ようやく、朝日新聞の購読を止めた。物心がついてから、少なくとも一般紙は、朝日以外取ったことはない。サラリーマン時代の後輩には、新聞を取れ、それもこの仕事なら朝日新聞だと言って、朝日でないと文化程度が疑われると冗談半分、本音は、エンタメ情報は記事も広告も他紙では取りこぼすと教えて来た。
そんな朝日だが、この数年の記事のレベルの低下は酷い。現代のジャーナリズム云々を言うのではなくとも、今まで自分はエンタメ業界にいて、朝日の記者たちの露骨な選民意識に辟易し、嫌悪しながらも、文化面は他紙を圧倒し、朝日に取り上げられることのみがマーケットを動かすことを思い知らされてきたし、広告にしても、3面記事、社会面下の小枠でも、他紙に比べ割高でも、費用対効果は絶対的だった。今だから言うが、事務所対策のためと割り切って他紙に、はるかに安い料金で、大きなサイズの広告も打っていたのも事実だが、売上げに影響はなかった。
しかし、今の朝日新聞の広告は、出版社と、中高年向けの通販ばかりだ。これなら、出版情報であれば、書店に行けば充分だ。中高年向けの健康通販には興味深深だが、今の財布と相談すると、衝動買いすることもできない(苦笑)。他紙を圧倒していた筈の社会面下のコンサート広告も、最近は費用対効果が低く、極端に減っている気がする。不動産の購入を検討したり、パチンコ屋の新台導入に関心のない自分には、折込チラシもいらなくなった。決定的だったのは、文化面の音楽と映画の今年の総括の記事だ。中学生、失礼、小学生の感想文だ。記者はよく署名記事で掲載したと感心する。
とはいえ、新聞不要で、ネットがあれば済むと言う世代ではないのが面倒だ。しかたなしに、近くの図書館で各紙を丹念に読み比べた結果、今52歳の自分は、(少なくともハイハイして新聞紙を舐めたり、くしゃくしゃにしたり、破ったりするのがファーストコンタクトであろうから)半世紀に渡る朝日新聞から東京新聞に宗旨替えすることになったのだ。
昨日帰宅してTVをつけると「小田和正 - クリスマスの約束-2010-」をやっている。横浜赤レンガでやっているライブ自体は悪くない。しかし、見ていて違和感を感じる。参加しているミュージシャンもアレンジも、好き嫌いは別にして悪くはない。むしろ、ここ数年の音楽番組の中では、良質で丁寧に企画されているものだろう。
しかし、決定的なのは、ライブ収録そのものだ。かって、TBSは、「輝く!日本レコード大賞」、「TBS歌のグランプリ」、「ロッテ歌のアルバム」、「サウンド・イン“S”」、「東京音楽祭」、「ザ・ベストテン」・・・。ヤング720、オーケストラがやってきたまで入れると、少なくとも、音楽の中継番組には、録画であろうと生放送であろうと、他局を凌駕するレベルがあったと思う。
しかし、この番組は何だ!?出演者に遠慮しているのか、中途半端なカメラ位置と妙なタイミングでのスイッチング。この番組は、小田和正のイベントを中継させてもらっているのではなく、TBSの音楽番組ではないのか?ディレクター、カメラマン・・・TBSの優秀な職人たちは、どこに行ってしまったのだ。少なくとも、TXを含めた民放各局、NHK・・・他局ではこれは無い気がする。まあ、無料放送だから、こういうレベルでオンエアし、有料チャンネルやペーパービューや有料パッケージ用に幾つかのカメラでの収録映像を取ってあるとでも言うのだろうか(苦笑)。出演者は、プレイバックをチェックしなかったのだろうか。
あとは、レコ大だ。今年こそ、ようやく娑婆っけが抜けた非業界人として、生放送を見て、音楽番組として成立しているのか確かめよう。
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