2009年11月27日金曜日

おヒーさま。

     ラピュタ阿佐ヶ谷で、昭和の銀幕に輝くヒロイン【第50弾】叶順子
     59年大映東京吉村公三郎監督『貴族の階段(666)』
     洋館の二階の西の丸氷見子(金田一敦子)の部屋。1935年のダイアリーが机の上に置いてある。外は真っ暗だが、窓の外には見事な桜が咲き誇り、開いた窓から桜吹雪が入ってきている。ベッドの中で西の丸氷見子は微笑み、起き上がって、机に座り、日記帳を開く。4月3日と日付をつける。「今日はお父様の部屋に来ていらした陸軍大臣の猛田大将が、階段を転げ落ちた…。」派手に転がり落ちて倒れる猛田(滝沢修)。大きな物音に慌てて駆け寄る下士官や、西の丸一家の人々。公爵の父秀彦(森雅之)、母多美子(細川ちか子)執事(花布辰男)。負け惜しみに、公家の家は階段まで意地悪く出来ていて油断ならないと言って、部下に支えられ帰って行った。
     ベッドに腹ばいになり、日記を書く氷見子。毎年恒例の、桜会があった。いつものお姫さま(おひーさま)たちの集まりである。「最近は男の方ばかり、威張って変な世の中ですわ。陸軍大臣を女性がやれば、平和になるのに」何でも明け透けに言う徳川正子(仁木多鶴子)が言う。若松さん(岸正子)は品のよさを鼻にぶら下げているような人だ。猛田節子(叶順子)は、猛田大将の令嬢にして、私の姉でもある。何て素敵な人だろうと氷見子の独白。他に、鶴宮さま(立花泰子)男爵夫人(大和七海路)伯爵夫人(八潮悠子)子爵夫人(岡村文子)侍従長の孫娘芳子(弓恵子)らが出席し、お茶を飲んでいる。
    今晩も、猛田大将がやって来た。腕を吊っている。氷見子は、父に来客があると、応接室の隣りにある書斎で客と父の会話を全て筆記することになっている。「君は何を飲む?」「スカッチの水割りを頼む。しかし、沼津のご隠居には困ったものだ。御隠居が暗躍して、我々軍の足を引っ張っているのだ。」「沼津の自由思想が軍部の英米派を後押ししていると言うのですな・・・。」「いや、軍部に英米派も、独伊派もない。日本派があるだけだ。」
   氷見子の独白、「猛田さまも、沼津のおじい様が私におっしゃったことを聞いたらどう思うかしら・・・。」祖父(志村喬)を訪ねた氷見子と海岸を歩きながら、「あの男を男爵にしたのは間違いだった。品がないという言葉は猛田のためにあるものだ。下賤そのものだ。あんな男から、節子さんが生まれたとは思えない」と笑う。
   猛田「このままでは、日本は滅びる。下層の国民は、苦しんでいる。政党政治家と元老重臣の腐敗は許しておくことは出来ない。」「青年将校たちの妄動をどうするつもりだ。」「勿論私は彼らに自制を求めている。しかし、彼らの国を憂う気持ちは純粋なものなのだ。」「どうも君は殺し合いをさせるつもりだな。しかし、その後をどうするのだ。」「後始末をつけるのは貴公がいる。貴公たち貴族が必要なのだ。古(いにしえ)から天皇家は、軍人たちの争いとは関係なしに、権威を持ち続けてきた。今回も後始末の後に、君たち公家ののっぺりした顔が世の中を治めるのだ。」別室で筆記をしていた氷見子は「猛田のおじさまにしては、珍しく上手いことを言うものだわ。」とクスリと笑う。

   軍務局長室、抜刀した青年将校の相沢中佐(杉田康)が入ってくる。局長の永田鉄山(伊東光一)が顔を上げる。天誅だといって斬りかかり刺殺する。陸軍本部内でのことであり、世の中に大きな衝撃を与えた。暗殺、クーデター・・・、「お兄様も、そのお仲間かしら・・・。」セーラー服姿の猛田節子が西の丸家にやってきた。氷見子は駆け寄り、「お姉さま。お兄様が帰っていますの。早く」と言って兄の部屋に案内する。氷見子の兄義人(本郷功次郎)は、陸軍に入隊し見習士官をしていた。軍服をはだけ、軍靴を脱いでくつろいでいた義人慌てて身づくろいをする。「ごきげんよう。」「ごきげんよう。」氷見子の独白「お兄様が用もないのに、度々帰ってくるのは、節子お姉さまに会いたいからに相違ない。早くプロポーズをすればいいのに」氷見子はやきもきしながら見守っているのだ。節子は自分で作ったというお守り袋を義人に渡す。「政治を正すため、猛田大臣は頑張っておられます。」と言う義人に、「なぜ、軍人が政治をするんでしょうか。」と呟く節子。もう時間がないと帰ろうとする兄を呼びとめ、「お別れの御挨拶はこういうものですわ。」と言って、二人を握手させる氷見子。義人も節子も赤く頬を染める。かって、三人で登った明神岳の写真を見て、今年の夏はお兄様は無理なので、二人で登りましょうよと氷見子。二人だけのほうが気楽でいいわと節子。夏休みに軽井沢の別荘へ、徳川正子を誘って出掛けることにする。


  西の丸公(志村喬)渡辺先生(楠田薫)先生(河原侃二)猛田那子(村瀬幸子)大山巡査(菅原謙二)大山の妻しの(倉田マユミ)右翼理論家(佐々木孝丸)伊藤少尉(友田輝)小間使松(近藤美恵子)政憲党幹事長(大山健二)老女(橘喜久子)西の丸公の美女(矢島ひろ子)新見大佐(八木沢敏)衛兵司令(三田村元)青年将校(石井竜一)参謀(谷謙一)下士官(早川雄三)医師(見明凡太朗)運転手(守田学)


   午後は講師2コマ。マーケティングの本の音読が終わったので、今度は、マネージャーに関する本。割と集中力が持続するようになって嬉しい。今までの本のタイトルを教えて欲しいと言う学生もいて大喜びだったがタイトルを間違えて教えてしまった(苦笑)エンタメ1年のイベント企画は、かなり盛り上がって来た。来週職員会議で学生たちがプレゼンすることになっている。グループ分けすると自発的に議論をする彼らは頼もしい。
   歯医者に行き、インプラントの検査をし、西荻に戻り買い忘れていた食材を購入。仕込みを始める筈が、家の片付けの途中で、飲み始めると止まらない。今日はこれでお終いだなあい。
  CXの2時間ドラマが点いていたが、酷いな(笑)。ドラマに拘っているフジでさえ、NO演出。マッチはマッチでしょうがないが、20世紀少年の平愛梨、あーあ。こんなに地上波急速に駄目になってしまうとは・・・。まあ、新聞も一緒なのだが・・・。

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