2008年12月28日日曜日

何だか師走感ない侘しさよ

     渋谷シネマヴェーラで官能の帝国ロマンポルノ再入門2
     73年日活曽根中生監督『不良少女 野良猫の性春(386)』。河内赤坂村の鳩子(片桐夕子)は、東京に家出してきた。新宿で若い男にパンストを買って貰い回転寿司を奢って貰った所を、スーツ姿のゴマメという男に付いて行くと危ないと言われる。しかし、ゴマメ(江角英明)も、ワイがお前のPTAになったると言う割に、部屋に連れ込むと襲いかかる。鳩子は、こんな話やったと思っとったといいながら、おっちゃんのことが好きやからええでと言う。しかし二人がSEXをしていると、ゴマメの仲間で、ストリッパーのヒモをしているプロ(木夏衛)とベッド(三都徹)も加わる。その晩、四人はすき焼きを囲んでいる。ゴマメは大阪の佃煮屋の婿養子だったが蒸発、プロは2軍の野球選手、ベッドはイタリアンベッドのセールスマンだった。
   翌朝、鳩子のハンドバックから金を抜き取り、新宿の街に、鳩子に靴を買ってやる。財布をなくした自分にお金をだしてくれると思い込んだ鳩子は大喜びだ。馬券を買うが、北栄会の松田(高橋明)に借金の形に取り上げられる。スケコマシのテクニックとして、女は三日間放置するというゴマメの信念がある。寂しく過ごした鳩子は、ゴマメが戻ってきたことがうれしく、働きに出るという。金になると言って、トルコで働かせるゴマメ。トルコの最初の客は、北栄会の松田の舎弟の五郎(沢田情児)だ。ゴマメは、鳩子に給料の前借りをさせて北栄会への借金を返そうと思ったが、断られたという鳩子。松田はゴマメを痛めつけるが金はない。松田は五郎に、ゴマメのスケを連れて来いと命じる。松田に乱暴される鳩子。鳩子は、こういうのを女の転落というんでしょうねと言う。少し前に読んだ週刊誌の記事だ。しかし、そのあと、鳩子は、松田の舎弟の五郎(沢田情児)の部屋についていく。事が終わった後、五郎に「五郎いのち」と刺青を入れてくれと頼まれ承諾する鳩子。五郎は松田に鳩子をくれと頼みに行く。冗談じゃないと言う松田をナイフを持って追いかける五郎。しかし、五郎は車にはねられ即死する。
   数年が経った。ゴマメは、プロから千葉から船橋を回っている時に、芝居をしている鳩子を見かけたという話を聞き、千葉の茂原に行く。紅団という劇団は、トラックで回りながら、街中で半裸でパフォーマンスをしたり、白塗り軍服姿の石原莞爾がでてくるようなアングラ劇団だ。団長の順子は、四国の道後温泉で半病人になっている鳩子を助けたのだ。四国でキャバレーに売られてから、ヌードスタジオ、温泉芸者と堕ちていったとゴマメに話す鳩子。劇団に残るので、近くの駅までゴマメを送っていくと言う鳩子。しかし、街を歩いているときに、犬に吠えられ、警官を見かけると、鳩子の手を引いて、逃げ出してしまうゴマメ。ビルの屋上に逃げる二人。下には、何台ものパトカーが止まり包囲される。鳩子の気を引きたくて、飛び降りるふりをするゴマメ。しかし、団長の順子の声を聞いて、鳩子はゴマメの手を離してしまう。「ワイ、死にとうないんや~」と叫びながら落ちていくゴマメ。  
   曽根中生らしい、優柔不断でだらしない男と、性に奔放でたくましい女の猥雑な話。母のように愚かだが自分の全てを受け止めてくれる女というのは、男のロマンというか幻想ではないのか。しかし、そのぬるま湯はあまりに心地よい。曽根中生らしい男のファンタジー。
     81年日活根岸吉太郎監督『女教師 汚れた放課後(387)』。都立高校教師の倉田咲子(風祭ゆき)は、恋人の小沢(小池雄介)とベッドにいる時に、渋谷警察署から、担任ではない女子生徒野本スエ子(太田あや子)の引受人として来て欲しいとの電話を受ける。スエ子は、シンナーを吸うフーテンたちに混じって捕まったのだ。また彼女は見知らぬ男たちと頻繁にホテルに行っているらしい。売春はしていないと言うスエ子。スエ子は、大手商社でOLをしている姉トモ子(鹿沼エリ)の部屋に、スーパーのレジ打ちのパートをしている母サチ(藤ひろ子)と居候をしている。姉は、自分の人生もあるので、早く他のアパートを借りて出て行ってくれと言う。
  スエ子の担任の山川(粟津號)にスエ子のことを聞く咲子。最近秋田から転校してきたスエ子は成績優秀だが、父親がかって教育実習に来た女子大生を強姦したことで逮捕、両親は離婚し。東京にいる姉を頼って母親と上京した、不幸な身の上だとの説明を受ける。咲子は、かって秋田の山中の中学に教育実習に行った際に、ストッキングで顔を隠した男に強姦された記憶が蘇る。その時、シンナーの匂いがしているということで、スエ子の父、野本末吉(三谷昇)を犯人だと指摘したのだ。
   そのことと、スエ子が関係あるのかと思い、東京タワーでスエ子に会う咲子。スエ子から結局真犯人は別にいたのだと言われ、秋田警察に電話して真実を知る咲子。真犯人は、咲子の事件で味をしめて未遂事件を起こして逮捕されたのだ。無実の人間の人生を狂わせたのだと思い落ち込む咲子。恋人の小沢に秋田の事件を含めて告白する。しかし、小沢は、この事実を一緒に背負うのは嫌だという。結局肉体だけの関係だったのだ。
   咲子は、清掃夫をしている末吉を探し、謝罪し金を渡す。末吉は、一度は断るが、どうしてもと頭を下げ続ける咲子に金を受け取る。安居酒屋で酒を飲む二人。末吉は、お互い被害者だから気にするなと言う。しかし、問わず語りに、その後の人生を語りだす。真犯人が捕まり釈放されたが、小さな鉱山の町では、犯罪者の娘と言われてスエ子は、他人とのコミニュケーションをうまく出来なくなったのだ。翌日、スエ子は咲子を呼び出し、金を返す。別に恨んでいるわけではないし、咲子が自分と似ているような気がして、唯一本心を話できる人間なのだと言う。
   末吉がいなくなった。残り物のシンナーを集めて吸っていたことがばれて清掃夫を首になったのだ。咲子が渋谷を歩いていると、やくざの頭を石で殴りつける末吉がいる。末吉を連れて逃げ出す咲子。上野駅から列車に乗った二人だが、途中急に、末吉の具合が悪くなる。海岸沿いの旅館にタクシーが着きスエ子が降りる。身体がかなり弱って、寝ている末吉。どこに行きたいのかと聞くと、以前来たこの旅館の思い出を語ったので連れてきたのだという咲子。そこでは、旅芸人の一座が舞台に上がっている。徐々に体調を回復し、舞台上でドンパン節を歌う末吉。その夜、一座と酒を酌み交わす末吉、咲子、スエ子。明日で、常磐ハワイアンセンターへ行くという。翌朝早く、末吉が部屋を出ていく気配に、咲子が後をつけると、海岸で首をくくろうとする末吉。死なせてくれというので、隣で咲子も首に縄をかける、いきなり縄を吊った木が折れ、下に落ちる末吉。末吉を抱きしめる咲子。いつの間にか二人は抱き合い、関係を持っている。それを見ていたスエ子は、旅芝居の役者に抱かれた。初めて快感を覚えるスエ子。
  東京で、スエ子からの手紙を読んでいる咲子。末吉親子は、旅芸人の一座に同行している。末吉は、シンナーを止められたようだ。しばらくの間休学して、この生活を続けると書いてあった。手紙を仕舞い、歩き始める咲子。「寒い」とつぶやく・・・。
   田中陽造の脚本を得て、根岸吉太郎の名前を確実なものにした作品。にっかつロマンポルノ(日活からにっかつに社名が変わっていた)の後期の名作。セックスによる心の救済がテーマだと言われるが、今にも通じる永遠のテーマ。風祭ゆきよかったなあ。
  83年日活小沼勝監督『縄と乳房(388)』
   京都のストリップ小屋。SMの女王黛小夜(松川ナミ)公演最終日の看板が出ている。小夜はイサオ(田山涼成)との2人でSMショーで全国のストリップ劇場を回っていたが、小夜は次の金沢を最後に
足を洗うと言っている。公私ともパートナーだった2人だが、最近どちらもしっくり行かないのだ。翌日京都観光で、清水などを回るが喧嘩ばかりだ。
   あるやくざの紹介で、金沢行きを1日延ばして多額のギャラのSM愛好家の座敷に呼ばれる。嵯峨駅から歩くと本当に大きなお屋敷だ。出迎えたのは、着物の似合う京美人の妙子(志麻いずみ)、彼女の夫の川村建造(仙波和之)は、京大の大学院にいた時に妙子の父親に気に入られ、入婿となり、京友禅の元締めのような仕事をしている。川村に仕込まれ、二人は金にあかせて、地下に拷問部屋を作るようなハードマニアだ。二人の前でショーを始める小夜とイサオだが、妙子は全く物足りないという。小夜のプロとしてのプライドが燃え上がる。地獄のような一夜が始まった。嵐山の渡来橋近くの河原で、傷や痣だらけの小夜とイサオ。しかし、二人で旅を続けようという小夜。イサオもうれしそうに頷いた。
   新宿ピカデリーで『地球が静止する日(389)』。
地球外微生物学教授のヘレン(ジェニファー・コネリー)は授業が終わって、直ぐに帰宅、家には亡くなった夫の連れ子のジェウイコブがいる。ジェイコブが今でも死んだ父親の話をするのが、ヘレンには複雑な心境だ。その日も、ゲームを止めさせ、晩御飯を食べさせる事に苦労していた。そこに電話が入り、緊急事態が起き出頭しろとの電話が入る。家の外の物々しい一群は有無を言わせずに、ヘレンを連れていく。ジェイコブは隣家にあずかって貰う。
   厳重な警備の中、集められるヘレンはじめ科学者たち。NASAの説明は、秒速3万Kで何かの物体が地球に激突するという。その物体の質量とスピードは地球全体を破壊する。隠し持った携帯でヘレンはジェイコブに電話をかけるが、地下室に入っていろというしかない。物体は、マンハッタンのワシントンパークに落ちた。実際は、巨大な球体が軟着陸したのだ。放射能保護服を着て球体に近づく科学者と、軍隊、警察、あまりの事態に命令系統も混乱している。ヘレンの前に、一人の人間のシルエットのようなものが現れる。平和的な交流をしようと手を出すヘレン。しかし、銃撃されたエイリアンは倒れ、飛び散った赤い鮮血のようなものがヘレンの保護服に飛び散る。突然巨大な人間型のロボットのようなものが、通信、武器、一切の機能を停止させる。倒れたエイリアンがロボットに語りかけると元に戻る。一方的に侵略する意図はないようだ。
   急きょ、エイリアンは収容され、治療をされることに。執刀した医師は驚く。覆っているクラゲのようなゼラチン状のものの中に、人間と同じ構造をもったものがあるのだ。銃弾を取り出し、縫合する。DNAの解析によると、3種類のDNAによって構成されているが、基本的には地球で活動するために、地球人のDNAを採取して作り上げられたもののようだ。果たして、このエイリアンが地球にやってきた目的は?!
   表情に乏しく人間味にかけるキアヌ・リーブスの顔がエイリアン役にぴったり。21世紀版のノアの方舟はアイロニーだが、人間は変われるのかというと変われないだろうなと自分は思ってしまうな。どんどん盛り上げて、煽っていくテンポの割には、愛は地球を救う結末が少し端折りすぎな気がするが。
    高田馬場の四谷天窓で、実籾の歌姫小笠原愛のライブ。以前自分企画飲み会に来てくれたデザイナーのNさんがいる。HPで調べて来てくれたのだ言う。一緒に仕事をした時も思っていたが、いい人だなあNさん。更に、家まで車で送ってもらった。

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