13)』。奢れる平家は久しからずや。平清盛(小松方正)は、あまりに人の道を外れた行いをした報いか、原因不明の熱病にかかり、源頼朝義経の兄弟を助けたことを後悔しながら死ぬ。屋島での戦いで、まだ幼い安徳帝は母である皇后建礼門院(渡辺とも子)と共に瀬戸内海に身を投じたが、建礼門院は源義経の手の者に捕らえられた。生き残った女官たちには、地獄が待っていた。源氏の田舎侍の慰み者になり、人買い(三谷昇)に売り渡され、女郎としての身の上を過ごすだろう者も。建礼門院とて、懸想する義経(風間杜夫)に言い寄られ続ける。しかし、最後には平惟盛の助命の為、身を任せる。しかし、禁裏しか知らない建礼門院には、体験したことのない女の喜びが待っていた。
  神代辰巳監督が、頼山陽が書いたと言われる春本を原作として、『四畳半襖の裏貼り』に続く春本シリーズとしてオリジナル脚本で撮り、企画段階から大型企画として話題になった。確か脚本を手に入れて読んだ記憶も、当時の自分は大満足だったが、少しは年も取ったので、細かい所で気になる部分もあった。しかし、やはり、限られた製作予算の中で(と言ってもロマンポルノとしては破格な製作費を売りにしていたと思うが)、かなり頑張っている。やはり清盛を小松方正、義経を風間杜夫を起用した点で救われている。風間杜夫も、まだブレイク前で、他にもロマンポルノには出演しているが、何だか怪しい義経を好演、というより怪演か(苦笑)。
  72年日活村川透監督『白い指の戯れ(14)』。電機工場で働くユキ(伊佐山ひろ子)は、渋谷の喫茶店から外を見ている。事故でぺしゃんこになった車がレッカーで引かれていくのを見て涙ぐむ。二郎(谷本一)が「君は感度がよさそうだな」と露骨な言い方で声を掛けてくる。不愉快そうな顔をするが、二郎と一緒に店を出るユキ。 大きな本屋に行くと、二郎はカバンに高そうな美術書を万引きする。洋子(石堂洋子)が寄ってきて、二郎にユキのことを新しい女かと尋ねる。二郎とユキは店を出るが、好きな女とは2度目に会った時に抱くものだと呟いて再会を約束してユキと別れる二郎。洋子の部屋で、二郎と洋子が濃厚なSEXをしている。次の休みに、喫茶店に行くと、洋子に叩かれる二郎の姿がある。ユキに、君のせいで別れたんだと言う二郎。ユキは二郎の部屋に付いていき、処女を失う。しかし、二郎は窃盗で逮捕され一年は刑務所に入らなければならなくなった。ユキが何度警察に面会に行っても会わせてくれない。
   ユキは会社を辞めてしまった。住処が亡くなって困っていると、洋子が自分の部屋に来いと言う。途中何があっても黙っていろと言われると、洋子はエレベーターの中で、財布を掏る。彼女は掏摸だった。洋子は部屋でユキに迫ってくるバイセクシャルだ。受け入れるユキ。
  ある時、タク(荒木一郎)がユキに声を掛けてくる。刑務所で二郎と一緒で、ユキのことを聞いたんだという。タクに惹かれていくユキ。八王子まで行き、タクのスリグループは、銀行でお金を下した男から三百万を盗む。ユキはそのスリルの虜になった。タクは自分の隠れ家に連れて行き、ジャケットの内ポケットから財布を抜く手順を教えて、自分で練習しろと言って消える。何日も帰ってこないタクを待ちながらスリの練習をしていたユキだが、空腹に耐えかねて喫茶店に行き、サンドイッチを奢ってもらう。そこにいた洋子に、タクにとって女は道具にしか過ぎないと言われるが、久しぶりに現れたタクは、スリ仲間にユキを抱かせるような男だが、ユキは離れない。
  久しぶりに旅に出ると聞いて、ユキはうれしい。嬉しくなって、本屋で旅行ガイドを万引きしてしまう。公園で見ていると、男(粟津號)が話しかけてくる。彼氏に連れられて旅行に行くと話すユキ。実は男は刑事だった。そろそろタクたちのグループが動き始めると報告する。ユキは、タクに連れられて、仲間たちが集まるアジトに行くと洋子もいる。バブルバスにして、皆、全裸で踊りまくる。
  実行の日、集合場所の上野駅に向かうタクとユキに刑事の尾行がついている。刑事の顔を見てユキは驚く、公園で話しかけてきた男だった。自分がみんなしゃべってしまったと謝るユキ。タクは刑事に、女を騙すなんて最低だと言って、消える。ユキは、デパートで服を万引きする。歩いているとタクが声をかける。タクが刑事たちに勝ったと喜ぶユキ。タクとユキは、一人の男を尾行し、バスの中で財布を掏る。男は下車する直前に気がつき、タクにお前が盗んだだろうと迫る。しかし、タクは財布を掏るなりユキに渡しているので、もちろん男がいくらタクの体を探しても出てこない。運転手は、交番に向かうと言った。不安そうにタクを見ていたユキが、不意に立ち上がり、男に近づき、掏ったのは自分だと言って、ハンドバックから男の財布を取り出した。バスを降りて、運転手と被害者の男と三人で交番に連れられていくユキ。数日後、タクが横断歩道を渡っていると、いつかの刑事に会う。いつかの女の子はどうしていますかと聞くタク。まだ、自分ひとりでやったと言い張っているよと言う刑事。今度出てきたときには大事にしてやりますよと言うタク。刑事と別れて、笑うタク。
  ロマンポルノの中でも、傑作との呼び声は高いが、個人的には昔見た時から、その評価には、何か引っかかっている。勿論、スクリーンデビューの伊佐山ひろ子は、スタイル、キャラクターともに最高だが、いかんせん、演技経験のなさが目立ち、セリフも棒読み。その後の成長を見ても、素晴らしい原石だったことはわかるし、大好きな女優の一人なのだが・・・。荒木一郎も、中島貞夫の映画に比べて、そんなにエッジが効いているとは思えない。まあ、オッと思わせるカットは随所にあって、村川透のセンスをうかがわせてはいるのだが・・・。
   早起きして、職安に行ったせいなのか、昼過ぎから咳が出始め、夕方にはダルくてたまらなくなり、もう一本見ようと思っていたのをやめて帰ることに。医者に寄って、インフルエンザではないことだけは確認し、咽喉の炎症抑える薬やら、葛根湯やら処方してもらって帰宅。不思議と食欲は落ちず(笑)、家で食べるだけ食べて、早く寝ることにする。

0 件のコメント: