2009年7月10日金曜日

小次郎敗れたり。

   10時に新丸ビルで、音声認識システムのデモ。元の会社の技術部長のS氏とF君が忙しい中、わざわざ来てくれて感謝。
   途中抜けて、学校へ。コピー機占拠してレジュメコピー。今日は、出版業界の話と、著作権に関するトピックで、「崖の上のポニョ」のドキュメンタリーDVD発売延期に関してで、二コマ。人に教えることは難しいと言うより、その前の段階で、コミュニケーションをすることが難しい。早く一旦夏休みに入って仕切り直したい気分だ(苦笑)。どうも難し過ぎるようだ。どのレベルの話で最大公約数的に拾えるのかが難問だ。

   池袋新文芸坐で、本当に面白かった日本映画たち
   64年東映京都内田吐夢監督『宮本武蔵一乗寺の決斗(393)
   宮本武蔵(中村錦之助)は、室町時代からの歴史のある吉岡道場の道場主、吉岡清十郎(江原真二郎)と決闘し、右肩を砕いて勝った。その右腕を、吉岡道場の客人であった佐々木小次郎(高倉健)は有無を言わせず切り落とす。門弟たちに戸板に載せられ道場に運ばれた清十郎を待っていたのは、弟の伝七郎(平幹二郎)と、叔父の壬生源左衛門(山形勲)からの誹りだった。伝七郎は道場の汚名を濯ぐために、武蔵を討つと言って、京の出口に門弟たちを差し向け見晴らせる。
   ある廃寺に、尺八を吹く虚無僧の姿がある。虚無僧は、青木丹左衛門(花沢徳衛)であった。丹左衛門は、窮地にあった本位田又八(木村功)と赤壁八十馬(谷啓)を救ったのだが、更に女が必死で逃げて来て匿ってくれと言う。又八は女の顔を見て驚く、朱実(丘さとみ)との再会だった。朱実は、小次郎に監禁されていた。小次郎は恐ろしい男だと言って身を震わす朱実。丹左衛門は、又八に朱実を匿うように言う。小次郎は現れたが、丹左衛門を一瞥して去った。寺に何事かを祈願する老婆の姿がある。丹左衛門は、ひょっとして、本位田のお杉婆さん(浪花千栄子)ではないかと思い、後をつける。お杉が入っていた宿屋には、病いで伏せるお通(入江若葉)と、自分の息子城太郎(竹内満)の姿がある。涙を溢れさせた丹左衛門は、尺八を吹きながら去って行った。
   一方武蔵は、あるせせらぎで草を摘む老婆(東山千栄子)に出会うが、老婆は武蔵の顔を見るなり激しく怯え、籠を置いて逃げ出した。老婆は、茶人であり、刀研ぎの名家でもある本阿弥光悦(千田是也)の母、妙秀だった。光悦は、妙秀が何か武蔵に失礼でもしたかと頭を下げたが、妙秀が籠を置き去りにしたので持参しただけだと聞いて、母に尋ねる。妙秀は、草藪から出て来た武蔵が、あたかも自分を斬り殺すかのような気配をしていたので、恐ろしくなって逃げたのだが、改めて見ると自分の思い過ごしだったんだろうと言って、武蔵に茶を立ててくれた。しかし、このことは、武蔵に少なからず動揺を与える。この風流を愛する光悦と妙秀の親子の屋敷にお世話になる武蔵。母子との会話は、武蔵の心を癒やす。
    吉岡道場の面々は、なかなか行方の知れない武蔵に苛立ちを感じていたが、ある晩、清十郎は、弟の伝七郎に道場を譲ると言い出した。しかし、その条件として武蔵と戦うことは諦めろと言うことだった。清十郎を臆病者と謗る伝七郎。門弟たちに、自分が道場を継ぐことになったと言う。武蔵との戦いを放棄しようと言う古い門弟を臆病者は去れと破門する伝七郎。更に、清十郎が、武蔵との戦いを断念するように厳命した書き置きを残して、失踪した。手助けした門弟の林彦二郎(河原崎長一郎)をも破門する伝七郎。
   やがて、伝七郎たちに、武蔵が、本阿弥家に滞在していることが知れる。その日、光悦は、文人仲間の灰屋紹由(東野英治郎)から島原遊郭への誘いを受け、武蔵を誘う。吉岡道場のことを気にする武蔵に、吉岡たちは自分が恐れる必要はないのだから、まずは、紹由の屋敷に行こうと事も無げにいう光悦。

上田良平(香川良介)太田黒兵介(佐藤慶)御池十郎左衛門(鈴木金哉)横川勘助(国一太郎)南保余一兵衛(水野浩)壬生源左衛(山形勲)妻(松浦築枝)壬生源次郎(西本雄司)烏丸光広(徳大寺伸)花山院忠長(林彰太郎)徳大寺実久(那須伸太郎)墨菊太夫(霧島八千代)小菩薩太夫(暁冴子)唐琴太夫(八坂京子)引船(藤代佳子)りん弥(小野恵子)吉野太夫(岩崎加根子)佐々木小次郎(高倉健)

    65年東映京都内田吐夢監督『宮本武蔵巌流島の決斗(394)

    比叡山を追われた宮本武蔵は、宗影沢庵(三國連太郎)に連れてこられたお通に再会する。思わず抱擁する武蔵だが、許せと叫んで、お通を置き去りにして、滝に打たれる。ある村で、少年伊織(金子吉延)と出会う。少年の家を通りかかると、刃物を研ぎ、これで父親を切れるかと言われる。父親を切るのは人の道に反すると言うと、実は、父親が死んだが、子供の力では、墓に運ぶことができず、頭を切断すれば、持ちあげられるのではないかと思ったというのだ。武蔵は、伊織の父親の埋葬を手伝う。

一乗寺下り松の傍らで盲になった林吉次郎は親子地蔵を彫っていた

細川忠利(里見浩太郎)柳生但馬守(田村高広)林吉次郎(河原崎長一郎)岩間角兵衛(内田朝雄)小林太郎左衛門(清水元)妻(日高澄子)お光(三島ゆり子)厨子野耕介(中村是好)酒井忠勝(北竜二)川越の熊五郎(尾形伸之介)半瓦弥次兵ヱ(中村時之助)榊原康政(高松錦之助)縫殿介(神木真寿雄)佐助(嶋田景一郎)伊織長岡佐渡(片岡千恵蔵)

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