2010年4月26日月曜日

欠けている精神と肉体。

赤坂のメンタルクリニックから大手町で糖尿病の経過観察。

  渋谷ユーロスペースで、安藤モモ子監督『カケラ(79)』
  
  穴から親指が覗いた靴下、ベッドに了太(永岡佑)と北川ハル(満島ひかり)が並んでいる。口を開けて眠っている男の顔を幸せそうに眺めるハル。くっつこうとするが、男は寝返りをうち、背を向ける。窓の外のベランダで鳩が啼いている。男は起きだし、木製のゴム鉄砲を手に取り、窓を開け、撃ち始める。無表情な男の顔。古い団地。
  朝ご飯を食べている二人。わしわしとサラダを食べる男の顔を見ながら、焦げたトーストを食べるハルの表情は浮かない。駅に向かう二人。「今日は、あいつが来る日なんだ。だから明日また電話するよ」と男が言って、先を歩いて行く。後ろ姿に手を振るハル。しかし男は一度も振り返らない。大塚駅前、立ち食い蕎麦屋に入り、延びたそばをまずそうにすするハル。
  早稲田のキャンパス、ハルに同級生の女が1時限は休講だよと言う。
  カフェで、ホットココアを飲むハル。鼻の下にココアの白い泡をつけ、間抜けにもの思うと、近くの席の女(中村映里子)が、声を出さずに「ココア?おいしい?」。ハルの席に移って来て「私、坂田リコ。一緒に座っていい?」と自己紹介をし、「ココアの髭が出来てるよ」と言って拭く。店員を呼び「アイスココア、氷無しで。それとチーズケーキ下さい。出来れば、出来るだけ大きく切って下さい」店員が持ってきたケーキを見て「あー、本当に大きい」てきぱき、はきはきと話すリコとボーッとした表情のハルは対照だ。「いつも、こういうことをするんですか?」「女の子に声を掛けたこと?友達になりたいから声を掛けたんだよ。近くの田中ブレイズというところで働いているんだ」コースターにハルの似顔絵と、気が向いたら電話をしてねと携帯の番号を書いて渡すリコ。

 

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