51年大映京都吉村公三郎監督『偽れる盛装(365)』
襖を開け戸を開けると賀茂川が広がる。茶屋の二階、入ってきた風に、いやーええ気持ちと言う君蝶(京マチ子)、手酌する笠間(殿山泰司)が、商売が駄目になったがこれで通り付き合ってくれと頭を下げる。ええ風やなあ、そないなこと言って、ウチはあんたの奥さんにして貰ってへんしとサバサバ言う君蝶。土下座までする笠間に全くつれない。ワシかて仲買では名前もしれた人間や、一勝負してきっと再起してみせる。金の切れ目が縁の切れ目かと言うと、あたしら芸者でっせ、あんじょう行ったら、またお座敷呼んどくれなはれと座敷を出る君蝶。追い掛けようとするが、みっともないと言われ悔し涙で見送る笠間。
輪タクに乗った君蝶が、福寿楼にやってくる。促進会の番頭の山下(菅井一郎)は仲居(小柳圭子)相手に一時間も待っていたのだ。仲居が座敷から出て行くと、山下はこの間約束したもんやと五万円入った包みを渡す。いやぁ覚えていてくれはったの?と喜びながら、襖の陰で、中身を改める君蝶。山下にキスをされた所に、妹の妙子(藤田泰子)から電話が掛かる。渡辺はんが来てるので帰って来て欲しいと言われ、放っておけばええんやと君蝶。
渡辺(河津清三郎)が、静乃家の女将のおきく(滝花久子)に頭を下げている。ホンマは、こんなこと頼めた義理やないんやが、もうあんたんとこしかお願いするところがないんで、恥を忍んで寄らせてもらいました。何とかお力になれるようさせてもらいますと答えるおきく。出した茶菓子に手をつけないのを見て和紙に包み、ぼんに差し上げて下さいましと手渡した。
静乃家に戻って来た君蝶は、母親であるおきみと言い争う。「おかあちゃんはホンマお人好しや、あたしら兄弟言うたかて、腹違いやし、妾の子ーや、おかあちゃんは妾、妾って散々苛められたのに。二十万ものお金ある訳ないやないの」、「このうち抵当に入れて、お金借りて、買い主に家賃払って住まわせて貰えば」「そんな人いまどきいてへんよ、あたしら住む所も無くなって一家三人橋の下で乞食しろって、おかあちゃん言うのんか?」
妙子が、屋根の上の物干し場で洗濯物を干している。寝ている君蝶を揺り起こし、お姉ちゃん、明日言ってええかと言う。生返事だが、了解する君蝶。妙子が自転車で通勤する。市の観光課で働いているのだ。暗室で現像をしている幸次(小林桂樹)に声を掛ける。二人は交際している。今日こそお互いの母親に了解を貰おうと言うのだ。キスをしようとする幸次を拒む妙子。
静乃家の芸妓福弥(柳恵美子)がお座敷で喀血して倒れてしまう。
祇園静乃家おきく(滝花久子)笠間(殿山)君蝶妙子(藤田泰子)幸次(小林)菊亭千代(村田千英子)渡辺(河津清三郎)藤尾(三好栄子)福弥(柳恵美子)友香(橘公子)雪子(北河内妙子)せつ(藤代鮎子)おとき(常盤操る子)北川博士(南部彰三)山下(菅井一郎)福寿楼の女中(小柳圭子)
温習会
神保町シアターで、川本三郎編 昭和映画紀行 観光バスの行かない町。
67年東映東京村山新治監督『旅路(366)』
大正時代、三重県の尾鷲から北海道に渡り国鉄駅長となった父を亡くした室伏家の子供たちは、母のしの(原泉)と、親代わりの塩谷駅長の南部夫妻(伊志井寛、三宅邦子)の孫娘と兄弟のように育った。
昭和に変わり、姉のはる子(小山明子)は仕立物の仕事をして、長男の雄一郎(仲代達矢)を国鉄マンにし、妹千枝(悠木千帆)を立派に育てた。はる子には、相思相愛の国鉄の札幌支社に勤める伊藤栄吉(木村巧)がいたが、栄吉は東京本社に転勤が決まる。はる子は雄一郎が嫁を貰うまではと伊藤の話を断った。また、南部の孫娘の三千代(宮園純子)は、 雄一郎に惹かれながらも東京に嫁に行った。
ある日、母が亡くなり、雄一郎は遺骨を尾鷲に持って行く。叔父夫婦(浮田左武彦、日高ゆりえ)は、はる子から雄一郎の嫁に尾鷲出身の娘をと頼まれていたので、地元の没落した名家中里家の娘弘子(吉行和子)との見合いを組む。長男の勇介(片山明彦)は、残った少ない財産を守っている大人しい人だったが、母親のみち(吉川満子)は自尊心が高く、長女の弘子も、短歌にかぶれていて全く結婚する気がない。気まずい見合いに、叔父と仲人の浦辺(高橋正夫)は困惑する。雄一郎は北海道では見たことのない立派な竹林を見せて貰うことにする。そこで、雄一郎は弘子の妹で美しい有里(佐久間良子)に出会う。
映画自体はNHKの朝の連続テレビ小説のヒットに寄って作られた映画らしく、小松方正のナレーションはあるものの、説明抜きでどんどん進む。登場人物、あの人はその後どうしたんだろうと気になってしょうがない。しかし、佐久間良子の美しさは本当に素晴らしい。柔らかいほっぺたツンツンしてみたいなあ。
大門の歯医者に行き、インプラントのチェック。せっかく入れたのに、再調整すると言って、外してもう一度型取り。
静乃家の芸妓福弥(柳恵美子)
祇園静乃家おきく(滝花久子)笠間(殿山)君蝶妙子(藤田泰子)
温習会
神保町シアターで、川本三郎編 昭和映画紀行 観光バスの行かない町。
67年東映東京村山新治監督『旅路(366)』
大正時代、
昭和に変わり、姉のはる子(
ある日、母が亡くなり、雄一郎は遺骨を尾鷲に持って行く。
大門の歯医者に行き、インプラントのチェック。
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