神保町シアターで東宝文芸映画の世界。
峠道を、
女の名はお国(木暮実千代)。
お国は、若党の五平(
しかし、
見事仇を討ち故郷に凱旋する筈の二人だが、五平の耳には、
40年東宝成瀬巳喜男監督『旅役者(120)』
田舎町に芝居がやって来る。六代目中村菊五郎一座。
次の公演地は塩原だ。
しかし、駅に降り立った一座は、菊五郎一座でも、
翌日小屋に行くと親方が2人を呼び、馬の頭を壊してしまったが、
70分ほどの長さだが、メリハリが効いて、素晴らしい。珍しく老若男女揃った場内は大爆笑だった。
49年藤本プロダクション/東宝今井正監督『青い山脈(121)』
49年藤本プロダクション/東宝今井正監督『続青い山脈(122)』
海辺の街。
数日後、女学校でバスケットボールをしている女学生と女教師がいる。生徒とぶつかって倒れる教師の島崎雪子(原節子)。医務室で、島崎の手当をしているのは、校医の沼田玉雄(龍崎一郎)。職員室に戻った島崎のもとに、新子が相談に来た。
懇意にしている芸者の梅太郎(
教師たちは、
職員会議の席では、余計な面倒を起こさないでくれという本音と、現実と理想というものは違うものだという建前の話ばかりだ。島崎を弁護した沼田は、田中たちから、美人の島崎が好きだから味方するのだろうと揶揄されるばかりだ。教師たちが出て行ったあと、島崎に声を掛ける沼田。自分もこの街の因習と闘うことにしたので、うちに来て対策会議をしようと言う。こういう時期だから慎んだほうがいいのではと島崎は言うが、それこそ、因習に囚われていると言う沼田、年配で、物静かな女性教師が、私は島崎を支持するので、思い切ってやりなさいと伝えに来た。表情が明るくなった島崎。
新子は、高等学校に六助を訪ね、先日の話が原因で困ったことになったと伝える。この学校のOBでもある沼田は、六助に新子を学友たちとの軟式テニスに誘えと勧めた。運動神経の良い新子に、男たちは、叶わない。六助の親友ガンちゃん(伊豆肇)を初め、バンカラで汚いが、気のいい青年たちばかりだ。六助とガンちゃんが新子を送ると、浅子たち女学生が現れ、学校の美しい伝統を汚した新子は、責任を取って退学しろと言う。思わず、朝子の頬を打つ新子。ガンちゃんが雄たけびを上げて女学生たちを追い払った。
料理屋弥生の帳場で、女将(浜地良子)、仲居(出雲八重子)が、梅太郎に頭を下げている。赤ベコたちが座敷で飲んでいて、梅太郎を呼べと言うのをうっかり受けてしまったのだ。妹の駒子を酷い目にあわせた赤ベコたちの酌なぞしたくないと言う。しかし、同席しているのが、教頭や田中たち、女学校の教員だと聞いて、沼田を陥れる作戦会議だと聞いてお座敷に上がる。
一方沼田医院に、島崎、新子、六助、ガンちゃんが集まっている。そこに和子が明日の新聞の早刷りを持ってくる。女学生の民主的な自主的な活動に対して、ある女教師が横やりを入れ、問題になっているという記事だ。新聞社は赤ベコの息がかかっており、田中が揺さぶりを掛けて来たのだ。理事会と父兄会を有利に進めようと知略を巡らす沼田。そこに、東村の百姓(花沢徳衛)が、急患なので往診しに来てくれと言いに来る。居留守を使って断れと住み込みの看護婦(上野洋子)に言う沼田だったが、島崎は、すぐに沼田先生が往診に行きますよと答えてしまう。沼田がもっと近い所に医者はいるだろうと尋ねると、百姓は、巫女を呼んできて占ってもらったら、この方角に名医がいると出たのでと答える。
沼田は、渋々自転車で東村に向かう。途中、トンネルの中で待ち伏せしていたゴロツキたちが、沼田に殴りかかる。そんなことは露知らず、吠えまくる沼田家の番犬を見ながら帰宅する島崎と和子とガンちゃん。途中、ガンちゃんは和子をおんぶさせられる。すると、酔客に絡まれている女がいる。女は、梅太郎で、男は田中だ。弥生からの帰り、ずっと田中に巻きつかれて、難儀していたのだ。和子に挨拶をされ、夜道は危険だから注意して帰りなさいと言って、帰っていく田中。
いよいよ、理事会が開かれた。理事長の赤ベコが開会を宣言し、校長に議事進行を依頼する。冒頭の挨拶で、こうした事件でお騒がせしたことは、自分の不徳とするところで、汗顔の極みだと言う。沼田は、誰も校長が、サボっているとは思わないので、フランクに話し合いましょうと言う。まず、問題のきっかけになったラブレターを岡本先生(藤原釜足)が朗読する。「変しい、変しい、新子さま。・・・」という冒頭に参加者一同狐につままれたような表情だ。岡本が真面目な顔で、変、恋と板書し、英語でも何でもなく、学力の低下のための誤字だと説明する。更に、悩ましいを、脳ましいとの間違えもあり、校長は本校の学力の低下は、お恥ずかしいと小さくなる。父兄に化けたガンちゃんは、サクラで発言するが、緊張のあまり、格言を言うだけだ。
出席を遠慮しろと言われていた島崎も、どんな厳しい言葉も甘んじて受けるといって途中出席する。沼田が島崎のことを好いていて、外で接吻していたと噂になっていると言う宝屋のお内儀(岡村文子)。接吻ではなく、頬を打たれたのですと答える田村に、女のくせに男を殴ったり、こんな教師に自分の孫を教えてほしくないと、激高した老人(高堂国典)に、ガンちゃんは、格言を語る。何か納得して表情を和らげる老人。女が頬を打つ場合はよくありますよと梅太郎が発言する。梅太郎さんと呼ぶ沼田に、今日は和子の姉として笹井トラとして出席しているのだと答える梅太郎。
強引に無記名投票で、民主的に、島崎か生徒のどちらが正しいか決着つけようと言う赤ベコ。投票の結果、島崎12票、生徒6票となった。しかし、予想外の結果に、赤ベコは、理事の出席者は全理事の3分の2に満たないので、今日はあくまでも参考にするが、改めて決することにすると言う。梅太郎は、私も次回は忙しいので、代わりに駒子を出させよう、もう母子ともに身体も良くなってきているからと言う。そこに、ガンちゃんが父兄を名乗った生徒はそんな叔父は知らないと証言したという情報が田中に伝わる。得意満面でガンちゃんを責める田中。若いのになかなか立派なことを言うと感心しとったが、恥を知れと再び激昂する老人。梅太郎は、田中がかって大陸で性病に罹って産婦人科に通っていたことを婉曲に指摘する。急に腰砕けになり、生徒のせいにしてガンちゃんを認める田中。
島崎は勝利した。土曜日の晩の宿直は、岡本だ。岡本の妻(馬野都留子)が弁当を届けに来た。彼女は、かって小学校の教諭をしていたので、学校のオルガンで唱歌を弾くのが楽しみだ。校長室で物音がして、岡本は、そこに松山浅子を発見する。翌日、島崎に報告する岡本。あのラブレターを取り戻そうと思いつめるあまり、忍び込んだのだ。不問にし、浅子と新子の前でラブレターを燃やす島崎と岡本。謝る浅子に、仲直りするために一つ要求があるという新子。グランドに連れて行き、バスケットのポールを、目をつぶって、力いっぱい叩けと言う新子。言われた通りにすると、ポールの前に自分の顔を差し出す新子。殴った浅子も殴られた新子も痛かった。
ある休日、サイクリングを楽しむ、沼田、島崎、六助、ガンちゃん、新子、和子。海岸に行く。急に沼田は、島崎にプロポーズする。肯く島崎。学生たちは、祝福した。海に向かって、新子に愛を告白する六助。
教条的で、理屈っぽい台詞が多用され、鼻につくところもあるが、あれだけ一世風靡したということは、やはり新しい日本、新しい日本人ということを、みな考えずには居られなかった時代だったからだろうな。
渋谷シアターTSUTAYAで、千葉誠治監督『戦国 伊賀の乱(123)』。
天正9年のこと。伊賀者たちに一度痛い目にあわされた信長は、甲賀と手を組み、伊賀を殲滅しようと考え、四万の大軍を差し向けた。更に、伊賀の中に内通者を忍び込ませているらしい。上忍の甲斐(樋浦勉)から、凄腕の下忍、突破(合田雅吏)は選ばれ、信長からの伝言を聞くためにある洞窟に結集するという内通者たちを、火薬を使って爆死させるように命じられる。弟の物見(高野八誠)は、しきりと任務を変わってくれと迫り、妻の楓風(宝積有香)は、突破の子供を産みたいと言って、もし突破が死んだら物見の子供を産むか、甲斐の妾になって生き残ると告白される。
突破の護衛に、二人の下忍、三者(柏原収史)と楡組(島津健太郎)が付いた。伊賀者か甲賀者か不明な忍びたちが次々に襲いかかる。果たして、突破は任務を完遂できるのか・・・。
予告編上映中に劇場に入ると誰もいない。学生時代には、場末の映画館で経験はあるが、去年の4月以来、映画館で523本見ているが、流石に入場者自分だけは初めてだ。何故か中盤に差し掛かって関係者らしい男が入って来たのだが、1800円の入場料は高いが、自分が一人入った為に、上映しなければならないコストを考えると、申し訳ない気が・・・。
伊賀対信長、伊賀の乱、随分と大きいテーマを掲げたなあと思っていた。ちゃんとみんな台詞喋っているし、アクションも、殺陣ではないが頑張っていると思う。でも、ちょっと短いなあ。これからというところで終わってしまった。起承で終わった今回、予算10倍くらい出資者を募って、転結作って欲しいなあ。
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