2008年8月30日土曜日

川端康成はやっぱり陰湿な変態だな。

  同居人と地元フレンチで遅昼。その後一人で新宿に出て買い物。
  阿佐ヶ谷ラピュタで篠田正浩監督の65年の作品『美しさと哀しみと』川端康成原作。若い加賀まりこの可愛さと少し落ち着いた八千草薫の完璧な美しさ。物語は、山村聰演じる50代半ばの小説家大山は、女流画家・音子が16、7歳の時に不倫の末妊娠出産させたが、子供は直ぐに死に、自殺未遂の末、精神を病んだのに捨てる。その後『16、7の女』という小説に書き、渡辺美佐子演じる本妻が元タイピストということで和文タイプを打って清書させる。今回15年振りに京都に訪れ、除夜の鐘を一緒に聞こうと無理矢理、音子の前に現れるのだ。音子の内弟子であるけい子は、大山の家庭に悪魔的に入り込み、音子に代わって大山に復讐しようとする。
  川端康成の変態妄想炸裂。35歳の川端康成が16歳の女学生を画家とはいえ、不倫でやっちゃった上に妊娠、出産させる、今なら犯罪だ。精神を病んだ娘を捨てておいて、その経緯を小説にして、妻に清書させるというのは、川端康成的には、小説家としての業と言うかもしれないが、陰湿で、鬼のような変態だ。更に、山村聰ならともかく、赤塚不二夫書くところの『ベシ』みたいな気持ち悪いジジイが、次々と若い娘を毒牙にかけていきやがってと考えると、こちらも妄想して、勝手に嫉妬の炎に身を焦がすのであった。

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