77年日活神代辰巳監督『
やっと解放され出社するも、
竜二と朱美、
アパートに久美子がやってくる。お金を払うので、俊夫を返してという久美子に、爆笑する朱美。
久美子と朱美がつかみ合いの喧嘩をしていると、俊夫が戻ってきた。女装し、更に豊胸手術までしている恋人の姿に愕然とする久美子。父親に二度と戻らないと伝えろと言って、俊夫は買ってきたケーキを、久美子の顔に押し付ける。ケーキをぶつけ合う三人。
彫物の入った痩せぎすの男を、引っかけたときに、刑事に踏み込まれる。刑事と揉み合ううちに、客を脅すために持っていたナイフで刺してしまう竜二。あわてて、家に戻って、朱美に逃げると言う。私も連れて行ってという俊夫に、お前なんか連れていたら目立ってしょうがないので駄目だという竜二。待たせてあった車に乗り込む竜二と朱美。車の後ろに必死にしがみつく俊夫。振り落とす竜二たち。道に転がり落ちる俊夫。崩れた化粧を隠しながら、艶然と微笑む俊夫。
77年日活曾根中生監督『新宿乱れ街いくまで待って(377)』
女優志望の山口ミミ(山口美也子)は、
海を見に行くと書置きを残して、ミミが出かけた。男と行ったんだろうと酔いつぶれる沢井は、ママの揺子を家に連れ込んで寝てしまう。翌朝、ミミは帰っきて、事情を察し、別れるために戻ってきたと言って、沢井の荷物を外に出す。揺子は、ミミに消毒液の臭いがしたので、たぶん中絶してきたのだろうと、沢井に告げる。
ミミは、三浦監督の新作「性少女マコ」での主演デビュー記者会見に出席している。記者たちの取材を受けるミミ。揺子の店で、お別れパーティをやっている。祭りのような盛り上がりだ。ミミは、見納めだと言って裸になる。店を出た沢井の足を、待ち伏せしていた二矢が刺す。おんなのためにそこまでやるのかと沢井は問いかけるが、二矢は答えずに去る。痛てえなあと言いながら立ち上がる沢井。
懐かしいなあ。どっちも、シナリオ持ってたくらいだからなあ。当時、何度も見たので、ほとんどセリフまで覚えている。こういうシナリオ書きたくても、ガキ過ぎて全く駄目だったこととか、走馬灯のように思い出される。
山口美也子さんもよかった。それまでの日活ロマンポルノの女優さんは、白川和子さんや宮下順子さんたちのようなピンク映画から叩き上げた女優さんか、平凡パンチのグラビアとかから出てきたような色っぽいセクシー女優や、どこかに転がっていたのを誰かが拾ってきたような不良少女が多かったし、所詮ポルノ映画、裸になって、客を興奮させればいいので、たたき上げで現場を沢山通ったピンク映画出身の女優さん以外、芝居は二の次、三の次、アフレコなのでセリフは本当に棒読みだったが、山口美也子さんは違った。この映画のミミさながら、自分たちの近くから出てきて、ポルノのための裸というよりは、映画のための裸になっている気がしたものだった。
とはいえ、ゴールデン街は、当時金もない18位の自分には、誰か先輩やOBに連れて行ってもらう時しか味わえない大人の街だった。それも、小さくなって飲んでいると喧嘩が起きて更に小さくなれ小さくなれと心の底で祈ったり、歩いていると客引きのオカマのお姉さんにからかわれて厳しかった思い出ばかりだ。しかし、この映画に出てくるブラックシープというディスコは、フィリピンの生バンが入っていて、ここはお馴染だと嬉しかった思い出も。
観客若い人多いな。女性の姿もかなり。日本映画底辺の時代、東映と日活の映画には、なにか殺伐として荒涼としながら変な熱気のようなものがあった。
場内BGMは当時のサントラを流しているので、
そういえば、昔は場末の映画館は禁煙じゃなかった。どうして大丈夫だったんだろうか(苦笑)。
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