午前中は元会社で『メタル侍』のプロモーションmtg。午後恵比寿に届け物.
阿佐ヶ谷ラピュタで川島雄三監督の61年『花影』初見。いや切ない。大岡昇平原作。『俘虜記』『野火』のような戦争体験のイメージしかなかったが、こんな文壇的な私小説書いていたんだな。ストーリーは、バーの女給がホステスと名を変えた頃、葉子(池内淳子)は、十数年間銀座の夜の蝶として過ごしてきていた。大学教授の作家(池部良)、大企業の顧問弁護士(有島一郎)、父親が社長のテレビ局のプロデューサーのボンボン(高島忠夫)、葡萄酒会社の二代目社長(三橋達也)などが美しい彼女を求めてくるが、所詮夜の蝶の恋は、続く訳ではない。彼女もそれが分かっているだけに、手もつなごうとしない、磊落した骨董界のかっての巨匠を捨てて、求婚や妾の話を受け入れることが出来ない。ただ全ての男は、美しい桜の花のような葉子の愛の独占を望むエゴイストでしかない。三島にいる養母に育てられたという生い立ちもあり、自分を愛してくれる人間に全てを与えてしまう彼女には、桜の花が散るように美しく愛されるうちに自殺をする結末しかなかった。60年前後のメイクやファッションが今の時代に違和感がない。それにしても、池内淳子は儚く美しい。救われない気持ちになり、渋谷で散髪。
元会社の同期たちと新宿 三丁目のジンギスカン屋へ。やっぱりうまいなあ。
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