2010年4月30日金曜日

司葉子。煙草を吸う姿がかっこいい。まあ、美人は何をやってもいい(苦笑)

  角川シネマ新宿で、大雷蔵祭アンコール

  63年大映京都池広一夫監督『影を斬る(82)』

  伊達藩六二万石の居城青葉城、藩主伊達陸奥守の下、国許だけで三万五千人にものぼる藩士がいる。太鼓が鳴らされ、もの凄い数の藩士たちが登城する。お目見え以上のものたちが大広間に集められ、藩主伊達忠宗(成田純一郎)のもと朝礼が行われる。みなで正宗公の歌を詠唱する。眠そうな藩士たちの中に、お天守奉行の井伊直人[いいなおんど](市川雷蔵)の姿がある。あくびを噛殺し、居眠りをする者さえいる。城代家老の伊達将監(稲葉義男)は、そんな藩士たちに「近頃の若い者はなっとらん」と腹を立てている。
   勘定方など終日忙しい部署もあるが、御長柄方などは、天下泰平が続き戦のない時代には、槍の保管をしているだけで、暇を持て余して、城内の噂話か、居眠りをしている。見回りに来た家老の姿に、御長柄奉行の小野伊織(松本錦四郎)たちは、慌てて座り直す。
   戦がなければ無用の長物の天守閣、お天守方も同じ閑職だ。直人の父、井伊勘解由[かげゆ]と友人であった伊達将監は、仙台一の軟派だと噂される直人のことを憂いている。今日は、天守閣の見回りをしていると天守方で聞き、喜んで視察におもむく。しかし、直人は大鼾で昼寝をしている。激怒する将監に、「天守閣は、来る戦の折には、藩主が鎮座なさる場所、お休みになる際には、憂いなくお眠りあそばすことが出来るか、調べていたところだ」と屁理屈をこねる。呆れる将監は「夜遊びばかりしているからだ。嫁を取ったらどうだ」と言う。「ご城代さまの姫を嫁に下さいませんか」と先手をうつ。「伊達小町とも、仙台小町とも呼ばれる娘をお主にやれるか」と言う将監。本音としては、将監の娘が仙台小町のわけがないとタカをくくっていたのだ。
   怒って将監が去ると、隠れていた忠宗が出て来た。いつも、二人で昼寝をしているのだ。天守閣から忠宗は、将軍の娘を嫁に取ったことで、自分の屋敷と嫁の屋敷を作ったことを自嘲する。将軍の娘と将監の娘、"しょうぐん"と"しょうげん"一字違いなだけで、同じようなもの、苦労するぞと忠告する。女扱いに自信のある直人は、本気にしない。
   下城の太鼓が鳴る。帰ろうとする直人に伊織が一杯飲んで帰ろうと言う。満員の一膳飯屋で酒を飲み、城代家老の娘の話をする二人。店の酌婦お吉(井上明子)は、直人に惚れている。直人が帰宅する。井伊家の屋敷は、構えこそ大きいが、ボロボロでお化け屋敷のようだ。   
   何もない屋敷の中には、たった一人残った用人の笠原左内(藤原釜足)が、道場に立会いの申し込みが来ていると言う。井伊家は、代々藩の剣術指南役を務めているのだ。浪人者、川上平馬(大辻伺郎)と立会いながら、小声で「左内からいくら貰った?」「一両でござる」「一両なら小手か」木刀で小手をとる直人。門人向けに、道場主の直人の力を見せるために、左内は、八百長を仕組んでいるのだ。
    屋敷に戻り、左内に「浪人者に一両やるのであれば、今晩私に貸してくれないか」と頼むが「先代の時には30人はいた家人が私一人になりましたが、58両2分お貸ししているので、辞められません」と断られる。そこに忠宗がお忍びでやってくる。着替えて、櫓下の岡場所に繰り出すのだ。「殿に出していただけば、いいじゃないですか」という左内に「殿は、一両たりとも、家老に頼まないと自由にならないのだ」と言う。困った直人は「家老の娘との縁談があるのだ」と打ち明け、お祝いだと二両を貰う。
   櫓下で飲みながら、忠宗は「こんな楽しい夜は、近々、御前が国帰りするので出来ないのだ」と嘆く。この飲み屋のお広(真城千都世)は、飲み代の全てを貢いでくれているのだ。



  「本日の午の刻の太鼓は取り止めじゃ」かくて、この青葉城では正午の太鼓は廃止されたとのことである。

定(瑳峨三智子→美智子)君竜(瑳峨三智子)和子(坪内ミキ子)戸田帯刀(小林勝彦)
お文(高森チズ子)〆香(毛利郁子)村上軍十郎(千葉敏郎)伊逢安房(荒木忍)多田頼母(山路義人)

   さすが、小國英雄の脚本。渋いタイトルながら実はコメディ。

   シネマヴェーラ渋谷で、映画作家・鈴木英夫のすべて

   62年東宝鈴木英夫監督『その場所に女ありて(83)』
   
   数寄屋橋交差点だろうか、通勤する勤め人の中に、西銀広告のBG矢田律子(司葉子)の姿がある。第2営業部のセールスウーマンだ。

   55年東宝算正典・鈴木英夫・成瀬巳喜男監督『くちづけ(84)』

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