2009年6月11日木曜日

今年で51歳になる自分が生まれる前の日本の田舎の原風景。

   神保町シアターで、川本三郎編昭和映画紀行 観光バスの行かない町

   53年新東宝/俳優座中川信夫監督『思春の泉(337)』
   岩手県の麓田頭村のはずれの茅場に、秋が訪れると、近くに草刈り場がない村は、ここまで遠出をし、萱で小屋掛けして、10日から2週間ほど冬の間に必要な草を刈るのだ。今年も?のソデ子婆さん(岸輝子)は18才になる姪のモヨ子(左幸子)を連れ部落の連中とやってきた。小屋を掛けていると、初めて草刈りにきたモヨ子は見るもの全てが珍しく、木登りをして眺めている。金作(花沢徳栄)とおたく(三戸部スエ)夫婦の痴話喧嘩や、昨年の草刈りで結婚した佐五治(成瀬昌彦)トメ子(松井博子)夫婦がいちゃついているのに気が散ってしょうがない。ソデ子婆さんに怒られて小屋作りを手伝った。昼から草刈りが始まる。休憩で、モヨ子や春代たち若い娘たちは川で水浴びをする。上半身裸になって泳いでいると部落の若い男たちが木に登って覗きに来る。?は木から川に落とされた。?は、木に掛けてあった娘たちの服を取り、娘たちをからかった。蕗の大きな葉っぱで胸を隠しながら、文句を付ける娘たちに、男たちは手の届かない木に服を掛けて行ってしまった。そこに若い男(宇津井健)が馬に乗ってやってくる。若者は娘たちを見ると恥ずかしそうに馬を水浴びさせに来ただけだと言って、娘たちに着物を放ってくれた。娘たちは口々にいい男だったねと言い合った。
    その夜、モヨ子はなかなか寝付けない。翌朝、起きると隣の佐五治たちの小屋が崩れている。夜激しかったのか小屋を崩した中で眠っていたのだ。ソデ子婆さんが、モヨ子を追いやりもっと大きく小屋を作らないと毎朝崩れた萱の下から足が三本出ているのを見るのは嫌だと文句を言った。そこに、田頭村の駐在の中村(東野栄次郎)が自転車に乗ってやってきた。中村は、毎年ソデ子と中根部落のタメ子婆さん(高橋豊子)が、これはと思う若い男女を草刈りで見合いさせ結ばれた場合には、仲人を務めるのだ。佐五治たちも去年の草刈りで結ばれ中村が仲人を勤めた。二人は来年にはおめでただ。行商人の四方七(永井智雄)が今年も、草刈りにやってくる若者たちを目当てにやってくる。銀座でないと買えないと言うナイロンの靴下やネッカチーフやペンダントなどを見せる。娘たちは気もそぞろだが、ソデ子婆さんにどやしつけられる。
    ソデ子婆さんは駐在から、タメ子婆さんたちが今日やってきたと聞いて会いに行く。一年振りの再会を喜び合い、お互いに今年も縁談をまとめようと言う。タメ子婆さんは別家の甥っ子の時造を連れて来ているので、さっそく二人を近くで草刈りさせようと決めた。二人は言われた場所に行くと、昨日の川で出会った異性だと分かった。最初は恥ずかしくて、競うように草刈り鎌を振り続けたが、一休みをしようと時造が声を掛けてから、二人は話を続けた。

   吉永小百合、浜田光夫コンビで、1961年西河克己監督でリメイクされている。8年間しかなのか、8年間もなのかは微妙だが、凄くトーンが違う。ひばり版伊豆の踊り子と、吉永小百合版伊豆の踊り子の違いのようなものか・・・。1958年生まれの自分が生まれる前と生まれた後、戦後の日本の変化のスピードは、今と比べても相当速いのではないだろうか・・。

    62年東宝丸山誠治監督『地方記者(338)』
    東北港町の江見町の畑の中を東朝新聞平尾通信所の新聞記者中野俊次(フランキー堺)が自転車に乗って走っていると、巡回中の巡査に出会う。何かないかいと尋ねると、悪いがなにもないと答える巡査。

    51年エイトプロ五所平之助監督『わかれ雲(339)』
    中央線小淵沢駅に、東京の女子大生達が下車する。タミ子(大塚道子)茂子(岩崎加根子)久子(宮崎恭子)眞砂子(沢村契恵子)。小海線への乗り換えに50分程待たなければならないので、小淵沢の町の探索に出る。探求心も旺盛な東京の娘たちには田舎の町は何かと物珍しく姦しい。一人眞砂子だけは、気怠く憂鬱そうだ。フィルムを買いに行く友人についてカメラ屋に入ると、主人(柳谷寛)が眞砂子の写真を撮らせてくれと追い掛けて来る。気持ち悪いし、汽車の時間も迫って来たので駅に向かう。
    改札を入ろうとしたところで、眞砂子の具合が悪くなる。ひどい高熱だ。駅員に医者を呼んで貰おうと声を掛けると、近くにいた女が、駅前の山田屋と言う旅館で働いているので、良かったらと案内をする。近くの小澤診療所の若い医師の南(沼田曜一)がやってきた。眞砂子は素直に診察させようとしなかったが、南は気にせず、過労で肺炎を起こしかけていると診断した。私は死にますかと尋ねる眞砂子にそんなことは絶対ないと笑う南。注射を打ち、旅館の女中のおせん(川崎弘子)に薬を取りにくるよう伝えた。一階では、山田屋の女将のおとき(岡村文子)が、勝手に病人を連れてきたおせんの文句を言っている。そうは言いながら、おときは婦人会の副会長として例会の出席の準備に大わらわで、背中のホックを夫で旅館の主人(中村是好)に止めさせている。主人夫婦の娘のとし枝(倉田マユミ)はバレエを習っているが、東京から瀬川と言う男性バレリーナが教えに来ているので気もそぞろだ。
   結局眞砂子が言い張るので、一人この旅館で静養することになる。小海線で調査に出掛ける娘たち。宿の女中のお清(谷間小百合)と老女中(田中筆子)は、甲斐甲斐しく看病するおせんに死んだ娘のことを考えているのかいと聞いてきた。何も答えず、熱が下がって来た眞砂子にリンゴジュースを飲ませ、お粥を食べさせるおせん。お粥を食べるために持参の母親の形見の銀のスプーンを取り出す眞砂子。眞砂子は、おせんに我が儘でひねくれ者で気分屋だと思っているでしょうと言う。

   55年山本プロ/俳優座山本薩夫監督『浮草日記(340)』

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