2009年2月28日土曜日

武蔵小杉と六本木。

    大門の歯医者で昨夜のインプラント埋め込み跡の消毒。
    川崎市市民ミュージアムで、
 70年創造社/ATG大島渚監督『東京战争戦後秘話~映画で遺書を残して死んだ男の物語~(116)』。
 8mmを撮っている男がいる。そこに元木象一(後藤和夫)たちが、取り囲みカメラを返せと迫ってくる。男はカメラを持ったまま走り出し、ビルの屋上から飛び降りる自殺をする。パトカーと救急車がやってくる。警官が証拠品として持って行こうとする。元木は、パトカーを全速力で走って追いかけるが、見失う。男が撮影していたフィルムは、普通の住宅街の屋根だったり、ありふれた商店街だったり、煙草屋の老婆だったり、何を撮ろうとしていたものだか全くわからない。
    元木が目を覚ますと、映画製作サークルの部屋で、皆討論をしている。4.28沖縄返還デーを撮影し続けていたが、私服警官にカメラを奪われてしまったのだ。カメラを奪還しようと追跡していて、元木は倒れたのだ。しかし、元木は、何故か、自殺した“あいつ”という存在に取りつかれている。映像製作の政治活動としての意義を語り合う仲間は、元木が意味不明の発言をしているのは、疲れて錯乱しているのだろうと相手にせず、元木と、元木の彼女である泰子(岩崎恵美子)を残して去る。
   元木は、何故か泰子を“あいつ”の彼女だと思い込み、彼女を強姦しようとする。泰子はいつもと様子の違う元木に戸惑う。しかし、“あいつ”は、風みたいに静かで、水みたいに穏やかで、太陽みたいにギラギラしていたわと元木に答える。元木は、泰子と“あいつ”の撮った風景を探し始める。一日中都内を回って、最後にたどりついた場所は、元木という表札のかかった家だ。中に入りましょうと言う泰子に、何故か今日はここまでにしようと答える元木。しかし、元木は翌日、その家を訪ねる。母親が久しぶりねと言う。腹が減ったと答える元木。2階の自分の部屋に上がり、ベランダから外を見ながら、母親の作ってくれた朝食を食べる元木。
   元木は、“あいつ”が撮影した場所を撮影し始める。しかし、泰子は元木が撮ろうとする場所に入って、撮影を妨害しようとする。泰子を引っ張り出しては撮影をする元木。しかし、国道を無理に渡ろうとした泰子は、車の接触事故を起こし、怒ったドライバーに、車に連れ込まれる。近くの店に機材を預け、車に駆け寄る元木。元木は、縛られて、助手席の足もとに転がされている。後部座席では、男たちが代わる代わる泰子を強姦する。泰子は、全く無表情だ。車は高速道路を走り続けている。河の土手に、泰子と元木が立っている。泰子は、私が見ていた風景は、“あいつ”が撮ったものではなかったので、“あいつ”に勝ったのだと言う。泰子は、ビルの屋上に駆け上がり、下を見ると泰子の投身自殺した死体がある。
   元木が、撮影していると、映像製作グループの仲間がカメラを返せと迫ってくる。元木は逃げ、ビルの屋上に駆け上がる。ビルの下に、カメラを手にした元木の死体がある。元木は、遺書としての映画を撮影したのだ。
   観念的な台詞が棒読みされる。政治闘争への絶望と喪失感、寂寥感なのか、とても哀しく、寂しい映画だ。すっかり、鬱々とした気分に・・・。
   六本木で、元同僚と会食。美人3人を呼んでくれたのだが、映画で遺書を残して死んだ男の物語から逃げたい気持ちとの相乗作用で、酔っ払う。

0 件のコメント: