2009年5月25日月曜日

昔の人は大変だったのだろうか。

    ふと 思い立って、冷蔵庫の野菜室一掃しようと、ヒジキ煮物、牛蒡と人参のキンピラ、コンビーフキャベツ作る。何だか根菜類を切っていると精神的に癒されるなあ。急いで冷まして、赤坂メンタルクリニックに行ってから、独身美人OLに差し入れ。

    シネマート新宿で、
   93年/08年フジテレビジョン市川崑監督『その木戸を通ってFUSA(312)』  
   とある小藩の江戸家老岩井勘解由(石坂浩二)の次男坊で部屋住みの正四郎(中井貴一)は、父の藩内への働きかけと父の親友である中老田原権右衛門(フランキー堺)の後見により藩内で廃絶になっていた名門平松家を再興するべく平松の名字を継ぎ、450石の勘定方に取り立てられ、城代家老加島大学(神山繁)の息女巴(白鳥靖代)との縁談も決まり、順風満帆な人生かと思えた。
その日正四郎は、勘定方仕切りの監査で、3日間の不眠での城詰めの最終日。仲間たちと、明けての勘定方慰労の宴が例年通り、料亭梅の井であるかどうか話していた。
   そこに、中老の使いが平松様と呼びにやってくる。まだ平松の姓に慣れない正四郎だったが中老のもとに出向くと、江戸から呼ぶときに女などの遺恨はないと申していたなと言う。勿論大丈夫ですと答えると、お前の家に女がいるだろうと問い質される。どうやら、留守中に女が家にいて、今日は非番だと思って巴が家を訪ね、菊を生けていると、庭を女が横切り、留守を預かる吉塚助十郎(井川比佐志)に尋ねても、どうもムニャムニャと子細ありげで怪しいと加島家から厳しい抗議が来ていると言うのだ。これでは、江戸詰めの父君が、城代との縁組みに骨を折った努力が水泡に化し、自分の面目は丸潰れではないかと叱責された。勘定方の作業室に戻り、仲間から梅の井の宴会が決まったぞと言われても、帰宅して不審な女の件を質さなければならないのだ。
    帰宅して、吉塚を呼び出し、お前なら江戸にいた時から一緒なので、訳ありな女の顔は見知っているなと言うが、見たことのない娘だと言う。いきなり門前に旅装束で砂埃にまみれ、着物の一部に鉤裂きがある娘は、平松正四郎さまに御用がとだけ言い、気を失ったと言う。吉塚と妻のもん(岸田今日子)は、風呂に入れてやり食事をとらせると二刻ばかり眠り、今は助十郎夫婦の部屋においていると説明を聞き、正四郎は自分の出世を妬むものの仕業だろうと決めつけ、ペテンを暴いてやると、客室で対面した。もんの着物を着た女は、自分がどこから来たのか、なんのために来たのか、自分が何者なのか名前さえ分からないと答える。平松正四郎と言う名前しか知らないのだ。
   困った正四郎は、吉塚にここにいると主人の縁談に差し支えがあり、迷惑が因果を含めるよう伝え、翌日雨の中歩き出すのを隠れてつけた。近くの寺で、雨宿りをし、ゆく宛もないのだろう溜め息を吐いている。そこに酒を呑んだ町人二人が通りかかり、お姉ちゃん一緒にどこか行こうと声を掛ける。その姿を見て耐えられなくなり正四郎は声を掛ける。しかし、女は平松正四郎と言う人は知らないと答える。町人と喧嘩になりそうになったところで竹坂の平松様ですかと町人の一人が声を改める。自分たちは駕籠屋駕籠徳の鴨三(桜金造)と相棒の源次(うじきつよし)で、平松家はお得意様だと言う。平四郎は、なぜ自分を知らないと言ったのだと尋ねると、私がいることで、平四郎さまの縁談に差し支えが出ていると伺ったのでと答える女。いじらしさに、家に連れて帰る平四郎。


    神保町シアターで、日本映画★近代文学全集
    48年松竹京都木下恵介監督『破戒(313)』
    明治35年信州飯山町、飯山館と言う旅館の前に駕籠屋が止まる。泊まろうとしていた人間は部落民らしい。他の客たちは、もってのほかだと騒ぎ出し、追い返される。四民平等とは名ばかりの歴然とした封建的な身分意識が残っている街だ。師範学校時代からの親友である瀬川丑松(池部良)と土屋銀之助(宇野重吉)は、長野県飯田市の小学校の教諭をしている。二人が歩いていると先輩教諭の風間敬之助(菅井一郎)が呑み屋から話があると二人を呼び止める。あと5ヶ月で恩給を貰える年だが、校長に退職願いを書けと言われたのだと愚痴る。後妻には、教師をクビになったのなら、銀行で帳面つけの仕事でもしろと言われて喧嘩をして出てきて飲んでいると言う。士族となって
15年教壇に立ってきたのに、この仕打ちはあまりに酷いと息巻く風間に、自分たちも明日校長に掛け合ってみようと言う丑松と銀之助。

    54年松竹大船野村芳太郎監督『伊豆の踊り子(314)』

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