2008年12月11日木曜日

竹田かほり初々しかったなあ。

   午前中は溜まった本を読みながら居眠りし、午後から、神保町シアターで女優・山田五十鈴
56年東宝成瀬巳喜男監督『流れる(353)』。柳橋の芸者置屋つたの屋の女将おつた(山田五十鈴)は、娘の勝代(高峰秀子)を女手一つで育て上げたが、勝代は一座お座敷に上がったものの男に上手いことを言えず芸者を辞めている。また、つるの屋には、娘を連れて転がり込んだ妹の居候の米子(中北千枝子)や、給金に文句をつけて、勝代との口喧嘩の末出て行ったなみ江(泉千代)など頭を痛めることが多い。そこに職業紹介所から、女中として梨花(田中絹代)がやってくる。梨花と言う名前が呼びづらいので、おつまにお春さんとされてしまうが、文句一つ言わずよく働く梨花。
    千葉の鋸山で石工をしているなみ江の叔父(宮口精二)が、人権蹂躙だと金を強請にくる。しかし、つるの屋は、姉のおとよ(賀原夏子)への借金のかたになっており、つたには金はない。おとよは月末になると取立につるの屋にやってくる。製鉄所の専務がつたに気があるのをいいことに、金銭面の援助をさせようと、見合いをさせたりする。見合いの場所に、芸者時代の姉貴分だった料理屋水野の女将お浜(栗島すみ子)が居合わせて逃げ出すつた。改めてお浜を訪ね、借金の依頼をする。お浜は、甥の水野(仲谷昇)が秘書をしている、つたのかっての旦那花山に取り計らって、10万円用意してくれた。
   なみ江の叔父が再び現れ、つたは5万円でなんとか示談にしようとして、家に上げ飲食させたりするが、なかなか了承しない。ある日、米子の娘が熱を出す。全く面倒を見ようとせず、梨花におしつけたまま。別れた夫(加東大介)を探し歩く米子。芸者のなな子(岡田茉莉子)はOL上がり、かっての上司から誘われてウキウキ出掛けるが、下心だけの男に幻滅して帰ってくる。つたの妹分だった年増芸者の染香(杉村春子)は、吝嗇で、10歳年下の男と同棲し貢いでいる。結局、女中のお春が全て按配することで回っているのだ。お浜から、花山を呼ぶので、久し振りに会えと言われ、待ち続けるおつた。しかし、水野一人が現れ、花山はどうしても来られないと言う。華やいだ気分が一気に冷めるおつた。
   なみ江の叔父の余りのしつこさに米子が巡査を呼んだことで、つたと勝代は警察に呼ばれることに。水野のお陰で、示談にはなったが、つたは、お浜につるの屋を売ることにする。その金で姉おとよへの借金を返して、芸者に戻ることにしたのだ。お浜は快諾するものの、かっての10万円は、花山からの手切れ金だと明かす。おつたは、男も引退ということなのだと寂しげに微笑む。染香は情夫から捨てられ、そのやり取りの中で、花代の分配について口喧嘩となる。勝代も口を出し、最後は男なしに女は生きていけっこないと言って、染香はなな子を連れてつたの屋を出て行く。
つたは新しい芸者見習いを入れ三味線の稽古をつけている。2階では勝代がミシンをかけている。自分で収入を得ることにしたのだ。染香がやはりつたの屋がいいと戻ってきた。しかし、梨花は、お浜に、つたの屋を閉めて料理屋の支店にするので女将をやらないかと言われ断っていたのだ。他言無用の約束を守りながら、つたの屋の人々を温かいまなざしで見つめる梨花。勝代に、ずっといて欲しいと言われると寂しそうに、夫の故郷に戻ると告げるのだ。
  この年の女優賞を総なめにしたという山田五十鈴は勿論だが、栗島すみ子、田中絹代、杉村春子といったベテランの大物から、高峰秀子、岡田茉莉子といった当時の若手まで、大女優や将来の大女優たちの演技は素晴らしいというしか無い。溜息がでるようなやりとりの連続だ。しかし、熱演というのが、別に力が入った暑苦しい演技でないことを教えられる。
  流石に傑作と言われるだけあって、普段の3倍以上の観客。初めての客が多いせいか、ちょっと説明の必要があるルールに、少し殺気立つチケット売り場と入場整理(笑)。自分も含め中高年頑固で自己チューだからなあ(苦笑)。
阿佐ヶ谷ラピュタで山下耕作ノ世界、77年東映京都『ピラニア軍団 ダボシャツの天(354)』。
  昭和53年冬、阪神刑務所を上方会の会長が出所してくる。凄い数の出迎えと共にいなくなると、刑務所の塀に立ち小便をしている男がいる。刑吏に注意をされ、ハクをつけたいので刑務所に入れてくれという。松田天、通称ダボシャツの天(川谷拓三)、通天閣のように、天まで真っ直ぐ伸びろと死んだ母親が付けてくれた。不良学生がかつあげしていると、大市組のチンビラが金を取り上げる。そこに天が現れ、大市組のシマでかってな真似はさせないと言う。しかし、チンビラの兄貴分の花本が出てきて天はボコボコだ。しかし後白河錦三、通称まむしの錦三の兄貴(夏八木勲)がやってきて、金を巻き上げてっちりをご馳走してくれた。
   天は錦三に何とか上方会の組員にしてもらうよう必死なのだ。錦三は、阿倍野の旭町にトルコを開くので、女を集めて来いと言う。天は、全く女に弱く痴漢に間違えられてブタ箱入りする始末。天王寺動物園の前でシンバルモンキーを売る天。全く売れないが、家出少女を見つける。奈良の十津川から出てきたナツ(竹田かほり)だ。彼女を錦三のもとに連れて行く。トルコ嬢としての身体検査として、金造にやられそうになった時に、金造の女房が帰宅して助かった。
    二親も無く帰るところのないナツを、天は自分のバラックに連れて行き、泊めてやる。寝ているナツを極道の情婦にするのだといって、関係をもとうとするが、そう思った途端射精してしまう天。
    翌日、ナツを使って美人局で金を稼ごうとする天。ホテルに客とナツを送り込んだところまではよかったが、大市組のチンピラに捕まって、このまえの仕返しにボコボコに。ホテルの部屋に来た血だらけの天を見て、客は逃げ出す。ホテルの回転ベッドの上で、天とナツは結ばれる。
    大市組と上方会の抗争は激化する。何とか準構成員から組員と男を上げたい天だが、殴り込みでは、腰を抜かすし、代貸しの笹本(菅貫太郎)が乗る車の運転手を買ってでるが、運転さえまともに出来ない。しかし笹本が参加した上部団体の神組の幹部会7人会に、大市組のヒットマンが襲ってくるのを見つけるお手柄だ。天はまた腰が抜け錦三が捕まえたのだが・・・。
   大市組の背後に九州での糞尿処理での対立があることで、九州に乗り込むことに。精鋭部隊の選考からは漏れたが、チンピラ学生たちが集めた金で自費参加させてもらうことに。ナツは喫茶店のウエイトレスのバイトをしていた。喫茶店のマスター(小松方正)は、ナツに気があるようだ。気が気でない天。河の土手で、九州への出入りで別れなければならないとナツに告白する天。ナツの健気な言葉に天は涙する。
   九州に乗り込んだが、警察の規制で、武器を持つことを禁じられ、町中に漂う殺気。そんな中、天
とパチンコをしていた錦三が、岡田半次、通称二尺三寸の半次(室田日出夫)に呼び出された。人斬り半次だと聞いて、慌てて出刃包丁を買い求める天。実は、錦三と半次は、かって小菊という女を巡って斬り合った間柄だった。小菊が亡くなった話を聞いて、遠い目をする錦三。そこに、出刃包丁を持った天が半次に斬りかかる。勿論失敗し川に落ちる。天を助けに飛び込むが泳げなくて、逆に天に助けられる錦三。錦三と天が、立ち小便をしていると横に人相の悪い男が、小便まみれになる男。その夜、男が、射的の銃で錦三を撃ったことから、全面戦争の火蓋が落とされる。錦三は、半次と対決する。互角の戦いで一進一退を繰り返していると二人に雷が落ちる。天も、橋の下で震えている立ち小便男・桜島一家の清(志賀勝)と再会。斬り合いになるが、二人ともヘタレで、しまいには顔を引っ掻き合って、疲れ果てて寝てしまう。夜が明け、錦三と半次、天と清は、無事だった。組織のトップ同士は、既に手打ちをしている。錦三と半次は大阪に帰る。
  ピラニア軍団勢ぞろいだが、川谷拓三の主演だ。これ一作で終わったようだが、確かにドタバタが過ぎて、かなり散漫な映画だ。しかし、竹田かほりのスクリーンデビューとなれば、欠かせない。GOROの激写とどっちが先だったんだろうか。少し後に、日活ロマンポルノのライトポルノ作品の橋本治原作の「桃尻娘」2作に出て、甲斐よしひろのオールナイトニッポンにゲストに出て、偶然ラジオを聞いていて、木ノ内みどりの後藤次利との失踪以来の“これはやばい”という第6感が働いたが、直ぐに、甲斐が竹田かほりと婚約という話を聞いて涙したことが、思い出されるなあ。高校3年か大学1年くらいだっただろうか。ささら亭で、ビール。

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