2009年2月25日水曜日

変わりゆく野毛の姿にびっくり。

    独身美人OLに惣菜8品(ひじき炒め煮、キンピラ、インゲン胡麻よごし、切り干し大根、鯖味噌、鴨挽き肉と大根白滝炒め、博多煮、南瓜煮物)。元同僚と赤坂成都酒家で、五目焼きそば。
    横浜の野毛に出て、アート系のNPOを主宰する友人の映像クリエーターインキュベーションオフィスを下見に、なにも無いガランとしたオフィスに机が二つ、一人ぽつんといる彼女の姿に涙。まあ私よりも圧倒的に逞しい人だから、心配には及ばないと思うが、営業しろとの無言の圧力がバシバシと、高校時代から弱いんだなあ(苦笑)

    渋谷シネマヴェーラで東映セントラルフィルムの栄光
    79年角川春樹事務所村川透監督『蘇える金狼(110)』。
    共立銀行丸の内支店、雨の中、白バイに乗った警官姿の男が、現金輸送の男を射殺し、ジュラルミンケースを奪う。近くにある東亜油脂の本社経理部の朝倉(松田優作)は風邪を引いたらしくくしゃみをする。上司の金子次長(小池朝雄)に嫌みを言われる朝倉。同僚の湯沢(岩城滉一)や石田(加藤健一)と今朝銀行強盗が発生し1億盗まれたと言う世間話をする朝倉。部長の小泉(成田三樹夫)が共立銀行の男を紹介する。今朝の事件は幸い本店で紙幣の番号を控えていたので、リストの札を見つけたら通報してほしいと話す。机の下で、鉛筆を折る朝倉。足元のリンゴ箱を金子に聞かれ、青森の実家から送ってきましたと答える朝倉。
     退社時間になり、ロビーで社長令嬢の絵理子(真行寺君枝)とすれ違う。羨ましそうに見る同僚たちと違い、朝倉の目が光る。目蒲ボクシンジムでトレーニングをする朝倉、トレーナー(角川春樹)が、お前はちゃんとやればチャンピオンにもなれるのに、血友病で試合には出られないんだったなと残念そうに言う。帰宅してリンゴ箱から札束を出すが、着替えてバイクに乗り、横須賀の繁華街の裏に足を踏み入れる。さっそく絡んできた海神会のチンピラを叩きのめし、薬を手に入れたいのだと尋ねる。散々ぶちのめした末、クラブ ドミンゴのカウンターに座っていれば大丈夫だと聞き出した。ドミンゴのカウンターに座った朝倉を、拳銃を持った男が連れだす。お前の正体は何者だと聞かれるが、結局、海神会は、市会議員でもある磯川が麻薬に関してはすべて握っているということが分り、海神会の組員(南原宏治)らを射殺する。射殺した組員たちの懐からヘロインなどを盗む朝倉。
   部長の小泉が愛人の長井京子(風吹ジュン)と住むマンションを張る朝倉。小泉が社用車で会社に向かったあと、京子をつけ、成城のゴルフ練習場に行く。隣で気を引き、不動産関係の仕事をしている堀田修平と名乗り、食事に誘い、食前酒にヘロインを混ぜて、横浜のホテルOZに連れ込んで、京子を抱く朝倉。翌日、京子のマンションにいると、小泉が訪ねてくる。ベランダから脱出する朝倉。
   磯川の邸宅をセントラルタイムスの記者の千川を名乗って訪問する朝倉。新聞記者でないことはバレており、屈強な用心棒たちに銃を向けられるが、朝倉の方が一枚上手だ。襲ってきたナイフを奪い取り、磯川を脅す。1億3千万でヘロインを買いたいと告げ、改めて、取引の場所を連絡すると言って消える朝倉。帰宅し銃の手入れをしている朝倉。横須賀の猿島に約束の時間より前に、ゴムボートで上陸し、待ち伏せしている磯川の部下たちを一人一人片付ける朝倉。約束の時間となり、磯川たちがやってくる。金とヘロインの交換が終わり、磯川は、朝倉を殺す合図を出すが、何も起きない。すべて片付けましたよと言って、磯川に附いていた男たちを気絶させ、磯川一人を残し、島を去る朝倉。
   経理次長の金子が女を抱いている。銀座のバールナの雇われママの牧雪子(結城しのぶ)だ。二人のあられもない姿を隠し撮りしている男がいる。翌日、会社に雪子が電話をしてくる。12時に東和デパート屋上で取引を指示して電話が切れる。金子の後をつける朝倉。金子の前に現れた男は、写真とやり取りを録音したテープを持っていると言う。最初高飛車に出た金子だが、桜井と名乗る男(千葉真一)が、有名な乗っ取り屋の鈴本光明(安部徹)の東亜経済研究所の人間だと聞いて態度を改める。しかし、5000万を要求され即答はできない。金子たちが汚れ仕事に使う興信所の石井(岸田森)に後をつけさせる。そのやり取りを盗み聞きしていた朝倉も、桜井が東亜経済研究所に入っていくのを確認した。
   桜井は、鈴本の甥だが、叔父の仕事を手伝うでもなくフラフラしている男だ。とりあえず、写真のネガやテープは研究所のトイレのタンク内に隠す桜井。叔父に挨拶だけしてビルの裏口から逃げ出し、石井を撒く。朝倉が会社に戻ると、金子と小泉がいない。緊急役員会議らしいぞと言う湯沢。役員会議室の近くの部屋に入り、盗聴器のイヤホンを耳にする。そこには、金子と小泉に加え、社長の清水(佐藤慶)、監査部長の竹島(草薙幸二郎)たちが集まっている。金子の報告を受け、2500万を渡して納得させようと言う小泉の案に頷く役員たち。
   朝倉は、東亜経済研究所の受付嬢をしている朱美(吉岡ひとみ)を襲い、桜井と鈴本が叔父甥の関係であることと、桜井が、牧雪子の広尾のホウエイマンションに同棲していることを聞きだす。雪子のマンションの部屋のベランダに忍び込む朝倉。中では、石井と子分の男(高橋明?)が雪子を脅している。そこに、桜井が帰ってくる。2500万入りのスーツケースを桜井に渡し、これで手を打てという石井。さもないと、お前の情婦の雪子を殺すと言うのだ。桜井はそんな女の命などくれてやると言う、動揺した石井たちに反撃し、二人を追い出す桜井。殺してもいいと言ったのは本心じゃないわよねと言う雪子を抱く桜井。朝倉は、ゆっくりマンションを後にする。
   翌日、桜井を車でつける朝倉。尾行に気が付いた桜井は、廃屋のアパートの前に車を止め、尾行者を誘いこむ。まんまと撒いたかに見えた桜井だが、車に戻ったところを、後部座席に潜んでいた朝倉に後頭部を殴られ気絶する。2500万入りのアタッシュケースを奪う朝倉。役員会議室で、清水、小泉たちを前にして、桜井は、自分を襲い金を奪ったことを非難し、要求を2億に吊り上げる。フラメンコバーに朝倉と京子がいる。京子は既にヘロイン中毒になっている。自分のパトロンが東亜油脂の取締役経理部長の小泉で、小泉もヘロインに興味を持ち、吸引するようになったと言う。石井を使い神戸から凄腕の殺し屋(映画の中では、筋金入りの?)を呼んだという情報を漏らす。2500万の受取りに現れた桜井と雪子の乗った車の前に、2台の車が現れる。桜井の車を挟み撃ちにし、拳銃を撃ちながらの激しいカーチェイスだ。3台の車は横転し、石炭置場での争いになる。殺し屋の福田(トビー門口)を、相棒の国友(待田京介)は誤射する。結局、桜井と雪子は射殺される。
   その夜、京子から話を聞いた朝倉は二人の死体を確認する。しかし、その翌日、国友は清水を脅そうと、金を強請ろうと電話を掛けてきた。石井が裏切ったのだ。その頃、目蒲ジムを装って朝倉は会社に電話をし、チャンピオンになってもおかしくない朝倉が最近ジムに来なくなっているという問い合わせの電話をする。電話を受けた金子は、ジムに行き裏を取った。金子が朝倉を呼び出し、社長のもとに連れていく。朝倉は会社のために命を捨てられるかと尋ねられ、肯くと、石井と国友たちを殺せと命令される。その代わりに、3年後に取締役にするという念書を貰う。
   5億出せと脅迫しにやってきた国友を尾行する朝倉。隠れ家を突き止め、中に忍び込むと、福田は大けがをしで苦しんでいる。しかし、石井に見つかり、万事休すとなった朝倉。国友と石井が仲間割れをした瞬間に逆襲、3人を殺し、隠れ家に火を放った。成功した朝倉を社長の葉山の別荘に案内するという金子。途中から歩けと言われるが、金子は後ろから朝倉を撃とうとする。しかし、安全装置にはずし方を知らない金子は、朝倉に肩の骨を骨折させられる。金子と社長秘書を連れ、清水の別荘に行く朝倉。始末した筈の朝倉が現れて、驚く清水、小泉ら役員たち。役員を脅しつけ、東亜油脂の株200万株寄こせと要求する朝倉。時価8億の株券と株券譲渡書を翌日受け取る。夜は、清水の孫娘絵理子を交えての役員たちとの夕食会に招待される朝倉。
   絵里子と交際をしながら、京子との関係を続ける朝倉。ある日、鈴本の子分達が現れ、鈴本が話をしたいと言っていると告げる。鈴本は、甥を殺した東亜油脂を必ず自分の手中に収めると言う。朝倉の持っている株を時価の3倍、24億で買いたいと言う鈴本。ドルの高額紙幣で用意できるかと尋ねる朝倉。朝倉の家に、京子が訪ねてくる。小泉の情報を手に入れるために、利用されていると知っていたが、小泉の話に出てくる朝倉と言う男があなただと確信していた。絵里子と付き合っているが、朝倉を失いたくないという京子は、完全にヘロイン中毒患者になっていた。朝倉は小泉に、自分が持っているヘロインを買わないかと持ちかける。危険な思いをして街のチンピラから手に入れることから解放される喜びで、小泉は1億以上の金をドル紙幣で購入することを承諾する。手に入れたヘロインの瓶を持ち、京子に見せびらかす小泉。
   猿島で、京子と会い、本当は海外に一緒に逃げようと思っている朝倉。しかし、京子は、この日が二人の別れだと思っている。朝倉の腹を深く刺す京子。京子は事切れている。京子の遺体を愛おしそうに抱き上げ、誰にも見つからない深い穴に投げる。京子の分の航空券を破り捨てる。空港のロビーを倒れながら歩いて行く朝倉。スカンジナビア航空の飛行機が離陸する。客席にいる朝倉に声を掛ける外国人スチュワーデス。日本人の搭乗員(中島ゆたか)に代わる。ワインをくれ、自分の友人のナポレオンが好んでいたシャンベルタンの2001年をくれ、ジュピターに着くのは何時だ。木星にいつ着くんだ。と呟く朝倉。朝倉の顔は奇妙な笑みを浮かべ、既に事切れているかのようだ。
   久しぶりに見た。やっぱり、角川春樹、村川透、松田優作の鉄板トリオ(笑)すごい。当時はかっこいいで終わっていたけれど、今は、無茶苦茶なところを楽しめる。風吹ジュン切ないなあ。スキャンダルにまみれて、女優として一皮剥けた時期だったんだろうか。
    

     78年東映セントラルフィルム長谷部安春監督『皮ジャン反抗族(111)』
     花屋の店先で、白い薔薇を一本手に取る皮ジャン姿の男(舘ひろし)。薔薇を大事そうにバイクに乗り、スーパーの紀ノ国屋に行き、レジに並ぶ。レジの店員(森下愛子)の胸に一本の薔薇を差し、レモンを一個買って出て行く男。
    ディスコ、カンタベリーハウス、DJ青山一郎(林ゆたか)のトークは今晩もノリノリだ。このディスコのマドンナのメグ(夏樹陽子)の親衛隊踊っていると、ペギー(山科ゆり)や、ソバカス(恵千比絽)スケバン(あきじゅん)葉っぱ(広京子)キーコ(八城夏子)たちスケ番グループが現れ、キーコをやり逃げした復讐だと、ペギーの二枚剃刀で頬を切る。そこに、皮ジャンの男、新治が現れ、喧嘩を仲裁する。新治が帰ろうとするとペギー達が恥を搔かせてくれたと待ち伏せしており、男の不良たちを呼んでいた。リーダーの男(内田裕也)の指示で、ナイフを手にした内田(片桐竜次)や他の男たちが襲いかかる。内田を除く連中を叩きのめし、内田と対マンになったところで、人がくる気配があり、信治を残して不良やスケ番たちは消える。やってきたのは、メグと、メグの親衛隊のリーダー格の正一(加藤大樹)だ。メグは、信治が気になり、正一に車で送らせるだけだ。
    信治は昼間、自動車整備工場で働いている。工場の社長は先日亡くなり、未亡人の文代(白川和子)は、神崎主任(古川哲唱)を頼りにしており男女の関係になってしまっている。15歳の息子の修(秋山敏和)は、高校受験だが、そんな家庭の雰囲気に気持ちがすさんでおり、信治とバイクに関心を持っている。  to be continued.

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