2009年4月22日水曜日

朝医者に褒められても、その晩飲み過ぎるのは・・・

   朝から、大手町の成人病クリニックで、糖尿病の経過観察。血糖値も、血圧も、肝臓系の数値も安定している。体重以外はみな下がっていいですね、次回から薬減らしましょうと言われる。少しでも医療費を減らしたいなあ。

   池袋に出て、新文芸坐で、芸能生活70年 淡島千景
   53年松竹大曽根辰夫監督『花の生涯 彦根編・江戸編(267)』180分の大作。
   井伊直弼(松本幸四郎)は、兄直亮(有島一郎)が藩主となって以来、埋木舎(こもれ木)で、茶道三昧で隠遁生活を送り、他藩の長野主膳(高田浩吉)や三浦北庵(大友富右衛門)らと交友関係にあった。長野主膳は、国文の研究者として、政治嫌いで直弼とは馬があった。ある日、道で、廓の三味線の師匠をしている村山たか(淡島千景)と知り合った。たかは、主膳に、明後日こんき楼で逢おうと約した。

俵屋和助(野沢英一)犬塚外記(薄田研二)岡本半助(山路義人)中村長平(諸角啓二郎)水戸斉昭(市川小太夫)広篤(溝口亮)尾張大納言(寺島貢)松平越前守(明石潮)本多越中守(海江田譲二)阿部伊勢守(柳永二郎)戸田伊豆守(近衛十四郎)松平若狭守(山内明)斎藤監持(岩井半四郎)九条関白(徳大寺伸)大関和七郎(鶴田浩二)多田一郎(河野秋武)多田帯刀(大木実)村山たか女(淡島千景)佐登(月丘夢路)志津(幾野道子)昌子(北見礼子)黒沢登幾子(宮城千賀子)雪野太夫(嵯峨美智子)お袖(草笛光子)

  56年東宝木村恵吾監督『世にも面白い男の一生 桂春団治(268)』
  大阪法善寺横丁の寄席花月、前座の落語家の桂春団治(森繁久弥)は、噺は面白いと評判になりつつあったが、金は入っただけ使い、女と見れば、おいどを触る、破天荒な芸人だった。今日もつけを払えと寄席までやってきたおたま(淡島千景)から横丁を逃げまくる。水掛不動尊で、桂円治郎(浮世亭歌楽)から、妻が病気なので、京都の高座を変わってほしいと持ちかけられる。京都までの汽車賃と、ギャラで6円手に入った。おたまが女中をする小料理屋に入り、金を返しに来たのだと6円を見せて、酒を頼む。
   女連れの立花屋花橘(田中春男)があにさんと声を掛けてきた。困ったことが起きたと言う、東京の講談師の双竜軒梅月(杉山昌三九)が、大阪に連れてきた女に手を出したことがばれてしまったので、二人で駆け落ちしようとしているのだと言う。頼まれた春団治は、6円を貸してしまう。そこに、梅月がやってくる。春団治は、店の客に、当節人気の春団治の喧嘩だ!と叫んで、逃げまくる。そこに、円治郎が女連れで現れ、お前6円取っておいて、京都の高座に穴を開けたことがばれてしまう。とにかく、逃げ出すしかない春団治。春団治は、車夫の力蔵(田村楽太)の二階に間借りしている。袋叩きにあった春団治を家まで連れて来て、看病するおたま。帰ろうとするおたまを布団に引っ張り込む春団治。
    おたまと春団治は、結婚する。しかし、春団治は、金を全く家に入れず、ほとんど帰ってこない。御贔屓小間物問屋岩井辰の主人が亡くなった後の正月、岩井辰に新年のあいさつに出かけた春団治は、若後家おりゅう(高峰三枝子)に言い寄り、ものにしてしまう。おりゅうの春団治が、たまに帰ってくると、酒を出し、けなげに支えるおたま。ある日、久し振りに春団治が家に現れたと思ったら、とき(八千草薫)が訪ねてくる。不在だと言って追い返せと言う春団治。不在だが、春団治の家内の自分が話を聞くと言うと泣きだすとき。ときは、京都の高座に上がる時に、宿泊していた宿屋の娘だった。結婚しようと言う言葉を真に受けてやってきたのだ。裏の塀を乗り越えて逃げようとしていた春団治は失敗し、観念したが、こんな不実な男を諦めて、親元に帰れとアドバイスするおたまに、ときは、春団治の子供を妊娠しており、もう実家には帰らないというとき。おたまは、そのまま、おときと子供を大事にしろと家を出る。
   春団治は、押しも押されぬ一枚看板になったが、相変わらずの放蕩生活、子供を抱えたおときの元にも来ず、金も入れない。力蔵は、春団治専属車夫になっていたが、子供を抱え苦労するおときに同情し、一策を案じ、力蔵が席を外した隙に、赤ん坊を人力車に置いて行ったことにする。自分の子供だとさすがにわかった春団治は、帰宅する。酒を出せと言う春団治に、金がないので酒はないと答えるときに、激怒し、子供のものに八つ当たりして、おりゅうの元に出ていく春団治。おりゅうも、娘を連れて京都に戻った。
   春団治は、おりゅうが岩井辰を出るにあたって与えられた資産を使い果たしても生活は変わらなかった。レコード会社との契約不履行で訴えられ、おりゅうと住む屋敷の家具・道具を差し押さえられた。しかし、金が足りずに、おりゅうは、母親の形見のダイヤの指輪を質屋に持っていく。必要な2000円どころか、いいところ500円だと言われ途方に暮れていると、おたまに会う。二人は、初対面であったが、春団治に苦労する女どうし、おりゅうから仔細を聞いたおたまは、家を出て以来、店を持とうと必死で貯めた金をおりゅうに貸す。
   春団治が、おたまが一人で住む部屋を訪ねてくる。酒を飲ませ、寄りを戻せと迫る春団治に、おたまは、おりゅうのもとへ帰って幸せにしろと言って、あんたは、芸人としては最高かもしれないが、人間としては最低だと、けんもほろろに追い返した。春団治の落語家としての名声は高まるばかりだったが、おたまの言葉は胸を刺す。京都の高座に上がった際に、苦労しておときが娘と二人で住む家を訪ねる。おときも、春団治を拒絶し、二度と会わないと言って追い返した。
   春団治の胃癌は発見されたときには、手遅れだった。七転八倒する春団治を見て、おりゅうは、おたかとおときを呼ぶ。春団治の枕もとに、あの世から人力車を引いた力蔵が迎えに来た。一目、おたかとおときに会いたいと言う春団治に、しょうがないと言う力蔵。しかし、医師が打ったカンフル剤で、旅立ちかけた春団治は引き戻される。おたかが現れ、次におときと娘がやってくるが間に合わなかった。
   オープニングの法善寺横丁の長回しのカメラには唸ったが、笑いあり、涙ありという松竹新喜劇的な幕の内弁当的な脚本が、ふらふらして何か安定しない印象になってしまっている。せっかくの森繁久弥、淡島千景コンビなのに・・。「夫婦善哉」に比べるのは、酷かもしれないが、かなり落ちる。役者はみんないいのでもったいない。力蔵役の田村楽太が最高だ。

    夜は京都でとてもお世話になったプロデューサーが東京出張だと電話をくれたので、渋谷でインド料理。途中から後輩Kが合流。結局調子に乗って酔っ払う。

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