昨夜ふと京都で買った食材がそのままだったことを思い出し、朝から料理作り出したら、6品になる。買い過ぎだな。京菜と油揚げの煮浸し、人参牛蒡蓮根のきんびら、万願寺唐辛子とジャコの炒め、合挽き肉(地鶏と合鴨)と大根と白滝の炒め、九条葱人参と卯の花炒め煮、ヒジキ煮物(人参、牛蒡、蓮根、干し椎茸、白滝、舞茸、絹さや、ゼンマイ他)。六本木元会社の独身美人OLに差し入れ、元同僚とフィッシュで豆カレー。
池袋新文芸坐で69年東映京都加藤泰監督『緋牡丹博徒 花札勝負(222)』シリーズ第3作。明治中頃の話。お竜は、名古屋の西之丸一家に草鞋を脱ごうとするが、浜松で偽のお竜がイカサマがバレて逃亡、回状が回っていた。しかし一家の親分増山貞次郎(嵐寛寿郎)は、お竜が出した四国道後の熊虎親分(若山富三郎)の添え状を読み、客分として迎える。
西之丸一家は、熱田神宮の勧進賭博の胴元だったが、金原一家の金原鉄之助(小池朝雄)は、娘八重子を国会議員の後妻にして、その後ろ立てで権利を奪おうとしている。貞次朗の息子でヤクザ稼業を嫌って東京の大学に行っている次郎は八重子からの電報を受けて帰省する。次郎は金原に娘と結婚したい旨頼みに行くが、賽子勝負することになり負けて捕らえられる。次郎の相手をしたのは偽お竜おとき(沢淑子)で、名を語ってイカサマしたことをお竜に盲目の娘お君の為に許され改心したが、娘を人質にされてしかたなしにしたことだった。おときは次郎と八重子を逃がし殺された。
金原一家の客人花岡彰吾(高倉健)は、雨の日に傘を貸してくれたお竜に、故郷で死んだ母を重ね合わせ、それ以来お竜を守ったが、渡世の義理で西之丸親分を斬る。勧進賭博の日が来た。西之丸は、瀕死の状態だったが、胴元の挨拶など見事に済ませ、座ったまま、亡くなった。しかし、金原は、勧進賭場の上がりを熱田神宮に奉納する途中の代貸しを襲わせ金を奪う。お君は手術を受けお竜の顔を見られるようになったが、お竜は熊虎の子分不死身の富士松と花岡の助けで金原一家に殴り込む。やはり雪の中、高倉健と藤純子の2人のシーンが素晴らしい。やっぱり侠客の親分は、貫禄がないとなあ。お君の父親で、博打の神様バケ安役の汐路章は、緋牡丹シリーズでは、異形の役者として、必ず美女と野獣のように、お竜と同じフレームに存在する。そして必ず悲しい最期を迎えるのだ。渋い。渋すぎる。対抗する一家の息子と娘が恋に落ちるというロミオとジュリエット的な話も進むが、あくまでもサイドストーリー。
神保町シアターで61年東京映画久松静児監督『喜劇・駅前弁当(223)』。浜松の駅弁屋互笑亭は、夫を亡くした後、女将(淡島千景)が切り盛りし評判が高かった。美人の未亡人に、機織り工場社長柳田(森繁久弥)とストリップ小屋の主人堀本(伴淳三郎)の“ヤッホー・コンビ”は、亡夫の親友という建前と下心で入り浸っていた。女将の義弟次郎(フランキー堺)は、兄が亡くなって店を盛り立てている義姉に遠慮する気持ちで、店を継がずに、音楽教室の先生をしたり、その仲間とバイクに乗って遊んでばかりいる。ある時、互笑亭に、大阪の著名な経営コンサルタント(花菱アチャコ)が現れ、柳田、堀本や女の子達を巻き込んで大騒ぎに。東京から特急こだまで、3時間半、大阪から4時間という冒頭のテロップでいきなり時代を感じるのだった。あとは全編浜松案内(駅前シリーズはそういう要素があったんだろうな、元祖タイアップ映画)、弁当屋は鰻弁当、駅では弁当売りだけでなくハモニカ売り(本当にあったんだろうか)、音楽教室は、時代的にまだオルガンではなくハモニカだが、既にヤマハ音楽教室。バイクも、浜名湖でやけに派手に運転しているモーターボートも、勿論ヤマハ発動機。老若遊び場は、オートレース。フランキー堺の役名は本田次郎。
ゲストには、坂本九、柳家金吾楼、安心して笑っていられる。東宝駅前シリーズ。マッサージ嬢やらステッキガール(紳士と一緒に外出するからステッキなのか?)インチキ芸者の横山道代、テンポよくてなかなか魅力的。音楽教室のシーンは、坂本九、渡辺トモコが歌うのだが、完全に当て振りで、フランキー堺もドラムを叩く真似、もったいないなあ。
阿佐ヶ谷ラピュタで61年松竹大船中村登監督『斑女(224)』。東京のある坂で中年の画家(山村聡)が東京タワーを描いていると、美しい英子(岡田茉莉子)が現れる。年下の男(佐々木功)から逃げているようだ。話を聞くと、男は義弟の浩、夫から逃げて駆け落ちしてきたが、女は、彼と東京で別れて、お互い別々に新しい人生を送るほうがいいと思っていた。ただ、お互いの気持ちは割り切れないものがある。画家は、家庭を持たず気ままな恋愛を楽しんでいたが、英子の美しさに心を奪われ、若い恋人ルリ(芳村真理)の働く銀座のクラブで働くよう勧め、銀座の宝石店で高価な真珠のネックレスをプレゼントする・・・。とにかく岡田茉莉子の美しさに尽きる映画だ。なんと表現したらいいのだろうか、大きく透明感のある瞳、あくまでも白くふくよかでありながら、シャープな顔立ちは、今でもかなり目を引くクールビューティーだ。それが、昭和30年代の日本にいたなんて。
東京タワーがひとつの都会の象徴で、京都の五重塔や通天閣などが東京と対峙するイメージとして出てくる。倍賞千恵子が新人として、大阪出身で、佐々木功を誘惑する明るい不良娘を演じている。松本清張原作の冤罪の兄の弁護依頼を断った著名弁護士への復讐劇『霧の旗』とは随分と印象が違うものだ。
ポレポレ東中野で『デコトラ★ギャル奈美(225)』監督は城定秀夫というVシネを30本以上撮ってきた人らしい。Vシネだなあと思いながら見始めたが、見終わっての感想は、ちゃんと娯楽映画を撮ろうとしているプロだ。学生時代ピンク映画の世界で映画を作ろうという熱意が伝わる作品を見つけることが楽しみだったが、かっての情熱と勢いで作られたものよりも、プロを感ずる。バジェットの問題を何とか工夫でカバーし、娯楽映画として成立させている。勿論お約束の濡れ場も。主演は吉沢明歩。男勝りの怒鳴っているだけの演技が、だんだん、女優の顔に見えてきた。正直な話、最初に流れた短編は出来のいい学園祭映画みたいだったけど、城定監督の他の作品を観てみたい。あと吉沢明歩が出ているAVも(笑)。
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