2008年12月18日木曜日

大掃除を始めると止まらないので、書きあがりません。

    阿佐ヶ谷ラピュタで昭和の銀幕に輝くヒロイン第44弾 乙羽信子
    57年東京映画杉江敏男監督『肌色の月(369)』。
女優の宇野久美子(乙羽信子)は、同じ劇団の滝(仲代達也)への失恋から自殺を決意した。和歌山に旅に出ると皆に言って夜行に乗る。車中で助監督の楠田(酒井左千夫)らに会う。豊橋で下車するが、洗面所で着替え駅のアナウンスで偽装工作をした。豊橋で大池孝平(千田是也)の車に乗せてもらい別荘に。ここの湖は吸い込み口があり、水死体は上がらないと聞き、ここで投身自殺をすることにする。
   夜になり、缶詰めの食事を済ませると、大池は暖炉の前の揺り椅子で自分は寝るので、二階の寝室で休めという。夜遅くなっても、大池は起きているようだ。久美子は困っているうちに眠ってしまう、早朝目が覚めると大池はいない。湖に出てみると、昨日見つけておいたボートが見つからない。探していると別荘地の管理人の石倉(千秋実)が声を掛けてくる。大池は銀行から多額の浮き貸しで、警察から追われているが、東京の実家に投身自殺をする遺書が届いて大騒ぎになっていて、探していると言う。
   久美子は、足を滑らしてずぶ濡れになる。暖炉で服を乾かしていると、警察がやって来た。皆久美子が大池と入水心中して、一人助かったと思っている。大原の後妻の喜代(淡路景子)と息子の隆(石浜朗)もやって来るが、久美子を大池の愛人だと疑っている。警察は、大池の浮き貸しで作った隠し財産の行方を、追っていて久美子は共犯者扱いだ。ここに来た理由を言えば容疑は晴れるかもしれないが、自殺する気持ちは変わっていない。
   警察は湖で水死体を探すが見つからず、翌日も潜水夫を読んで探索することになった。管理人の石倉にバンガローへ泊まらせてもらうが、刑事が張り込んでいる。翌朝石倉が迎えに来て、隆がアクアラングを使って潜るので立ち会えと言う。大池の上着が見つかる。急にボートが転覆し、泳げない久美子は溺れる。インターンの隆に依って蘇生した。警察は後追い心中をしようとしたんだろうと決め付ける。
   大池の別荘の寝室で寝ている久美子。大原の妻子と警察は引き上げ、一人残される久美子。息子は気をつけてと書き置きを残す。書き置きは風で飛ぶが、久美子が目覚めた時には瓶入りのジュースが上に載せられていた。目覚めた時は夜中だったが、1階で物音がする。そこでずぶ濡れの大池が揺り椅子に座っているのに気がつく。かなり弱っているようだ大池は心臓に持病があるのだ。水を渡すと警察を呼んでくれというが、日の出まで後2時間くらいだと言うと大池は話始める。実は管理人の石倉は浮き貸しの共犯で、偽装自殺しようと計画し、工作したが、石倉の裏切りに遭い、穴の空いたボートに乗せられ危うく死ぬところを泳いで来たのだと。久美子は枕元にあったジュースを半分大池に渡し自分も飲むと、寝てしまう。朝起きると、大池は死んでいる。刑事たちがやってきた。久美子は逮捕された。既に刑事たちは、豊橋での偽装と身元まで全て知っていた。大池から聞いた話を伝えても信用されない。ジュースには睡眠薬が入っていて、久美子に殺人の嫌疑までかかる。何日も取り調べが続き衰弱していく久美子。
   自宅で大池の葬儀が行われているが、弔問客はすぐ帰り。妻子と石倉の3人だ。隆はジュースの中の睡眠薬に関する証言で警察に喚ばれる。誰が入れたか分からない。大池家の愛犬がいなくなった。ある時、隆は近くの犬が庭を掘っていることに気が付く。そこには、殺された愛犬が埋められている。後妻と石倉が外出から戻ってくる。サンドイッチを買ってきたので食べろという。隆がしばらく病院に泊まり込みだというと、病院で食べろと渡す後妻。翌朝、大池家の寝室で、後妻と石倉が寝ている。庭で犬が吠えている。二人で降りてみると犬を埋めた場所を掘ろうとしているではないか。慌てて、別の場所に埋め直そうとしているときに、刑事たちがやってきた。埋められた犬の死体の薬物と、サンドイッチに入れられた薬物が一致したのだ。犬で致死量を実験したのだ。
   病院の昼休みに、隆がバレーボールをしていると久美子がやってきた。女優をやめて、しばらく和歌山でのんびりすると言いに、あいさつにきたのだ。
  久生十蘭の推理小説が原作、脚本進藤兼人が書いた方がよかったんじゃないのか(笑)。ちょっと、テンポがもたつく感あり。
   山下耕作ノ世界。68年東映京都『博奕打ち 総長賭博(370)』。
昭和9年、天龍組総長荒川(香川良介)は、兄弟分の仙波多三郎(金子信雄)から、政界の黒幕川島と組んで、大陸から麻薬や武器を密輸入して儲ける話を持ち込まれるが、総長は侠客の本分とは違うと断る。しかし、その場で荒川は、脳卒中で倒れる。跡目の話となり、一門衆の組長たち兄弟会と組内六人衆で話合いが行われる。組内筆頭の中井信次郎(鶴田浩二)を押す声が多いが、中井は大阪から流れてきた自分ではなく、兄弟分で組の為に刑務所にいる松田鉄男(若山富三郎)が筋だと言う。しかし松田は後刑期が二年残っていると、仙波は5厘下がりのNO.3で石田組の石戸孝平(名和宏)を押す。次の話し合いで、中井が固辞する以上、荒川の娘婿である石戸が二代目だと、仙波は一門衆の意見をまとめ押し切った。
   松田の仮釈放が決まった。中井は、自分の妹で、今は松田の妻になっている弘江(藤純子)に伝えに行く。千鳥という小料理屋をやりながら、息子を育て苦労してきた弘江は涙する。松田組の若い衆で中井が預かっていた音吉(三上真一郎)と清(大木勝)の2人は松田組に帰る。中井の妻つや子(桜町弘子)は、2人に法被を返す。身内の祝いで千鳥盛り上がる中、中井は松田を呼び、跡目の話をする。松田はてっきり中井が継いだと思い祝うが、5厘下がりの石戸と聞いて怒る。頭を下げる中井。その場では中井を立て了解するが、一門会の松田の出所祝いの席で爆発する。石戸が中井を差し置いて上座にいることを渡世の義理に反していると言うのだ。仙波と石戸に、この跡目は認めないと吠えたことで会は流れた。
   、かって松田が潰した愚連隊の桜会の三下たちが、ビリヤードをしていると、天龍会の法被を着た連中が、松田が出所したのに親分の仇を討たないお前らは腰抜けだと煽り、松田は千鳥にいると教える。久しぶりに子供を背負って遊んで帰ってきた松田たちを三下たちが襲うが、敵ではない。彼らは天龍組の法被を着た連中にヤサを教えられたと白状した。松田は石戸の所に行く。石戸は松田が因縁をつけてきたと思い、一触即発の事態だ。中井の必死の仲立ちで松田の謹慎ということで何とか収まった。
    先代総長の引退と二代目の襲名披露に全国の親分衆を集めて盛大な花会を開くのだが、その準備と当日の仕切り一切を任され、各地の顔役への挨拶に旅に出なければならない中井。千鳥で弘江を前に、松田に妻子の為にくれぐれも自重してくれと頭を下げる。しかし結局松田は石戸とぶつかることに、大阪の西浜組の西尾宇一郎親分(曽我廼家明蝶 )に松田の身の振り方含め相談しているところに町田と石戸の抗争の知らせが。急ぎ帰京し、何とか納めようと奔走する。杯を返すとまで言った中井に、最後には松田は折れる。しかし、松田の無念に、子分の音吉は単身石戸を狙って失敗する。中井組に逃げ込んで来た音吉に、自分の努力を全て無駄にした怒りを抑え、再び中井は、石戸の元へ。
松田が中井組に現れ、音吉と二人で殴り込みに行こうとするのを皆で止める。特につや子は、金井の言いつけでもあり、身を張って松田たちを止めるが、音吉を慕う千鳥の小女久美(服部三千代)と音吉を見て逃がす。その責任をとって、自ら命を断つつや子。
   雨の中、つや子の墓前の中井と久江の前に、松田が現れる。今回の件で松田には破門状が回されていた。どうしても男の意地として、花会を潰し石戸の命を取るという松田に、盃を返す中井。
   花会の日がやってきた。石戸は、仙波と川島から、天龍組を解散し仙波が会長を務める右翼組織に加わって、今日の花代を全て、その組織が買い付けた大量の麻薬の買付け資金に渡せと言われる。岩戸を兄弟会が押したのは、仙波が金をばら撒いたからだとも言われるが、岩戸は、筋が違うと拒否する。伊豆湯河原に全国の名だたる親分衆が続々と集まる。中井が仕切る会場の厳重な警備に、岩戸が早朝地元の神社に参拝するところを松田が襲う。石戸は腹を刺されるが、仙波のたくらみを中井に話し、自分の不明をわびるとともに、意地でも襲名して、仙波たちの良いようにはされないと言う。西尾の後見で石戸の襲名が認められた。腹の傷も、ぎりぎり手遅れにならずにすんだ。しかし、仙波組代貸の北川(沼田曜一)がとどめを刺す。
  亡くなった石戸の前で、仙波は、殺した松田の始末と花代を兄弟会が預かることを求められる中井。しかし、松田の始末をしてくるまで、花代に手をつけるなと言う。松田の潜伏する旅館に現れる中井。音吉は、金井のドスに自ら刺され、今までのことを詫びる。松田も覚悟していたように金井に倒された。その時、音吉に呼ばれていた弘江と息子が実に連れられて旅館に現れる。松田の死体の前で、中井に「人殺し」とつぶやく弘江。ドスを捨て、沈痛な面持ちで、花会に戻る中井を、北川たち仙波組が襲う。
   花会も無事終わり、二代目の仏前で、中井組の代貸し青木(中村錦司)たちが、花代の計算をしていると、仙波たち兄弟会が現れ、全て自分たちが預かると言う。中井が帰るまでという青木に、兄弟会に意見をするのかとすごむ。仙波に北川が戻ったという言づけがあり、首尾よく中井を消したかと声をかけると、北川は既にこと切れていた。中井が現れ、全て北川から聞いたと言い仙波に迫る。渡世人のくせに叔父貴である自分を斬るのかと言われ、俺はただの人殺しだといって仙波を斬る中井。
   三島由紀夫が任侠映画の最高傑作だと褒めたということで、これを山下耕作の最高傑作だという人間が多いが、本当にそうなのだろうかと、全作品見ているわけではないが、自分は思う。うまくストーリーはまとまっているのかもしれないが、松田がなぜ筋を通そうとしたのかということをもう少し丁寧に書かないと、ただの頭の悪い武闘派が、横紙破りしただけに見えてしまう。任侠映画の最高峰とか、山下耕作の最高傑作と言ってしまうと、山下耕作に失礼な気がするのだが・・・。
  新宿バルト9で、小栗謙一監督『TOKYO JOE(371)』。
シカゴ暗黒街、マフィアの大幹部にケン・エトーという日系二世がいた。またの名をトーキョー・ジョー。1983年彼が捕まることで自分たちの身が危うくなると思ったマフィアの大幹部たちは、エトーの口封じを目的に、二人のヒットマンを差し向ける。頭部を撃たれながら奇跡的にエトーは一命を取り留める。エトーが信じていた組織への誓いを正に逆に彼らが破ったことを知り、エトーはFBIに協力することを決める。FBIの証人保護プログラムの保護下で、彼は誠意を持って証言し、シカゴのマフィア組織は壊滅した。
夜は、元同僚たちと新宿でもつ鍋。

  

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